有価証券報告書-第163期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な企業価値の向上のためには、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みが不可欠であると考えています。この実現のために、次に示す4つの指針に基づいてコーポレートガバナンス体制を構築します。
1) 取締役会から業務の執行の決定について執行機関へ積極的に委任することにより、
経営の効率性及び機動性を向上させること
2) 監督機関と執行機関とを分離することにより、監督機関の執行機関に対する監督機能を確保すること
3) 監督機関と執行機関とが連携することにより、監督機関の執行機関に対する監督機能を強化すること
4) コンプライアンス体制を強化することにより、経営の公正性を向上させること
当社は、これらコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と体制を「コーポレートガバナンス規則」に定め、取締役及び執行役がこの規則に則って職務を行っています。
② 会社の経営上の意思決定、執行及び監督に関わる経営管理組織その他のコーポレートガバナンス体制の状況
当社は、経営に関して効率性・機動性と監督のバランスを重視しています。
当社の取締役会は9名の取締役にて構成され、そのうち社外取締役5名、社内取締役4名(うち執行役を兼務する取締役2名)となっています。この構成は、当社事業に精通した社内取締役の知見と社外取締役が有する広い経験・見識との間のバランスにより、取締役会による適切な意思決定や監督を行うことに効果を発揮しています。
当社は、指名委員会等設置会社として、業務の執行の決定を積極的に執行役に委任し、経営の効率性・機動性の向上に努めています。取締役会は、執行役の職務の執行の適正性や公正性を監督しています。当社は、各々、社外取締役が過半数を占める指名委員会、監査委員会及び報酬委員会に独立した権限を与え、会社の経営に関する特に重要な事項についての監督機能を強化しています。
また、当社は、CEOの意思決定補助機関として、経営会議を設置しています。経営会議は当社グループにおける業務執行方針及び執行に関する重要事項について審議を行います。また、経営課題、事業展開の方向性及び業務執行状況等について、情報を共有し理解の統一を図る場として、オフィサーズ・ミーティングを設置しています。オフィサーズ・ミーティングはCEO、執行役、執行役員及びグループオフィサーにて構成され、その議長をCEOが務めています。当社はこれらにより、業務執行の効率性・機動性を適切に確保しています。
上記のコーポレートガバナンス体制を構成する機関等の名称、目的・権限及び構成員の氏名は次のとおりです。
(法定の機関)
(任意の機関等)
③ 内部統制システム構築の基本方針について
当社取締役会は、2006年に「内部統制システム構築の基本方針」を決議して以来、その後も企業に求められる社会的要請の変化に応じ、同方針の見直しをしています。現状の基本方針は次のとおりです(2024年5月9日現在)。
(a) 当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
当社は、「NSKグループ経営規則」により、当社グループ全体の内部統制の向上を図り、経営の健全性・透明性を高め、経営管理を円滑に運営することを目的とし、当社グループにおける業務の適正を確保する体制を構築します。
また、当社グループの経営及び業務についての各種規程に則り、当社グループの各部門よりその業務に係る事項、又は子会社の取締役等より職務の執行に係る事項について、定期的、或いは随時報告を受けます。
当社は、監査委員会に対して当社グループの各部門からの定期的な報告を確認できる仕組みを整備します。監査委員会又は監査委員は、当社グループの各部門を訪問し、また子会社の監査役と連携し、その業務及び財産の状況を調査することができることとします。
なお、監査委員会が必要と認めたときは、監査委員の指揮の下でその業務を経営監査部に行わせることができることとします。
(b) 当社執行役及び使用人並びに子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保
するための体制
当社は、「NSK企業倫理規則」、「コーポレートガバナンス規則」及び「コンプライアンス規則」により、当社グループが企業理念体系に則り、当社執行役及び使用人並びに子会社の取締役等及び使用人が遵守すべき普遍的な考え方、コンプライアンスを推進するための体制及び運営の基本的事項(組織、研修体制、内部通報制度等)を定めます。
また、コンプライアンス意識の醸成を図るとともに内部統制の強化・充実に努め、法令違反行為及び定款違反行為を実効的に防止します。特に国内外の競争法については、「競争法遵守規則」の遵守を徹底させるとともに、継続的な教育・啓発活動の推進を通じて、競争法に関するコンプライアンスの意識を醸成させること等により、違反行為をより実効的に防止します。
法務コンプライアンス本部は、当社グループのコンプライアンス体制を強化するための方針を策定し、これに基づく諸施策を実施するとともにその状況を継続的に監視します。法務コンプライアンス本部の活動はコアバリュー委員会に定期的に報告され、同委員会は、コアバリューの一つであるコンプライアンスの推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的なコンプライアンス課題の解決にむけた提言と進捗のモニタリングを行います。
さらに、「財務報告に係る内部統制規則」に基づき、当社グループ全体の財務報告に係る内部統制の整備及び運用を財務本部が、その評価を経営監査部が担い、財務報告の信頼性を確保するための合理的な保証を得られる体制を確保します。
また、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して断固たる姿勢を貫き、反社会的勢力からの不当、不法な要求に応じず、取引関係を含め、反社会的勢力との関係を一切遮断して、企業活動における社会的責任を果たしていくことを基本方針とします。
(c) 当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、「NSKグループ経営規則」により、事業運営の原則、意思決定の仕組み、事業リスクの継続的監視、当社グループ各社の業績目標及び管理に関し、当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制について定めます。
(d) 当社グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、「リスク管理規則」により、執行体制上の責任者及び組織の役割を定め、当社グループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理し、リスク管理体制を明確にします。
また、経営監査部が各部門のリスク管理の状況を監査し、監査委員会はその結果について報告を受け、定期的に取締役会に報告します。
(e) 当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制について「NSKグループ経営規則」、「文書等の保存・管理規則」及び「NSKグループ情報セキュリティ管理基準」に定めます。
また、当社執行役及び子会社の取締役等は、監査委員会又は監査委員会が指名する監査委員が求めたときは、これらの情報を閲覧に供することとします。
(f) 監査委員会の職務の執行に必要な事項
1) 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
監査委員会の職務を補助する組織を経営監査部とします。経営監査部員のうち若干名の使用人は専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助することとします。
2) 経営監査部の執行役からの独立性及び経営監査部に対する指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部はCEO直属の組織とし、監査対象部門から独立した組織とします。
さらに、監査委員会は組織的監査を行うために経営監査部長又は所属の使用人に対し、直接指揮・命令することができます。
また、同部長及び専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助する部員(監査委員会事務局員)の異動発令及び懲戒等は、事前に監査委員会の同意を得るものとし、人事評価に関して、監査委員会は意見を述べることができることとします。
3) 監査委員会への報告に関する当社グループの体制
当社は、当社事業部門責任者及び当社グループの責任者等が、監査委員会が必要と認める事項につき報告する体制を構築します。特に当社グループに著しい損害を及ぼすおそれがある事実について、その認識の有無につき定期的に監査委員会に報告し、その事実が発生したと判断した場合には、直ちにその内容を監査委員会に報告することとします。
さらに報告を補完する手段として、監査委員会が必要と認めた当社グループの重要会議について、監査委員を出席させることができることとします。また、執行役は当社グループにおける内部通報制度を整備し、その運用及び通報の状況について遅滞なく監査委員会に報告します。
上記に定められた内容又は手段による報告のほか、当社グループの取締役、執行役、使用人及び監査役又はこれらの者から報告を受けた者は、監査委員会に報告を行うことができることとします。
なお、当社は、報告の形式を問わず、監査委員会に報告を行った者に対してその報告を理由として不利益な取扱いをすることを禁止し、当社グループ内にその旨を周知します。
4) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、CEO、会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換を行い、経営監査部による内部監査の有効性を確保するため、内部監査に係る年次計画、実施状況及びその結果について、執行役に対して計画変更、追加監査又は改善を勧告することができることとします。さらに、独自に顧問弁護士に委任し、また必要に応じて専門の弁護士、会計士から監査業務に関する助言を受けることができることとします。
なお、監査委員の職務の執行に関して生ずる費用について、当社はその請求に基づき、所定の方法に従って、適正かつ速やかにその処理を行います。
④ 内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
内部統制システムの構築と整備・運用にあたっての主要な機能とそれを担う組織の役割は次のとおりです。
(コンプライアンス)
法務コンプライアンス本部は、当社グループのコンプライアンス体制を強化するための方針を策定し、これに基づく諸施策を実施するとともに、その状況を継続的に監視し、その活動をコアバリュー委員会に定期的に報告します。
(リスク管理)
経営企画本部は、各事業本部や機能本部、地域本部との連携のもと、CEOを補佐し、主に、当社グループの事業運営における全般的なリスク統括管理の役割を担います。また、グローバルに事業を運営する上で必要となる内部統制システムを維持・強化する責任を負います。
経営監査部は、定期的に、リスクモニタリングを通じてその管理の状況、体制について検証を行うとともに業務監査を通じてその是正と改善を促します。
危機管理委員会は、当社グループが遭遇しうるリスクのうち、自然災害、感染症流行、重大事故等のリスクの管理体制を整備・強化することにより、リスク発生の未然防止や発生時の損害を最小化する役割を担います。また、リスク発生時においては、これに迅速かつ的確に対処する役割を担います。
(承認・報告)
当社グループ各社は、会社運営、制度、統治機構及び株主の利益に関する事項をCFOに、事業運営に係る重要な意思決定に関する事項を所轄の事業本部又は機能本部に事前に申請し承認を得ます。また、各社は当社に対して定期的に報告を行います。
当社のコーポレートガバナンス体制及び内部統制体制は次のとおりです。

コアバリュー委員会:「安全・品質・環境・コンプライアンス」のコアバリューは、当社の経営の意思決定や行動において、最優先される共通の価値基準です。コアバリュー委員会は、コアバリュー推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と進捗のモニタリングを行います。
⑤ 「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」について
(a) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、資本市場に公開された株式会社であるため、当社株式の大量の買付行為がなされた場合にそれに応じるべきか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきであると考えます。
しかしながら、株式の大量の買付行為の中には、株主の皆様に対する必要十分な情報開示や熟慮のための機会が与えられることなく、あるいは当社取締役会が意見表明を行い、代替案を提示するための情報や時間が提供されずに、突如として強行されるものもあり得ます。このような株式の大量の買付行為の中には、真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの等、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損する買付行為もあり得ます。
かかる当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損する当社株式の大量の買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(b) 基本方針の実現に資する特別な取り組みの概要
(イ)中期経営計画等による企業価値向上への取り組み
当社グループは企業理念のもと、技術革新の進展や地球環境負荷の低減に対する取り組みを成長の機会と捉え、技術・製品・サービスを通じ、高い品質と信頼で応えていきます。すなわち、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続ける企業を目指していきます。
その実現に向けて、2022年度から2026年度までの5ヵ年を対象期間とする『中期経営計画2026』に則り、事業基盤の強化を進めていきます。当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を、経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題と取り組み内容は、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (2) 経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(ロ)コーポレートガバナンスに関する取り組み
当社は、社会的責任を果たし、企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、持続的に向上させるため、経営に関する意思決定の透明性と健全性の向上に積極的に取り組んできました。2004年に当時の委員会等設置会社に移行する以前から、執行役員制度の導入、社外取締役の招聘及び任意の報酬委員会・監査委員会の設置をしてきました。現在、当社は指名委員会等設置会社であり、指名・監査・報酬の3つの委員会は、それぞれ社内取締役と過半数を占める社外取締役で構成され、経営に関する意思決定の透明性と健全性の確保に大きな役割を果たしています。
なお、当社の社外取締役については全員を独立役員として株式会社東京証券取引所に届け出ています。
(c) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取り組みの概要
当社は、2008年6月に導入した当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)について、有効期間の満了となる2023年6月23日開催の当社第162期定時株主総会の終結の時をもって継続せず、廃止しました。当社は、今後も、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上に向けて取り組みを進めるとともに、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、当該行為の是非を株主の皆様が検討するために必要かつ十分な情報の提供と時間の確保を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が当該行為を適切に判断することができる機会の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
(d) 上記の取り組みについての取締役会の判断及びその理由
上記(b)の取り組みは、当社の中長期的な企業価値の向上のための基本的な取り組みの一環であり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させることを目的として実施しているものです。
また、上記(c)の取り組みは、大量買付行為の是非を株主の皆様が検討するために必要かつ十分な情報、時間及び機会を確保するものであり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として実施するものです。
従いまして、上記(b)及び(c)の取り組みは上記(a)の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑥ その他
(a) 自己株式取得に関する要件
当社は、自己株式の取得について、株主還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議による市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款で定めています。
(b) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(c) 取締役の選任に関する決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨を定款で定めています。
(d) 責任限定契約の締結
当社は、会社法第427条第1項及び定款第26条に基づき、取締役(業務執行取締役等である者を除く)全員と会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく損害賠償の限度額は法令が規定する最低責任限度額です。
(e) 補償契約の締結
当社は、取締役及び執行役全員との間で会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しています。同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。ただし、補償金額の上限設定や被補償者による損害軽減の対応義務、補償の際に当社諮問委員会での審議を要することとし、被補償者の職務執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています 。
(f) 役員等賠償責任保険契約の締結
当社は、当社並びに一部の当社子会社及び関連会社の取締役、執行役及び管理職従業員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険を保険会社との間で締結しており、保険料は特約部分も含め全額を当社並びに一部の当社子会社及び関連会社が負担しています。当該保険契約により、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、または当該責任の追及に係る争訟費用や損害賠償請求を受けることによって生ずることのある損害が保険会社により填補されます。ただし故意または重過失に起因して生じた当該損害は填補されない等の免責事由があります。
(g) 剰余金の配当等に関する事項
当社は、剰余金の配当等、会社法第454条第5項及び第459条第1項各号に掲げる事項については、株主総会の決議によらず取締役会の決議による旨を定款に定めています。これは、当社の配当方針に基づき、剰余金の配当等を機動的に実施するためです。
(h) 会社と特定の株主の間で利益が相反するおそれがある取引を行う場合に株主の利益が害されることを防止
するための措置
当社は、当社と特定の株主との間の取引に関して、会社及び株主共同の利益を害することのないよう、当社取締役会が事前に承認をし、定期的に報告を受けることとしています。
⑦ 会社のコーポレートガバナンスの充実に向けた取り組みの最近1年間の状況
2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)に開催した重要な会議は次のとおりです。
株主総会 : 第162期定時株主総会 2023年6月23日
取締役会 : 10回
指名委員会: 6回
監査委員会: 14回
報酬委員会: 4回
(a) 取締役会
(イ)開催実績
10回
(ロ)主な議題
・連結決算、剰余金の処分、内部統制システム構築の基本方針、執行役の選任
・ステアリング事業の合弁会社の設立
・サステナビリティ・リンク・ボンドの発行
・政策保有株式の保有の合理性の検証
・機関投資家との対話結果
・取締役会の実効性評価
・予算運営方針
・指名、監査、報酬委員会の活動状況
・『中期経営計画2026』のモニタリング
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる取締役会の回数)
野上 宰門(議長) 100%(10回/10回)
市井 明俊 100%(10回/10回)
鈴木 啓太 100%( 8回/ 8回)
山名 賢一 100%(10回/10回)
永濱 光弘 100%(10回/10回)
小原 好一 100%(10回/10回)
津田 純嗣 100%(10回/10回)
泉本 小夜子 100%(10回/10回)
藤塚 主夫 88%( 7回/ 8回)
2023年6月23日付で、鈴木啓太氏及び藤塚主夫氏は取締役にそれぞれ就任したため、出席対象となる取締役会の回数が他の取締役と異なります。
(b) 指名委員会
(イ)開催実績
6回
(ロ)主な議題
・取締役会の構成(スキル・マトリックスを含む)
・2024年度取締役候補者案
・社外取締役候補者の確保
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
津田 純嗣(委員長) 100%(6回/ 6回)
藤塚 主夫 100%(5回/ 5回)
市井 明俊 100%(6回/ 6回)
2023年6月23日付で、藤塚主夫氏は指名委員会委員に就任したため、出席対象となる指名委員会の回数が
他の指名委員会委員と異なります。
(c) 監査委員会
(イ)開催実績
14回
(ロ)主な議題
・「(3) [監査の状況]」に記載のとおりです。
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
泉本 小夜子(委員長) 100%(14回/14回)
永濱 光弘 100%(14回/14回)
山名 賢一 100%(14回/14回)
(d) 報酬委員会
(イ)開催実績
4回
(ロ)主な議題
・役員の報酬等の額の決定に関する方針
・取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容
・2024年度役員報酬制度
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
永濱 光弘(委員長) 100%(4回/ 4回)
小原 好一 75%(3回/ 4回)
鈴木 啓太 100%(3回/ 3回)
2023年6月23日付で、鈴木啓太氏は報酬委員会委員に就任したため、出席対象となる指名委員会の回数が
他の指名委員会委員と異なります。
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な企業価値の向上のためには、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みが不可欠であると考えています。この実現のために、次に示す4つの指針に基づいてコーポレートガバナンス体制を構築します。
1) 取締役会から業務の執行の決定について執行機関へ積極的に委任することにより、
経営の効率性及び機動性を向上させること
2) 監督機関と執行機関とを分離することにより、監督機関の執行機関に対する監督機能を確保すること
3) 監督機関と執行機関とが連携することにより、監督機関の執行機関に対する監督機能を強化すること
4) コンプライアンス体制を強化することにより、経営の公正性を向上させること
当社は、これらコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と体制を「コーポレートガバナンス規則」に定め、取締役及び執行役がこの規則に則って職務を行っています。
② 会社の経営上の意思決定、執行及び監督に関わる経営管理組織その他のコーポレートガバナンス体制の状況
当社は、経営に関して効率性・機動性と監督のバランスを重視しています。
当社の取締役会は9名の取締役にて構成され、そのうち社外取締役5名、社内取締役4名(うち執行役を兼務する取締役2名)となっています。この構成は、当社事業に精通した社内取締役の知見と社外取締役が有する広い経験・見識との間のバランスにより、取締役会による適切な意思決定や監督を行うことに効果を発揮しています。
当社は、指名委員会等設置会社として、業務の執行の決定を積極的に執行役に委任し、経営の効率性・機動性の向上に努めています。取締役会は、執行役の職務の執行の適正性や公正性を監督しています。当社は、各々、社外取締役が過半数を占める指名委員会、監査委員会及び報酬委員会に独立した権限を与え、会社の経営に関する特に重要な事項についての監督機能を強化しています。
また、当社は、CEOの意思決定補助機関として、経営会議を設置しています。経営会議は当社グループにおける業務執行方針及び執行に関する重要事項について審議を行います。また、経営課題、事業展開の方向性及び業務執行状況等について、情報を共有し理解の統一を図る場として、オフィサーズ・ミーティングを設置しています。オフィサーズ・ミーティングはCEO、執行役、執行役員及びグループオフィサーにて構成され、その議長をCEOが務めています。当社はこれらにより、業務執行の効率性・機動性を適切に確保しています。
上記のコーポレートガバナンス体制を構成する機関等の名称、目的・権限及び構成員の氏名は次のとおりです。
(法定の機関)
名称 | 目的・権限 | 構成員の氏名 |
取締役会 | 経営の基本方針の決定等の法定決議(業務執行の決定の執行役への委任を含む。)及び執行役等の職務の執行の監督 | 野上宰門(議長)、市井明俊、鈴木啓太、 山名賢一、小原好一(社外取締役)、津田純嗣(社外取締役)、泉本小夜子(社外取締役)、藤塚主夫(社外取締役)、林信秀(社外取締役) |
指名委員会 | 株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定 | 津田純嗣(委員長・社外取締役)、 藤塚主夫(社外取締役)、市井明俊 |
監査委員会 | 取締役及び執行役の職務の監査、監査報告の作成及び会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定 | 泉本小夜子(委員長・社外取締役)、 小原好一(社外取締役)、山名賢一 |
報酬委員会 | 取締役及び執行役の報酬等の決定に関する方針並びに取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容の決定 | 林信秀(委員長・社外取締役)、 小原好一(社外取締役)、鈴木啓太 |
(任意の機関等)
名称 | 目的・権限 | 構成員の氏名 |
経営会議 | CEOの意思決定補助機関、当社グループにおける業務執行方針及び執行に関する重要事項について審議 | 市井明俊(議長)他執行部門の代表者により構成 |
オフィサーズ・ミーティング | 経営課題、事業展開の方向性及び業務執行状況等について、情報を共有し理解の統一を図る | 市井明俊他「(2)[役員の状況] b. 執行役の状況」に記載の執行役、執行役員及びグループオフィサーにより構成 |
③ 内部統制システム構築の基本方針について
当社取締役会は、2006年に「内部統制システム構築の基本方針」を決議して以来、その後も企業に求められる社会的要請の変化に応じ、同方針の見直しをしています。現状の基本方針は次のとおりです(2024年5月9日現在)。
(a) 当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
当社は、「NSKグループ経営規則」により、当社グループ全体の内部統制の向上を図り、経営の健全性・透明性を高め、経営管理を円滑に運営することを目的とし、当社グループにおける業務の適正を確保する体制を構築します。
また、当社グループの経営及び業務についての各種規程に則り、当社グループの各部門よりその業務に係る事項、又は子会社の取締役等より職務の執行に係る事項について、定期的、或いは随時報告を受けます。
当社は、監査委員会に対して当社グループの各部門からの定期的な報告を確認できる仕組みを整備します。監査委員会又は監査委員は、当社グループの各部門を訪問し、また子会社の監査役と連携し、その業務及び財産の状況を調査することができることとします。
なお、監査委員会が必要と認めたときは、監査委員の指揮の下でその業務を経営監査部に行わせることができることとします。
(b) 当社執行役及び使用人並びに子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保
するための体制
当社は、「NSK企業倫理規則」、「コーポレートガバナンス規則」及び「コンプライアンス規則」により、当社グループが企業理念体系に則り、当社執行役及び使用人並びに子会社の取締役等及び使用人が遵守すべき普遍的な考え方、コンプライアンスを推進するための体制及び運営の基本的事項(組織、研修体制、内部通報制度等)を定めます。
また、コンプライアンス意識の醸成を図るとともに内部統制の強化・充実に努め、法令違反行為及び定款違反行為を実効的に防止します。特に国内外の競争法については、「競争法遵守規則」の遵守を徹底させるとともに、継続的な教育・啓発活動の推進を通じて、競争法に関するコンプライアンスの意識を醸成させること等により、違反行為をより実効的に防止します。
法務コンプライアンス本部は、当社グループのコンプライアンス体制を強化するための方針を策定し、これに基づく諸施策を実施するとともにその状況を継続的に監視します。法務コンプライアンス本部の活動はコアバリュー委員会に定期的に報告され、同委員会は、コアバリューの一つであるコンプライアンスの推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的なコンプライアンス課題の解決にむけた提言と進捗のモニタリングを行います。
さらに、「財務報告に係る内部統制規則」に基づき、当社グループ全体の財務報告に係る内部統制の整備及び運用を財務本部が、その評価を経営監査部が担い、財務報告の信頼性を確保するための合理的な保証を得られる体制を確保します。
また、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して断固たる姿勢を貫き、反社会的勢力からの不当、不法な要求に応じず、取引関係を含め、反社会的勢力との関係を一切遮断して、企業活動における社会的責任を果たしていくことを基本方針とします。
(c) 当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、「NSKグループ経営規則」により、事業運営の原則、意思決定の仕組み、事業リスクの継続的監視、当社グループ各社の業績目標及び管理に関し、当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制について定めます。
(d) 当社グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、「リスク管理規則」により、執行体制上の責任者及び組織の役割を定め、当社グループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理し、リスク管理体制を明確にします。
また、経営監査部が各部門のリスク管理の状況を監査し、監査委員会はその結果について報告を受け、定期的に取締役会に報告します。
(e) 当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制について「NSKグループ経営規則」、「文書等の保存・管理規則」及び「NSKグループ情報セキュリティ管理基準」に定めます。
また、当社執行役及び子会社の取締役等は、監査委員会又は監査委員会が指名する監査委員が求めたときは、これらの情報を閲覧に供することとします。
(f) 監査委員会の職務の執行に必要な事項
1) 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
監査委員会の職務を補助する組織を経営監査部とします。経営監査部員のうち若干名の使用人は専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助することとします。
2) 経営監査部の執行役からの独立性及び経営監査部に対する指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部はCEO直属の組織とし、監査対象部門から独立した組織とします。
さらに、監査委員会は組織的監査を行うために経営監査部長又は所属の使用人に対し、直接指揮・命令することができます。
また、同部長及び専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助する部員(監査委員会事務局員)の異動発令及び懲戒等は、事前に監査委員会の同意を得るものとし、人事評価に関して、監査委員会は意見を述べることができることとします。
3) 監査委員会への報告に関する当社グループの体制
当社は、当社事業部門責任者及び当社グループの責任者等が、監査委員会が必要と認める事項につき報告する体制を構築します。特に当社グループに著しい損害を及ぼすおそれがある事実について、その認識の有無につき定期的に監査委員会に報告し、その事実が発生したと判断した場合には、直ちにその内容を監査委員会に報告することとします。
さらに報告を補完する手段として、監査委員会が必要と認めた当社グループの重要会議について、監査委員を出席させることができることとします。また、執行役は当社グループにおける内部通報制度を整備し、その運用及び通報の状況について遅滞なく監査委員会に報告します。
上記に定められた内容又は手段による報告のほか、当社グループの取締役、執行役、使用人及び監査役又はこれらの者から報告を受けた者は、監査委員会に報告を行うことができることとします。
なお、当社は、報告の形式を問わず、監査委員会に報告を行った者に対してその報告を理由として不利益な取扱いをすることを禁止し、当社グループ内にその旨を周知します。
4) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、CEO、会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換を行い、経営監査部による内部監査の有効性を確保するため、内部監査に係る年次計画、実施状況及びその結果について、執行役に対して計画変更、追加監査又は改善を勧告することができることとします。さらに、独自に顧問弁護士に委任し、また必要に応じて専門の弁護士、会計士から監査業務に関する助言を受けることができることとします。
なお、監査委員の職務の執行に関して生ずる費用について、当社はその請求に基づき、所定の方法に従って、適正かつ速やかにその処理を行います。
④ 内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
内部統制システムの構築と整備・運用にあたっての主要な機能とそれを担う組織の役割は次のとおりです。
(コンプライアンス)
法務コンプライアンス本部は、当社グループのコンプライアンス体制を強化するための方針を策定し、これに基づく諸施策を実施するとともに、その状況を継続的に監視し、その活動をコアバリュー委員会に定期的に報告します。
(リスク管理)
経営企画本部は、各事業本部や機能本部、地域本部との連携のもと、CEOを補佐し、主に、当社グループの事業運営における全般的なリスク統括管理の役割を担います。また、グローバルに事業を運営する上で必要となる内部統制システムを維持・強化する責任を負います。
経営監査部は、定期的に、リスクモニタリングを通じてその管理の状況、体制について検証を行うとともに業務監査を通じてその是正と改善を促します。
危機管理委員会は、当社グループが遭遇しうるリスクのうち、自然災害、感染症流行、重大事故等のリスクの管理体制を整備・強化することにより、リスク発生の未然防止や発生時の損害を最小化する役割を担います。また、リスク発生時においては、これに迅速かつ的確に対処する役割を担います。
(承認・報告)
当社グループ各社は、会社運営、制度、統治機構及び株主の利益に関する事項をCFOに、事業運営に係る重要な意思決定に関する事項を所轄の事業本部又は機能本部に事前に申請し承認を得ます。また、各社は当社に対して定期的に報告を行います。
当社のコーポレートガバナンス体制及び内部統制体制は次のとおりです。

コアバリュー委員会:「安全・品質・環境・コンプライアンス」のコアバリューは、当社の経営の意思決定や行動において、最優先される共通の価値基準です。コアバリュー委員会は、コアバリュー推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と進捗のモニタリングを行います。
⑤ 「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」について
(a) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、資本市場に公開された株式会社であるため、当社株式の大量の買付行為がなされた場合にそれに応じるべきか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきであると考えます。
しかしながら、株式の大量の買付行為の中には、株主の皆様に対する必要十分な情報開示や熟慮のための機会が与えられることなく、あるいは当社取締役会が意見表明を行い、代替案を提示するための情報や時間が提供されずに、突如として強行されるものもあり得ます。このような株式の大量の買付行為の中には、真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの等、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損する買付行為もあり得ます。
かかる当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損する当社株式の大量の買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(b) 基本方針の実現に資する特別な取り組みの概要
(イ)中期経営計画等による企業価値向上への取り組み
当社グループは企業理念のもと、技術革新の進展や地球環境負荷の低減に対する取り組みを成長の機会と捉え、技術・製品・サービスを通じ、高い品質と信頼で応えていきます。すなわち、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続ける企業を目指していきます。
その実現に向けて、2022年度から2026年度までの5ヵ年を対象期間とする『中期経営計画2026』に則り、事業基盤の強化を進めていきます。当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を、経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題と取り組み内容は、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (2) 経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(ロ)コーポレートガバナンスに関する取り組み
当社は、社会的責任を果たし、企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、持続的に向上させるため、経営に関する意思決定の透明性と健全性の向上に積極的に取り組んできました。2004年に当時の委員会等設置会社に移行する以前から、執行役員制度の導入、社外取締役の招聘及び任意の報酬委員会・監査委員会の設置をしてきました。現在、当社は指名委員会等設置会社であり、指名・監査・報酬の3つの委員会は、それぞれ社内取締役と過半数を占める社外取締役で構成され、経営に関する意思決定の透明性と健全性の確保に大きな役割を果たしています。
なお、当社の社外取締役については全員を独立役員として株式会社東京証券取引所に届け出ています。
(c) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取り組みの概要
当社は、2008年6月に導入した当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)について、有効期間の満了となる2023年6月23日開催の当社第162期定時株主総会の終結の時をもって継続せず、廃止しました。当社は、今後も、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上に向けて取り組みを進めるとともに、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、当該行為の是非を株主の皆様が検討するために必要かつ十分な情報の提供と時間の確保を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が当該行為を適切に判断することができる機会の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
(d) 上記の取り組みについての取締役会の判断及びその理由
上記(b)の取り組みは、当社の中長期的な企業価値の向上のための基本的な取り組みの一環であり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させることを目的として実施しているものです。
また、上記(c)の取り組みは、大量買付行為の是非を株主の皆様が検討するために必要かつ十分な情報、時間及び機会を確保するものであり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として実施するものです。
従いまして、上記(b)及び(c)の取り組みは上記(a)の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑥ その他
(a) 自己株式取得に関する要件
当社は、自己株式の取得について、株主還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議による市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款で定めています。
(b) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(c) 取締役の選任に関する決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨を定款で定めています。
(d) 責任限定契約の締結
当社は、会社法第427条第1項及び定款第26条に基づき、取締役(業務執行取締役等である者を除く)全員と会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく損害賠償の限度額は法令が規定する最低責任限度額です。
(e) 補償契約の締結
当社は、取締役及び執行役全員との間で会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しています。同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。ただし、補償金額の上限設定や被補償者による損害軽減の対応義務、補償の際に当社諮問委員会での審議を要することとし、被補償者の職務執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています 。
(f) 役員等賠償責任保険契約の締結
当社は、当社並びに一部の当社子会社及び関連会社の取締役、執行役及び管理職従業員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険を保険会社との間で締結しており、保険料は特約部分も含め全額を当社並びに一部の当社子会社及び関連会社が負担しています。当該保険契約により、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、または当該責任の追及に係る争訟費用や損害賠償請求を受けることによって生ずることのある損害が保険会社により填補されます。ただし故意または重過失に起因して生じた当該損害は填補されない等の免責事由があります。
(g) 剰余金の配当等に関する事項
当社は、剰余金の配当等、会社法第454条第5項及び第459条第1項各号に掲げる事項については、株主総会の決議によらず取締役会の決議による旨を定款に定めています。これは、当社の配当方針に基づき、剰余金の配当等を機動的に実施するためです。
(h) 会社と特定の株主の間で利益が相反するおそれがある取引を行う場合に株主の利益が害されることを防止
するための措置
当社は、当社と特定の株主との間の取引に関して、会社及び株主共同の利益を害することのないよう、当社取締役会が事前に承認をし、定期的に報告を受けることとしています。
⑦ 会社のコーポレートガバナンスの充実に向けた取り組みの最近1年間の状況
2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)に開催した重要な会議は次のとおりです。
株主総会 : 第162期定時株主総会 2023年6月23日
取締役会 : 10回
指名委員会: 6回
監査委員会: 14回
報酬委員会: 4回
(a) 取締役会
(イ)開催実績
10回
(ロ)主な議題
・連結決算、剰余金の処分、内部統制システム構築の基本方針、執行役の選任
・ステアリング事業の合弁会社の設立
・サステナビリティ・リンク・ボンドの発行
・政策保有株式の保有の合理性の検証
・機関投資家との対話結果
・取締役会の実効性評価
・予算運営方針
・指名、監査、報酬委員会の活動状況
・『中期経営計画2026』のモニタリング
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる取締役会の回数)
野上 宰門(議長) 100%(10回/10回)
市井 明俊 100%(10回/10回)
鈴木 啓太 100%( 8回/ 8回)
山名 賢一 100%(10回/10回)
永濱 光弘 100%(10回/10回)
小原 好一 100%(10回/10回)
津田 純嗣 100%(10回/10回)
泉本 小夜子 100%(10回/10回)
藤塚 主夫 88%( 7回/ 8回)
2023年6月23日付で、鈴木啓太氏及び藤塚主夫氏は取締役にそれぞれ就任したため、出席対象となる取締役会の回数が他の取締役と異なります。
(b) 指名委員会
(イ)開催実績
6回
(ロ)主な議題
・取締役会の構成(スキル・マトリックスを含む)
・2024年度取締役候補者案
・社外取締役候補者の確保
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
津田 純嗣(委員長) 100%(6回/ 6回)
藤塚 主夫 100%(5回/ 5回)
市井 明俊 100%(6回/ 6回)
2023年6月23日付で、藤塚主夫氏は指名委員会委員に就任したため、出席対象となる指名委員会の回数が
他の指名委員会委員と異なります。
(c) 監査委員会
(イ)開催実績
14回
(ロ)主な議題
・「(3) [監査の状況]」に記載のとおりです。
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
泉本 小夜子(委員長) 100%(14回/14回)
永濱 光弘 100%(14回/14回)
山名 賢一 100%(14回/14回)
(d) 報酬委員会
(イ)開催実績
4回
(ロ)主な議題
・役員の報酬等の額の決定に関する方針
・取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容
・2024年度役員報酬制度
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
永濱 光弘(委員長) 100%(4回/ 4回)
小原 好一 75%(3回/ 4回)
鈴木 啓太 100%(3回/ 3回)
2023年6月23日付で、鈴木啓太氏は報酬委員会委員に就任したため、出席対象となる指名委員会の回数が
他の指名委員会委員と異なります。