有価証券報告書-第132期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 14:36
【資料】
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【項目】
131項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「独自の商品を創造し、社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、合板機械メーカー、木材加工機械メーカー及び住宅建材メーカーとして、木材加工の新技術の創造を基本方針としております。
当社グループの処理対象材料である木材は、環境問題(大気の浄化・国土の保全)に貢献しながら生育し、機能性と環境調和性を備え、且つ再生可能な人間に優しい地上資源です。長年人類と密接に関わってきたこの木材資源を有効活用できるよう日夜努力をし、世界にオンリーワンの機械を提供できるような技術の開発を最重点課題としております。
(2)経営戦略等
中長期的な経営戦略及び対処すべき課題としては、合板機械事業、木工機械事業、住宅建材事業の三本柱を主たる事業と考え、各事業における顧客の視点に立ち、市場ニーズに対応した新技術、新製品の開発に取り組み、積極的な営業活動を展開し、業績の向上及び経営基盤の確保に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当面の目標とする経営指標といたしましては、本来の収益性を示す売上高営業利益率として、10%以上を安定的に計上できることを目指しております。
(4)経営環境・当社グループの現状と課題について
①合板機械事業
限られた貴重な地上資源である木材の有効利用が地球規模で重要な課題となってきております。東南アジアでは再生可能な植林木を合板適用材へと、急速な樹種転換が進んでおります。国内においては針葉樹の有効利用がここ数年で急激に進み、特に唐松、杉、檜の使用量は増加の一途です。こうした現状のなか合板業界に対して、どんな樹種でも無駄なく利用できること、省人化等の効率化に加え、近年では環境にも配慮した取り組みが求められており、省エネや省人化、環境に優しい機械を提供するなど市場ニーズに対応した新技術、新製品の開発が課題となっております。また、海外展開においては、ナイフ研磨機を足掛かりとして積極的な営業活動を継続してきた成果が出始めており、ドライヤー、ホットプレスなど当社主力製品の受注に繋がっております。信頼される機械を納品し継続的に受注を獲得できる営業体制の強化が課題となります。更には、熟練技術者の定年退職に伴う技術力の継承も課題となる中、蓄積された経験や技術を継承・発展させ、世界にオンリーワンの機械を提供できるような開発を最重点課題としております。
②木工機械事業
木質バイオマス発電(熱供給用含む)の利用拡大に伴い、チッパーに関しては堅調に推移しておりますが、フィンガーライン、スキャナーラインにつきましては設備投資に対する慎重姿勢や、海外メーカとの競合も激しく、受注が伸び悩んでいる状況です。一方、人手不足に伴う省人化や効率化に繋がる設備投資には積極姿勢も見受けられます。市場ニーズに応えられる機械を早期に商品化する事が課題となっております。
③住宅建材事業
阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓から、より耐震性に優れた木造住宅を提供することを重要な使命と考えております。住宅着工戸数の減少に伴う受注競争の激化により価格競争に陥りがちな業界内において、耐震性に優れた建築工法であるツーバイフォー建築部材を拡販するために、更なる生産性の向上によるコストダウン、他社との差別化を図る付加価値の創造と品質の向上を課題としております。
(5)対処方針
合板機械事業におきましては、木材資源の有効利用、省人化・自動化、環境配慮など、お客様の多様なニーズに応えるため、「独自の商品を創造し、社会に貢献する」の経営理念のもと、テーマ別の勉強会を開催し知識の共有及び技術力の向上に取り組んでおります。また、開発推進部門を中心に外部企業のアイデアも取り入れ、生産性と環境に配慮したシステム開発を更に推し進め、オンリーワンの開発機械を業界のナンバーワン機械に押し上げ、顧客満足度と業績の向上に努めてまいります。
また、海外展開においては海外の展示会等に積極的に出展するなどPR活動を強化するとともに、営業部門を増強するなど組織力強化にも取り組んでまいります。
木工機械事業におきましては、既存機械については更なる機能向上を目指し開発・改良を継続し付加価値を高めるとともに、原価低減を図り競合先との価格競争力を高めてまいります。
開発中の機械につきましては、開発スピードを上げ、商品化することを最優先に取り組んでまいります。
住宅建材事業におきましては、ツーバイフォー工法において不動の地位を築くべく他社に先駆けてツーバイフォー工法におけるフルパネル化システムを推し進めており、ツーバイフォー協会で優秀賞を受賞するなどフルパネル化の発展、販売力強化を着実に進めております。また、住宅着工戸数が伸び悩む中、1案件ごとの利益を最大化できるよう、営業・製造部門が一丸となり適正価格での受注及びコスト削減と品質の向上に取り組み、収益を安定して確保できる体制を確立し業績の向上に努めてまいります。