有価証券報告書-第126期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/30 10:07
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、輸入物価上昇の影響はあるものの、雇用所得環境の改善を背景に景気は緩やかに回復しました。
一方、世界経済は、各国の通商政策等の影響により一部に弱含みの動きもみられ、ウクライナ問題および中東情勢等の地政学リスクに加え、中国経済における不動産市況の低迷が長期化する等、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループでは2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の最終年度としてテーマに掲げた『スリムで骨太体質への変革』のもと、基本方針である「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」の各施策を継続的に取り組んでまいりました。特に本中計期間内においては、近年厳しい事業環境により業績の低迷が続いていた中国事業の抜本的な見直しと併せ、成長市場であるインド国内での現地企業との合弁会社設立に向けた準備を進めるなど「将来の基盤構築」を目的とした海外事業ポートフォリオの大幅な見直しを積極的に推進してまいりました。
結果として、当連結会計年度の経営成績は、売上高は529億3千2百万円(前年同期比92.1%)、営業利益は9億3百万円(前年同期比54.6%)、経常利益は14億1百万円(前年同期比54.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は60億3千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益42億3千5百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
国内向け建設用クレーンの売上高は、大型ラフテレーンクレーン新型車の市場投入時期の遅れがあったものの、295億6千4百万円(前年同期比99.6%)と前期比同水準となりました。海外向けの売上高は、39億8百万円(前年同期比87.4%)となり、アジア向けの大口販売があった前期から減収となりました。
国内向け油圧ショベル等の売上高は、競争激化による影響を受けたものの、76億2千万円(前年同期比97.7%)と前期比同水準となりました。海外向け油圧ショベル等は、米国向け販売が大統領選挙に伴う需要引締まりによる影響を受け、売上高は44億9千5百万円(前年同期比54.3%)と前期比減収となりました。
以上を含めた日本の売上高は466億5千3百万円(前年同期比91.1%)、セグメント利益は6億2千1百万円(前年同期比30.7%)となりました。
(中国)
中国は、不動産市況の低迷長期化により厳しい販売環境が継続しているなか、期中に解散を決議した現地子会社の在庫製品の販売注力により、売上高は27億3千7百万円(前年同期比119.1%)となり、セグメント損失は6千3百万円(前年同期はセグメント損失12億1千万円)となりました。
(欧州)
欧州は、需要減少により売上高は47億8千7百万円(前年同期比84.8%)と減収し、原材料高騰の影響を受けセグメント損失は1千1百万円(前年同期はセグメント利益7千1百万円)となりました。
(その他)
その他地域は、欧州セグメントを分離したことにより売上高は発生せず、セグメント損失は5百万円(前年同期はセグメント損失7千6百万円)となりました。
財政状態については、次のとおりであります。
(資産の状況)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末の1,053億3千万円に比べ25億8千2百万円減少し、1,027億4千7百万円となりました。これは主として、棚卸資産の増加97億5千万円、無形固定資産の増加6億1千2百万円と現金及び預金の減少78億2百万円、売掛金の減少80億9百万円、繰延税金資産の減少4億4千3百万円によるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末の537億7千9百万円に比べ43億6千4百万円増加し、581億4千4百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加76億1千6百万円、長期借入金の増加30億5千1百万円と電子記録債務の減少20億1千4百万円、1年内長期借入金の減少10億5千3百万円によるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末の515億5千1百万円に比べ69億4千7百万円減少し、446億3百万円となりました。これは主として、中国子会社2社の解散・清算に伴う特別損失計上による利益剰余金の減少69億7千3百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は147億6千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ76億2百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、133億1千9百万円の減少となりました。その主な要因は、売上債権の減少83億1千7百万円、子会社整理損71億3百万円の増加要因と棚卸資産の増加134億8千6百万円、税金等調整前当期純損失55億9千8百万円、破産更生債権等の増加44億9千6百万円、仕入債務の減少32億9千1百万円、貸倒引当金の減少11億4千6百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、9億3千万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出8億1千2百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、66億3千8百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入による収入90億5千7百万円、短期借入金の純増加額78億9百万円の増加要因と社債の償還による支出15億2千4百万円、割賦債務の返済による支出3億4千万円、配当金の支払額による支出9億3千5百万円、長期借入金の返済による支出74億2千4百万円の減少要因によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2021年
3月期
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
自己資本比率(%)43.642.046.247.943.4
時価ベースの自己資本比率(%)11.78.912.317.114.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)17.24.25.3--
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)10.232.920.4--

(注)自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。
※2024年3月期及び2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、表記を省略しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
日本56,904111.9
中国85048.5
欧州3,45778.1
その他--
合計61,211107.3

(注) 1 金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
日本45,42191.6
中国2,729119.0
欧州4,78185.1
その他--
合計52,93292.1

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況
1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は529億3千2百万円(前年同期比92.1%)となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりです。
建設用クレーン
国内売上高は295億6千4百万円(前年同期比99.6%)と大型ラフテレーンクレーン新型車の市場投入時期の遅れがあったものの、前期比同水準となりました。海外売上高は、39億4千4百万円(前年同期比86.5%)とアジア向けの大口販売があった前期から減収となりました。よって、建設用クレーンの売上高は335億8百万円(前年同期比97.9%)となりました。
油圧ショベル等
国内売上高は、競争激化による影響を受けたものの、76億2千万円(前年同期比97.7%)と前期比同水準、海外売上高は米国向け販売が大統領選挙に伴う需要引締まりによる影響を受け、107億3千8百万円(前年同期比74.0%)と減収となりました。よって、油圧ショベル等の売上高は183億5千9百万円(前年同期比82.3%)となりました。
その他
その他の売上高は10億6千3百万円(前年同期比111.3%)と前期並みの水準で推移しました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ19億2千1百万円減少し、85億9千9百万円(前年同期比81.7%)となりました。販売戦略の徹底や製品コスト削減の取り組みの効果があったものの、期中を通じ建設用クレーンの主要部品供給制約による生産面への影響があり、結果として売上総利益率は2.1ポイント減少し、16.2%となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、販売費及び一般管理費が前連結会計年度と比較し、7億5千万円減少したものの、売上高の減収影響により、営業利益は9億3百万円(前年同期比54.6%)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、不動産賃貸収益の増加、受取補償金の増加はあったものの、為替差益の減少により、2億7千7百万円減少し、15億1千7百万円(前年同期比84.6%)となりました。営業外費用は、金利上昇に伴う支払利息増加により1億4千5百万円増加し、10億1千9百万円(前年同期比116.7%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ11億7千3百万円減少し、経常利益は14億1百万円(前年同期比54.4%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ12億5千3百万円減少し、1億6千3百万円となりました。これは、固定資産売却益を計上したことによるものです。特別損失は、中国子会社2社の解散・清算に伴う特別損失を計上したことにより、前連結会計年度に比べ62億7千8百万円増加し、71億6千4百万円となりました。
法人税等調整額は3億6千2百万円計上したことにより、結果として親会社株主に帰属する当期純損失は60億3千3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益42億3千5百万円)となりました。
b.キャッシュ・フローの状況及び、資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資金需要は主に運転資金、設備投資資金、研究開発資金となります。
運転資金のうち主なものは、製品製造のための原材料や販売用部品の仕入費用や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費などが該当します。また、部品・半製品を製造する上で相応のリードタイムを有すことから、安定的な生産を行うため部材の先行確保に加え、販売用部品の欠品を防ぐ必要性からも在庫負担が大きいという特徴があります。
設備投資資金は主として、生産活動に必要な工場設備であり、研究開発資金は新製品の開発に係る費用及び開発部門の人件費が該当します。
これらの資金需要のうち、短期資金需要については、手元資金や営業活動により得られたキャッシュ・フロー及びコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。また、長期運転資金及び大規模な設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入や社債を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は441億2千9百万円、現金及び現金同等物の残高は147億6千3百万円となり、よってネット有利子負債は293億6千6百万円(前年同期比209.9%)となりました。有利子負債の約定返済進行と運転資金の増加に伴い、金融機関からの有利子負債残高も増加しました。
なお、現在のところ、新型工場建設等に係る大型設備投資についての案件はございませんが、コア事業及び将来成長に向けた新製品の開発には積極的かつ集中的に資金を振り向けてまいります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を新たに策定し、2025年3月27日に公表いたしました。同計画では「飛躍、そして次の時代へ」をメインテーマに「企業価値の向上」「成長戦略の推進と有効投資」「収益性の更なる向上」「サステナビリティ経営の実践」を基本方針に掲げ、外部要因に左右されにくい強固な経営基盤づくりと成長戦略に沿った有効投資を展開してまいります。
新中期経営計画の詳細につきましてはこちらをご覧ください。
https://www.kato-works.co.jp/ir/html/1_01plan.html
2025年3月期の連結業績につきましては、2025年5月14日公表の「通期連結業績予想と実績値との差異に関するお知らせ」のとおり、中国事業の見直しに伴う子会社整理損を計上した影響により親会社株主に帰属する当期純利益は一時的に悪化いたしました。
2026年3月期の連結業績予想につきましては、米国における関税政策など不透明な事業環境は継続し、国内外市場における急激な需要増加は見込めないものの、前期市場投入が遅れた高価格帯の大型ラフテレーンクレーン新型車の期初からの販売に加え、期中からインド事業による増収が期待できることから、売上高は前期比7.7%増となる570億円を見込んでおります。
なお、最終損益につきましては、一過性の損失を計上した前期から大幅に改善する見込みであり、前中期経営計画からの施策効果に加え、同年から開始する中期経営計画の各施策を遅滞なく推進していくことで今後の連結業績と資本収益性は確実に向上していくものと認識しております。
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益
(百万円)
一株当たり
当期純利益
(円)
2026年3月期57,0001,7001,2001,200102.28
2025年3月期
(参考)
52,9329031,401△6,033△514.48

*想定為替レート 1米ドル=145円 1元=20円 1ユーロ=155円
d.経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
前述の地政学リスク拡大や中国市場における不動産開発需要の低迷に加え、足元では米国での関税政策をはじめとする各国通商政策問題も顕在化してきており、世界経済は先行きの不透明な状況が継続しております。
また、当社グループの製品においては、多くの部材や外注品、多種の油圧部品や電子・自動車部品を必要とすることから、世界的な部品調達難や物流価格の高騰により、以下の事態が発生した場合は当社の売上高及び利益に影響がでる場合があります。
・仕入先企業からの部品や資材の調達難による生産の見合わせ
・国内及び海外工場の生産調整、生産停止による稼働率の低下
・取引先からの受注の減少、キャンセルによる製品販売台数の減少、滞留在庫の増加
・製品の需給バランスが崩れることによる製品販売価格の下落
・取引先の財政状態悪化、信用不安による貸倒リスクの増加
これら認識のもと、当社グループでは常に市場や業界の動向に注視しつつ、特に調達・製造・販売体制と相互連携を強化していくことで経営成績に重要な影響がでないようリスクの低減と業績の安定化に努めております。

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