有価証券報告書-第90期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 15:30
【資料】
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【項目】
159項目
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(2) 経営成績
当期における世界経済は、ウクライナ情勢の膠着および中東情勢の悪化、各国の通商政策変更に伴う重要物資のサプライチェーンの混乱、さらには物価上昇の影響などにより、先行き不透明な状況が続きましたが、全体では緩やかな持ち直しの動きが継続しました。国内では、製造業の生産活動は、年度前半において米国の関税引き上げの影響が一部にみられたことにより、横ばいとなりましたが、設備投資は、高水準の企業収益を背景に底堅い動きが続きました。海外では、米国経済は減速しながらも底堅く推移し、欧州でも持ち直しの動きが続きました。中国経済は内需を中心に減速感を強めましたが、中国を除くアジア諸国では、回復速度にばらつきがみられたものの、総じて緩やかな回復となりました。
このような中、当社グループは、5ヵ年の中期経営計画 Pioneering Shared Value 2027(PSV-27計画)の3年目である当期において、「人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓く」という基本方針のもと、重点施策を推進しました。
電子産業分野では、半導体製造の売上上位企業であるグローバルアカウントをはじめとするお客様との接点を強化するため、欧米地域で前年同期に獲得した案件の立ち上げに注力し、大型案件に対応可能な基盤を整備するとともに、エンジニアリング力と技術力を駆使して、グローバルにサービス事業の起点となる水処理装置案件の受注獲得を図りました。また、主に米国を中心に精密洗浄事業を展開しているペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.については、将来の成長性や収益性等を総合的に勘案し、同社の価値向上に資するオーナーのもとで、さらなる成長を図ることが最適であるとの判断のもと、2026年5月13日付でAEQUITA GmbH & Co. KGの子会社に譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結しました。当連結会計年度よりIFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従った売却目的保有への資産分類の要件を満たすことから、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の事業を非継続事業に分類するとともに、当連結会計年度の表示形式に合わせ、関連する前連結会計年度の連結財務諸表および注記を一部組み替えて表示しております。
一般産業分野では、各国・地域において多様な事業に取り組むお客様の様々な課題に対し、最適なソリューションを提供するため、従来と比べて節水、GHG排出削減、廃棄物の資源化または資源投入量削減に大きく貢献する製品・サービスであるCSVビジネスの売上拡大を加速させました。拡大にあたっては、展開モデル数の拡充を図るとともに、グループ共通の情報基盤を活用した水平展開などに取り組みました。また、北米市場における当社グループのプレゼンスのさらなる向上を図るため、水処理薬品・装置の製造・販売等を主な事業とするクリタ・アメリカ,Inc.に、RO膜等向けの薬品の製造・販売を主な事業とするアビスタ・テクノロジーズ,Inc.を統合しました。また、社会課題を起点とした新規事業の創出・展開については、PFAS(有機フッ素化合物)の除去・処理事業の強化等に取り組みました。PFASは、環境中での残留性や人体への影響の懸念から、主に欧米や日本において規制が強化されつつあり、PFASの分析、除去および有害物質の無害化までを含めたワンストップソリューションへと進化させる取り組みを開始しております。
以上の結果、当社グループ全体の継続事業の受注高は442,961百万円(前年同期比7.3%増)、売上高は402,889百万円(前年同期比3.6%増)となりました。利益につきましては、事業利益は、57,343百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益は、58,290百万円(前年同期比16.8%増)、税引前利益は、58,160百万円(前年同期比14.7%増)、継続事業と非継続事業を合算した親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業となったペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.ののれんを含む固定資産の減損損失が3,418百万円増加したことから、15,957百万円(前年同期比21.4%減)となりました。
当連結会計年度においては、継続事業ベースでその他の収益2,414百万円、その他の費用1,468百万円を計上しております。その他の収益は、前年同期比で704百万円減少しております。これは主に、当連結会計年度において一部顧客との超純水供給契約(電子市場)解約に伴う清算益785百万円を計上したものの、前年同期に計上した前受金取崩益1,653百万円がなくなったことによるものです。その他の費用は、前年同期比で2,630百万円減少しております。これは、主に、米国子会社クリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.(一般水処理市場)ののれんの減損損失2,501百万円がなくなったことによるものです。
(電子)
当連結会計年度における継続事業ベース(以下同様)の受注高は、208,970百万円(前年同期比7.5%増)となりました。水処理装置は、世界的に半導体製造工場の増強投資が活発となったことを背景とした複数の大型案件の獲得により、高水準であった前年同期を上回る受注計上となったほか、メンテナンスにおいても、国内および韓国を中心にお客様の工場稼働が好調に推移したことを背景に増加しました。
売上高は、171,797百万円(前年同期比1.4%増)となりました。水処理装置は、前年同期に中国で複数の大型案件の売上計上があった反動により減収となりましたが、メンテナンスが好調に推移し、増収となりました。
利益につきましては、メンテナンスの増収効果に加え、水処理装置の採算性が改善したこともあり、事業利益は、27,657百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は、28,712百万円(前年同期比3.2%増)となりました。
(一般水処理)
当連結会計年度の受注高は、233,991百万円(前年同期比7.1%増)となりました。水処理装置は、米国およびシンガポールで増加しました。水処理薬品は、中国と東南アジアにおいて市場環境の弱さがみられましたが、CSVビジネスの拡大により増加しました。これに加えて、土壌浄化が大型案件の獲得により大幅に増加したほか、メンテナンスおよび継続契約型サービスも増加しました。
売上高は、231,091百万円(前年同期比5.4%増)となりました。水処理装置は、主に国内における大型案件の工事進捗により増収となったほか、水処理薬品、メンテナンスおよび継続契約型サービスも増収となりました。
利益につきましては、増収効果に加え、付加価値の高いCSVビジネスの伸長もあり原価率が改善したことから、事業利益は29,700百万円(前年同期比20.1%増)となり、営業利益は、前年同期に計上したクリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.ののれんの減損損失2,501百万円がなくなったことなどにより、29,592百万円(前年同期比34.0%増)となりました。
なお、当連結会計年度における組織見直しにより「一般水処理市場」に属していたアルカデ・エンジニアリングGmbHとクリタ・アメリカ,Inc.(水処理装置事業)の一部を「電子市場」帰属に変更しました。この変更に伴い、前年同期の数値も組み替えて表示しております。
生産、受注および販売の実績(継続事業ベース)は、以下のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
電子市場(百万円)170,16798.8
一般水処理市場(百万円)232,549102.1
合計(百万円)402,717100.7

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
②受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
電子市場208,970107.5131,989141.6
一般水処理市場233,991107.157,587105.1
合計442,961107.3189,577128.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
電子市場(百万円)171,797101.4
一般水処理市場(百万円)231,091105.4
合計(百万円)402,889103.6

(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱千代田組38,3379.8641,30710.25

(3) 財政状態
①資産合計 564,422百万円(前連結会計年度末比15,473百万円増加)
流動資産は248,985百万円となり、前連結会計年度末比28,035百万円増加しました。これは主に営業債権、その他の債権及び契約資産が19,220百万円、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.株式の譲渡契約が締結されたことに伴う振替により発生した売却目的で保有する資産が8,211百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
非流動資産は315,437百万円となり、前連結会計年度末比12,561百万円減少しました。これは主にその他の金融資産が7,943百万円増加したものの、有形固定資産が8,669百万円、使用権資産が1,965百万円、のれんが4,850百万円、繰延税金資産が3,886百万円、それぞれ減少したことによるものであります。有形固定資産、使用権資産、のれんの減少は、主に非継続事業に分類されたペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の減損損失計上によるものです。
②負債合計 220,445百万円(前連結会計年度末比10,001百万円増加)
流動負債は119,066百万円となり、前連結会計年度末比13,501百万円減少しました。これは主に未払法人所得税等が2,838百万円、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.株式の譲渡契約が締結されたことに伴う振替により発生した売却目的で保有する資産に直接関連する負債が10,349百万円、それぞれ増加したものの、営業債務及びその他の債務が10,991百万円、社債及び借入金が18,009百万円それぞれ減少したことによるものであります。社債及び借入金の減少は、短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行等による増加の一方、社債の償還(30,000百万円)を実施したためであります。
非流動負債は101,379百万円となり、前連結会計年度末比23,502百万円増加しました。これは主にリース負債が4,374百万円減少したものの、社債の新規発行(10,000百万円)や新たな長期借入等により社債及び借入金が27,619百万円増加したためであります。
③資本合計 343,977百万円(前連結会計年度末比5,473百万円増加)
これは主に市場買付による取得等により自己株式が14,919百万円増加し、資本合計に対する減少要因となったものの、円安外国通貨高に伴う在外営業活動体の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が15,301百万円、利益剰余金が4,772百万円それぞれ増加したためであります。なお、利益剰余金は、主に配当金により11,287百万円減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益15,957百万円により増加しています。
当連結会計年度末における資産をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
報告セグメント調整額
(注)
連結財務諸表
計上額
電子市場一般水処理市場
セグメント資産254,756230,500485,25779,165564,422

(注)主なものは各報告セグメントに配分していない全社資産であります。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は65,251百万円(前連結会計年度末比2,299百万円増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で得られた資金は55,592百万円(前年同期比32,168百万円減少)となりました。これは主に非継続事業からの税引前利益(△は損失)21,800百万円、営業債権、その他の債権及び契約資産の増減額(△は増加)17,512百万円、営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少)6,700百万円、法人所得税の支払額14,460百万円で資金が減少したものの、税引前利益58,160百万円、減価償却費、償却費及び減損損失35,157百万円、売却目的で保有する処分グループを売却コスト控除後の公正価値で測定したことにより認識した損失19,907百万円で資金が増加したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は34,021百万円(前年同期比18,053百万円減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出25,958百万円、無形資産の取得による支出3,670百万円、投資有価証券の取得による支出2,546百万円などで資金を使用したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は23,309百万円(前年同期比2,139百万円減少)となりました。これは主に、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)11,344百万円、長期借入れによる収入19,936百万円、社債の発行による収入9,955百万円で資金が増加したものの、社債の償還による支出30,000百万円、自己株式の取得による支出15,165百万円、リース負債の返済による支出5,737百万円、配当金の支払額11,336百万円でそれぞれ資金を使用したためであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性確保と安定した資金調達体制の確立を基本方針としております。短期運転資金、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて債券市場での調達や銀行借入を実施しております。なお、当連結会計年度末において、当社は取引金融機関2社とコミットメント・ライン契約を締結しております(借入実行残高 -百万円、借入未実行残高 20,000百万円)。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「PSV-27」に対する達成状況については、以下のとおりであります。
2024年度実績2025年度実績2027年度目標
売上高(百万円)388,814402,889470,000
売上高事業利益率(%)13.1%14.2%16%
親会社所有者帰属持分
当期利益率(ROE)
6.1%4.7%12%以上
調整後ROE-11.7%
投下資本利益率(ROIC)8.8%8.3%10%以上
調整後ROIC-9.1%

(注)当連結会計年度において、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の事業を非継続事業に分類しておりま
す。これにより、2025年度の売上高は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、事業利益率についても同様の基準で算出しているほか、2024年度の数値についても組み替えを行っております。なお、ROEおよびROICは、継続事業および非継続事業を合算したうえで算出しており、2025年度については非継続事業を除いた継続事業ベースの情報を当社で試算し、調整後ROEおよび調整後ROICとして併記しております。

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