四半期報告書-第141期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)
有報資料
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における当社を取り巻く市場環境は、海外においては、欧米の主要先進国が牽引し、全体としては緩やかな回復基調となりましたが、中国を中心としたアジア地域の景気の下振れや、欧州の政治体制への不安等を背景に不透明感を強めつつ推移しました。国内においては、為替の急激な円高が進行したものの、設備投資に持ち直しの動きがみられる等、総じて緩やかな回復基調となりました。
このような環境のもと、当社は2018年度中期経営計画「Renovation2018」を策定し、「富士電機の更なる変革」を基本方針に掲げ、成長戦略として「社会システム」「産業インフラ」「パワエレ機器」事業のオペレーション変革、海外事業の拡大、高付加価値商材の創出を推進するとともに、収益力の更なる強化を推し進めています。当第1四半期連結累計期間の連結業績は次のとおりとなりました。
売上高は、需要が増加したものの、為替換算差による減収影響により、前年同期に比べ1億37百万円減少の1,650億55百万円となりました。部門別には、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」は前年同期を上回りましたが、「パワエレ機器」、「電子デバイス」、「食品流通」、「その他」は前年同期を下回りました。
損益面では、営業損益は、前年同期に比べ1億11百万円減少の22億88百万円となりました。経常損益は、為替差益が為替差損に転じたことを主因として、前年同期に比べ27億7百万円減少の2億96百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損益は、前年同期に比べ27億41百万円減少の△7億21百万円となり、営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する四半期純損益のいずれも前年同期を下回りました。
<セグメント別状況>■発電・社会インフラ部門
売上高は前年同期比5.8%増加の289億44百万円となり、営業損益は前年同期比2億77百万円増加の4億27百万円となりました。
発電プラント分野の売上高は、火力・地熱・水力発電設備の案件が増加したものの、太陽光発電システムの案件減少により、前年同期を下回りました。社会システム分野の売上高は、スマートメータの増加により、前年同期を上回りました。社会情報分野の売上高は、民需分野の案件減少により、前年同期を下回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前年同期を上回りました。
■産業インフラ部門
売上高は前年同期比30.0%増加の366億30百万円となり、営業損益は前年同期比23億44百万円増加の△9億21百万円となりました。
変電分野の売上高は、国内産業向けの大口案件が寄与したことにより、前年同期を上回りました。産業プラント分野の売上高は、国内の省エネ、更新需要が堅調に推移したこと、及びデータセンター向けの案件増加により、前年同期を上回りました。産業計測機器の売上高は、海外の需要減少により、前年同期を下回りました。設備工事分野の売上高は、国内の大口電気設備工事が寄与したことにより、前年同期を上回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前年同期を上回りました。
■パワエレ機器部門
売上高は前年同期比7.0%減少の434億42百万円となり、営業損益は前年同期比11億74百万円減少の1億77百万円となりました。
ドライブ分野は、中国を中心とした海外のインバータの需要減少及び為替換算差の減収影響により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。パワーサプライ分野の売上高は、メガソーラー向けパワーコンディショナの需要が減少したものの、海外における盤事業の堅調な推移により、前年同期を上回りました。営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前年同期を上回りました。器具分野は、工作機械をはじめとする機械セットメーカー及び中国を中心とした海外の需要減少により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。
■電子デバイス部門
売上高は前年同期比11.0%減少の284億52百万円となり、営業損益は前年同期比8億7百万円減少の16億8百万円となりました。
半導体分野は、自動車分野は堅調に推移したものの、産業分野の中国市場減速による需要減少、及び産業分野と情報電源分野における為替換算差の減収影響により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。ディスク媒体分野は、為替換算差による減収影響により、売上高は前年同期を下回りましたが、原価低減の推進により、営業損益は前年同期と同水準となりました。
■食品流通部門
売上高は前年同期比12.3%減少の257億26百万円となり、営業損益は前年同期比7億98百万円減少の17億38百万円となりました。
自販機分野は、国内飲料メーカーの投資抑制に伴う需要の減少等により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。店舗流通分野は、コンビニエンスストア向け冷凍・冷蔵設備、自動釣銭機等の増加により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
■その他部門
売上高は前年同期比8.8%減少の140億50百万円となり、営業損益は前年同期比71百万円増加の6億11百万円となりました。
(注)当第1四半期連結会計期間より、組織構造の変更に伴い、「産業インフラ」、「パワエレ機器」、「電子デバイス」及び「食品流通」の各報告セグメントにおいて、集約する事業セグメントを変更しており、各セグメントの前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えたうえで算出しております。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
富士電機(注)は、基本理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。
(注)本四半期報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。
② 基本方針を実現するための当社の取り組み
1)企業価値向上の取り組み
富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。
その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。
2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み
当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。
③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由
当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。
(3)研究開発活動
富士電機の研究開発では、最先端のエネルギー・環境技術の追求により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する製品群を創出しています。また、研究開発の実行において全社のシナジーを発揮するとともにグローバル化と、大学や研究機関、他の企業とのオープンイノベーションを推進しています。
当第1四半期連結累計期間における富士電機全体の研究開発費は72億79百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。
また、当第1四半期連結会計期間末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は11,153件です。
■発電・社会インフラ部門
太陽光発電システム向けの屋外自立型パワーコンディショナ(PCS)の系列にDC600V(555kVA)を加えました。当社のPCSの変換効率は98%と業界最高レベルにあり、空調レス構造により電力損失と設置工事費用を低減します。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は8億65百万円です。
■産業インフラ部門
産業計測機器分野では、液体用スプール形超音波流量計「FST」を開発し発売しました。本製品は配管内に3測線のセンサを配置するマルチパス方式のスプール(配管挟み込み)形を採用し、独自のデジタル信号処理や演算処理アルゴリズムを駆使することで、流速を±0.2%の高精度で計測します。また、電磁流量計では測定が困難な油類や純水等の導電性が低い液体も高精度に測定します。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は9億92百万円です。
■パワエレ機器部門
ドライブ分野では、高性能ベクトル制御型インバータの「FRENIC-VGスタックタイプシリーズ(690V)」のオプション品として、高力率電源回生PWMコンバータ「RHC-Dシリーズ(690V)」9機種、および専用のフィルタスタック「RHF-Dシリーズ(690V)」5機種を系列に加え発売しました。355~450kWの容量帯においてSiCハイブリッドモジュールを採用したことで、発生損失が34%低減し、Si素子のスタックに比べ容量が43%拡大しました。
FA部門では、高機能モデルのモニタッチV9シリーズと同等のヒューマンインターフェイスを持ちコストパフォーマンスに優れたプログラマブル表示器「TS2060」を開発し発売しました。
モーション分野では、サーボ「FALDIC Smartシリーズ」の系列に5軸一体型アンプを追加し中国市場向けに発売しました。損失を従来に比べ12%低減するとともに、最大5つのアンプの電源を共通化することで入力配線が省力化できます。また、200W、400W、750Wの容量を自由に組み合わせることで複数軸を使用するロボットや半導体製造装置などの用途が広がります。
回転機分野では、中国において2016年9月から段階的に始まる効率規制に対応した出力が0.75kWから375kWの高効率モータを開発し発売しました。これらは中国高効率規制GB2級(効率クラスIE3レベル)の認証を取得済みです。また併せてCCC規格(中国の安全規格)の対象機種は、同時にその認証を取得しており、2016年7月に施行(発効)される改正中国RoHSにも対応しています。
電機盤分野では、IEC(国際電気標準化会議)規格に準拠した7.2kVスイッチギアに続き、24kVスイッチギアを開発し受注を開始しました。
鉄道車両分野では、先期に東海道新幹線次期N700S系試験車両向けに東海旅客鉄道株式会社様と共同開発した弊社SiCパワーモジュールを採用した主変換装置を車両に搭載し、量産に向けた耐久走行試験を継続しています。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は21億31百万円です。
■電子デバイス部門
パワー半導体分野では、汎用インバータや工作機械等の小型化や省エネ、トータルコスト削減に貢献する第7世代IGBTモジュールの1,200V耐圧において25Aから150Aまでのものを系列に加えました。最新のIGBT及びFWD(Free Wheeling Diode)チップ技術と高温動作環境下においても優れた動作寿命を持つ最新パッケージ技術を適用し、連続動作時の保証温度を従来の150℃から175℃に拡大しました。
UPS(無停電電源装置)や新エネルギー向けに3レベル変換回路を持つAT-NPC(Advanced Type Neutral Point Clamped)IGBTモジュールの系列を追加しました。1,200V/400Aの製品で、変換回路の中間ACスイッチ部に独自開発の650V耐圧RB-IGBTを採用し、低オン抵抗化を図り高い電力変換効率の実現に貢献します。
また、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールのサンプル出荷を開始しました。車載用パワーモジュールでは初めて採用した逆導通IGBT(RC-IGBT)により、チップが大幅に小型化し、EVやHEVシステム全体の小型軽量化に貢献します。
ディスクリート製品として、民生・通信・産業用途のスイッチング電源向けに高周波動作可能な連続モードPFC(力率改善)-ICを開発し発売しました。このICによりトランスが小型化し、力率改善機能を持つ電源の小型化に貢献します。またサーバーや通信機器、UPS等の比較的大容量の電源向けの低損失で低ノイズの第2世代スーパージャンクションMOSFETの系列に、内蔵ダイオードの逆回復時間を50%低減した「Super J- MOSFET S2FDシリーズ」を加えました。内蔵ダイオードの高速化により、より広い用途をカバーでき、各種搭載機器の高効率化、小型化を強力にサポートします。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は23億70百万円です。
■食品流通部門
自販機分野では、デジタルサイネージ自販機を開発し発売しました。購買者のタッチ操作の検知に汎用の光学式センサを使った機構を採用しました。ディスプレー上にタッチセンサがないので映像がクリアになり、直射日光の当る屋外への設置も可能で販売促進に貢献します。5月に三重県で開催されたG7伊勢志摩サミット2016のプレスセンターに設置し各国のメディア関係者に当社の技術力を紹介しました。
通貨機器分野では、紙幣鑑別装置と硬貨識別装置を中国市場向けに開発し発売しました。他の国向けも順次開発し、グローバルに展開します。また、新しい検銭・鑑別技術やセキュリティ技術、搬送技術の製品化に向けた開発を行っています。
冷凍冷蔵ショーケース分野では、さらなる省エネ化をめざし、ショーケース前面を空気の流れで遮り冷気を保つエアカーテンの改良やインバータを搭載したショーケースを開発しています。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は9億18百万円です。
(注) 上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本四半期報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。
当第1四半期連結累計期間における当社を取り巻く市場環境は、海外においては、欧米の主要先進国が牽引し、全体としては緩やかな回復基調となりましたが、中国を中心としたアジア地域の景気の下振れや、欧州の政治体制への不安等を背景に不透明感を強めつつ推移しました。国内においては、為替の急激な円高が進行したものの、設備投資に持ち直しの動きがみられる等、総じて緩やかな回復基調となりました。
このような環境のもと、当社は2018年度中期経営計画「Renovation2018」を策定し、「富士電機の更なる変革」を基本方針に掲げ、成長戦略として「社会システム」「産業インフラ」「パワエレ機器」事業のオペレーション変革、海外事業の拡大、高付加価値商材の創出を推進するとともに、収益力の更なる強化を推し進めています。当第1四半期連結累計期間の連結業績は次のとおりとなりました。
売上高は、需要が増加したものの、為替換算差による減収影響により、前年同期に比べ1億37百万円減少の1,650億55百万円となりました。部門別には、「発電・社会インフラ」、「産業インフラ」は前年同期を上回りましたが、「パワエレ機器」、「電子デバイス」、「食品流通」、「その他」は前年同期を下回りました。
損益面では、営業損益は、前年同期に比べ1億11百万円減少の22億88百万円となりました。経常損益は、為替差益が為替差損に転じたことを主因として、前年同期に比べ27億7百万円減少の2億96百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損益は、前年同期に比べ27億41百万円減少の△7億21百万円となり、営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する四半期純損益のいずれも前年同期を下回りました。
<セグメント別状況>■発電・社会インフラ部門
売上高は前年同期比5.8%増加の289億44百万円となり、営業損益は前年同期比2億77百万円増加の4億27百万円となりました。
発電プラント分野の売上高は、火力・地熱・水力発電設備の案件が増加したものの、太陽光発電システムの案件減少により、前年同期を下回りました。社会システム分野の売上高は、スマートメータの増加により、前年同期を上回りました。社会情報分野の売上高は、民需分野の案件減少により、前年同期を下回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前年同期を上回りました。
■産業インフラ部門
売上高は前年同期比30.0%増加の366億30百万円となり、営業損益は前年同期比23億44百万円増加の△9億21百万円となりました。
変電分野の売上高は、国内産業向けの大口案件が寄与したことにより、前年同期を上回りました。産業プラント分野の売上高は、国内の省エネ、更新需要が堅調に推移したこと、及びデータセンター向けの案件増加により、前年同期を上回りました。産業計測機器の売上高は、海外の需要減少により、前年同期を下回りました。設備工事分野の売上高は、国内の大口電気設備工事が寄与したことにより、前年同期を上回りました。部門全体の営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前年同期を上回りました。
■パワエレ機器部門
売上高は前年同期比7.0%減少の434億42百万円となり、営業損益は前年同期比11億74百万円減少の1億77百万円となりました。
ドライブ分野は、中国を中心とした海外のインバータの需要減少及び為替換算差の減収影響により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。パワーサプライ分野の売上高は、メガソーラー向けパワーコンディショナの需要が減少したものの、海外における盤事業の堅調な推移により、前年同期を上回りました。営業損益は、売上高の増加及び原価低減の推進により、前年同期を上回りました。器具分野は、工作機械をはじめとする機械セットメーカー及び中国を中心とした海外の需要減少により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。
■電子デバイス部門
売上高は前年同期比11.0%減少の284億52百万円となり、営業損益は前年同期比8億7百万円減少の16億8百万円となりました。
半導体分野は、自動車分野は堅調に推移したものの、産業分野の中国市場減速による需要減少、及び産業分野と情報電源分野における為替換算差の減収影響により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。ディスク媒体分野は、為替換算差による減収影響により、売上高は前年同期を下回りましたが、原価低減の推進により、営業損益は前年同期と同水準となりました。
■食品流通部門
売上高は前年同期比12.3%減少の257億26百万円となり、営業損益は前年同期比7億98百万円減少の17億38百万円となりました。
自販機分野は、国内飲料メーカーの投資抑制に伴う需要の減少等により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。店舗流通分野は、コンビニエンスストア向け冷凍・冷蔵設備、自動釣銭機等の増加により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
■その他部門
売上高は前年同期比8.8%減少の140億50百万円となり、営業損益は前年同期比71百万円増加の6億11百万円となりました。
(注)当第1四半期連結会計期間より、組織構造の変更に伴い、「産業インフラ」、「パワエレ機器」、「電子デバイス」及び「食品流通」の各報告セグメントにおいて、集約する事業セグメントを変更しており、各セグメントの前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えたうえで算出しております。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
富士電機(注)は、基本理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。
(注)本四半期報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。
② 基本方針を実現するための当社の取り組み
1)企業価値向上の取り組み
富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。
その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。
2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み
当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。
③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由
当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。
(3)研究開発活動
富士電機の研究開発では、最先端のエネルギー・環境技術の追求により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する製品群を創出しています。また、研究開発の実行において全社のシナジーを発揮するとともにグローバル化と、大学や研究機関、他の企業とのオープンイノベーションを推進しています。
当第1四半期連結累計期間における富士電機全体の研究開発費は72億79百万円であり、各部門別の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。
また、当第1四半期連結会計期間末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は11,153件です。
■発電・社会インフラ部門
太陽光発電システム向けの屋外自立型パワーコンディショナ(PCS)の系列にDC600V(555kVA)を加えました。当社のPCSの変換効率は98%と業界最高レベルにあり、空調レス構造により電力損失と設置工事費用を低減します。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は8億65百万円です。
■産業インフラ部門
産業計測機器分野では、液体用スプール形超音波流量計「FST」を開発し発売しました。本製品は配管内に3測線のセンサを配置するマルチパス方式のスプール(配管挟み込み)形を採用し、独自のデジタル信号処理や演算処理アルゴリズムを駆使することで、流速を±0.2%の高精度で計測します。また、電磁流量計では測定が困難な油類や純水等の導電性が低い液体も高精度に測定します。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は9億92百万円です。
■パワエレ機器部門
ドライブ分野では、高性能ベクトル制御型インバータの「FRENIC-VGスタックタイプシリーズ(690V)」のオプション品として、高力率電源回生PWMコンバータ「RHC-Dシリーズ(690V)」9機種、および専用のフィルタスタック「RHF-Dシリーズ(690V)」5機種を系列に加え発売しました。355~450kWの容量帯においてSiCハイブリッドモジュールを採用したことで、発生損失が34%低減し、Si素子のスタックに比べ容量が43%拡大しました。
FA部門では、高機能モデルのモニタッチV9シリーズと同等のヒューマンインターフェイスを持ちコストパフォーマンスに優れたプログラマブル表示器「TS2060」を開発し発売しました。
モーション分野では、サーボ「FALDIC Smartシリーズ」の系列に5軸一体型アンプを追加し中国市場向けに発売しました。損失を従来に比べ12%低減するとともに、最大5つのアンプの電源を共通化することで入力配線が省力化できます。また、200W、400W、750Wの容量を自由に組み合わせることで複数軸を使用するロボットや半導体製造装置などの用途が広がります。
回転機分野では、中国において2016年9月から段階的に始まる効率規制に対応した出力が0.75kWから375kWの高効率モータを開発し発売しました。これらは中国高効率規制GB2級(効率クラスIE3レベル)の認証を取得済みです。また併せてCCC規格(中国の安全規格)の対象機種は、同時にその認証を取得しており、2016年7月に施行(発効)される改正中国RoHSにも対応しています。
電機盤分野では、IEC(国際電気標準化会議)規格に準拠した7.2kVスイッチギアに続き、24kVスイッチギアを開発し受注を開始しました。
鉄道車両分野では、先期に東海道新幹線次期N700S系試験車両向けに東海旅客鉄道株式会社様と共同開発した弊社SiCパワーモジュールを採用した主変換装置を車両に搭載し、量産に向けた耐久走行試験を継続しています。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は21億31百万円です。
■電子デバイス部門
パワー半導体分野では、汎用インバータや工作機械等の小型化や省エネ、トータルコスト削減に貢献する第7世代IGBTモジュールの1,200V耐圧において25Aから150Aまでのものを系列に加えました。最新のIGBT及びFWD(Free Wheeling Diode)チップ技術と高温動作環境下においても優れた動作寿命を持つ最新パッケージ技術を適用し、連続動作時の保証温度を従来の150℃から175℃に拡大しました。
UPS(無停電電源装置)や新エネルギー向けに3レベル変換回路を持つAT-NPC(Advanced Type Neutral Point Clamped)IGBTモジュールの系列を追加しました。1,200V/400Aの製品で、変換回路の中間ACスイッチ部に独自開発の650V耐圧RB-IGBTを採用し、低オン抵抗化を図り高い電力変換効率の実現に貢献します。
また、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車で使用される車載用直接水冷型パワーモジュールのサンプル出荷を開始しました。車載用パワーモジュールでは初めて採用した逆導通IGBT(RC-IGBT)により、チップが大幅に小型化し、EVやHEVシステム全体の小型軽量化に貢献します。
ディスクリート製品として、民生・通信・産業用途のスイッチング電源向けに高周波動作可能な連続モードPFC(力率改善)-ICを開発し発売しました。このICによりトランスが小型化し、力率改善機能を持つ電源の小型化に貢献します。またサーバーや通信機器、UPS等の比較的大容量の電源向けの低損失で低ノイズの第2世代スーパージャンクションMOSFETの系列に、内蔵ダイオードの逆回復時間を50%低減した「Super J- MOSFET S2FDシリーズ」を加えました。内蔵ダイオードの高速化により、より広い用途をカバーでき、各種搭載機器の高効率化、小型化を強力にサポートします。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は23億70百万円です。
■食品流通部門
自販機分野では、デジタルサイネージ自販機を開発し発売しました。購買者のタッチ操作の検知に汎用の光学式センサを使った機構を採用しました。ディスプレー上にタッチセンサがないので映像がクリアになり、直射日光の当る屋外への設置も可能で販売促進に貢献します。5月に三重県で開催されたG7伊勢志摩サミット2016のプレスセンターに設置し各国のメディア関係者に当社の技術力を紹介しました。
通貨機器分野では、紙幣鑑別装置と硬貨識別装置を中国市場向けに開発し発売しました。他の国向けも順次開発し、グローバルに展開します。また、新しい検銭・鑑別技術やセキュリティ技術、搬送技術の製品化に向けた開発を行っています。
冷凍冷蔵ショーケース分野では、さらなる省エネ化をめざし、ショーケース前面を空気の流れで遮り冷気を保つエアカーテンの改良やインバータを搭載したショーケースを開発しています。
当第1四半期連結累計期間における当部門の研究開発費は9億18百万円です。
(注) 上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本四半期報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。