有価証券報告書-第121期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:26
【資料】
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【項目】
166項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考え、高性能、高品質の製品を開発し、国内外の顧客に供給することによって、豊かな社会作りに貢献するとともに、会社の限りない繁栄を実現することを経営の基本方針としております。
・経営理念
優秀な製品による社会への貢献
・経営の基本方針
① 当社は、「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念とし、法の下に社業を忠実に行い、職務を通じて社会の進歩と発展に寄与することが責任遂行の基本と考える。
② 当社に関係するすべての方々から信頼される会社となるため、コーポレートガバナンス、コンプライアンス体制を充実し、会社の持続的な成長と経営の健全性確保をはかることにより、更なる企業価値の向上に努めるものとする。
③ 技術優先のメーカーとして、信頼性の高い製品を世界に供給し続けるグローバルブランド「KATO」を、更に確固たるものにする。
(2) 当社グループの経営環境
当社グループは、当社を中心に国内外にある子会社及び関連会社とともに、「建設用クレーン」、「油圧ショベル等」及び「その他の建設機械」の製造・販売を主要事業とする企業構造となっております。当社グループは構成単位ごとの独立性や採算性をもとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績の評価を定期的に行っております。
当社グループの主要な市場は先進国・開発途上国を問わず、当社製品を必要とするあらゆる地域でありますが、「日本国内」、「中国」及び「その他の海外諸地域」(東南アジア、ヨーロッパ、北米)を当社グループの主要な市場として捉えており、日本国内においては当社が、中国及びその他海外諸地域では当該地域の子会社が製造・販売活動を行っております。当該地域の製造・販売拠点を基礎として報告セグメントを決定しております。
現在の市場環境及び経営環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、国内外の経済が大きく減速すると想定されます。新型コロナウイルス感染症の今後の動向は見通すことが困難であり、収束時期によっては当社グループの翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
① 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの将来の事業環境は、国内の建設機械の需要は大きな伸びは期待できないものの、海外は新興国の都市化など今後も一定の伸びが期待できます。建設機械導入時の選択肢は、新車購入のみならず、リース、レンタル、中古販売など多様化しております。建設現場の課題としては労働力不足、高齢化、技術伝承の遅れが挙げられます。技術の進展は著しく、自動化、IoT化が進められており、建設機械の安全性や生産性の向上のニーズも高まりを見せております。社会に目を転じますと企業によるESG、SDGsへの評価の高まりが見られ、今後も時代のニーズは大きく変化していくものと考えられます。
当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念としてあらゆるイノベーションに取り組んでまいりましたが、この事業環境におきまして、さらに成長していくため、「収益性の向上」「事業規模の拡大」「人財育成」「技術力の強化・革新」「業務プロセス改革」を基本戦略とした「中期経営計画2019-2021」を策定し、この基本戦略のもと、全社一丸となって業績ならびに企業価値の向上に邁進しております。
経営数値目標 : 売上高920億円、営業利益率5%、ROE5%
※経営数値について
先進国向け販売が旧IHI建機㈱との販売シナジー効果により増加していくものの、当該地域での競争が激化することと利益率の高い中国市場が緩やかに後退していくことを想定しており、さらに坂東工場の新設及び群馬工場の増設による償却負担の増加を加味しております。
財務戦略 :
売上債権及びたな卸資産回転率の改善に取り組むことにより事業収入を拡大し、「新製品開発及びM&Aなどの戦略的な投資」を実施する。
株主還元 :
安定配当を基本としながら、企業体質の強化を図るため内部留保に留意しつつ、経営環境や収益状況等を総合的に勘案したうえで決定する。
② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループといたしましては、「中期経営計画2019-2021」に掲げた基本戦略(収益性の向上、事業規模の拡大、人財育成、技術力の強化・革新、業務プロセス改革)による収益基盤及び企業体質の強化を図るとともに持続的な成長と更なる企業価値の向上を目指し、本年度は次の経営方針に沿った施策を推進してまいります。
基本戦略(2019-2021)2020年度経営方針
① 収益性の向上・良質な受注の確保
・コストダウンプロジェクトの推進
・製品トラブルの抑制
・群馬工場(増設)及び坂東工場(新設)の安定稼働
② 事業規模の拡大・製品ラインナップの拡充(顧客ニーズを反映した製品及び時代を先取りした製品の企画・提案)
・欧州及び中国市場の強化
・アフターマーケット、部品販売の強化
③ 人財育成・サービス員、営業員への技術教育の充実
・中途採用、外国人採用による人財の強化
④ 技術力の強化・革新・社内外の連携による先端技術の開発力強化
⑤ 業務プロセス改革・組織及び権限の再構築による意思決定の迅速化
・リスクマネジメントの再確認
・将来に向けた省エネ活動

③ 新型コロナウイルス感染症に伴う事業の影響
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、海外工場において生産停止、稼働調整等を行い、また、国内工場においても生産調整、一時休業等を実施しており、厳しい経営環境が続いております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期等につきましては、不確実な要素が多く、現時点において予測することは困難であります。このような状況下、当社グループは今後の事業環境の推移に注視しつつ、上記②に掲げた経営方針を進めてまいります。
なお、入手可能な情報により適正かつ合理的であると判断する一定の条件に基づき事業計画を策定しておりますが、今後の事業環境の推移に注視し、見直しが必要と判断した場合には適時開示してまいります。