有価証券報告書-第83期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題により景気の先行きに不透明感が高まり、年度後半にかけて中国及び欧州の経済成長は減速しましたが、米国の景気は堅調に推移し、中国を除くアジアの新興諸国も景気回復の動きが続いたことから、総じて緩やかに成長しました。国内経済は、個人消費が伸び悩むなど力強さはないものの、緩やかな成長が続きました。
当社グループを取り巻く市場環境は、国内においては、夏期に自然災害が相次いだことにより製造業の生産活動は、一時的に低下したものの、底堅く推移しました。設備投資は、高水準な企業収益を背景に増加しました。海外では、東アジアの電子産業を中心に活発な設備投資が継続しました。
このような中、当社グループは5ヵ年の中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)をスタートさせました。「既成概念を壊し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高め、顧客親密性を最大化する」という基本方針のもと、当連結会計年度は、水処理薬品、水処理装置、メンテナンス・サービスの技術・商品・サービスを駆使した総合ソリューションによる顧客への価値の提供に注力しました。特に、顧客の「節水」「CO2削減」「廃棄物削減」効果に優れ、社会との共通価値の創造を促進する技術・商品・サービスをCSV(Creating Shared Value)ビジネスと位置付け、排水回収システムを用いた顧客の水資源問題の解決に貢献する再生水供給サービス、ボイラ内のスケール(難溶性物質)生成を防止することによりボイラの省エネルギー稼働に貢献する水処理薬品、ごみ焼却施設に適用することで廃棄物削減と持続可能なエネルギー利用の実現に貢献する乾式メタン発酵技術を用いて発生するガスを利用する資源循環設備向け大型案件などを展開しました。また、IT・センシング技術を活用した競争力のある商品・サービスの開発と市場展開により総合ソリューションの強化を図りました。海外では、米国において水処理薬品・水処理装置を製造・販売するU.S.ウォーター・サービス,Inc.を買収したほか、半導体向けの精密洗浄事業を展開するペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の25%株式取得に関する契約を締結するなど、米国での総合ソリューション展開に向けた事業基盤を強化しました。さらに、水と環境の分野でIoT/AIを活用した新たなデジタルビジネスの創出、拡大を狙い、米国で水道管の劣化予測ソフトウエアサービスを展開するフラクタ,Inc.の株式を過半数取得し子会社化しました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は258,439百万円(前年同期比2.8%増)、売上高は259,409百万円(前年同期比9.5%増)となりました。利益につきましては、営業利益は24,326百万円(前年同期比8.2%増)、経常利益は23,919百万円(前年同期比8.2%増)、税金費用の一時的増加があり親会社株主に帰属する当期純利益は17,323百万円(前年同期比3.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度から、主に水処理装置事業において工事進行基準の適用範囲を拡大した影響として、売上高は7,355百万円、営業利益及び経常利益は1,421百万円それぞれ増加しました。また、特別損益に政策保有株式の売却益8,676百万円を計上した一方で、クリタ・ヨーロッパGmbHのアルミナ化合物事業譲渡に伴う損失額2,867百万円、栗田水処理新材料(江陰)有限公司ののれんの減損損失1,097百万円を計上するなど合わせて5,063百万円を特別損失に計上しました。なお、栗田水処理新材料(江陰)有限公司ののれんの減損損失計上は、中国における人口密集区の危険化学品生産企業に対する規制強化に伴う生産制約を解消するため、同社の水処理薬品生産機能を新規に設立した栗田工業(泰興)水処理有限公司の工場(2020年度後半に操業開始予定)へ移管を決定したことによるものです。
(水処理薬品事業)
MVP-22計画において水処理薬品事業は、ビジネスモデル変革と海外事業基盤の強化を進め、収益性の向上を目指しています。
国内では、顧客工場全体の水処理の最適化を実現するため、顧客窓口を一本化したワントップ体制のもと、水処理のさまざまな視点から顧客の課題を把握し、総合ソリューション提案を推進しました。また、国内事業運営の効率化のために販売拠点の移転・統合を実施しました。海外では、U.S.ウォーター・サービス,Inc.を買収し、米国全土をカバーする事業基盤を獲得しました。一方で、ドイツ子会社であるクリタ・ヨーロッパGmbHにおいて収益性の低いアルミナ化合物事業を売却しました。また、東南アジアにおける水処理薬品の需要拡大に対応するため、マレーシアに水処理薬品製造工場を新設しました。
商品・サービスにつきましては、ボイラの省エネルギー稼働に貢献する水処理薬品「セタミン®」や「ドリームポリマー®」を配合した水処理薬品などのCSVビジネスの提案に注力しました。また、IT・センシング技術である「S.sensing®」の活用を進めたほか、紙の製造プロセスの乾燥工程における熱伝導効率の改善により蒸気使用量の削減を実現するサービス契約型ビジネスを推進しました。
受注高・売上高につきましては、国内では、前連結会計年度における機器・役務のスポット案件計上の反動があったものの、新商品・新サービスを活用した課題解決提案により新規の顧客開拓に努め、冷却水薬品、鉄鋼向けプロセス薬品などが増加し、全体の受注高・売上高は増加しました。海外では、アジアを中心に水処理需要が増加したことに加え、前連結会計年度の第4四半期に連結子会社となった韓国の㈱韓水の経営成績の連結対象期間が11ヵ月分増加したことにより、受注高・売上高ともに増加しました。利益につきましては、主に海外売上高が増加したことにより、増益となりました。この結果、当社グループの水処理薬品事業全体の受注高は102,939百万円(前年同期比13.9%増)、売上高は102,088百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は8,327百万円(前年同期比16.0%増)となりました。
(水処理装置事業)
MVP-22計画において水処理装置事業は、超純水供給事業で培った知見や技術力を、大型のEPC(プラント建設などにおける設計(Engineering)、資材調達(Procurement)、建設工事(Construction)の一連の工程を請け負う案件)を起点とするメンテナンスと運転管理の包括契約提案につなげ、収益性の向上を目指しています。
国内では、省エネルギー、廃棄物削減、生産技術の進化、排水などのリサイクルを実現するため、顧客の製造プロセスやユーティリティ設備の理解を深め、総合ソリューション提案を推進したほか、ITやIoTを活用し、設計や運転管理の効率向上に取り組みました。また、将来の収益につながる超純水供給事業用設備への投資を積極的に行いました。海外では、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の25%株式取得を決定し半導体市場における精密洗浄の付加価値の高いソリューションを提供するための事業基盤を強化しました。
商品・サービスにつきましては、CSVビジネスである「CORR®システム(The Customized Optimal Ready-made Recycle System)」などの排水回収システムを用いた再生水供給サービスや産業廃棄物及び一般廃棄物から電気・熱として利用できるバイオガスを生成する縦型乾式メタン発酵技術「KURITA DRANCO PROCESS®」などの提案を推進しました。
国内の受注高・売上高につきましては、電子産業分野においては、水処理装置が大型案件の受注と工事進捗により受注高・売上高とも増加し、メンテナンス・サービスも顧客工場の稼働率上昇を背景とした改造・増設案件の増加により受注高・売上高とも増加しました。一般産業分野においては、水処理装置の受注高は、乾式メタン発酵技術を用いて発生するガスを利用する資源循環設備向け大型案件の受注により増加しましたが、売上高は減少しました。メンテナンス・サービスは顧客工場の設備更新や生産能力増強を目的とした増設案件が増加し、受注高・売上高とも増加しました。電力分野向け水処理装置及び土壌浄化の受注高は大型案件の受注により増加し、売上高も前連結会計年度に受注した大型案件の工事進捗により増加しました。
海外では、水処理装置の受注高は、前連結会計年度における大型案件受注の反動で減少しましたが、売上高は中国・韓国の電子産業分野における大型案件の工事進捗により増加しました。なお、超純水供給事業の国内及び海外を合わせた売上高は、増設案件の収益計上があり増加しました。事業全体の利益につきましては、増収に加え、不採算案件発生の影響をコスト削減努力で吸収したことにより増益となりました。この結果、当社グループの水処理装置事業全体の受注高は155,500百万円(前年同期比3.5%減)、売上高は、工事進行基準の適用範囲拡大もあり、157,321百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は15,932百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
①総資産 349,885百万円(前連結会計年度末比26,839百万円増加)
流動資産は149,550百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,859百万円減少しました。これは主に増収により売上債権が12,383百万円増加した一方で、工事進行基準の適用範囲拡大に伴い、当該適用対象案件についての計上がなくなったことにより仕掛品が2,386百万円、北米における買収(水処理薬品事業、水処理装置事業)や超純水供給事業(水処理装置事業)への設備投資等により現金及び預金と有価証券を合わせた手元資金が24,503百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は200,335百万円となり、前連結会計年度末に比べ37,698百万円増加しました。これは主に政策保有株式売却等により投資有価証券が13,480百万円減少した一方で、前述の買収や超純水供給事業への設備投資等により有形固定資産、無形固定資産がそれぞれ23,641百万円、22,955百万円増加したことによるものであります。
②負債 110,412百万円(前連結会計年度末比28,219百万円増加)
流動負債は68,072百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,923百万円増加しました。これは主に超純水供給事業の設備取得により未払金が8,742百万円、前受金の増加等により「その他」が4,048百万円増加したことによるものであります。
固定負債は42,339百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,295百万円増加しました。これは主に長期前受金の収受により「その他」が14,877百万円増加したことによるものであります。
③純資産 239,473百万円(前連結会計年度末比1,380百万円減少)
純資産は239,473百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,380百万円減少しました。これは主に株主資本が10,801百万円増加した一方で、その他の包括利益累計額が12,000百万円減少したことによるものであります。
株主資本の増加は、期末配当金及び中間配当金の計上を上回る親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が11,084百万円増加したことによるものであります。一方、その他の包括利益累計額の減少は、政策保有株式売却に伴い保有する投資有価証券の含み益が減少したことにより、その他有価証券評価差額金が7,907百万円、円高外国通貨安に伴い為替換算調整勘定が4,584百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における資産、負債をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)調整額は、次のとおりであります。
1. セグメント資産の主なものは、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産の内訳は、前連結会計年度68,890百万円、当連結会計年度42,205百万円(預金、有価証券及び長期投資資金等)であります。
2. セグメント負債は、セグメント間債権債務消去に伴うものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は35,548百万円(前連結会計年度末比23,369百万円減少)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は38,478百万円(前年同期比17,070百万円増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益27,532百万円、のれん償却を含む減価償却費17,761百万円、前受金の増加額15,920百万円等で資金が増加した一方、売上債権の増加額10,907百万円、法人税等の支払額8,915百万円等で資金が減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は51,559百万円(前年同期比35,631百万円増加)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が13,335百万円あった一方で、事業買収に伴う支出で33,374百万円、有形固定資産の取得による支出で28,600百万円それぞれ資金を使用したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は11,280百万円(前年同期比1,139百万円減少)となりました。これは主に配当金の支払額で6,009百万円、短期借入金の純増減額で2,417百万円それぞれ資金を使用したためであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本とし、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて銀行借入による調達を想定しております。なお、当連結会計年度末において、取引金融機関4社とコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高 - 百万円、借入未実行残高70,600百万円)。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題により景気の先行きに不透明感が高まり、年度後半にかけて中国及び欧州の経済成長は減速しましたが、米国の景気は堅調に推移し、中国を除くアジアの新興諸国も景気回復の動きが続いたことから、総じて緩やかに成長しました。国内経済は、個人消費が伸び悩むなど力強さはないものの、緩やかな成長が続きました。
当社グループを取り巻く市場環境は、国内においては、夏期に自然災害が相次いだことにより製造業の生産活動は、一時的に低下したものの、底堅く推移しました。設備投資は、高水準な企業収益を背景に増加しました。海外では、東アジアの電子産業を中心に活発な設備投資が継続しました。
このような中、当社グループは5ヵ年の中期経営計画「MVP-22」(Maximize Value Proposition 2022)をスタートさせました。「既成概念を壊し、仕事の品質とスピードを飛躍的に高め、顧客親密性を最大化する」という基本方針のもと、当連結会計年度は、水処理薬品、水処理装置、メンテナンス・サービスの技術・商品・サービスを駆使した総合ソリューションによる顧客への価値の提供に注力しました。特に、顧客の「節水」「CO2削減」「廃棄物削減」効果に優れ、社会との共通価値の創造を促進する技術・商品・サービスをCSV(Creating Shared Value)ビジネスと位置付け、排水回収システムを用いた顧客の水資源問題の解決に貢献する再生水供給サービス、ボイラ内のスケール(難溶性物質)生成を防止することによりボイラの省エネルギー稼働に貢献する水処理薬品、ごみ焼却施設に適用することで廃棄物削減と持続可能なエネルギー利用の実現に貢献する乾式メタン発酵技術を用いて発生するガスを利用する資源循環設備向け大型案件などを展開しました。また、IT・センシング技術を活用した競争力のある商品・サービスの開発と市場展開により総合ソリューションの強化を図りました。海外では、米国において水処理薬品・水処理装置を製造・販売するU.S.ウォーター・サービス,Inc.を買収したほか、半導体向けの精密洗浄事業を展開するペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の25%株式取得に関する契約を締結するなど、米国での総合ソリューション展開に向けた事業基盤を強化しました。さらに、水と環境の分野でIoT/AIを活用した新たなデジタルビジネスの創出、拡大を狙い、米国で水道管の劣化予測ソフトウエアサービスを展開するフラクタ,Inc.の株式を過半数取得し子会社化しました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は258,439百万円(前年同期比2.8%増)、売上高は259,409百万円(前年同期比9.5%増)となりました。利益につきましては、営業利益は24,326百万円(前年同期比8.2%増)、経常利益は23,919百万円(前年同期比8.2%増)、税金費用の一時的増加があり親会社株主に帰属する当期純利益は17,323百万円(前年同期比3.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度から、主に水処理装置事業において工事進行基準の適用範囲を拡大した影響として、売上高は7,355百万円、営業利益及び経常利益は1,421百万円それぞれ増加しました。また、特別損益に政策保有株式の売却益8,676百万円を計上した一方で、クリタ・ヨーロッパGmbHのアルミナ化合物事業譲渡に伴う損失額2,867百万円、栗田水処理新材料(江陰)有限公司ののれんの減損損失1,097百万円を計上するなど合わせて5,063百万円を特別損失に計上しました。なお、栗田水処理新材料(江陰)有限公司ののれんの減損損失計上は、中国における人口密集区の危険化学品生産企業に対する規制強化に伴う生産制約を解消するため、同社の水処理薬品生産機能を新規に設立した栗田工業(泰興)水処理有限公司の工場(2020年度後半に操業開始予定)へ移管を決定したことによるものです。
(水処理薬品事業)
MVP-22計画において水処理薬品事業は、ビジネスモデル変革と海外事業基盤の強化を進め、収益性の向上を目指しています。
国内では、顧客工場全体の水処理の最適化を実現するため、顧客窓口を一本化したワントップ体制のもと、水処理のさまざまな視点から顧客の課題を把握し、総合ソリューション提案を推進しました。また、国内事業運営の効率化のために販売拠点の移転・統合を実施しました。海外では、U.S.ウォーター・サービス,Inc.を買収し、米国全土をカバーする事業基盤を獲得しました。一方で、ドイツ子会社であるクリタ・ヨーロッパGmbHにおいて収益性の低いアルミナ化合物事業を売却しました。また、東南アジアにおける水処理薬品の需要拡大に対応するため、マレーシアに水処理薬品製造工場を新設しました。
商品・サービスにつきましては、ボイラの省エネルギー稼働に貢献する水処理薬品「セタミン®」や「ドリームポリマー®」を配合した水処理薬品などのCSVビジネスの提案に注力しました。また、IT・センシング技術である「S.sensing®」の活用を進めたほか、紙の製造プロセスの乾燥工程における熱伝導効率の改善により蒸気使用量の削減を実現するサービス契約型ビジネスを推進しました。
受注高・売上高につきましては、国内では、前連結会計年度における機器・役務のスポット案件計上の反動があったものの、新商品・新サービスを活用した課題解決提案により新規の顧客開拓に努め、冷却水薬品、鉄鋼向けプロセス薬品などが増加し、全体の受注高・売上高は増加しました。海外では、アジアを中心に水処理需要が増加したことに加え、前連結会計年度の第4四半期に連結子会社となった韓国の㈱韓水の経営成績の連結対象期間が11ヵ月分増加したことにより、受注高・売上高ともに増加しました。利益につきましては、主に海外売上高が増加したことにより、増益となりました。この結果、当社グループの水処理薬品事業全体の受注高は102,939百万円(前年同期比13.9%増)、売上高は102,088百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は8,327百万円(前年同期比16.0%増)となりました。
(水処理装置事業)
MVP-22計画において水処理装置事業は、超純水供給事業で培った知見や技術力を、大型のEPC(プラント建設などにおける設計(Engineering)、資材調達(Procurement)、建設工事(Construction)の一連の工程を請け負う案件)を起点とするメンテナンスと運転管理の包括契約提案につなげ、収益性の向上を目指しています。
国内では、省エネルギー、廃棄物削減、生産技術の進化、排水などのリサイクルを実現するため、顧客の製造プロセスやユーティリティ設備の理解を深め、総合ソリューション提案を推進したほか、ITやIoTを活用し、設計や運転管理の効率向上に取り組みました。また、将来の収益につながる超純水供給事業用設備への投資を積極的に行いました。海外では、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の25%株式取得を決定し半導体市場における精密洗浄の付加価値の高いソリューションを提供するための事業基盤を強化しました。
商品・サービスにつきましては、CSVビジネスである「CORR®システム(The Customized Optimal Ready-made Recycle System)」などの排水回収システムを用いた再生水供給サービスや産業廃棄物及び一般廃棄物から電気・熱として利用できるバイオガスを生成する縦型乾式メタン発酵技術「KURITA DRANCO PROCESS®」などの提案を推進しました。
国内の受注高・売上高につきましては、電子産業分野においては、水処理装置が大型案件の受注と工事進捗により受注高・売上高とも増加し、メンテナンス・サービスも顧客工場の稼働率上昇を背景とした改造・増設案件の増加により受注高・売上高とも増加しました。一般産業分野においては、水処理装置の受注高は、乾式メタン発酵技術を用いて発生するガスを利用する資源循環設備向け大型案件の受注により増加しましたが、売上高は減少しました。メンテナンス・サービスは顧客工場の設備更新や生産能力増強を目的とした増設案件が増加し、受注高・売上高とも増加しました。電力分野向け水処理装置及び土壌浄化の受注高は大型案件の受注により増加し、売上高も前連結会計年度に受注した大型案件の工事進捗により増加しました。
海外では、水処理装置の受注高は、前連結会計年度における大型案件受注の反動で減少しましたが、売上高は中国・韓国の電子産業分野における大型案件の工事進捗により増加しました。なお、超純水供給事業の国内及び海外を合わせた売上高は、増設案件の収益計上があり増加しました。事業全体の利益につきましては、増収に加え、不採算案件発生の影響をコスト削減努力で吸収したことにより増益となりました。この結果、当社グループの水処理装置事業全体の受注高は155,500百万円(前年同期比3.5%減)、売上高は、工事進行基準の適用範囲拡大もあり、157,321百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は15,932百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 水処理薬品事業(百万円) | 101,692 | 12.9 |
| 水処理装置事業(百万円) | 154,138 | 5.7 |
| 合計(百万円) | 255,830 | 8.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 水処理薬品事業 | 102,939 | 13.9 | 4,536 | 19.7 |
| 水処理装置事業 | 155,500 | △3.5 | 67,803 | △5.1 |
| 合計 | 258,439 | 2.8 | 72,339 | △3.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 水処理薬品事業(百万円) | 102,088 | 13.0 |
| 水処理装置事業(百万円) | 157,321 | 7.4 |
| 合計(百万円) | 259,409 | 9.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
①総資産 349,885百万円(前連結会計年度末比26,839百万円増加)
流動資産は149,550百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,859百万円減少しました。これは主に増収により売上債権が12,383百万円増加した一方で、工事進行基準の適用範囲拡大に伴い、当該適用対象案件についての計上がなくなったことにより仕掛品が2,386百万円、北米における買収(水処理薬品事業、水処理装置事業)や超純水供給事業(水処理装置事業)への設備投資等により現金及び預金と有価証券を合わせた手元資金が24,503百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は200,335百万円となり、前連結会計年度末に比べ37,698百万円増加しました。これは主に政策保有株式売却等により投資有価証券が13,480百万円減少した一方で、前述の買収や超純水供給事業への設備投資等により有形固定資産、無形固定資産がそれぞれ23,641百万円、22,955百万円増加したことによるものであります。
②負債 110,412百万円(前連結会計年度末比28,219百万円増加)
流動負債は68,072百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,923百万円増加しました。これは主に超純水供給事業の設備取得により未払金が8,742百万円、前受金の増加等により「その他」が4,048百万円増加したことによるものであります。
固定負債は42,339百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,295百万円増加しました。これは主に長期前受金の収受により「その他」が14,877百万円増加したことによるものであります。
③純資産 239,473百万円(前連結会計年度末比1,380百万円減少)
純資産は239,473百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,380百万円減少しました。これは主に株主資本が10,801百万円増加した一方で、その他の包括利益累計額が12,000百万円減少したことによるものであります。
株主資本の増加は、期末配当金及び中間配当金の計上を上回る親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が11,084百万円増加したことによるものであります。一方、その他の包括利益累計額の減少は、政策保有株式売却に伴い保有する投資有価証券の含み益が減少したことにより、その他有価証券評価差額金が7,907百万円、円高外国通貨安に伴い為替換算調整勘定が4,584百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における資産、負債をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 報告セグメント | 調整額 (注) | 連結財務諸表 計上額 | |||
| 水処理薬品 事業 | 水処理装置 事業 | 計 | |||
| セグメント資産 | 111,580 | 196,152 | 307,733 | 42,152 | 349,885 |
| セグメント負債 | 34,105 | 76,660 | 110,765 | △353 | 110,412 |
(注)調整額は、次のとおりであります。
1. セグメント資産の主なものは、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。全社資産の内訳は、前連結会計年度68,890百万円、当連結会計年度42,205百万円(預金、有価証券及び長期投資資金等)であります。
2. セグメント負債は、セグメント間債権債務消去に伴うものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は35,548百万円(前連結会計年度末比23,369百万円減少)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は38,478百万円(前年同期比17,070百万円増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益27,532百万円、のれん償却を含む減価償却費17,761百万円、前受金の増加額15,920百万円等で資金が増加した一方、売上債権の増加額10,907百万円、法人税等の支払額8,915百万円等で資金が減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は51,559百万円(前年同期比35,631百万円増加)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が13,335百万円あった一方で、事業買収に伴う支出で33,374百万円、有形固定資産の取得による支出で28,600百万円それぞれ資金を使用したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は11,280百万円(前年同期比1,139百万円減少)となりました。これは主に配当金の支払額で6,009百万円、短期借入金の純増減額で2,417百万円それぞれ資金を使用したためであります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本とし、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて銀行借入による調達を想定しております。なお、当連結会計年度末において、取引金融機関4社とコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高 - 百万円、借入未実行残高70,600百万円)。