有価証券報告書-第33期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境は、年度の前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界規模で設備投資に慎重な姿勢が見られたため、厳しい状況で推移しました。しかしながら、年度の後半に入り、新型コロナウイルス感染拡大をいち早く抑え込んだ中国の経済活動の回復により、日本を含むアジア市場を中心に事業環境は大幅に改善しました。
当社グループの受注環境は、アジア市場で自動化投資が活発化したことに加え、データ需要急増に伴う半導体大手の大規模投資の加速により急速に改善しました。また、前年度まで過剰となっていたお客様における当社製品の在庫調整が進展したことも、受注の底上げに寄与しました。これらにより、通期の連結受注高は前期比38.8%増加の416億75百万円となりました。
また、連結売上高につきましては、日本を含むアジア市場は受注回復の影響により売上高が増加したものの、欧米地域では新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の回復の遅れから主要用途向けの売上高が総じて減少しました。その結果、前期比1.2%減少の370億34百万円となりました。
用途別の売上高の動向につきましては、産業用ロボット向けは、中国を中心とした自動化設備投資の回復に加え、EV向けのバッテリー生産工程でも産業用ロボットの導入が進んだことによる需要拡大が貢献し、売上高は増加しました。また、半導体製造装置向けは、第5世代通信(5G)の普及やIoTの進展などで設備投資意欲が旺盛だった影響から売上高は増加しました。一方、フラットパネルディスプレイ製造装置向けは、前年と同様に設備投資案件が乏しく売上高は低水準となりました。また、工作機械向け、車載用途等も、年の前半の受注低迷を受け、通期での売上高は減少しました。
損益面につきましては、お客様、お取引先、社員およびその家族の新型コロナウイルス感染防止対策を最優先しながら、厳しい事業環境下でも利益を出せるより筋肉質な体質の構築と、次に訪れる拡大期の備えに傾注してまいりました。その結果、売上高は減少したものの、営業利益は8億65百万円(前期は営業損失1億95百万円)となりました。また、営業利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は6億62百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失10億95百万円)となりました。
なお、製品群別の売上高は、減速装置が293億19百万円(前期比4.6%増)、メカトロニクス製品が77億14百万円(前期比18.4%減)で、売上高比率はそれぞれ79.2%、20.8%となりました。
報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(日本)
日本を含むアジア市場を中心に生産活動の正常化が進み、自動化・省人化を目的とした設備投資が回復したことにより、産業用ロボット向けをはじめ、半導体製造装置向けなどの需要が回復しました。これらにより、売上高は前期比18.8%増加の221億13百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、増収の影響により、前期比93.3%増加の48億9百万円となりました。
(北米)
新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンの影響により、主にアミューズメント機器向けの需要が減少したことに加え、経済活動の停滞により設備投資需要が総じて減少したことにより、売上高は前期比17.6%減少の51億44百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、前期比67.5%減少の3億10百万円となりました。
(欧州)
お客様における在庫調整の影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、市場全般で需要が低調に推移したことにより、主に産業用ロボット向け、その他一般産業機械向けの需要などが減少し、売上高は前期比22.6%減少の97億75百万円となりました。また、減収による利益減少の影響に加え、ハーモニック・ドライブ・エスイーの株式取得時に計上した無形資産に係る償却費14億97百万円の負担により、9億20百万円のセグメント損失(経常損失)となりました。
当連結会計年度における財政状態は、以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末と比較して、投資その他の資産合計が87億68百万円増加(前期比86.4%増)したことにより、81億79百万円増加(前期比6.2%増)し1,400億28百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比較して、繰延税金負債が27億97百万円増加(前期比30.1%増)により、48億38百万円増加(前期比19.3%増)し299億68百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比較して、非支配株主持分が22億94百万減少(前期比24.2%減)したことに加え、期末及び中間配当を実施したことにより利益剰余金が12億62百万円減少(前期比2.3%減)した一方で、その他有価証券評価差額金が59億71百万円増加(前期比146.2%増)したことにより、33億41百万円増加(前期比3.1%増)し1,100億59百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の73.3%から73.5%になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて16億54百万円増加し199億96百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は95億55百万円となりました。(前連結会計年度は109億50百万円の収入)
これは、売上債権の増加を25億30百万円計上した一方で、減価償却費を64億64百万円計上したことに加え、法人税等の還付が22億6百万円あったたことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は41億80百万円となりました。(前連結会計年度は125億37百万円の支出)
これは、関係会社株式の取得による支出が29億50百万円、有形固定資産の取得による支出が13億26百万円あったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は36億11百万円となりました。(前連結会計年度は23億62百万円の収入)
これは、配当金の支払いが19億26百万円あったことが主な要因です。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記金額は販売価格により表示し、消費税等は含まれておりません。
3. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
4. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
5. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
4. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
5. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
6. 受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した前連結会計年度以前の受注分に係る372,051千円の受注取り消し額を差し引いております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
5. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
6. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響は不確実性が大きく今後の当社業績に与える影響を合理的に見通すことは困難でありますが、2021年3月期の連結財務諸表の作成にあたっては、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。しかしながら、このような検証にもとづく見積りに対し、将来の当社グループ製品に係る需要変動や生産活動等に大きな影響が及ぶなどの差異が生じた場合には、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得の発生時期及びその金額を合理的に見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営者が見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産が減額され税金費用が増加する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無に係る判定を行い、認識及び測定のプロセスを経た上で、減損が必要と認められる固定資産については帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、当該資産の耐用年数、将来の使用目処、将来キャッシュ・フロー、割引率の設定などにおいて、経営者の判断や見積もりを用いておりますが、今後の事業計画や市場環境の変化により、当該見積りや判断の前提条件や仮定に変更が生じた場合には減損処理が必要となることがあり、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
a. 財政状態
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて21億29百万円増加(前期比5.9%増)し381億17百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が25億45百万円増加(前期比35.1%増)したことが主な要因です。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて60億50百万円増加(前期比6.3%増)し1,019億10百万円となりました。これは、保有する投資有価証券の時価が上昇したことにより、投資その他の資産合計が87億68百万円増加(前期比86.4%増)したことが主な要因です。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて81億79百万円増加(前期比6.2%増)し、1,400億28百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて28億26百万円増加(前期比55.1%増)し79億54百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が9億40百万円増加(前期比63.8%増)したことに加え、その他流動負債が8億91百万円増加(前期比64.6%増)したこと、未払法人税等が7億8百万円増加(前期比550.4%増)したことが主な要因です。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて20億12百万円増加(前期比10.1%増)し220億14百万円となりました。これは、繰延税金負債が27億97百万円増加(前期比30.1%増)したことが主な要因です。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて48億38百万円増加(前期比19.3%増)し299億68百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて33億41百万円増加(前期比3.1%増)し1,100億59百万円となりました。これは、非支配株主持分が22億94百万減少(前期比24.2%減)したことに加え、期末及び中間配当を実施したことにより利益剰余金が12億62百万円減少(前期比2.3%減)した一方で、その他有価証券評価差額金が59億71百万円増加(前期比146.2%増)したことが主な要因です。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の73.3%から73.5%になりました。
b. 流動性および資金の源泉
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の購入や外注加工費の支払いのほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に係るものです。また、当社グループの研究開発費は研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めております。
設備投資、M&Aなどに係る投資資金需要に対しましては、自己資金の充当を優先した上で、不足する資金については直接金融、間接金融など多面的な調達方法を検討し実行いたします。なお、当連結会計年度における設備投資のうち主なものは、工作機械等の製造装置、各種検査装置、切削工具、治具の取得などでありますが、これらへの投資にあたっては、有形・無形固定資産の購入とする方法と、リース取引による方法とを併用しております。
また、当連結会計年度において、ハーモニック・ドライブ・エルエルシーの持分49%について、ナブテスコ株式会社の米国子会社(Nabtesco USA Inc.)から買い取りしていますが、自己資金を充当しております。
c. 経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べて4億53百万円減少(前期比1.2%減)し、370億34百万円となりました。これは、日本を含むアジア市場では受注回復をした一方で、欧米地域では新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の回復の遅れにより売上高が減少したことによるものです。
(営業利益)
営業利益は、前連結会計年度に比べて10億61百万円増加し、8億65百万円(前期は営業損失1億95百万円)となりました。これは、新型コロナウイルス感染防止対策を最優先としつつ、厳しい事業環境下でも利益を出せる体質の構築を進めたことによるものです。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億77百万円増加(前期比21.9%増)し、9億88百万円となりました。これは、補助金収入が2億77百万円発生したことが主な要因です。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて1億8百万円増加(前期比28.6%増)し、4億87百万円となりました。これは、たな卸資産評価損が1億84百万円発生したことが主な要因です。
これらの結果、経常利益は前連結会計年度に比べて11億30百万円増加(前期比478.2%増)し、13億66百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、前連結会計年度に比べて9百万円減少(前期比13.5%減)し、61百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べて35百万円減少(前期比8.0%減)し、4億8百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億62百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失10億95百万円)となりました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする経営指標を売上高営業利益率:20%以上、自己資本当期純利益率(ROE):10%以上としております。また、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)において、2023年度における財務目標を連結売上高 700億円、売上高営業利益率 21.4%、ROE10%以上と掲げました。
連結売上高、連結営業利益、ROEの過去5年間の推移は以下のとおりです。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画(2018年度-2020年度)の最終年度である当連結会計年度の事業環境は厳しい状況で推移し、実績は目標に対して大幅な未達となりました。これは、2018年度から悪化した米中貿易摩擦、2019年度以降に深刻化した新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中期経営計画(2018-2020年度)想定時よりも設備投資需要が大幅に調整されたことが主な要因です。なお、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)はこれらの影響を考慮しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境は、年度の前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界規模で設備投資に慎重な姿勢が見られたため、厳しい状況で推移しました。しかしながら、年度の後半に入り、新型コロナウイルス感染拡大をいち早く抑え込んだ中国の経済活動の回復により、日本を含むアジア市場を中心に事業環境は大幅に改善しました。
当社グループの受注環境は、アジア市場で自動化投資が活発化したことに加え、データ需要急増に伴う半導体大手の大規模投資の加速により急速に改善しました。また、前年度まで過剰となっていたお客様における当社製品の在庫調整が進展したことも、受注の底上げに寄与しました。これらにより、通期の連結受注高は前期比38.8%増加の416億75百万円となりました。
また、連結売上高につきましては、日本を含むアジア市場は受注回復の影響により売上高が増加したものの、欧米地域では新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の回復の遅れから主要用途向けの売上高が総じて減少しました。その結果、前期比1.2%減少の370億34百万円となりました。
用途別の売上高の動向につきましては、産業用ロボット向けは、中国を中心とした自動化設備投資の回復に加え、EV向けのバッテリー生産工程でも産業用ロボットの導入が進んだことによる需要拡大が貢献し、売上高は増加しました。また、半導体製造装置向けは、第5世代通信(5G)の普及やIoTの進展などで設備投資意欲が旺盛だった影響から売上高は増加しました。一方、フラットパネルディスプレイ製造装置向けは、前年と同様に設備投資案件が乏しく売上高は低水準となりました。また、工作機械向け、車載用途等も、年の前半の受注低迷を受け、通期での売上高は減少しました。
損益面につきましては、お客様、お取引先、社員およびその家族の新型コロナウイルス感染防止対策を最優先しながら、厳しい事業環境下でも利益を出せるより筋肉質な体質の構築と、次に訪れる拡大期の備えに傾注してまいりました。その結果、売上高は減少したものの、営業利益は8億65百万円(前期は営業損失1億95百万円)となりました。また、営業利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は6億62百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失10億95百万円)となりました。
なお、製品群別の売上高は、減速装置が293億19百万円(前期比4.6%増)、メカトロニクス製品が77億14百万円(前期比18.4%減)で、売上高比率はそれぞれ79.2%、20.8%となりました。
報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(日本)
日本を含むアジア市場を中心に生産活動の正常化が進み、自動化・省人化を目的とした設備投資が回復したことにより、産業用ロボット向けをはじめ、半導体製造装置向けなどの需要が回復しました。これらにより、売上高は前期比18.8%増加の221億13百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、増収の影響により、前期比93.3%増加の48億9百万円となりました。
(北米)
新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンの影響により、主にアミューズメント機器向けの需要が減少したことに加え、経済活動の停滞により設備投資需要が総じて減少したことにより、売上高は前期比17.6%減少の51億44百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、前期比67.5%減少の3億10百万円となりました。
(欧州)
お客様における在庫調整の影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、市場全般で需要が低調に推移したことにより、主に産業用ロボット向け、その他一般産業機械向けの需要などが減少し、売上高は前期比22.6%減少の97億75百万円となりました。また、減収による利益減少の影響に加え、ハーモニック・ドライブ・エスイーの株式取得時に計上した無形資産に係る償却費14億97百万円の負担により、9億20百万円のセグメント損失(経常損失)となりました。
当連結会計年度における財政状態は、以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末と比較して、投資その他の資産合計が87億68百万円増加(前期比86.4%増)したことにより、81億79百万円増加(前期比6.2%増)し1,400億28百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比較して、繰延税金負債が27億97百万円増加(前期比30.1%増)により、48億38百万円増加(前期比19.3%増)し299億68百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比較して、非支配株主持分が22億94百万減少(前期比24.2%減)したことに加え、期末及び中間配当を実施したことにより利益剰余金が12億62百万円減少(前期比2.3%減)した一方で、その他有価証券評価差額金が59億71百万円増加(前期比146.2%増)したことにより、33億41百万円増加(前期比3.1%増)し1,100億59百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の73.3%から73.5%になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて16億54百万円増加し199億96百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は95億55百万円となりました。(前連結会計年度は109億50百万円の収入)
これは、売上債権の増加を25億30百万円計上した一方で、減価償却費を64億64百万円計上したことに加え、法人税等の還付が22億6百万円あったたことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は41億80百万円となりました。(前連結会計年度は125億37百万円の支出)
これは、関係会社株式の取得による支出が29億50百万円、有形固定資産の取得による支出が13億26百万円あったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は36億11百万円となりました。(前連結会計年度は23億62百万円の収入)
これは、配当金の支払いが19億26百万円あったことが主な要因です。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) | |
| 日本 | 減速装置 | 20,978,553 | 23.2 |
| メカトロニクス製品 | 4,085,293 | △17.8 | |
| 北米 | 減速装置 | 2,101,104 | △24.7 |
| メカトロニクス製品 | 1,499,920 | △6.4 | |
| 欧州 | 減速装置 | 5,717,309 | △14.4 |
| メカトロニクス製品 | 1,918,681 | △26.9 | |
| 合 計 | 36,300,863 | 1.7 | |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記金額は販売価格により表示し、消費税等は含まれておりません。
3. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
4. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
5. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前期比 (%) | |
| 日本 | 減速装置 | 23,472,021 | 93.5 | 6,905,539 | 147.0 |
| メカトロニクス製品 | 3,195,238 | 11.7 | 472,876 | 42.6 | |
| 北米 | 減速装置 | 2,628,225 | △13.1 | 1,011,648 | △31.5 |
| メカトロニクス製品 | 2,677,737 | 37.2 | 1,137,778 | 76.4 | |
| 欧州 | 減速装置 | 6,529,556 | △11.3 | 2,574,285 | △13.5 |
| メカトロニクス製品 | 3,172,902 | 17.3 | 1,313,113 | 79.0 | |
| 合 計 | 41,675,681 | 38.8 | 13,415,241 | 49.8 | |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
4. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
5. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
6. 受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した前連結会計年度以前の受注分に係る372,051千円の受注取り消し額を差し引いております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| 日本 | 減速装置 | 19,184,359 | 24.2 |
| メカトロニクス製品 | 2,929,216 | △3.8 | |
| 北米 | 減速装置 | 3,014,967 | △21.4 |
| メカトロニクス製品 | 2,129,948 | △12.1 | |
| 欧州 | 減速装置 | 7,120,323 | △18.7 |
| メカトロニクス製品 | 2,655,228 | △33.4 | |
| 合 計 | 37,034,042 | △1.2 | |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 当連結会計年度 | |
| 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社羽根田商会 | 4,905,753 | 13.2 |
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4. 当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
5. 当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
6. 磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響は不確実性が大きく今後の当社業績に与える影響を合理的に見通すことは困難でありますが、2021年3月期の連結財務諸表の作成にあたっては、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。しかしながら、このような検証にもとづく見積りに対し、将来の当社グループ製品に係る需要変動や生産活動等に大きな影響が及ぶなどの差異が生じた場合には、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得の発生時期及びその金額を合理的に見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営者が見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産が減額され税金費用が増加する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無に係る判定を行い、認識及び測定のプロセスを経た上で、減損が必要と認められる固定資産については帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、当該資産の耐用年数、将来の使用目処、将来キャッシュ・フロー、割引率の設定などにおいて、経営者の判断や見積もりを用いておりますが、今後の事業計画や市場環境の変化により、当該見積りや判断の前提条件や仮定に変更が生じた場合には減損処理が必要となることがあり、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
a. 財政状態
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて21億29百万円増加(前期比5.9%増)し381億17百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が25億45百万円増加(前期比35.1%増)したことが主な要因です。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて60億50百万円増加(前期比6.3%増)し1,019億10百万円となりました。これは、保有する投資有価証券の時価が上昇したことにより、投資その他の資産合計が87億68百万円増加(前期比86.4%増)したことが主な要因です。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて81億79百万円増加(前期比6.2%増)し、1,400億28百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて28億26百万円増加(前期比55.1%増)し79億54百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が9億40百万円増加(前期比63.8%増)したことに加え、その他流動負債が8億91百万円増加(前期比64.6%増)したこと、未払法人税等が7億8百万円増加(前期比550.4%増)したことが主な要因です。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて20億12百万円増加(前期比10.1%増)し220億14百万円となりました。これは、繰延税金負債が27億97百万円増加(前期比30.1%増)したことが主な要因です。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて48億38百万円増加(前期比19.3%増)し299億68百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて33億41百万円増加(前期比3.1%増)し1,100億59百万円となりました。これは、非支配株主持分が22億94百万減少(前期比24.2%減)したことに加え、期末及び中間配当を実施したことにより利益剰余金が12億62百万円減少(前期比2.3%減)した一方で、その他有価証券評価差額金が59億71百万円増加(前期比146.2%増)したことが主な要因です。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の73.3%から73.5%になりました。
b. 流動性および資金の源泉
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の購入や外注加工費の支払いのほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に係るものです。また、当社グループの研究開発費は研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めております。
設備投資、M&Aなどに係る投資資金需要に対しましては、自己資金の充当を優先した上で、不足する資金については直接金融、間接金融など多面的な調達方法を検討し実行いたします。なお、当連結会計年度における設備投資のうち主なものは、工作機械等の製造装置、各種検査装置、切削工具、治具の取得などでありますが、これらへの投資にあたっては、有形・無形固定資産の購入とする方法と、リース取引による方法とを併用しております。
また、当連結会計年度において、ハーモニック・ドライブ・エルエルシーの持分49%について、ナブテスコ株式会社の米国子会社(Nabtesco USA Inc.)から買い取りしていますが、自己資金を充当しております。
c. 経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べて4億53百万円減少(前期比1.2%減)し、370億34百万円となりました。これは、日本を含むアジア市場では受注回復をした一方で、欧米地域では新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の回復の遅れにより売上高が減少したことによるものです。
(営業利益)
営業利益は、前連結会計年度に比べて10億61百万円増加し、8億65百万円(前期は営業損失1億95百万円)となりました。これは、新型コロナウイルス感染防止対策を最優先としつつ、厳しい事業環境下でも利益を出せる体質の構築を進めたことによるものです。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億77百万円増加(前期比21.9%増)し、9億88百万円となりました。これは、補助金収入が2億77百万円発生したことが主な要因です。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて1億8百万円増加(前期比28.6%増)し、4億87百万円となりました。これは、たな卸資産評価損が1億84百万円発生したことが主な要因です。
これらの結果、経常利益は前連結会計年度に比べて11億30百万円増加(前期比478.2%増)し、13億66百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、前連結会計年度に比べて9百万円減少(前期比13.5%減)し、61百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べて35百万円減少(前期比8.0%減)し、4億8百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億62百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失10億95百万円)となりました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする経営指標を売上高営業利益率:20%以上、自己資本当期純利益率(ROE):10%以上としております。また、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)において、2023年度における財務目標を連結売上高 700億円、売上高営業利益率 21.4%、ROE10%以上と掲げました。
連結売上高、連結営業利益、ROEの過去5年間の推移は以下のとおりです。
| 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
| 連結売上高 | 300億69百万円 | 543億39百万円 | 678億9百万円 | 374億87百万円 | 370億34百万円 |
| 売上高営業利益率 | 26.0% | 22.7% | 24.5% | △0.5% | 2.3% |
| ROE | 42.8% | 10.1% | 11.2% | △1.1% | 0.7% |
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画(2018年度-2020年度)の最終年度である当連結会計年度の事業環境は厳しい状況で推移し、実績は目標に対して大幅な未達となりました。これは、2018年度から悪化した米中貿易摩擦、2019年度以降に深刻化した新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中期経営計画(2018-2020年度)想定時よりも設備投資需要が大幅に調整されたことが主な要因です。なお、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)はこれらの影響を考慮しております。