有価証券報告書-第121期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 11:26
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が見られたものの、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減や中国経済の減速による輸出の減少により、緩やかな景気減速局面となりました。加えて、年度末に感染拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、景気の先行きが極めて厳しい状況になりました。 当社グループの事業環境におきましては、国内では建設用クレーンの構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要や消費税増税前の駆け込み需要があったものの、それらの駆け込み需要の反動減により需要は減少しました。海外では、欧州地域は需要が増加したものの、その他の地域は新型コロナウイルス感染症の影響もあり需要は減少しました。
このような状況下、当社グループは、横浜工場の生産機能を群馬工場へ移転し、生産体制の再構築を行いました。また、部品供給体制の効率化を図るため、国内各工場の補修部品を新設した坂東工場へ集約しました。
なお、非連結子会社であったKATO IMER S.p.A.とKATO EUROPE B.V.及びICOMAC,INC.は当連結会計年度より重要性が増したため連結の範囲に含めております。また、持分法非適用関連会社であったCOMPACT EXCAVATOR SALES,LLCを当連結会計年度より重要性が増したため持分法適用の範囲に含めております。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は778億9千4百万円(前年同期比91.2%)、営業損失2億8千2百万円(前年同期は営業利益44億6千2百万円)、経常損失4億4千4百万円(前年同期は経常利益47億9千4百万円)となりました。さらに、生産体制等の再構築を図ったことにより工場移転費用5億6百万円を計上し、また連結子会社であるKATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.の業績悪化により減損損失4億1千2百万円を計上したたため、親会社株主に帰属する当期純損失は13億2千9百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益30億3千4百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
国内向けの建設用クレーンは、当期の前半は構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要等により順調に推移したものの、後半にかけては駆け込み需要の反動減や消費税増税による影響により売上高が大幅に減少しました。また、前年同期比では小型機種を中心とした販売構成となったため、製品ミックスの変化により利益率は悪化しました。海外向けの建設用クレーンは、中国経済の減速が東南アジア経済にも影響し、インドネシアを中心に売上高は減少しました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた原油安や新興国の通貨安の影響により年度末にかけて売上高は急速に減少しました。
国内向けの油圧ショベル等は、消費税増税の影響が見られたもののクローラキャリアの拡販に注力し、売上高は前年並みに推移いたしました。海外向け油圧ショベル等は、工場移転の影響により工場稼働率が低下し一部製品に出荷遅れが生じたため売上高が減少しました。
その結果、日本の売上高は670億3千万円(前年同期比88.7%)となりました。生産体制及び部品販売体制の再構築に伴う工場新設等の影響により減価償却費が大幅に増加し、さらに海外で開催された大規模展示会の出展費用が発生したことにより、セグメント損失は13億5百万円(前年同期はセグメント利益20億6千8百万円)となりました。
(中国)
中国においては、中国経済が減速し始めたことによりインフラ投資が鈍化しつつあるなかで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により春節明けの需要もなくなり、売上高及びセグメント利益は前年同期から大幅に減少しました。中国の売上高は98億2千3百万円(前年同期比69.9%)となりました。セグメント利益は11億8千5百万円(前年同期比49.5%)となりました。
(その他)
タイで建設用クレーンを製造販売している連結子会社KATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.の売上高は増加しました。また、イタリアでミニショベル等を製造販売しているKATO IMER S.p.A.及びオランダで建設用クレーンや油圧ショベル等を販売するKATO EUROPE B.V.を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことにより、その他の売上高は49億1千5百万円(前年同期比673.2%)となりました。セグメント損失は6億4千4百万円(前年同期はセグメント損失3億1百万円)となりました。
財政状態については、次のとおりであります。
(資産の状況)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末の1,255億5千7百万円に比べ1億6千3百万円減少し、1,253億9千3百万円となりました。これは主として、たな卸資産の増加27億3千5百万円、有形固定資産の増加38億9千8百万円、現金及び預金の減少31億5千4百万円、受取手形及び売掛金の減少36億3千3百万円によるものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末の670億6千万円に比べ27億6千4百万円増加し、698億2千4百万円となりました。これは主として、短期借入金の増加47億6千4百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加32億1千1百万円、支払手形及び買掛金の減少24億4千2百万円及び電子記録債務の減少15億4千3百万円によるものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末の584億9千6百万円に比べ29億2千7百万円減少し、555億6千9百万円となりました。これは主として、利益剰余金の減少19億4千万円及び為替換算調整勘定の減少8億5千3百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は111億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ31億5千4百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、21億円の減少となりました。その主な要因は、減価償却費21億3百万円及び売上債権の減少42億4千5百万円の増加要因と、仕入債務の減少50億6千7百万円及びたな卸資産の増加23億5千9百万円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、65億6千2百万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出64億8千7百万円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、56億2千9百万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金の純増額34億8千1百万円及び長期借入れによる収入84億4千5百万円の増加要因と、長期借入金の返済による支出57億3千2百万円及び配当金の支払7億3千3百万円の減少要因によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年
3月期
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
自己資本比率(%)45.442.246.645.843.5
時価ベースの自己資本比率(%)24.725.623.824.411.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)-12.52.539.5-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-15.343.14.2-

(注)自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を用いております。
※2016年3月期及び2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フロー数値がマイナスのため、表記を省略しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
日本65,433△13.1
中国9,399△50.1
その他3,639238.0
合計78,472△17.6

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの主要製品の生産方式は、ほとんどが見込生産方式なので、受注実績の記載は省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
日本63,226△10.5
中国9,812△30.2
その他4,855565.0
合計77,894△8.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響及び収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難でありますが、繰延税金資産の回収可能性の判断等の会計上の見積り項目について、新型コロナウイルス感染症の影響はしばらく続くものの、2021年3月期の第2四半期以降、通常の事業活動が再開し始めるとともに、その後、徐々に売上高が回復していくものと仮定して、見積りを行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は778億9千4百万円(前年同期比91.2%)となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
建設用クレーン
国内向けの建設用クレーンは、当期の前半は構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要等により順調に推移したものの、後半にかけては駆け込み需要の反動減や消費税増税による影響により売上高が大幅に減少しました。また、小型機種を中心に販売台数は前年同期比で増加したものの、中・大型機種の販売台数は減少し売上高は伸び悩みました。国内建設用クレーンの売上高は426億6千7百万円(前年同期比96.4%)となりました。海外向けの建設用クレーンは、中国経済の減速が東南アジア経済にも影響し、インドネシアなどを中心に売上高は大幅に減少しました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた原油安や新興国の通貨安の影響により年度末にかけて売上高は急速に減少しました。海外建設用クレーンの売上高は51億4千5百万円(前年同期比67.8%)となりました。よって、建設用クレーンの売上高は478億1千3百万円(前年同期比92.3%)となりました。
油圧ショベル等
国内の需要は、消費税増税の影響が見られたもののクローラキャリアの拡販に注力し、売上高は前年並みに推移いたしました。国内油圧ショベル等の売上高は122億4千4百万円(前年同期比97.9%)となりました。海外向け油圧ショベル等は、中国経済が減速し始めたことによりインフラ投資が鈍化しつつあるなかで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により春節明けの需要がなくなり、売上高が大幅に減少しました。海外油圧ショベル等の売上高は167億8千5百万円(前年同期比85.5%)となりました。よって、油圧ショベル等の売上高は290億2千9百万円(前年同期比90.3%)となりました。
その他
路面清掃車や万能吸引車の需要が減少し、国内売上高は10億3千1百万円(前年同期比73.7%)となりました。海外売上高は1千9百万円(前年同期比46.1%)となりました。よって、その他の売上高は10億5千1百万円(前年同期比72.9%)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ39億7千4百万円減少し、92億8千7百万円(前年同期比70.0%)となりました。また、売上総利益率は利益率の高い中国での販売減少及び主力である建設用クレーンの製品ミックスの影響により3.6ポイント減少し11.9%となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損益は、新設工場稼働に伴う償却負担増加と展示会費用の増加により前連結会計年度と比較し47億4千5百万円減少し、2億8千2百万円(前年同期は営業利益44億6千2百万円)の営業損失となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、2億6千8百万円減少し、4億9千3百万円(前年同期比64.8%)となりました。営業外費用は、為替差損の増加により2億2千5百万円増加し、6億5千4百万円(前年同期比152.5%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ52億3千8百万円減少し、4億4千4百万円(前年同期は経常利益47億9千4百万円)の経常損失となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ5千2百万円増加し、2億3千万円となりました。これは、土地売却等による固定資産売却益2億3千万円を計上した影響によるものであります。特別損失は、生産拠点再編に伴う工場移転費用5億6百万円及び子会社の収益性悪化により減損損失4億1千2百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ9億4千3百万円増加し、10億1千6百万円となりました。法人税等合計は、前連結会計年度に比べ16億6千9百万円減少し、8千9百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は13億2千9百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益30億3千4百万円)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。
長期運転資金及び設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。
短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及びコミットメントライン等の融資枠による金融機関からの短期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は433億5千7百万円、現金及び現金同等物の残高は111億1百万円となり、よってネット有利子負債は322億5千6百万円(前年同期比156.3%)となりました。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「中期経営計画2019-2021」を策定し、売上目標920億円、営業利益率5%、ROE5%を2022年3月期までの達成目標としております。中期経営計画の初年度である当連結会計年度の当該指標の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高
セグメント2020年3月期
(計画)
2020年3月期
(実績)
2020年3月期
(計画比)
日本71,500百万円63,226百万円8,273百万円減(11.5%減)
中国13,800百万円9,812百万円3,987百万円減(28.8%減)
その他1,700百万円4,855百万円3,155百万円増(85.6%増)
87,000百万円77,894百万円9,105百万円減(10.4%減)

日本は、国内における消費税増税による影響及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大による年度末にかけての売上高減少により計画未達となりました。また、中国は中国経済の減速及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大により春節明けの需要がなくなったことにより計画未達となりました。
また、2020年3月期の営業利益率は△0.36%、ROE(自己資本利益率)は△2.37%となりました。これは、主として日本及び中国における売上高の減少及び工場新設の影響による減価償却費負担の大幅な増加により営業損失計上となったことと工場移転費用、減損損失等の特別損失の計上によるものです。
d.経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性がある事項については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響及び収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難でありますが、以下の要因等で、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。
・取引先の財政状態悪化、信用不安による貸倒リスクの増加
・取引先からの受注の減少、キャンセルによる製品販売台数の減少、滞留在庫の増加
・製品の需給バランスが崩れることによる製品販売価格の下落
・仕入先企業からの部品や資材の調達難による生産の見合わせ
・国内及び海外工場の生産調整、生産停止による稼働率の低下

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