有価証券報告書-第98期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)戦略
①気候変動に関するシナリオ分析
■プロセス
当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、2019年以来2回目のシナリオ分析を実施しました。本分析において、TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動が当社グループの事業に及ぼす影響について検討しました。温度帯が異なる二つのシナリオを用い、政策や市場動向の変化(移行リスク・機会)および災害等による物理的変化(物理的リスク・機会)に関する分析を実施しています。これらの分析を通じて、リスク・機会の特定および定量・定性的な評価を行い、対応策の検討を進めています。
全社的リスクマネジメントのプロセスから気候変動対応は、経営上の重要のリスクであり、かつ機会とも認識しており、今回実施したシナリオ分析の過程において次項のとおり特定しました。
■前提
イ.時間軸
ロ.定量化に用いるシナリオ(温度帯)
■リスク・機会と時間軸ごとの財務影響度
イ.リスク
表中に記載のシナリオを用いて財務的影響を分析しました。
ロ.機会

■定量的な財務影響度の把握が困難なその他のリスク・機会と対応策
イ.リスク

ロ.機会
②トランジション戦略
Scope1、2の自社の直接・間接排出の削減に取り組みつつ、Scope3にあたるサプライチェーン排出に関しては、下図のとおり、ステークホルダーと協働して削減に努めるとともに、当社の事業そのものを通じて、削減と循環の両輪で脱炭素・循環型社会の実現を目指してきます。
①気候変動に関するシナリオ分析
■プロセス
当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、2019年以来2回目のシナリオ分析を実施しました。本分析において、TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動が当社グループの事業に及ぼす影響について検討しました。温度帯が異なる二つのシナリオを用い、政策や市場動向の変化(移行リスク・機会)および災害等による物理的変化(物理的リスク・機会)に関する分析を実施しています。これらの分析を通じて、リスク・機会の特定および定量・定性的な評価を行い、対応策の検討を進めています。
全社的リスクマネジメントのプロセスから気候変動対応は、経営上の重要のリスクであり、かつ機会とも認識しており、今回実施したシナリオ分析の過程において次項のとおり特定しました。
■前提
イ.時間軸
| 短期 | 2025~2027年 (1~3年) | 経営計画2025の期間にもとづき設定しました。 |
| 中期 | 2028~2035年 (4~11年) | 短期の時間軸の終了年を基準として、IEA World Energy Outlook(WEO) 2025のシナリオ分析対象年にもとづき設定しました。2030年度の中間目標年が短期の終了年と数年しか変わらないため本シナリオ分析でも2035年を対象年にしています。 |
| 長期 | 2036~2050年 (12~26年) | 中期の時間軸の終了年を基準として、ネットゼロの目標年及びIEA WEO 2025シナリオ分析対象年にもとづき設定しました。 |
ロ.定量化に用いるシナリオ(温度帯)
| 低炭素移行 シナリオ | 1.5℃シナリオ (NZE) | IEA 「Net Zero Emissions by 2050(NZE2050)」は、世界が1.5℃目標を達成するために必要なエネルギー移行のバック キャストシナリオで、再生可能エネルギーの急速な拡大、EVの普及、石炭火力の段階的廃止、カーボンプライシングの強化など、大胆かつ具体的な政策・技術転換を前提としており、炭素税や規制強化によるコスト増、再エネ・省エネ市場の成長など、移行リスク及び機会の財務インパクトを分析する際の基準として用いています。 |
| 高 排 出 シナリオ | 4℃シナリオ (RCP8.5/SSP5-8.5) 3℃シナリオ (CPS) 2.5℃シナリオ(STEPS) | 「RCP8.5」IPCCの「高排出・高気温上昇」シナリオ。GHG排出が続き2100年までに世界の平均気温が産業革命前に比べて約4℃上昇し、海面上昇、洪水、熱波、干ばつなど深刻な物理的リスクが世界規模で発生するとしたシナリオです。気候災害による施設被害、操業停止、サプライチェーンの寸断など長期的な物理的影響の定量評価・分析に用いています。 「SSP5-8.5」RCPと将来の社会経済の発展の傾向(SSP)を組み合わせたシナリオで、従来のRCP8.5に相当します。 IEA「CPS(Current Policies Scenario)」現行の政策や規制が維持されることを前提とし、技術進展速度には慎重な見方で、産業革命前に比べて約3℃上昇するとみています。 IEA「STEPS(Stated Policies Scenario)」未採択を含む公表政策が期限なしで維持され、CPSより技術進展が進み、産業革命前に比べて平均気温2.5℃上昇するとみています。 CPS/STEPSともに移行リスク及び機会の財務インパクトを分析する際の基準として用いています。 |
■リスク・機会と時間軸ごとの財務影響度
イ.リスク
表中に記載のシナリオを用いて財務的影響を分析しました。ロ.機会

■定量的な財務影響度の把握が困難なその他のリスク・機会と対応策
イ.リスク

ロ.機会
| 分類 | 機会の内容 | 対応策 |
| 機会 | 脱炭素社会への移行に伴い、金属・先端素材の需要が伸び受注機会が増える。 | ・顧客との関係維持強化、実績の積み重ね |
| 機会 | 自然災害や海面上昇などの影響への対策工事の受注機会が増える。 | ・顧客との関係維持強化、過去実績の広報、実績の積み重ね ・物理リスクに対するコンサルティングサービス |
| 機会 | 気温上昇や氷河・凍土の融解に伴い、未知の感染症が発生する可能性が高まり、ワクチンや医薬品製造が拡大する。 | ・適切な顧客ニーズの把握 |
②トランジション戦略
Scope1、2の自社の直接・間接排出の削減に取り組みつつ、Scope3にあたるサプライチェーン排出に関しては、下図のとおり、ステークホルダーと協働して削減に努めるとともに、当社の事業そのものを通じて、削減と循環の両輪で脱炭素・循環型社会の実現を目指してきます。