有価証券報告書-第100期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループでは、グループ経営理念のもと、企業価値の最大化に向けて、全てのステークホルダーと良好な関係を築き、長期安定的に成長し、発展していくことをめざしています。
そして、その実現には、国際社会から信頼される企業市民として、公正で透明性の高い経営活動を展開することが重要であり、以下の5点を基本方針に掲げ、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいきます。
(ⅰ)株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに、適切な権利行使に係る環境整備や権利保護に努めます。
(ⅱ)株主以外のステークホルダー(お客様、仕入先、従業員、地域社会等)と、社会良識をもった誠実な協働に努めます。
(ⅲ)法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報も主体的に発信し、透明性の確保に努めます。
(ⅳ)透明・公正かつ機動的な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努めます。
(ⅴ)株主とは、当社の長期安定的な成長の方向性を共有したうえで、建設的な対話に努めます。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役制度を採用しており、取締役会による監督機能の強化、執行役員制度による業務執行の効率化を図っています。取締役会は、独立社外取締役が3分の1以上を占める役員体制とし、取締役・執行役員の指名・報酬については、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占める役員指名報酬審議会での検討・審議を経て、取締役会に上程することで、独立性や客観性を高めています。当社は、事業特性や現場の状況を踏まえた適時的確な経営判断を行うことに加え、その経営判断が多様なステークホルダーから支持され、期待に応えるものになっているかを常にチェックできる体制を構築することが重要であると考えています。このような考えのもと、当社としては、社外取締役を含む取締役会と、社外監査役を含む監査役会により、業務執行を監督・監査する現体制が最適であると考えています。当社のコーポレート・ガバナンスの体制は以下のとおりです。

取締役会は、取締役社長・社長執行役員吉田守孝を議長として、社外取締役4名を含む8名の取締役で構成され、原則として毎月1回開催しています。構成員の氏名は「(2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載しています。取締役会は、法令及び取締役会に関する規則に従い、(ⅰ)株主総会関係、取締役会の実効性、役員人事・報酬及び内部通報制度の運営状況等のコーポレート・ガバナンス及び内部統制関連、(ⅱ)グループ経営方針、利益計画・投資計画、資本政策及び各事業戦略等の経営戦略関連、(ⅲ)その他当社及び当社グループの経営に関わる重要な事項を取り上げるとともに、取締役等から定期的に職務執行状況の報告を受けること等により、取締役等の職務執行を監督しています。
当事業年度における取締役会の開催実績及び個々の取締役・監査役の出席状況は、以下のとおりです。
(注) 2022年6月17日開催の第99回定時株主総会終結の時をもって、取締役 豊田幹司郎、取締役 伊勢清貴及び社外監査役 髙須光は、任期満了により退任しました。
業務執行の面においては、グループにおける最重要案件を扱う経営会議や損益等の事業推進状況の進捗確認・方向付けを行う執行会議等の会議体を設置し、原則として毎月1回以上開催しています。これらの会議には、取締役に加え執行役員等も参加し、重要課題の審議の充実をはかっています。
また、サステナビリティ会議では、取締役会から承認を得た優先課題(マテリアリティ)に対し、収益機会拡大とリスク減少に向け、「事業活動を通じた社会課題の解決」と「活動を支える経営基盤」の2軸でKPIと2030年度目標を設定し、具体的な活動計画へ落とし込むとともに取り組みを推進、改善しています。
このサステナビリティ会議で議論された方針等を踏まえ、毎年1回以上開催される企業行動倫理委員会やリスクマネジメント委員会等において、重要課題に対して様々な観点からの検討・モニタリングを行い、コンプライアンスの徹底に努めています。これらの会議には、取締役、監査役、執行役員等に加えて主要グループ会社の社長、担当役員、監査役も参加しています。
監査役会は、常勤監査役三矢誠を議長として、社外監査役2名を含む4名の監査役で構成され、原則として毎月1回開催しています。構成員の氏名は「(2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載しています。各監査役は監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、取締役・部門からの聴取、国内外子会社への往査などを通じて、取締役の職務執行や当社及び子会社の業務執行の適法性や財務報告の信頼性について監査を行っています。また、監査役の直轄下に監査役室を設け、監査役の職務を補助する専任スタッフを配置するとともに、会計監査人や内部監査部門との連携を通じて監査機能の強化を図っています。
これらのほかに、役員指名報酬審議会を設置しています。役員指名報酬審議会は、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占めるメンバーで構成され、原則として、年5回開催します。取締役及び執行役員の指名・報酬については、役員指名報酬審議会において検討・審議し、取締役会に上程することで、客観性及び透明性を確保しています。役員指名報酬審議会では、役員指名について当社のビジョンや経営方針に従い、役員制度・体制に関する基本方針を検討・策定するとともに、基本方針に基づき、取締役・監査役の選解任案を審議しています。指名及び選解任にあたっての手続きとしては、役員指名報酬審議会での検討・審議を経て取締役・監査役候補者として選出、取締役会に上程しています。取締役については取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議したうえで決定しています。なお、監査役については監査役会の同意の後、取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議したうえで決定しています。また、役員報酬については報酬制度の検討及び取締役会で定められた取締役の個人別の報酬等の決定方針に基づき、会社業績や職責、成果などを踏まえた個人別報酬額を決定しています。
役員指名報酬審議会は、取締役の指名及び報酬等の決定に関する客観性及び透明性の向上を目的として、当事業年度まで役員人事・報酬別に設置していた各審議会を統合・改称したもので、同時に議長について取締役社長から独立社外取締役からの選定に変更しています。
当事業年度における両審議会の開催実績及び各メンバーの出席状況は、以下のとおりです。
③ 企業統治に関するその他の事項
当社は、当社及びその子会社から成る企業集団(以下、「当社グループ」という。)の経営を統括する親会社として、当社グループの業務の適正を確保する体制を構築するため、以下のとおり、内部統制に関する基本方針を定めました。
(ⅰ)当社グループの取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
[基本方針1]
(a)グループ共通の経営理念や企業行動憲章に基づき、適法かつ公正な企業活動を推進する体制整備を行う。
(b)経営上の重要事項に関しては、経営会議にて総合的に審議のうえ、取締役会にて決議する。
(c)企業行動倫理委員会において、法令及び企業行動倫理遵守に向けた方針と体制について審議・決定する。
(d)取締役は、グループ共通の企業行動憲章の精神の実現に自ら率先垂範の上、取り組むとともに、グループ全体のコンプライアンスの意識向上と徹底をはかる。
[運用状況の概要]
(a)経営の意思決定における客観性と透明性の向上を図るため、2022年6月より社内取締役と社外取締役を同数としている。
また、グループ全体で一定基準以上のコンプライアンス・レベルを確保するため、グループ各社の法務機能をグループ本社法務部に集約し、グループ・グローバルのコンプライアンス活動を企画・推進している。
(b)会社の経営課題及び政策に関する重要事項については、経営会議その他各種主要会議体に適切に付議し、総合的に検討したうえで、取締役会にて意思決定している。
(c)ステークホルダーの信頼獲得と社会の持続的発展に寄与することをめざし、ESG戦略に関する活動の方向性をサステナビリティ会議で議論・決定している。
ここでの方針展開を受け、企業行動倫理委員会にてグループとしてのコンプライアンス活動方針・体制を決定している。
(d)「アイシングループ企業行動憲章」に役員の率先垂範を明記するとともに、コンプライアンス、サステナビリティの教育を実施している。
また、役員自らが、社内にコンプライアンスの重要性を発信し、社員の意識向上に努めている。
(ⅱ)当社グループの使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
[基本方針2]
(a)企業行動倫理に関するガイドの配布や法務教育・階層別教育等を通じて、従業員に対しコンプライアンスの徹底をはかる。
(b)企業行動倫理相談窓口等を通じて、コンプライアンスに関わる問題及び疑問点に関し、情報の早期把握及び解決をはかる。
(c)内部監査機能等による実地監査や、業務の適正性に関するモニタリングを行う。
[運用状況の概要]
(a)「アイシングループ企業行動憲章」に基づき、グループ共通の行動指針に沿った、コンプライアンス周知活動と教育を実施している。
さらに「多様性・主体性の促進を通じ、自己成長、働きがい、人生の幸せを感じられる会社」の実現をめざすことを宣言し、働きがい改革、ダイバーシティ、健康経営の諸施策を推進している。
(b)コンプライアンスに関する通報・相談窓口として、グループ各社内の窓口、グループ本社法務部に直接相談できる窓口、弁護士が対応するグループ共通の社外窓口、及び海外関係会社・社外ステークホルダー向けの「アイシングローバルホットライン」を設置している。
これら複数の窓口を通じて、国内外のすべての役員、従業員、退職者とその家族、取引先などのステークホルダーから、匿名も含めて広く相談を受け、不正行為の早期発見と是正に努めている。
コンプライアンスに関わる通報・相談案件はグループ本社法務部に集約し、対応にあたっては、プライバシー保護、相談者への不利益の防止など、人権への配慮を徹底している。
(c)毎年10月を「アイシングループ企業行動倫理強化月間」とし、その活動のひとつとして、役員及び国内外グループ会社全従業員を対象に、コンプライアンス意識や倫理相談窓口の浸透度合いなどを確認している。
また、内部監査部門による、社内及び国内外グループ会社を対象としたリスクに応じた計画的な内部監査を実施している。
(ⅲ)当社グループの取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
[基本方針3]
取締役の職務の執行に係る情報は、関係規程並びに法令に基づき、各担当部署に適切に保存及び管理させる。
[運用状況の概要]
(a)取締役会議事録及び全社会議体の報告資料、議事録等の情報を、関係規程並びに法令に基づき、適切に保存している。
(b)グループの情報セキュリティ推進部署を設置し、国内外共通の「情報セキュリティ規程」の制定、全社統一セキュリティ対策システムの展開による、グループ・グローバルでの情報セキュリティ強化に取り組んでいる。
(ⅳ)当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
[基本方針4]
品質、安全、コンプライアンス、情報管理、環境、火災・自然災害等の各種リスクについて、それぞれ推進
体制を整備し、基本的ルール、対応計画の策定を行うことにより、適切なリスク管理体制を構築する。
[運用状況の概要]
リスクマネジメント委員会による重点リスクの選定において、グローバルリスク報告書等を踏まえ、新たに経済安全保障などを追加し、グループ全体でリスク対策に取り組んでいる。
一例として、経済安全保障委員会を設置しグループ全体の体制整備・監督、及び重要案件に関する対応方針を決定している。
(ⅴ)当社グループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
[基本方針5]
グループ経営方針に基づき、組織の各段階で方針を具体化し、一貫した方針管理を行う。
また、グループ各社の事業活動計画及び実績を把握し、会議体や機能部門からの情報展開を行うことにより、当社グループの情報を一元化し、各社の業務の効率性確保をはかる。
[運用状況の概要]
(a)「グループ経営方針」を国内外グループ会社へ展開し、各カンパニー・本部、各子会社の方針に落とし込み執行状況を確認している。
(b)副社長層の管掌分野を廃してプレジデント・本部長・センター長に権限委譲を行う一方、経営会議にかけられた案件を全て取締役会で報告しモニタリングしている。
(ⅵ)監査役の職務を補助する使用人への指示の実効性及び取締役からの独立性に関する事項
[基本方針6]
(a)監査役の職務を補助する専任部門を設置し、使用人を置く。
(b)監査役の職務を補助する使用人の人事については、事前に監査役の同意を得る。
[運用状況の概要]
(a)取締役の指揮命令から独立した監査役室を設置し、監査役を適切にサポートするため、専任スタッフを配置している。
(b)監査役室の専任スタッフの人事については、監査役の同意を得て行っている。
(ⅶ)当社グループの取締役及び使用人が監査役へ報告するための体制
[基本方針7]
(a)取締役は主な業務執行について、適宜適切に監査役に報告するほか、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査役に報告を行う。
(b)取締役、使用人は、監査役の求めに応じ、定期的に、また随時事業の報告を行う。
(c)上記の報告をした者については、当該報告をしたことを理由として、不利益な取り扱いを受けないよう適切に対処する。
[運用状況の概要]
(a)取締役や執行役員は、監査役に主な執行業務の進捗状況について定期的に報告している。
また、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した時は適宜報告を行っている。
(b)取締役、執行役員、使用人は、業務執行状況や内部通報窓口への相談状況等について、定期的に報告を行っている。
また、当社及び当社グループ会社の取締役、執行役員、使用人は監査役の求めに応じ、定期的にまた随時事業の報告を行っている。
(c)国内外グループ会社共通の「内部通報者保護規程」を策定し、通報者が不利益な取り扱いを受けることがないよう明記している。
(ⅷ)その他監査役の当社グループに対する監査が実効的に行われることを確保するための体制
[基本方針8]
(a)取締役は、監査役監査の実効性を高めるため、監査役の重要会議への出席や重要文書の閲覧、工場・子会社の実地監査、会計監査人との会合等の監査活動に積極的に協力する。
(b)内部監査機能は、監査役との連携を密にし、監査結果の情報共有を行う。
(c)監査役の職務執行に必要となる費用については、会社がこれを負担する。
[運用状況の概要]
(a)経営会議など重要会議への出席や重要文書の閲覧ができる体制整備、工場・子会社の実地監査、会計監査人との会合等の監査活動に協力している。
また、国内主要グループ会社監査役の監査活動にも同様に協力している。
(b)内部監査部門・内部統制部門・会計監査人・国内主要グループ会社監査役と定期的・随時情報交換を実施し、連携を強化している。
また、グループ監査役連絡会を通じ、グループ監査役との連携強化、及び監査の実効性を向上させている。
(c)監査役の職務執行に必要となる費用については、監査計画に従い年度予算を確保し、予定外で必要となった費用についても当社が負担している。
④ 責任限定契約の内容の概要
当社は、すべての社外取締役及び社外監査役との間で、会社法第423条第1項に定める賠償責任について、会社法第425条第1項に定める額に限定する契約をそれぞれ締結しています。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約は、被保険者である当社及び当社の子会社の役員が、当該会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するものです。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。なお、保険料は全額当社負担としています。
⑥ 取締役の員数及び取締役の選任の決議要件
(ⅰ)取締役の員数
当社の取締役は、15名以内とする旨を定款で定めています。
(ⅱ)取締役の選任の決議要件
当社の取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款で定めています。
⑦ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項及び理由
(ⅰ)自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の定めにより、取締役会の決議によって、自己の株式を取得することができる旨を、定款で定めています。
これは、機動的な資本政策を遂行できるようにするためです。
(ⅱ)取締役及び監査役の損害賠償責任免除
当社は、会社法第426条第1項の定めにより、取締役会の決議によって、法令に定める限度額の範囲内で賠償の責めに任ずるべき額を免除することができる旨を、定款で定めています。
これは、職務の遂行にあたって期待される役割を十分に発揮できるようにするためです。
(ⅲ)剰余金の配当等
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日とした会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨及び、会社法第459条第1項各号の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を、定款で定めています。
これは、機動的な資本政策及び配当政策を遂行できるようにするためです。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項の定めによる株主総会の特別決議の要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を、定款で定めています。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループでは、グループ経営理念のもと、企業価値の最大化に向けて、全てのステークホルダーと良好な関係を築き、長期安定的に成長し、発展していくことをめざしています。
そして、その実現には、国際社会から信頼される企業市民として、公正で透明性の高い経営活動を展開することが重要であり、以下の5点を基本方針に掲げ、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいきます。
(ⅰ)株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに、適切な権利行使に係る環境整備や権利保護に努めます。
(ⅱ)株主以外のステークホルダー(お客様、仕入先、従業員、地域社会等)と、社会良識をもった誠実な協働に努めます。
(ⅲ)法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報も主体的に発信し、透明性の確保に努めます。
(ⅳ)透明・公正かつ機動的な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努めます。
(ⅴ)株主とは、当社の長期安定的な成長の方向性を共有したうえで、建設的な対話に努めます。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役制度を採用しており、取締役会による監督機能の強化、執行役員制度による業務執行の効率化を図っています。取締役会は、独立社外取締役が3分の1以上を占める役員体制とし、取締役・執行役員の指名・報酬については、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占める役員指名報酬審議会での検討・審議を経て、取締役会に上程することで、独立性や客観性を高めています。当社は、事業特性や現場の状況を踏まえた適時的確な経営判断を行うことに加え、その経営判断が多様なステークホルダーから支持され、期待に応えるものになっているかを常にチェックできる体制を構築することが重要であると考えています。このような考えのもと、当社としては、社外取締役を含む取締役会と、社外監査役を含む監査役会により、業務執行を監督・監査する現体制が最適であると考えています。当社のコーポレート・ガバナンスの体制は以下のとおりです。

取締役会は、取締役社長・社長執行役員吉田守孝を議長として、社外取締役4名を含む8名の取締役で構成され、原則として毎月1回開催しています。構成員の氏名は「(2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載しています。取締役会は、法令及び取締役会に関する規則に従い、(ⅰ)株主総会関係、取締役会の実効性、役員人事・報酬及び内部通報制度の運営状況等のコーポレート・ガバナンス及び内部統制関連、(ⅱ)グループ経営方針、利益計画・投資計画、資本政策及び各事業戦略等の経営戦略関連、(ⅲ)その他当社及び当社グループの経営に関わる重要な事項を取り上げるとともに、取締役等から定期的に職務執行状況の報告を受けること等により、取締役等の職務執行を監督しています。
当事業年度における取締役会の開催実績及び個々の取締役・監査役の出席状況は、以下のとおりです。
| 役職 | 氏名 | 取締役会 |
| 取締役 | 豊田 幹司郎 | 2/2回(100%) |
| 取締役 | 伊勢 清貴 | 2/2回(100%) |
| 取締役 | 吉田 守孝 | 13/13回(100%) |
| 取締役 | 鈴木 研司 | 13/13回(100%) |
| 取締役 | 伊藤 慎太郎 | 13/13回(100%) |
| 取締役 | 山本 義久 | 11/11回 (100%) |
| 社外取締役 | 原口 恒和 | 13/13回(100%) |
| 社外取締役 | 濵田 道代 | 13/13回(100%) |
| 社外取締役 | 新 誠一 | 13/13回(100%) |
| 社外取締役 | 小林 耕士 | 13/13回(100%) |
| 常勤監査役 | 三矢 誠 | 13/13回(100%) |
| 常勤監査役 | 加藤 清美 | 13/13回(100%) |
| 社外監査役 | 髙須 光 | 2/2回(100%) |
| 社外監査役 | 上田 純子 | 13/13回(100%) |
| 社外監査役 | 柏木 勝広 | 11/11回(100%) |
(注) 2022年6月17日開催の第99回定時株主総会終結の時をもって、取締役 豊田幹司郎、取締役 伊勢清貴及び社外監査役 髙須光は、任期満了により退任しました。
業務執行の面においては、グループにおける最重要案件を扱う経営会議や損益等の事業推進状況の進捗確認・方向付けを行う執行会議等の会議体を設置し、原則として毎月1回以上開催しています。これらの会議には、取締役に加え執行役員等も参加し、重要課題の審議の充実をはかっています。
また、サステナビリティ会議では、取締役会から承認を得た優先課題(マテリアリティ)に対し、収益機会拡大とリスク減少に向け、「事業活動を通じた社会課題の解決」と「活動を支える経営基盤」の2軸でKPIと2030年度目標を設定し、具体的な活動計画へ落とし込むとともに取り組みを推進、改善しています。
このサステナビリティ会議で議論された方針等を踏まえ、毎年1回以上開催される企業行動倫理委員会やリスクマネジメント委員会等において、重要課題に対して様々な観点からの検討・モニタリングを行い、コンプライアンスの徹底に努めています。これらの会議には、取締役、監査役、執行役員等に加えて主要グループ会社の社長、担当役員、監査役も参加しています。
監査役会は、常勤監査役三矢誠を議長として、社外監査役2名を含む4名の監査役で構成され、原則として毎月1回開催しています。構成員の氏名は「(2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載しています。各監査役は監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、取締役・部門からの聴取、国内外子会社への往査などを通じて、取締役の職務執行や当社及び子会社の業務執行の適法性や財務報告の信頼性について監査を行っています。また、監査役の直轄下に監査役室を設け、監査役の職務を補助する専任スタッフを配置するとともに、会計監査人や内部監査部門との連携を通じて監査機能の強化を図っています。
これらのほかに、役員指名報酬審議会を設置しています。役員指名報酬審議会は、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占めるメンバーで構成され、原則として、年5回開催します。取締役及び執行役員の指名・報酬については、役員指名報酬審議会において検討・審議し、取締役会に上程することで、客観性及び透明性を確保しています。役員指名報酬審議会では、役員指名について当社のビジョンや経営方針に従い、役員制度・体制に関する基本方針を検討・策定するとともに、基本方針に基づき、取締役・監査役の選解任案を審議しています。指名及び選解任にあたっての手続きとしては、役員指名報酬審議会での検討・審議を経て取締役・監査役候補者として選出、取締役会に上程しています。取締役については取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議したうえで決定しています。なお、監査役については監査役会の同意の後、取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議したうえで決定しています。また、役員報酬については報酬制度の検討及び取締役会で定められた取締役の個人別の報酬等の決定方針に基づき、会社業績や職責、成果などを踏まえた個人別報酬額を決定しています。
役員指名報酬審議会は、取締役の指名及び報酬等の決定に関する客観性及び透明性の向上を目的として、当事業年度まで役員人事・報酬別に設置していた各審議会を統合・改称したもので、同時に議長について取締役社長から独立社外取締役からの選定に変更しています。
当事業年度における両審議会の開催実績及び各メンバーの出席状況は、以下のとおりです。
| 役職 | 氏名 | 役員人事審議会 | 報酬審議会 | |
| 議長 | 取締役社長 | 吉田 守孝 | 2/2回(100%) | 3/3回(100%) |
| メンバー | 取締役・執行役員 | 伊藤 慎太郎 | 2/2回(100%) | 3/3回(100%) |
| メンバー | 独立社外取締役 | 原口 恒和 | 2/2回(100%) | 3/3回(100%) |
| メンバー | 独立社外取締役 | 濵田 道代 | 2/2回(100%) | 3/3回(100%) |
| メンバー | 独立社外取締役 | 新 誠一 | 2/2回(100%) | 3/3回(100%) |
③ 企業統治に関するその他の事項
当社は、当社及びその子会社から成る企業集団(以下、「当社グループ」という。)の経営を統括する親会社として、当社グループの業務の適正を確保する体制を構築するため、以下のとおり、内部統制に関する基本方針を定めました。
(ⅰ)当社グループの取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
[基本方針1]
(a)グループ共通の経営理念や企業行動憲章に基づき、適法かつ公正な企業活動を推進する体制整備を行う。
(b)経営上の重要事項に関しては、経営会議にて総合的に審議のうえ、取締役会にて決議する。
(c)企業行動倫理委員会において、法令及び企業行動倫理遵守に向けた方針と体制について審議・決定する。
(d)取締役は、グループ共通の企業行動憲章の精神の実現に自ら率先垂範の上、取り組むとともに、グループ全体のコンプライアンスの意識向上と徹底をはかる。
[運用状況の概要]
(a)経営の意思決定における客観性と透明性の向上を図るため、2022年6月より社内取締役と社外取締役を同数としている。
また、グループ全体で一定基準以上のコンプライアンス・レベルを確保するため、グループ各社の法務機能をグループ本社法務部に集約し、グループ・グローバルのコンプライアンス活動を企画・推進している。
(b)会社の経営課題及び政策に関する重要事項については、経営会議その他各種主要会議体に適切に付議し、総合的に検討したうえで、取締役会にて意思決定している。
(c)ステークホルダーの信頼獲得と社会の持続的発展に寄与することをめざし、ESG戦略に関する活動の方向性をサステナビリティ会議で議論・決定している。
ここでの方針展開を受け、企業行動倫理委員会にてグループとしてのコンプライアンス活動方針・体制を決定している。
(d)「アイシングループ企業行動憲章」に役員の率先垂範を明記するとともに、コンプライアンス、サステナビリティの教育を実施している。
また、役員自らが、社内にコンプライアンスの重要性を発信し、社員の意識向上に努めている。
(ⅱ)当社グループの使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
[基本方針2]
(a)企業行動倫理に関するガイドの配布や法務教育・階層別教育等を通じて、従業員に対しコンプライアンスの徹底をはかる。
(b)企業行動倫理相談窓口等を通じて、コンプライアンスに関わる問題及び疑問点に関し、情報の早期把握及び解決をはかる。
(c)内部監査機能等による実地監査や、業務の適正性に関するモニタリングを行う。
[運用状況の概要]
(a)「アイシングループ企業行動憲章」に基づき、グループ共通の行動指針に沿った、コンプライアンス周知活動と教育を実施している。
さらに「多様性・主体性の促進を通じ、自己成長、働きがい、人生の幸せを感じられる会社」の実現をめざすことを宣言し、働きがい改革、ダイバーシティ、健康経営の諸施策を推進している。
(b)コンプライアンスに関する通報・相談窓口として、グループ各社内の窓口、グループ本社法務部に直接相談できる窓口、弁護士が対応するグループ共通の社外窓口、及び海外関係会社・社外ステークホルダー向けの「アイシングローバルホットライン」を設置している。
これら複数の窓口を通じて、国内外のすべての役員、従業員、退職者とその家族、取引先などのステークホルダーから、匿名も含めて広く相談を受け、不正行為の早期発見と是正に努めている。
コンプライアンスに関わる通報・相談案件はグループ本社法務部に集約し、対応にあたっては、プライバシー保護、相談者への不利益の防止など、人権への配慮を徹底している。
(c)毎年10月を「アイシングループ企業行動倫理強化月間」とし、その活動のひとつとして、役員及び国内外グループ会社全従業員を対象に、コンプライアンス意識や倫理相談窓口の浸透度合いなどを確認している。
また、内部監査部門による、社内及び国内外グループ会社を対象としたリスクに応じた計画的な内部監査を実施している。
(ⅲ)当社グループの取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
[基本方針3]
取締役の職務の執行に係る情報は、関係規程並びに法令に基づき、各担当部署に適切に保存及び管理させる。
[運用状況の概要]
(a)取締役会議事録及び全社会議体の報告資料、議事録等の情報を、関係規程並びに法令に基づき、適切に保存している。
(b)グループの情報セキュリティ推進部署を設置し、国内外共通の「情報セキュリティ規程」の制定、全社統一セキュリティ対策システムの展開による、グループ・グローバルでの情報セキュリティ強化に取り組んでいる。
(ⅳ)当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
[基本方針4]
品質、安全、コンプライアンス、情報管理、環境、火災・自然災害等の各種リスクについて、それぞれ推進
体制を整備し、基本的ルール、対応計画の策定を行うことにより、適切なリスク管理体制を構築する。
[運用状況の概要]
リスクマネジメント委員会による重点リスクの選定において、グローバルリスク報告書等を踏まえ、新たに経済安全保障などを追加し、グループ全体でリスク対策に取り組んでいる。
一例として、経済安全保障委員会を設置しグループ全体の体制整備・監督、及び重要案件に関する対応方針を決定している。
(ⅴ)当社グループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
[基本方針5]
グループ経営方針に基づき、組織の各段階で方針を具体化し、一貫した方針管理を行う。
また、グループ各社の事業活動計画及び実績を把握し、会議体や機能部門からの情報展開を行うことにより、当社グループの情報を一元化し、各社の業務の効率性確保をはかる。
[運用状況の概要]
(a)「グループ経営方針」を国内外グループ会社へ展開し、各カンパニー・本部、各子会社の方針に落とし込み執行状況を確認している。
(b)副社長層の管掌分野を廃してプレジデント・本部長・センター長に権限委譲を行う一方、経営会議にかけられた案件を全て取締役会で報告しモニタリングしている。
(ⅵ)監査役の職務を補助する使用人への指示の実効性及び取締役からの独立性に関する事項
[基本方針6]
(a)監査役の職務を補助する専任部門を設置し、使用人を置く。
(b)監査役の職務を補助する使用人の人事については、事前に監査役の同意を得る。
[運用状況の概要]
(a)取締役の指揮命令から独立した監査役室を設置し、監査役を適切にサポートするため、専任スタッフを配置している。
(b)監査役室の専任スタッフの人事については、監査役の同意を得て行っている。
(ⅶ)当社グループの取締役及び使用人が監査役へ報告するための体制
[基本方針7]
(a)取締役は主な業務執行について、適宜適切に監査役に報告するほか、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査役に報告を行う。
(b)取締役、使用人は、監査役の求めに応じ、定期的に、また随時事業の報告を行う。
(c)上記の報告をした者については、当該報告をしたことを理由として、不利益な取り扱いを受けないよう適切に対処する。
[運用状況の概要]
(a)取締役や執行役員は、監査役に主な執行業務の進捗状況について定期的に報告している。
また、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した時は適宜報告を行っている。
(b)取締役、執行役員、使用人は、業務執行状況や内部通報窓口への相談状況等について、定期的に報告を行っている。
また、当社及び当社グループ会社の取締役、執行役員、使用人は監査役の求めに応じ、定期的にまた随時事業の報告を行っている。
(c)国内外グループ会社共通の「内部通報者保護規程」を策定し、通報者が不利益な取り扱いを受けることがないよう明記している。
(ⅷ)その他監査役の当社グループに対する監査が実効的に行われることを確保するための体制
[基本方針8]
(a)取締役は、監査役監査の実効性を高めるため、監査役の重要会議への出席や重要文書の閲覧、工場・子会社の実地監査、会計監査人との会合等の監査活動に積極的に協力する。
(b)内部監査機能は、監査役との連携を密にし、監査結果の情報共有を行う。
(c)監査役の職務執行に必要となる費用については、会社がこれを負担する。
[運用状況の概要]
(a)経営会議など重要会議への出席や重要文書の閲覧ができる体制整備、工場・子会社の実地監査、会計監査人との会合等の監査活動に協力している。
また、国内主要グループ会社監査役の監査活動にも同様に協力している。
(b)内部監査部門・内部統制部門・会計監査人・国内主要グループ会社監査役と定期的・随時情報交換を実施し、連携を強化している。
また、グループ監査役連絡会を通じ、グループ監査役との連携強化、及び監査の実効性を向上させている。
(c)監査役の職務執行に必要となる費用については、監査計画に従い年度予算を確保し、予定外で必要となった費用についても当社が負担している。
④ 責任限定契約の内容の概要
当社は、すべての社外取締役及び社外監査役との間で、会社法第423条第1項に定める賠償責任について、会社法第425条第1項に定める額に限定する契約をそれぞれ締結しています。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約は、被保険者である当社及び当社の子会社の役員が、当該会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するものです。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。なお、保険料は全額当社負担としています。
⑥ 取締役の員数及び取締役の選任の決議要件
(ⅰ)取締役の員数
当社の取締役は、15名以内とする旨を定款で定めています。
(ⅱ)取締役の選任の決議要件
当社の取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款で定めています。
⑦ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項及び理由
(ⅰ)自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の定めにより、取締役会の決議によって、自己の株式を取得することができる旨を、定款で定めています。
これは、機動的な資本政策を遂行できるようにするためです。
(ⅱ)取締役及び監査役の損害賠償責任免除
当社は、会社法第426条第1項の定めにより、取締役会の決議によって、法令に定める限度額の範囲内で賠償の責めに任ずるべき額を免除することができる旨を、定款で定めています。
これは、職務の遂行にあたって期待される役割を十分に発揮できるようにするためです。
(ⅲ)剰余金の配当等
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日とした会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨及び、会社法第459条第1項各号の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を、定款で定めています。
これは、機動的な資本政策及び配当政策を遂行できるようにするためです。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項の定めによる株主総会の特別決議の要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を、定款で定めています。