有価証券報告書-第141期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 14:56
【資料】
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【項目】
120項目
(1)経営方針
[経営理念]
富士電機は、地球社会の良き企業市民として、地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします。
●豊かさへの貢献
●創造への挑戦
●自然との調和
[経営方針]
1.エネルギー・環境技術の革新により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します。
2.グローバルで事業を拡大し、成長する企業を目指します。
3.多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社は、平成28年4月に、2018年度中期経営計画「Renovation 2018」を発表し、基本方針である「富士電機の更なる変革」を推し進めています。欧米における政策の不確実性等が存在するものの、引き続き「成長戦略の推進」及び「収益力の強化」に取り組みます。
●パワエレシステム事業の強化
当社は、平成29年4月より、中期経営計画の重点課題に掲げるオペレーション変革として、社会システム、産業インフラ、パワエレ機器事業を統合・再編し、「パワエレシステム事業」を強化します。商品企画力の強化、及び最適なサプライチェーンの構築等により、強いコンポーネントを創出し、強いコンポーネントでシステムを強くし、そのシステムで海外を中心に事業拡大していきます。広く産業分野のお客様に、エネルギーの安定供給・最適化・安定化に貢献する「エネルギーソリューション」、及びパワーエレクトロニクス応用製品に計測機器、IoTを組み合わせ、工場の自動化・見える化により生産性の向上・省エネを実現する「インダストリーソリューション」を提供していきます。
●ものつくり力の更なる強化
当社は、グローバルでの事業拡大を図るため、地産地消の考えのもと、日本のグローバルマザー工場を強化し、アジア・中国をはじめとする海外生産拠点と連携し、国内外の幅広い市場ニーズに応える体制強化を推し進めています。内製化拡大による付加価値・生産性の向上、IoTによる原価低減に取り組むことにより、ものつくり力の更なる強化を推進します。
●Pro-7活動の再活性化
事業活動に伴うあらゆるコストをゼロベースで見直すとともに、ムダ・ロスコスト等の発生の未然防止に向け、業務品質の向上を徹底して行う「Pro-7活動」については、海外拠点における取組みを拡充する等、再活性化させることにより、収益力の強化を推進します。
上記事業統合・再編に伴い、平成30年3月期より、以下のとおりセグメントを見直しました。

(3)会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
富士電機は、上記の経営理念を実践し、企業価値の持続的向上を図る過程で、独自の技術、経験及びノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員等さまざまなステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてまいりました。
これらは、富士電機の有形・無形の貴重な財産であり、いわば“富士電機のDNA”とも呼ぶべき、富士電機の企業価値の創造を支える源泉であります。
富士電機は、その経営理念に基づき、環境の変化に適合した経営を実践し、中長期的な視野で企業価値と株主の皆様の共同利益を一層向上させていくことが、富士電機の企業価値を損なう当社株式の買付行為に対する最も有効な対抗手段であると認識しており、その実現に努めてまいります。
また、当社の株式価値を適正にご理解いただくようIR活動に積極的に取り組むとともに、株主の皆様には四半期毎の業績等に関する報告書の発行、工場見学会の開催等により、富士電機に対するご理解をより一層深めていただくよう努めてまいります。
当社取締役会は、上場会社として株主の皆様の自由な売買を認める以上、特定の者による当社株式の大規模買付行為がなされる場合、これに応ずるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきと考えます。
しかしながら、一般にも高値での売り抜け等の不当な目的による企業買収の存在は否定できないところであり、当社取締役会は、このような富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう当社株式の大規模買付行為や提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、適当ではないと考えております。
現時点において、当社株式の大規模買付に係る具体的な脅威が生じている訳でなく、また当社としても、そのような買付者が現れた場合の具体的な取り組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
しかし、当社取締役会は、株主の皆様から経営の負託を受けた経営者の責務として、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なうおそれがある株式の大規模買付行為がなされた場合に適切な措置を執り得る社内体制を整備いたします。
② 基本方針を実現するための当社の取り組み
1)企業価値向上の取り組み
富士電機は、持続的成長に向けた基本戦略として、世界各国で見込まれるエネルギー・環境投資を背景として、長年培ってきた電気を自在に操る「パワーエレクトロニクス技術」をベースとし、グローバル市場で成長を成し遂げることを目指しております。
その実現に向け、迅速に経営リソースを「エネルギー・環境」事業にシフトし、「事業を通じてグローバル社会に貢献する企業」として企業価値の最大化とCSR経営の実現を目指します。
2)基本方針に照らし不適切な者による当社の支配を防止するための取り組み
当社は、上記①の基本方針に基づき、富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を損なう、又はそのおそれのある当社株式の買付行為に備え、社内体制の整備に努めております。
具体的には、日常より当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、平時より有事対応の初動マニュアルを整備し、外部専門家との連携体制等を整えておりますが、今後とも迅速かつ適切に具体的対抗措置を決定、実行し得る社内体制の充実に努めてまいります。
また、いわゆる「買収防衛策」の導入につきましても、法制度や関係当局の判断・見解、社会動向やステークホルダーの意見等を踏まえ、企業価値、株主の皆様の共同利益の確保、向上の観点から、引き続き検討してまいります。
③ 上記の取り組みに対する取締役会の判断及び判断理由
当社取締役会は、上記②.1)の取り組みが当社の企業価値を中期的に維持・拡大させるものであり、また、同②.2)の取り組みが富士電機の企業価値・株主の皆様の共同利益を毀損するような当社株式の大規模買付行為に対応するための社内体制を整備するものであることから、そのいずれの取り組みも、上記①の基本方針に即したものであり、株主の皆様の共同利益を損なうものではなく、現経営陣の地位の維持を目的とするものでもない旨を確認し決議しました。
また、監査役についても上記②の取り組みについてその具体的運用が適切に行われることを条件として、全員が同意しております。
(注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。