有価証券報告書-第46期(2023/04/01-2024/03/31)
②戦略
当社グループは、気候変動により想定されるさまざまなリスクや機会の把握に努めております。評価対象について、半導体関連製品を含むサプライチェーン全体とし、将来の気候変動が当社グループ事業へもたらすリスク・機会を整理し、1.5℃シナリオを含むシナリオ分析を定性的・定量的に実施することにより当該リスク・機会の影響を評価いたしました。
(リスク及び機会)
a.想定されるリスク
TCFD提言では、気候変動関連リスクを移行リスク・物理リスクの二つのカテゴリに分類しており、提言に基づいてリスク項目の洗い出しを行いました。その中で、当社グループ事業との関係性が高いと想定される主要なリスク項目を洗い出し、影響を整理いたしました。
※1 短期:<3年 中期:3~5年 長期:≧5年
b.想定される機会
社会全体としての省エネルギー活動やエネルギー効率化の更なる促進が求められる中で、温室効果ガス排出や廃棄物削減に資する機器需要の拡大や、EVなどの半導体需要を伴う製品の需要拡大に伴う半導体製造装置需要の拡大を事業機会と見込んでおります。
※1 短期:<3年 中期:3~5年 長期:≧5年
※2 Global EV Outlook 2021(Sustainable Development Scenario)
c.シナリオ分析
気候変動により生じる当社グループへの影響を検証するため、IEA「World Energy Outlook 2021」、IPCC第6次報告書等のシナリオを参考に、1.5℃シナリオを含む複数のシナリオを設定し、各シナリオで受ける当社事業の影響を分析いたしました。
TOWAの描く各シナリオの世界観
上記の世界観に基づき、定量的に評価可能なリスク項目に関して、以下のとおり財務的影響の評価を行っております。
d.移行リスク
炭素価格が上昇した場合の当社グループ事業への影響を試算したところ、コスト増加といった影響は限定的であると見積もっております。これらは、これまで当社グループが使用電力の再エネ転換を進めてきた結果であると考えており、今後もさらなる再エネ転換等を図ることにより、移行リスクに左右されない事業活動を行ってまいります。
e.自然災害による物理的リスク
IPCC「第6次評価報告書」を参考に、現行シナリオ(4℃上昇)の世界での洪水の発生確率は、1850-1900年時点と比較し2.7倍と想定し、災害発生時の損害を試算したところ、影響は限定的であると見積もっております。
一方、万が一の災害発生に備え、他事業所やグループ会社での代替生産体制の構築といったBCP体制の整備を進め、物理的リスクにも影響を受けない事業活動を目指してまいります。
当社グループは、気候変動により想定されるさまざまなリスクや機会の把握に努めております。評価対象について、半導体関連製品を含むサプライチェーン全体とし、将来の気候変動が当社グループ事業へもたらすリスク・機会を整理し、1.5℃シナリオを含むシナリオ分析を定性的・定量的に実施することにより当該リスク・機会の影響を評価いたしました。
(リスク及び機会)
a.想定されるリスク
TCFD提言では、気候変動関連リスクを移行リスク・物理リスクの二つのカテゴリに分類しており、提言に基づいてリスク項目の洗い出しを行いました。その中で、当社グループ事業との関係性が高いと想定される主要なリスク項目を洗い出し、影響を整理いたしました。
| 項目 | 発生時期※1 | 影響内容 | ||
| リスク | 政策・ 法規制 リスク | 排出権取引・炭素税 | 中期 | ・CO2を大量に排出する素材の調達コスト(炭素税等)増加 ・自社事業活動に係る炭素税によるコスト増加 |
| 省エネ等環境関連規制の強化 | 短期 | ・再エネ導入、省エネのための設備更新によるコスト増加 | ||
| 技術 リスク | 省エネ・CO2削減技術開発の遅れによる販売機会の喪失 | 中期 | ・エネルギー効率の悪い製品が淘汰され、より高性能な製品への需要移行 ・顧客の省エネ・脱炭素ニーズを満たせないことによる商機の逸失 | |
| 新技術に対する研究開発コストまたは研究失敗のリスク | 中期 | ・技術開発競争(省エネ性能向上等)で劣勢になった場合、技術開発コストの回収失敗リスク | ||
| 評判 リスク | 削減目標不達に対する企業評価低下 | 中期 | ・環境への取り組みが不十分となった場合のレピュテーションリスクによる顧客離れ ・市場から資金の確保が難しくなる | |
| 消費者の嗜好の変化 | 中期 | ・最終顧客の嗜好変化に伴い、取引先から装置の低炭素化が調達要件化 | ||
| 物理 リスク | 台風・洪水などの激甚災害 | 短期 | ・自社工場・拠点が台風や洪水などに被災することによる事業活動停止 ・サプライヤー・物流倉庫被災による部品納品の遅延 ・落雷由来の停電増加による生産効率の低下 | |
※1 短期:<3年 中期:3~5年 長期:≧5年
b.想定される機会
社会全体としての省エネルギー活動やエネルギー効率化の更なる促進が求められる中で、温室効果ガス排出や廃棄物削減に資する機器需要の拡大や、EVなどの半導体需要を伴う製品の需要拡大に伴う半導体製造装置需要の拡大を事業機会と見込んでおります。
| 項目 | 発生時期※1 | 影響内容 | |
| 機会 | 効率的な輸送手段の使用 (モーダルシフト) | 短期 | ・EVが2030年新車販売台数の60%※2を占めるとすることや、自動運転の拡大による半導体製造装置需要の拡大 |
| 低排出エネルギー源の使用 | 中期 | ・新技術の導入、分散型エネルギーへの転換によるパワーコンディショナ―等への半導体需要に伴う製造装置の需要拡大 | |
| 低排出商品やサービスの開発・拡張 | 短期 | ・廃棄物の排出量を低減する半導体製造装置(コンプレッションモールディング装置)の需要拡大 | |
| 気候変動対策に向けた新市場機会獲得 | 中期 | ・自社製造プロセスの脱炭素化実現によるRE100活動顧客等からの需要増 | |
| リサイクルの活用 | 短期 | ・サーキュラーエコノミーの観点から半導体製造装置の中古機販売事業の需要拡大 | |
※1 短期:<3年 中期:3~5年 長期:≧5年
※2 Global EV Outlook 2021(Sustainable Development Scenario)
c.シナリオ分析
気候変動により生じる当社グループへの影響を検証するため、IEA「World Energy Outlook 2021」、IPCC第6次報告書等のシナリオを参考に、1.5℃シナリオを含む複数のシナリオを設定し、各シナリオで受ける当社事業の影響を分析いたしました。
| 設定シナリオ | 1.5℃シナリオ | 現行シナリオ(現状維持シナリオ) |
| 想定される 事業環境 | リスク | リスク |
| ・1.5℃の世界の実現に向けて、全世界で炭素税の導入が進み、2030年で先進国では130$/t-CO2を超える水準に。 ・顧客の環境意識が高まり、製造装置の省エネ・省CO2化が厳格に求められるようになる。ただし、省エネ技術開発は大きく進展する。 | ・台風被害の増加、洪水頻度の増加等激甚災害の頻度増加に伴い、自社工場・サプライチェーン拠点の被災リスクが高まる。 | |
| 機 会 | 機 会 | |
| ・EV販売台数の伸長や再エネ機器の普及、また顧客の国際イニシアティブ(RE100,SBT等)の達成ニーズの高まりに伴い、半導体製造装置の需要は現状よりも大きく拡大。 ・経済性に加え、サーキュラーエコノミーの概念の普及に伴い製造装置の中古市場は現状よりも大きく拡大。 | ・EV販売台数の伸長や再エネ機器の普及、また顧客の国際イニシアティブ(RE100,SBT等)の達成ニーズの高まりに伴い、半導体製造装置の需要は拡大傾向も1.5℃シナリオに比べると伸びは緩やかとなる。 ・経済性の観点から製造装置の中古市場は拡大傾向も1.5℃シナリオに比べると伸びは緩やかとなる。 | |
| 参照シナリオ | ・IEA:WEO2021 NZE及びSDS ・IPCC第6次評価報告書 第1作業部会報告書:SSP1-1.9, SSP1-2.6 | ・IEA:WEO2021 STEPS ・IPCC第6次評価報告書 第1作業部会報告書:SSP3-7.0, SSP5-8 |
TOWAの描く各シナリオの世界観上記の世界観に基づき、定量的に評価可能なリスク項目に関して、以下のとおり財務的影響の評価を行っております。
d.移行リスク
炭素価格が上昇した場合の当社グループ事業への影響を試算したところ、コスト増加といった影響は限定的であると見積もっております。これらは、これまで当社グループが使用電力の再エネ転換を進めてきた結果であると考えており、今後もさらなる再エネ転換等を図ることにより、移行リスクに左右されない事業活動を行ってまいります。
e.自然災害による物理的リスク
IPCC「第6次評価報告書」を参考に、現行シナリオ(4℃上昇)の世界での洪水の発生確率は、1850-1900年時点と比較し2.7倍と想定し、災害発生時の損害を試算したところ、影響は限定的であると見積もっております。
一方、万が一の災害発生に備え、他事業所やグループ会社での代替生産体制の構築といったBCP体制の整備を進め、物理的リスクにも影響を受けない事業活動を目指してまいります。