有価証券報告書-第101期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
(1)経営方針
当社は、社是「日新」(Hini Arata)のもと、日々創意を凝らし、企業価値向上に努めています。さらに、中期経営計画をベースとした持続的成長路線を歩むことで、世界一、二を争うマテリアルハンドリングメーカー、システムインテグレーターに成長いたしました。平成29年(2017年)3月期は、3年連続で売上高世界一の座を維持しました(米国Modern Materials Handling誌2017年5月9日ウェブサイト記事)。
今後は最大の市場である一般製造業・流通業向けや成長性の高い空港向け売上をさらに伸ばすとともに、お客さまからの信頼を一層高める質の高い実績を積み重ねて、「真の世界No. 1 マテハングローバル企業」を目指します。
2017年3月期を最終年度とする4カ年中期経営計画「Value Innovation 2017」では、経営目標をほぼ達成することができました。円高による売上高の目減りはあったものの、収益面で当初の目標であった営業利益率7%を超えることができたのは大きな成果です。
引き続き、2017年4月からスタートした4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」(以下、中計)は、2021年3月期までの4年間だけでなく、10年先のあるべき姿を論議して、さらなる成長をにらんでの中間点としての目標を定めました。
経営理念は、以下のとおり「Value Innovation 2017」を踏襲しました。
①最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する。
②自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する。
2021年3月期の目標は以下のとおりです。( )内は平成29年3月期実績。
・連結売上高 4,200億円 (3,208億円)
・営業利益率 8% ( 7.2%)
・ROE(自己資本当期純利益率) 10%以上 (12.6% )
・海外売上高比率 70% ( 65%)
当社グループは、平成29年3月期に売上高、総資産、時価総額いずれも3,000億円を超えました。また、平成28年にはJPX400入りを果たしました。企業としてのステージが上がったという自覚のもと、社債の格付向上(現在はAマイナス)などで、さらに上の段階を目指します。
ROE(自己資本当期純利益率)は、主に純利益増加により10%以上の安定維持を目指します。株主還元は、連結配当性向30%という方針のもと、株主さまに配当増で報いるほか、さらなる成長投資や時機に即したM&Aによって企業価値向上を図ります。生産キャパシティは中計売上高目標4,200億円をにらむだけではなく、さらに中長期的な視点で増強していきます。グローバル人材育成にも積極投資を行います。
(2)中期経営計画の課題
当社グループが手掛けるロジスティクスシステムは、「B to C」ならぬ「C to B」、つまり消費者のニーズに合わせた商品を企業がネット通販などで提供する流通革命で欠かすことができない社会インフラになっています。
また、IoT(モノのインターネット)をはじめとするデジタル革命へいかに適応するかが、ビジネスの成否を分けています。中計では、社会的重責を担うという自覚のもと、お客さまに最適・最良のソリューションを提供することで、健全かつ持続的に成長してまいります。
また、当社グループの海外売上高比率は既に65%に達し、70%という中計目標に大きく近づいています。海外子会社の重要性がますます高まるなか、海外子会社の現地密着経営を推進するローカル化、グループ全体としてのシナジーやブランド力を高めるグローバル化、言い換えれば遠心力と求心力のバランスが取れたグループ・ガバナンスが重要になっています。遠心力の面では、海外子会社は自立した立場でそれぞれの地域に根付いた営業・生産・工事・サービス活動を進めます。求心力では、特にM&Aによりグループ入りした海外子会社を含めたダイフクブランドの構築、一体感の醸成に努めます。
(3)対処すべき課題
1)お客さまが求めるスマート・ロジスティクスの提供
消費者と物流がダイレクトにつながるようになり、お客さまの物流に対する要求レベルが飛躍的に高まっています。配送頻度・個数の急増、リードタイムの短縮が進み、物流センターがさらに大規模化・高速化・高精度化・複雑化する傾向にあり、あらゆる面において自動化ニーズが高まっています。今までより一層速く正確であるだけでなく、止まらない、止まってもすぐに復旧する物流システムが求められています。
当社グループは、IoT、ICT(情報通信技術)、AI(人工知能)などの技術の活用により、開発スピードを加速し、バーチャルな検証により納入品質を向上させ、お客さまの求める「スマート・ロジスティクス」を提供していきます。モノを作らなくても開発・検証が可能となり、現場にいなくても状況が把握でき、蓄積されたデータからの予知・予防も行えます。開発から保全まであらゆるプロセスにおいて、品質向上・時間短縮が可能となります。物流の「見える化・最適化」を実現し、お客さまが求める価値と競争優位を実現するソリューションを提供します。開発から保全まであらゆるプロセスにおける品質向上・時間短縮に取り組み、物流コストの削減、物流時間の短縮、物流品質・環境の向上を実現します。
2)空港向けシステムを第4のコア事業として確立
空港向けシステムは、世界の航空旅客が2035年に年間70億人(2015年の2倍)に達すると予測されていることを背景に、今後ますますの成長が見込めます。手荷物だけでなく旅客も含めたソフトウエア領域を強化するとともに、米・欧・ニュージーランドの現地法人の連携を強化して事業規模を拡大します。一般製造業・流通業向け、半導体・液晶工場向け、自動車生産ライン向けという3つのコア事業に次ぐ収益の柱を確立します。
3)新規事業、新ビジネスモデルの立ち上げ
プラント・ビジネスだけでなく、デバイス・ビジネスの立ち上げに注力していきます。半導体・液晶工場のクリーンルーム内搬送システムのノウハウを基にした非接触充電システム「D-PAD」(ディー・パッド)など、新しい芽は出ており、外部リソースも活用して、さらなる果実を生むべくチャレンジを続けていきます。また、隣接する領域や工程への拡大も図っていきます。
4)社会とお客さまの要請にスピーディに応える
当社グループが担うマテリアルハンドリングシステムは、社会と経済のインフラストラクチャーとしてますます重要性を増しています。それとともに、“社会から見られるダイフク、お客さまから見たダイフク”を常に意識する必要が高まってきました。業績のみならず、ESG(環境、社会、ガバナンス)やCSR(企業の社会的責任)という視点での評価・要望に応える必要があります。
コーポレート・ガバナンスでは、PDCAサイクルを回し、実効性を継続的に高めていくことを重視しています。平成29年3月期は、まず、その根幹とも言うべき取締役会規定などを改定しました。
社会性の面では、「働き方改革委員会」を平成29年4月に設置し、長時間労働の是正といった具体的な課題に取り組み、社員がより働きやすい環境を整備するとともに、個々の生き方を一層大切にする企業風土を作っていきます。また、「CSR調達基準」を設け、コンプライアンスや人権などに一層配慮したサプライチェーンを構築、運営していきます。
環境面では、喫緊の対策が求められている気候変動に対する法規制(二酸化炭素排出量削減)の遵守、情報開示、顧客への省エネルギー製品の提供に取り組んでまいります。
当社グループは、平成29年5月20日に創立80周年を迎えます。この間、さまざまな業種のお客さまの多様な要望に一つ一つ丁寧に対応し、培ってきた信頼が現在のダイフクをつくり上げてきました。当社グループの実績・経験・知見、さらに企業文化への期待は日増しに高まっていますが、スピードという要素も加えることが強く求められています。ダイフク独自のDNAを発展させて、さらなる持続的成長を目指します。
当社の財務および事業の方針の決定を支配するものの在り方に関する基本方針は、以下の通りであります。
(1) 株式会社の支配に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者については、その者が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるか否かという観点から、検討されるべきであると考えております。
当社が企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、
①中長期的視点に立った経営戦略を基に、社会的責任を全うしていくこと
②中長期的な事業成長のため、財務体質の健全化を背景とした機動的・積極的な設備投資及び研究開発投資を行っていくこと
③生産現場や工事現場においては、行政機関・周辺住民等の関係当事者との信頼関係を維持していくこと
④当社グループのコア事業間の有機的なシナジーによる総合力を最大限発揮していくこと
等に重点を置いた経営の遂行が必要不可欠であり、これらが当社の株式の買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
上記に加え、内部統制体制の強化、具体的には、グローバルに事業を展開するためのリスク管理、財務諸表の信頼性確保に対する組織的かつ継続的な取り組みが、企業存続のためにますます重要になっています。
また、当社グループは、数多くのグループ関連企業から成り立ち、事業分野も幅広い範囲に及んでいます。従って、外部者である買付者からの買付の提案を受けた際に、株主の皆様が、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を短期間のうちに適切に判断することは、必ずしも容易ではないものと思われます。
こうした事情を鑑み、買付者が当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策、以下「本プラン」)に定める手続を遵守しなかった場合、または当該買付が企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付である場合等所定の要件に該当する場合、当社は、このような買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と判断すべきであると考えます。
(2) 基本方針の実現のための取組みの具体的な内容の概要
①基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要
当社は、平成11年3月期から始まる中期経営計画「21世紀初頭のダイフク」を策定以来、中期経営計画をベースとした持続的成長路線を歩むことで、世界一、二を争うマテリアルハンドリングメーカー、システムインテグレーターに成長いたしました。
平成29年3月期の売上高3,400億円、営業利益210億円を主要な経営目標とする4カ年中期経営計画「Value Innovation 2017」は、売上高こそ3,208億円と円高の影響で未達成となったものの、営業利益は230億円で、長年の目標であった営業利益率7%をもクリアすることができました。引き続き、平成29年4月からスタートした4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」では、2021年3月期に売上高4,200億円、営業利益率8%というさらなる成長をにらんだ目標を掲げています。
当社は、この中期経営計画のなかでも、経営理念は踏襲し「最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する」「自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する」としております。国内外の多様な経営資源をベストミックスさせ、シナジーを追及することを重要な経営戦略として、あらゆる業種・業界、国・地域のお客さまに、最適・最良のソリューションを提供し、社会の発展を支える役割を担ってまいります。
また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を最重要課題と位置づけており、剰余金の配当について、株主の皆様への更なる利益還元を視野に入れ、平成17年3月期から連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)をベースとする業績連動による配当政策を取り入れております。資本政策面では、「Value Innovation 2017」期間中に発行した新株予約権付社債がすべて株式転換されて自己資本が一層充実したこともあり、平成29年3月期に売上高、総資産、時価総額いずれも3,000億円を超えました。ROE(自己資本当期純利益率)は、主に過去最高の連結当期純利益により、「Value Innovation 2017」前の5.6%から12.6%に改善いたしました。今後も、ROEは主に純利益増加により10%以上の安定維持を目指します。株主還元は、連結配当性向30%という方針のもと、株主さまに配当増で報いるほか、さらなる成長投資や時機に即したM&Aによって企業価値向上を図ります。
②基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
当社は、平成27年6月26日開催の第99回定時株主総会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を一部改定の上、更新することについて、株主の皆様のご承認をいただきました。
本プランは、a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得
b.当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
に該当する当社株券等の買付けその他の取得もしくはこれに類似する行為またはその提案(以下「買付」)がなされる場合を適用対象とします。そして、a.またはb.に該当する買付がなされたときに、本プランに定められる手続に従い、原則として買付者等による権利行使は認められないとの行使条件および当社が当該買付者等以外の者から当社株券等と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項等が付された新株予約権(以下「本新株予約権」)の無償割当てをすることが検討されることとなります。
a.またはb.に該当する買付を行う買付者は、買付の実行に先立ち、買付内容の検討に必要な情報および本プランに定める手続を遵守する旨の法的拘束力のある誓約文言等を記載した書面(買付者の代表者による署名又は記名捺印のなされたものとし、条件又は留保等は付されてはならないものとします。)及び当該署名又は捺印を行った代表者の資格証明書(以下、これらを併せて「買付説明書」といいます。)を、当社取締役会に対して、当社の定める書式により日本語で提出していただきます。
その後、買付者や当社取締役会から提出された情報・資料等が、当社経営陣から独立した者のみから構成される特別委員会に提供され、特別委員会はこれらの評価、検討を行います。
特別委員会は、買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、または当該買付が企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付である場合等所定の要件に該当し、本新株予約権の無償割当てをすることが相当と認めた場合には、当社取締役会に対して、本新株予約権の無償割当てを実施すべき旨を勧告します。なお、特別委員会は、買付内容について実質的判断が必要な場合、本新株予約権の無償割当ての実施に関して株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付することができるものとします。
当社取締役会は、特別委員会の勧告に従い、本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。但し、特別委員会が勧告に株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合、または、当社取締役会が善管注意義務に照らし適切と判断する場合、当社取締役会は、株主総会の開催が実務上著しく困難な場合を除き、株主総会を招集し、本新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議し、当該株主総会の決議に従うものとします。
本プランの有効期間は、原則として、第99回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとします。
(3) 基本方針の実現のための取組みに関する当社取締役会の判断及びその理由
上記(2)①に記載の中期経営計画等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、上記(2)②に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、下記項目のとおり、株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
・株主総会において株主の皆様のご承認を得た上で更新されたものであること。
・本プランの有効期間が3年間と定められた上、取締役会によりいつでも廃止できるとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること。
・経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値ひいては株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則をすべて充足していること。
・経営陣からの独立性の高い特別委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること。
・特別委員会は当社の費用で第三者専門家を利用することができるとされていること。
・その内容として本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること。
・デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。
本プランの詳細については、平成27年5月14日付で「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」として公表しております。このニュースリリースの全文については当社ホームページ(http://www.daifuku.com/jp/)をご参照ください。
当社は、社是「日新」(Hini Arata)のもと、日々創意を凝らし、企業価値向上に努めています。さらに、中期経営計画をベースとした持続的成長路線を歩むことで、世界一、二を争うマテリアルハンドリングメーカー、システムインテグレーターに成長いたしました。平成29年(2017年)3月期は、3年連続で売上高世界一の座を維持しました(米国Modern Materials Handling誌2017年5月9日ウェブサイト記事)。
今後は最大の市場である一般製造業・流通業向けや成長性の高い空港向け売上をさらに伸ばすとともに、お客さまからの信頼を一層高める質の高い実績を積み重ねて、「真の世界No. 1 マテハングローバル企業」を目指します。
2017年3月期を最終年度とする4カ年中期経営計画「Value Innovation 2017」では、経営目標をほぼ達成することができました。円高による売上高の目減りはあったものの、収益面で当初の目標であった営業利益率7%を超えることができたのは大きな成果です。
引き続き、2017年4月からスタートした4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」(以下、中計)は、2021年3月期までの4年間だけでなく、10年先のあるべき姿を論議して、さらなる成長をにらんでの中間点としての目標を定めました。
経営理念は、以下のとおり「Value Innovation 2017」を踏襲しました。
①最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する。
②自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する。
2021年3月期の目標は以下のとおりです。( )内は平成29年3月期実績。
・連結売上高 4,200億円 (3,208億円)
・営業利益率 8% ( 7.2%)
・ROE(自己資本当期純利益率) 10%以上 (12.6% )
・海外売上高比率 70% ( 65%)
当社グループは、平成29年3月期に売上高、総資産、時価総額いずれも3,000億円を超えました。また、平成28年にはJPX400入りを果たしました。企業としてのステージが上がったという自覚のもと、社債の格付向上(現在はAマイナス)などで、さらに上の段階を目指します。
ROE(自己資本当期純利益率)は、主に純利益増加により10%以上の安定維持を目指します。株主還元は、連結配当性向30%という方針のもと、株主さまに配当増で報いるほか、さらなる成長投資や時機に即したM&Aによって企業価値向上を図ります。生産キャパシティは中計売上高目標4,200億円をにらむだけではなく、さらに中長期的な視点で増強していきます。グローバル人材育成にも積極投資を行います。
(2)中期経営計画の課題
当社グループが手掛けるロジスティクスシステムは、「B to C」ならぬ「C to B」、つまり消費者のニーズに合わせた商品を企業がネット通販などで提供する流通革命で欠かすことができない社会インフラになっています。
また、IoT(モノのインターネット)をはじめとするデジタル革命へいかに適応するかが、ビジネスの成否を分けています。中計では、社会的重責を担うという自覚のもと、お客さまに最適・最良のソリューションを提供することで、健全かつ持続的に成長してまいります。
また、当社グループの海外売上高比率は既に65%に達し、70%という中計目標に大きく近づいています。海外子会社の重要性がますます高まるなか、海外子会社の現地密着経営を推進するローカル化、グループ全体としてのシナジーやブランド力を高めるグローバル化、言い換えれば遠心力と求心力のバランスが取れたグループ・ガバナンスが重要になっています。遠心力の面では、海外子会社は自立した立場でそれぞれの地域に根付いた営業・生産・工事・サービス活動を進めます。求心力では、特にM&Aによりグループ入りした海外子会社を含めたダイフクブランドの構築、一体感の醸成に努めます。
(3)対処すべき課題
1)お客さまが求めるスマート・ロジスティクスの提供
消費者と物流がダイレクトにつながるようになり、お客さまの物流に対する要求レベルが飛躍的に高まっています。配送頻度・個数の急増、リードタイムの短縮が進み、物流センターがさらに大規模化・高速化・高精度化・複雑化する傾向にあり、あらゆる面において自動化ニーズが高まっています。今までより一層速く正確であるだけでなく、止まらない、止まってもすぐに復旧する物流システムが求められています。
当社グループは、IoT、ICT(情報通信技術)、AI(人工知能)などの技術の活用により、開発スピードを加速し、バーチャルな検証により納入品質を向上させ、お客さまの求める「スマート・ロジスティクス」を提供していきます。モノを作らなくても開発・検証が可能となり、現場にいなくても状況が把握でき、蓄積されたデータからの予知・予防も行えます。開発から保全まであらゆるプロセスにおいて、品質向上・時間短縮が可能となります。物流の「見える化・最適化」を実現し、お客さまが求める価値と競争優位を実現するソリューションを提供します。開発から保全まであらゆるプロセスにおける品質向上・時間短縮に取り組み、物流コストの削減、物流時間の短縮、物流品質・環境の向上を実現します。
2)空港向けシステムを第4のコア事業として確立
空港向けシステムは、世界の航空旅客が2035年に年間70億人(2015年の2倍)に達すると予測されていることを背景に、今後ますますの成長が見込めます。手荷物だけでなく旅客も含めたソフトウエア領域を強化するとともに、米・欧・ニュージーランドの現地法人の連携を強化して事業規模を拡大します。一般製造業・流通業向け、半導体・液晶工場向け、自動車生産ライン向けという3つのコア事業に次ぐ収益の柱を確立します。
3)新規事業、新ビジネスモデルの立ち上げ
プラント・ビジネスだけでなく、デバイス・ビジネスの立ち上げに注力していきます。半導体・液晶工場のクリーンルーム内搬送システムのノウハウを基にした非接触充電システム「D-PAD」(ディー・パッド)など、新しい芽は出ており、外部リソースも活用して、さらなる果実を生むべくチャレンジを続けていきます。また、隣接する領域や工程への拡大も図っていきます。
4)社会とお客さまの要請にスピーディに応える
当社グループが担うマテリアルハンドリングシステムは、社会と経済のインフラストラクチャーとしてますます重要性を増しています。それとともに、“社会から見られるダイフク、お客さまから見たダイフク”を常に意識する必要が高まってきました。業績のみならず、ESG(環境、社会、ガバナンス)やCSR(企業の社会的責任)という視点での評価・要望に応える必要があります。
コーポレート・ガバナンスでは、PDCAサイクルを回し、実効性を継続的に高めていくことを重視しています。平成29年3月期は、まず、その根幹とも言うべき取締役会規定などを改定しました。
社会性の面では、「働き方改革委員会」を平成29年4月に設置し、長時間労働の是正といった具体的な課題に取り組み、社員がより働きやすい環境を整備するとともに、個々の生き方を一層大切にする企業風土を作っていきます。また、「CSR調達基準」を設け、コンプライアンスや人権などに一層配慮したサプライチェーンを構築、運営していきます。
環境面では、喫緊の対策が求められている気候変動に対する法規制(二酸化炭素排出量削減)の遵守、情報開示、顧客への省エネルギー製品の提供に取り組んでまいります。
当社グループは、平成29年5月20日に創立80周年を迎えます。この間、さまざまな業種のお客さまの多様な要望に一つ一つ丁寧に対応し、培ってきた信頼が現在のダイフクをつくり上げてきました。当社グループの実績・経験・知見、さらに企業文化への期待は日増しに高まっていますが、スピードという要素も加えることが強く求められています。ダイフク独自のDNAを発展させて、さらなる持続的成長を目指します。
当社の財務および事業の方針の決定を支配するものの在り方に関する基本方針は、以下の通りであります。
(1) 株式会社の支配に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者については、その者が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるか否かという観点から、検討されるべきであると考えております。
当社が企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させていくためには、
①中長期的視点に立った経営戦略を基に、社会的責任を全うしていくこと
②中長期的な事業成長のため、財務体質の健全化を背景とした機動的・積極的な設備投資及び研究開発投資を行っていくこと
③生産現場や工事現場においては、行政機関・周辺住民等の関係当事者との信頼関係を維持していくこと
④当社グループのコア事業間の有機的なシナジーによる総合力を最大限発揮していくこと
等に重点を置いた経営の遂行が必要不可欠であり、これらが当社の株式の買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
上記に加え、内部統制体制の強化、具体的には、グローバルに事業を展開するためのリスク管理、財務諸表の信頼性確保に対する組織的かつ継続的な取り組みが、企業存続のためにますます重要になっています。
また、当社グループは、数多くのグループ関連企業から成り立ち、事業分野も幅広い範囲に及んでいます。従って、外部者である買付者からの買付の提案を受けた際に、株主の皆様が、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、その他当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を短期間のうちに適切に判断することは、必ずしも容易ではないものと思われます。
こうした事情を鑑み、買付者が当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策、以下「本プラン」)に定める手続を遵守しなかった場合、または当該買付が企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付である場合等所定の要件に該当する場合、当社は、このような買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と判断すべきであると考えます。
(2) 基本方針の実現のための取組みの具体的な内容の概要
①基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要
当社は、平成11年3月期から始まる中期経営計画「21世紀初頭のダイフク」を策定以来、中期経営計画をベースとした持続的成長路線を歩むことで、世界一、二を争うマテリアルハンドリングメーカー、システムインテグレーターに成長いたしました。
平成29年3月期の売上高3,400億円、営業利益210億円を主要な経営目標とする4カ年中期経営計画「Value Innovation 2017」は、売上高こそ3,208億円と円高の影響で未達成となったものの、営業利益は230億円で、長年の目標であった営業利益率7%をもクリアすることができました。引き続き、平成29年4月からスタートした4カ年中期経営計画「Value Innovation 2020」では、2021年3月期に売上高4,200億円、営業利益率8%というさらなる成長をにらんだ目標を掲げています。
当社は、この中期経営計画のなかでも、経営理念は踏襲し「最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客さまと社会の発展に貢献する」「自由闊達な明るい企業風土のもと、健全で成長性豊かなグローバル経営に徹する」としております。国内外の多様な経営資源をベストミックスさせ、シナジーを追及することを重要な経営戦略として、あらゆる業種・業界、国・地域のお客さまに、最適・最良のソリューションを提供し、社会の発展を支える役割を担ってまいります。
また、当社は、株主の皆様に対する利益還元を最重要課題と位置づけており、剰余金の配当について、株主の皆様への更なる利益還元を視野に入れ、平成17年3月期から連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)をベースとする業績連動による配当政策を取り入れております。資本政策面では、「Value Innovation 2017」期間中に発行した新株予約権付社債がすべて株式転換されて自己資本が一層充実したこともあり、平成29年3月期に売上高、総資産、時価総額いずれも3,000億円を超えました。ROE(自己資本当期純利益率)は、主に過去最高の連結当期純利益により、「Value Innovation 2017」前の5.6%から12.6%に改善いたしました。今後も、ROEは主に純利益増加により10%以上の安定維持を目指します。株主還元は、連結配当性向30%という方針のもと、株主さまに配当増で報いるほか、さらなる成長投資や時機に即したM&Aによって企業価値向上を図ります。
②基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
当社は、平成27年6月26日開催の第99回定時株主総会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を一部改定の上、更新することについて、株主の皆様のご承認をいただきました。
本プランは、a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得
b.当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
に該当する当社株券等の買付けその他の取得もしくはこれに類似する行為またはその提案(以下「買付」)がなされる場合を適用対象とします。そして、a.またはb.に該当する買付がなされたときに、本プランに定められる手続に従い、原則として買付者等による権利行使は認められないとの行使条件および当社が当該買付者等以外の者から当社株券等と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項等が付された新株予約権(以下「本新株予約権」)の無償割当てをすることが検討されることとなります。
a.またはb.に該当する買付を行う買付者は、買付の実行に先立ち、買付内容の検討に必要な情報および本プランに定める手続を遵守する旨の法的拘束力のある誓約文言等を記載した書面(買付者の代表者による署名又は記名捺印のなされたものとし、条件又は留保等は付されてはならないものとします。)及び当該署名又は捺印を行った代表者の資格証明書(以下、これらを併せて「買付説明書」といいます。)を、当社取締役会に対して、当社の定める書式により日本語で提出していただきます。
その後、買付者や当社取締役会から提出された情報・資料等が、当社経営陣から独立した者のみから構成される特別委員会に提供され、特別委員会はこれらの評価、検討を行います。
特別委員会は、買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、または当該買付が企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付である場合等所定の要件に該当し、本新株予約権の無償割当てをすることが相当と認めた場合には、当社取締役会に対して、本新株予約権の無償割当てを実施すべき旨を勧告します。なお、特別委員会は、買付内容について実質的判断が必要な場合、本新株予約権の無償割当ての実施に関して株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付することができるものとします。
当社取締役会は、特別委員会の勧告に従い、本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。但し、特別委員会が勧告に株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合、または、当社取締役会が善管注意義務に照らし適切と判断する場合、当社取締役会は、株主総会の開催が実務上著しく困難な場合を除き、株主総会を招集し、本新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議し、当該株主総会の決議に従うものとします。
本プランの有効期間は、原則として、第99回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとします。
(3) 基本方針の実現のための取組みに関する当社取締役会の判断及びその理由
上記(2)①に記載の中期経営計画等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、上記(2)②に記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、下記項目のとおり、株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
・株主総会において株主の皆様のご承認を得た上で更新されたものであること。
・本プランの有効期間が3年間と定められた上、取締役会によりいつでも廃止できるとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること。
・経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値ひいては株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則をすべて充足していること。
・経営陣からの独立性の高い特別委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること。
・特別委員会は当社の費用で第三者専門家を利用することができるとされていること。
・その内容として本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること。
・デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではないこと。
本プランの詳細については、平成27年5月14日付で「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」として公表しております。このニュースリリースの全文については当社ホームページ(http://www.daifuku.com/jp/)をご参照ください。