有価証券報告書-第75期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 11:09
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

対処すべき課題

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「確かな物づくりを通して、社会に貢献し、企業のたゆみない発展をめざす。」という経営理念のもと、次の経営方針を掲げております。
・ 顧客によい製品をより安くより早く提供できるよう努力する。
・ 地域社会と共存し、自然環境を大切にする。
・ 正しい倫理観を持ち、誠実と公正に徹する。
・ 明るい活気のある会社づくりに努める。
この方針に基づき、価格・品質・納期・安全のすべてにおいて最高水準を確保した製品を生産・供給し社会の繁栄、発展に寄与することが、当社の使命であると考えております。
この使命を果たすため、メーカーとして市場の声に基づいた技術開発が不可欠であるとの認識のもと、研究開発体制の強化に努め、顧客の最新のニーズを常に収集し、新技術・新製品の開発に積極的に取り組んでおります。
(2) 経営戦略等
[精密加工事業部]
①精密金属加工品
価値作業比率・稼働率・品質の向上、生産管理機能・マネジメント力・固有技術・潜在技術等の強化を目的とした「Do Now!改革活動」を進めております。この活動により従来の各部署が担う役割のテリトリーを超えて、新規製品の受注獲得へ注力するとともに、適正在庫を目指す在庫管理体制の強化に取り組んでおります。
また、企業成長に欠かせない社員教育におきましても、特にマネジメント層の強化を図るため、「あるべき姿」を描き自律的な改善推進等に取り組んでおります。
市場開拓におきましては、国内外のネットワーク活用による市場アプローチの強化を行い、EVを始めとした自動車部品の新製品等の獲得に取り組むとともに、加工領域の拡大による取扱製品の拡充、技術開発力強化による高付加価値製品の提供を目指してまいります。
また、マーケティングチームによる市場調査・分析を徹底し、効率的・効果的な製品開発及び営業活動を行ってまいります。
②小口径銃弾
顧客からの高度な要求水準に応えるために、常に基礎技術の蓄積に努め、更なる高性能及び高品質な銃弾製造に取り組むとともに、安全保障環境の変化に柔軟に対応する生産体制の確立に取り組みます。
また、引き続き製造に携わる全従業員の教育を徹底してまいります。
[機械事業部]
①プレス機械
マーケティングチームによる市場・顧客動向について多角的な情報収集を行うことによりマーケティング活動の高度化に努め、市場・顧客ニーズに合わせた効率化・高速化・小型化等のプレス機械の開発及び販売に取り組むとともに、受注に応じた工場増設や生産体制の見直しを行っております。
また、海外展開につきましては、海外駐在員事務所(ドイツ)を中心に、欧州市場への販売網強化並びに今後市場の拡大が見込まれる北米市場の開拓に取り組んでおります。
②ばね機械
IoT、AIを活用した高機能・高品質な製品開発に取り組んでおります。
また、海外市場につきましては、海外駐在員事務所(ドイツ)を中心に欧州市場の開拓を行うとともに、アライアンス先企業との連携による製品常設展示場の設置及び海外展示会の活用による北米市場の開拓に取り組んでおります。
③自動機・専用機
顧客との信頼関係の維持・向上に努めながら、市場動向を見据えた付加価値の高い製品開発・販売に取り組んでまいります。
また、自動機・専用機の機能を活用したプレス機械・ばね機械の生産ラインのシステム販売へ取り組んでまいります。
(3) 経営環境
今後のわが国経済は、国内金利の上昇、中国経済の先行き、ウクライナ情勢や中東地域の動向、物価の上昇等懸念材料が少なくなく、引き続き先行き不透明な状況が続くものと思われます。
このような情勢のもと、当社は、経営基盤を強化し、市場環境の変化を踏まえた事業活動の展開、当社総合力の発揮及び新事業の開拓を推進して、将来の成長に向け鋭意努力してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
[精密加工事業部]
①精密金属加工品
従来の市場に留まらず、今後の成長が見込まれる市場への新製品の開発及び販路開拓を目指しつつ、労働生産性の追求による効率的な生産体制の向上等に取り組んでまいります。
②小口径銃弾
小口径銃弾生産に求められる高性能及び高品質の追求、並びにその生産過程における安全な生産体制の徹底に取り組んでまいります。
[機械事業部]
①プレス機械
自動車業界向けを中心とした電池缶の市場動向の把握と予測を行いつつ、製品主流に沿ったプレス機械の開発、生産設備及び体制の確保を行い、海外市場の開拓に取り組んでまいります。
②ばね機械
多種多様な顧客ニーズに応えるために、製品ラインナップの強化と海外販路の拡大に取り組んでまいります。
③自動機・専用機
自動車業界を中心とする市場動向の変化に対応した製品開発・販売に取り組んでまいります。
[財務上の課題]
様々な事業上の課題を解決するための事業資金を確保するとともに、財務基盤の安定性を維持すべく、手元資金の安定確保を図ってまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は2023年度を初年度とする「2026中期経営計画」を新たに策定し、収益力の向上と経営基盤の強化を通じて、将来の成長に向けた基盤を確立すべく取り組んでおります。具体的な目標数値としては、2026年度売上高165億円、営業利益6億5千万円、営業利益率3.9%としております。当事業年度の経営成績につきましては、売上高131億4千3百万円、営業損失4千4百万円となりました。