有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/16 13:53
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
また、2025年1月17日に行われたCanadian Primoflex Systems Inc.との企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、比較的堅調に推移しました。年度初めには、米国の輸入関税政策をめぐり金融市場の混乱が見られましたが、年度末には概ね落ち着きを取り戻しました。一方で、ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学リスクは継続し、不安定な市場環境が続きました。
印刷機械の市場動向は、地域ごとに濃淡が見られたものの、省エネ性能の向上や生産性向上、効率化を目的とした合理化投資への関心は各地域で継続しており、特に高付加価値印刷やパッケージ分野での設備需要は堅調に推移しました。
このような市場環境のもと、当社グループでは、菊半裁寸延オフセット枚葉印刷機「LITHRONE GX29 advance」を新たにラインアップに加え、カードや医薬品パッケージ等の多様化・高度化する印刷ニーズに対応し、同分野における付加価値を強化しました。この他に、オペレーティングシステムの強化や、「KP-Connect」による工程間データ連携を通じて、高速生産と損紙低減を両立し、印刷工場全体のスマートファクトリー化を推進しています。また、国内サービス体制の強化を目的として、2025年10月1日にコンタクトセンターを開設し、24時間受付体制の整備を通じて、業務効率化と顧客満足度のさらなる向上を目指しております。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は114,534百万円(前連結会計年度比12.5%減少)となり、売上高は118,611百万円(前連結会計年度比6.8%増加)となりました。売上原価率は、前連結会計年度に比べ良化しました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、売上高の増加に伴う販売出荷費が増加したこと、研究開発費が増加したこと等により増加しました。その結果、営業利益は、9,404百万円(前連結会計年度比32.2%増加)となりました。経常利益は、円安による為替差益の増加等により10,718百万円(前連結会計年度比40.8%増加)、税金等調整前当期純利益は10,814百万円(前連結会計年度比18.1%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,371百万円(前連結会計年度比1.7%増加)となりました。
また、海外売上高は85,485百万円(前連結会計年度比10.8%増加)で、売上高に占める割合は72.1%となりました。
地域別連結売上高の概況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2024.4.1~2025.3.31)
当連結会計年度
(2025.4.1~2026.3.31)
増減率
(%)
売上高111,050118,6116.8%
内 訳日本33,92233,125△2.3%
北米9,24812,55735.8%
欧州24,71828,17814.0%
中華圏19,18215,703△18.1%
その他地域23,97829,04621.1%

日本市場では、合理化投資や省力化投資を目的としたオフセット枚葉印刷機の需要が引き続き堅調に推移しました。一方で、オフセット輪転印刷機では販売が進んだ前連結会計年度からの反動減が見られました。売上高は前連結会計年度比2.3%減少の33,125百万円となりました。
北米市場では、関税コストの価格転嫁に伴う影響から、個人消費や一部の設備投資には減速感が見られました。しかしながら、当社グループが強みとする証券印刷機や大型オフセット枚葉印刷機の納入が進んだことに加え、高度な技術力と長期的なサポート体制が評価され、売上高は大きく伸長しました。売上高は前連結会計年度比35.8%増加の12,557百万円となりました。
欧州市場では、米国との関税交渉が決着したことにより不確実性が低下し、輸出環境が改善しました。堅調な雇用・所得環境が個人消費を下支えし、景気は緩やかな回復を継続しました。前連結会計年度に開催された大型展示会に起因する受注残高が着実に売上として計上されたことに加え、紙器・パッケージ印刷分野を中心とした設備需要も回復基調にありました。売上高は前連結会計年度比14.0%増加の28,178百万円となりました。
中華圏市場では、不動産投資や大型インフラ投資の停滞が続き、景気の減速傾向が見られました。大手顧客を中心とした合理化投資は継続しているものの、商業印刷分野における中堅顧客では投資判断に慎重な姿勢が続きました。一方では、展示会等を通じた引き合いは継続しており、需要の見極めが進む局面となりました。その結果、売上高は前連結会計年度比18.1%減少の15,703百万円となりました。
アセアン、インド、オセアニア及び中南米を含むその他地域では、経済規模の拡大や人口増加を背景に、パッケージ印刷を中心とした印刷設備需要が着実に増加し、全体として堅調な推移となりました。売上高は前連結会計年度比21.1%増加の29,046百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
a. 日本
セグメントの「日本」には、日本の国内売上高と、日本から海外の代理店地域や海外証券印刷機の直接売上高が計上されております。同代理店地域には、一部のアジアと中南米等が含まれております。上記記載のそれぞれの地域での業績を反映した結果、セグメントの「日本」の売上高は87,044百万円(前連結会計年度比5.2%増加)となり、セグメント利益は9,637百万円(前連結会計年度比37.0%増加)となりました。
b. 北米
セグメントの「北米」には、米国の販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました北米の状況の結果、セグメントの「北米」の売上高は12,740百万円(前連結会計年度比37.1%増加)となり、セグメント利益は625百万円(前連結会計年度は8百万円)となりました。
c. 欧州
セグメントの「欧州」には、欧州の販売子会社、欧州の紙器印刷機械製造販売子会社グループ及び印刷後加工機製造販売子会社グループの売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました欧州の状況の結果、セグメントの「欧州」の売上高は28,476百万円(前連結会計年度比13.0%増加)となり、紙器印刷機械製造販売子会社の受注増対応による人的資本の投資等により、セグメント損失は1,919百万円(前連結会計年度は778百万円)となりました。
d. 中華圏
セグメントの「中華圏」には、香港、中国深圳市、台湾の販売子会社及び中国南通市の印刷機械装置製造販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました中華圏の状況の結果、セグメントの「中華圏」の売上高は13,601百万円(前連結会計年度比14.9%減少)となり、セグメント利益は133百万円(前連結会計年度比48.6%減少)となりました。
e. その他
「その他」には、インド、シンガポール及びマレーシアの販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べましたその他地域の状況の結果、売上高は7,133百万円(前連結会計年度比21.1%増加)となり、セグメント利益は492百万円(前連結会計年度比19.8%増加)となりました。
(2) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,212百万円増加し、178,158百万円(前連結会計年度比3.0%増加)となりました。資産の主な増加要因は、投資有価証券の増加4,078百万円、棚卸資産の増加2,149百万円、現金及び預金の増加1,946百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加1,578百万円等であります。主な減少要因は、有価証券の減少6,987百万円等であります。
(負債及び純資産)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,185百万円減少し、55,261百万円(前連結会計年度比3.8%減少)となりました。負債の主な減少要因は、1年内償還予定の社債の減少10,000百万円、電子記録債務の減少5,082百万円等であります。主な増加要因は、社債の増加9,000百万円、流動負債その他の増加1,498百万円、繰延税金負債の増加1,401百万円、契約負債の増加716百万円等であります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,397百万円増加し、122,896百万円(前連結会計年度比6.4%増加)となりました。純資産の主な増加要因は、利益剰余金の増加2,933百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,844百万円、為替換算調整勘定の増加1,286百万円等であります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.8%から69.0%(前連結会計年度比2.2ポイント増加)となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の2,176.79円から2,316.06円(前連結会計年度比139.27円増加)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4,549百万円減少し、52,851百万円(前連結会計年度比7.9%減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が17,018百万円の資金増加であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ13,485百万円増加幅が減少し、3,533百万円の資金増加となりました。資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益10,814百万円、減価償却費2,277百万円等であり、資金減少の主な内訳は、仕入債務の減少額5,740百万円、法人税等の支払額3,294百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が4,781百万円の資金減少であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ1,873百万円減少幅が縮小し、2,908百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出3,837百万円、定期預金の預入による支出2,088百万円等であり、資金増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入2,122百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が4,310百万円の資金減少であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ1,762百万円減少し、6,072百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、社債の償還支出10,000百万円、配当金の支払額4,433百万円、リース債務の返済による支出409百万円等であります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
日本62,778△10.7
欧州12,162+2.5
中華圏2,032△11.3
合計76,973△8.9

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 金額は平均販売価格で表示しております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
日本52,011△2.433,658+5.4
北米7,800△57.18,049△34.2
欧州30,760+8.117,841+33.2
中華圏15,788△15.411,072+8.0
その他8,173△33.45,084△41.8
合計114,534△12.575,705△1.1

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 受注残高には、見込み受注分は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
日本55,271△0.0
北米12,689+36.7
欧州28,178+14.0
中華圏11,698△18.0
その他6,900+20.6
調整額(注2) (注3)3,872119.2
合計118,611+6.8

(注)1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 報告セグメントにおいて代理人として処理した取引のうち、他の当事者がセグメント間に存在するため、連結損益計算書上は本人として処理される取引であります。
3. 履行義務の充足に係る進捗度に基づいて、一定期間にわたり収益を認識する取引のセグメント間取引に係る進捗度の調整であります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「3 事業等のリスク」に記載した項目が挙げられますが、特に影響が大きい要因は次のとおりであります。
当社グループの総売上高に占めるオフセット印刷機事業の割合は大きく、景気動向や法律・規制の施行、税制等の変更等に起因するオフセット印刷機の需要環境変動が、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度のオフセット印刷機の需要環境は、米国関税問題や、地政学リスクが長期化する中で、地域によりばらつきはあるものの、総じて引き続き堅調に推移しました。一方で、電子媒体の増加が新興国を含め世界的に急速に浸透していますが、今後において人々の行動が変化して書籍、商業印刷の需要がさらに縮小した場合には、出版、商業用印刷向けオフセット印刷機の需要も縮小し、当社グループのオフセット事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対応した戦略として、パッケージ印刷向けの製品・サービスを拡充するとともに、DPS事業やPE事業等の成長事業や、MBOグループの印刷後加工機の事業とのシナジー効果を拡大し収益源の多様化・安定化を進めております。このように、オフセット事業以外の事業についても成長を促進することにより、個別事業の需要環境変動が発生したとしても経営成績への影響度を低減できるように図ってまいります。
次に、当社グループの海外売上高比率は全体の70%を超えており、かつ製造拠点が日本に集中していることから、為替変動の影響を受けやすい構造となっております。当社グループはこの為替変動リスクに対応すべく、円建て契約を優先するほか、先物為替予約で短期の変動リスクをヘッジする一方、部材等の海外調達比率を高め、また、一部製品の製造を海外製造子会社へ移管するとともにM&Aで海外生産を強化すること等により為替エクスポージャーを低減する努力を続けております。
足元では、インフレが継続し一部部材の調達環境が厳しくなっておりますが、継続して電子部品や一般市販部品のメーカーとの連携強化を図り適正な在庫確保を図るとともに代替可能部品の選定等対策を進めてまいります。今後とも、「3 事業等のリスク(4)災害等によるリスク」に記載した適正な部品在庫を確保するための対策を講じて安定稼働に努めてまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、経済・金融環境の変化に伴う需要変動リスクに備えて十分な手許流動性を確保することにより、安定した財務基盤の維持に努めております。運転資金及び事業投資資金については主として内部資金により調達しておりますが、財務運営の安定性を増すため、2025年4月に普通社債90億円を発行しております。今後の運転資金及び事業投資資金の需要については内部資金の範囲内と認識しておりますが、内部資金を超過する大型戦略投資資金が必要となる際には、借入金や社債により調達する可能性があります。なお、当社は格付け機関である格付投資情報センター(R&I)より長期格付けA-を取得しております。
(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループは、当連結会計年度から第7次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)に取り組んでおります。同計画の骨子については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標」に記載しており、サステナブルな経営体質に向けた事業変革と経営基盤強化を推進し、企業価値向上を目指してまいります。
第7次中期経営計画の最終年度である2027年3月期の目標と、当連結会計年度の実績は以下のとおりです。
中期経営計画
最終年度目標
当連結会計年度
実績
営業利益率7.0%以上7.9%
ROE6.0%以上6.2%


(8) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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