有価証券報告書-第92期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 14:34
【資料】
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【項目】
159項目
当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主、顧客、取引先、債権者、従業員、地域社会等のステークホルダーから信頼と共感を得られる経営を企業活動の基本であると認識し、中長期的な成長の持続を目指して経営基盤の継続的強化、経営の健全性、透明性確保に取り組み、コーポレート・ガバナンスの継続的強化及び内部統制の体制整備・強化を重要課題として掲げ、その実践に努めています。
有価証券報告書提出日現在における当社のコーポレート・ガバナンスの状況は、以下に記載のとおりです。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要及び採用する理由
当社は、2016年6月23日開催の2015年度定時株主総会をもって、従来の監査役会設置会社から、過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置く監査等委員会設置会社に移行しました。これにより、監査等委員である取締役(以下「監査等委員」という)は、取締役会における決議権を持ち、代表取締役の選定や業務執行の意思決定全般(取締役に決定が委任されたものを除く)に関与する体制となりました。
当社は、監査等委員会設置会社の制度を基礎として、社外取締役4名の選任により、客観的かつ中立的立場に
立った経営監視機能の確保に努めています。
<取締役会>取締役会(月例開催)は、監査等委員を含めた取締役10名(議長である代表取締役会長CEO兼CWO大河一司、山東理二、樽谷宏志、風間常則、松永愛一郎、田中伸男、山口博、北本高宏、奈良橋美香、伊藤尚志)で構成されています。取締役会では、経営上の重要事項の決定と業務執行の監督を行っており、社外取締役の客観的かつ中立的視点から、適切な意思決定と経営監督が合理的に行えるようにしています。取締役会への付議事項には、経営計画、重要な組織人事、多額の投融資などがあります。
<経営諮問会議>当社は、業務執行に関する意思決定を迅速に行うため、取締役会の決議に基づき当社の業務執行を統括する代表取締役社長の諮問機関として、執行役員を兼務する代表取締役及び常務執行役員以上の役職者で構成し、定足数をその過半数の出席と定めた経営諮問会議を設置しています。経営諮問会議は、取締役会に付議する事項の事前審議を行う等取締役会決議により定められた業務執行に関する事項を審議し、業務執行統括者である代表取締役社長に答申します。
<監査等委員会>当社は、監査等委員を3名(うち1名は常勤)で構成する監査等委員会を置いており、監査等委員会が取締役の職務執行全般に関する監査を行っています。監査等委員のうち、2名(奈良橋美香、伊藤尚志)は独立役員であり、1名(監査等委員長 北本高宏)は財務会計に関する相当程度の知見を有する監査等委員です。また、監査等委員会監査を支えるために監査等委員を補助する専任職員を置いています。
ロ.内部統制システムの整備の状況
当社は、法令等に従い、業務の適正を確保するための内部統制システムを整備・運用しています。内部統制強化のために内部統制運営委員会を設置し、同委員会が社内の調整・意見集約を行い、期末または必要と判断した時点で、代表取締役社長に対して内部統制に関する改善等の提言を行っています。代表取締役社長は経営諮問会議を経てその提言を検討・承認し、取締役会が内部統制システムについて決定を行います。内部統制システムの整備・運用に関して、取締役会にて決定した内容は次のとおりです。(2020年3月25日改定)
1.法令等遵守体制
(1) 当社は、国内外の法令等を遵守し企業倫理に則った業務遂行を行うことを最優先事項と位置付け、経営理念および千代田グループ行動規範に従って事業活動を行う。加えて、持続的な成長と中長期的な企業価値に資することを目的とし、当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方および基本方針を定めるコーポレートガバナンス・ポリシーを制定し、企業活動の基本とするとともに実践に努める。取締役は自ら率先して範を示し、取締役会は取締役の職務執行の法令等遵守について監督を行う。
(2) 法令等遵守体制の強化を図るために、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)及びコンプライアンス委員会を設置する。また、関連規定およびマニュアルの制定・各種研修の実施・関係情報の提供等を通じて役職員の意識徹底を図るほか、内部通報制度や相談窓口を整備しコンプライアンスの実効性を高める。なお、内部通報においては通報・相談したことを理由とした相談者または通報者に対する不利な取扱いを行わない。
(3) 取締役会は、その意思決定の過程において、法律問題や経営判断手続などについて必要に応じて顧問弁護士等に確認を取り、客観性と透明性を高める。
(4) 内部監査部門は、各部門における法令等の遵守の状況について監査を実施する。
(5) 当社は、反社会的勢力には毅然と対峙し利益供与は行わない。反社会的勢力から不当な要求を受けた場合、警察や顧問弁護士等の外部専門機関とも連携して組織的に対応する。

2.情報保存管理体制
(1) 当社は、取締役の職務の執行に係る情報の取り扱いに関し、文書管理・秘密情報管理に係る社内規定により対象文書・管理責任者・保存期間など基本的事項を定め、適切に保存および管理を行う。
(2) 取締役会や経営諮問会議等の重要な会議については、法令および社内規定に基づいて議事録を作成の上、適切に保存および管理を行う。
3.損失危険管理体制
(1) 当社は、全社的リスク管理に関し、チーフ・リスクマネジメントオフィサー(CRO)が基本方針、社内規定および各種マニュアルに基づき、リスクの類型に応じ、管掌するチーフ・オフィサー、本部長と協働して管理体制を構築する。
(2) 当社事業の中核であるプロジェクト案件の受注・遂行においては、当社の財務規模及び人員数を念頭に置いた受注戦略の下で、案件の萌芽期から完了に至るまで一気通貫したプロジェクトリスク管理を行う恒常部門を設置し、テイクアップ前の段階からのリスク審議、見積方針及びプロポーザル等の各段階における検討を行う。プロジェクト案件の遂行面については、複線的な報告ラインの整備、事業本部の自律したリスクマネジメントの強化と関係部門との連携強化、損益やリスク状況を頻度高く可視化する仕組みの導入等を通じ、遂行支援と内部牽制の両輪にて経営補佐とプロジェクト支援にあたる。
(3) 全社のリスクのうち危機管理を統括する恒常部門を設置し、各部門に配置するリスクマネジャーが実施する活動を一元的に統括する。当該リスク統括部門は、関連情報の提供や注意喚起などにより恒常的な予防・管理活動を行う一方、危機が発生した場合の事務局機能を担い有事の際の対応にあたる。
4.効率性確保体制
(1) 取締役会は、全社的な経営方針や重要な業務執行に関する意思決定を行い、具体的な経営計画を策定し経営目標の達成にあたる。また、業務執行に関する意思決定を迅速に行うため、法令等に抵触しない範囲でその権限の一部を代表取締役社長に委譲し、職務執行の効率性を確保する。
(2) 経営目標の効率的な達成に資するよう、業務分掌および職務権限に係る社内規定に基づき、柔軟な組織編成および職務権限の明確化と委譲を行う。
(3) 全社的な業務効率化を図るため、社内諸規定を体系的に整備するとともにその適正な運用・管理を行い、また情報システムの積極活用による効率的な情報共有・分析を行う。
5.企業集団内部統制体制
(1) 当社グループは、経営理念および千代田グループ行動規範によりグループの全役職員が共有すべき価値観を明確にし、当社とグループ会社双方が緊密な連携を保ちながら業務を行う。
(2) 当社は、当社グループとしての業務の適正並びに効率性を確保するための社内規定を整備すると共に、グループ会社ごとに主管本部を定め、グループ会社の管理・監督にあたる。また、グループ経営に関する企画・立案・統制・指導を行う恒常部門を設置する。
(3) グループ会社は、当社と統一的な考え方に基づき、当社への適時・適切な情報の報告体制および内部通報制度を含め、当社と整合的な内部統制体制を構築する。具体的には、法令等遵守に関してはグループ各社からの委員をメンバーとするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置してグループとしての情報共有を図る。グループ会社のリスク管理・危機管理についても当社の体制に沿った展開を図る。また、グループ会社の内部監査は当社の内部監査部門が行う。
(4) 主要なグループ会社について、当社の監査等委員が各グループ会社の監査役を兼務し必要に応じて適切な調査が行える体制とする。
6.監査等委員会監査の実効性確保体制
(1) 監査等委員会の監査活動の充実を図るため監査等委員会の職務遂行を補助する専任職員を置く。
(2) 当該職員の独立性確保および当該職員への指示の実効性確保のため、監査等委員会補助職員の人事考課は監査等委員会が行い、その異動については監査等委員会の事前の同意を必要とし、当該職員は当社の業務遂行に係る役職を兼務しない。
7.監査等委員会報告体制
(1) 役職員は、監査等委員会の求めに応じて、内部統制に関係する自らの活動について、定期的にまたは重要事項発生の都度、監査等委員会に報告する。当社は、監査等委員会に報告を行った役職員に対して、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。
(2) 代表取締役は、監査等委員会の監査の実効性を確保するため、監査等委員会と定期的に会合を持ち、役職員から監査等委員会への報告状況等について意見交換を行い、また監査等委員会より経営諮問会議等の重要会議への監査等委員の陪席を求められた場合はこれに応じる。
(3) 監査等委員会は、グループ会社からの報告の実効性を確保するため、主要なグループ会社の監査役と定期的に会合を持ち、企業集団の内部統制体制について意見交換および情報共有を行う。
(4) 監査等委員会が、独自の外部専門家を監査等委員の監査のために起用することを求めた場合、当社は、当該監査等委員の職務に明らかに必要でないと証明された場合を除き、その費用を負担する。

8.財務報告の適正性確保体制
(1) 当社は、主要なグループ会社とともに、金融商品取引法で求められる財務報告の適正性を確保するため、業務ルールの文書化等所要の内部統制体制を整備・運用する。新たなリスクが認識された場合や当該体制に不具合や不備が発見された場合には、速やかに改善を図る。
(2) 当社は、日常の業務監査等を通じて各部門における統制活動の実態を把握・検証し、グループ全体に亘る財務報告に係る内部統制機能の実効性を確保するため、独立性の高い内部監査部門を設置する。

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