有価証券報告書-第154期(平成26年6月1日-平成27年5月31日)

【提出】
2015/08/28 9:57
【資料】
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【項目】
124項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基礎技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っています。
なお、研究開発費は、総額で8億97百万円であり、その内訳は、交通事業部3億5百万円、産業事業部2億89百万円、情報機器事業部27百万円、その他(共通)2億75百万円となっています。
当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。
(1) 交通事業部門
① 全閉型誘導主電動機の開発
電車用全閉型誘導主電動機は、外扇型・内扇型とも顧客展開を開始し、フィールドで活躍しております。特に狭軌用内扇型については、営業路線における日本初の本格適用例となりました。
② 表示案内システムの開発
富士電機株式会社との共同開発による鉄道車両用案内表示システムが、現車適用されました。見やすくクリアなワイド画面、他国語表示による観光案内でご好評いただいています。
③ 高速新交通システム適用電機品の開発
高速タイプの新交通システム用電機品(推進装置、電源装置等)を開発し、開発装置適用車両の現車試験を実施しました。推進装置と電源装置は、小型化構成を図って装置を一体化し、特に電源装置については高周波絶縁方式として、変圧器や平滑リアクトルを大幅に軽量化しています。
(2) 産業事業部門
① EDモータの水冷仕様ラインナップ化
モータの低騒音対応として45KW以上の機種で設定・販売している水冷仕様EDモータを22KWクラスまで製品拡大しました。
② CCレス発電機の開発
分散電源の低コスト品として発電機用制御装置(インバータ)無しで運転可能なCCレス(コントロールサーキットレス)発電機を開発しました。
(3) 情報機器事業部門
① 新遠隔監視端末の開発
昨年度より開発を開始した新遠隔監視端末(商品名IORemoter(アイオーリモーター))の開発が完了しました。IoT/M2Mデバイスとして、環境監視のみならず、自動車、電車等の車両監視設備として展開を図ります。
(4) 研究所
① ワイヤレスインホイールモータシステムの開発
車体のバッテリから車輪のモータへ無線で電力伝送する「ワイヤレスインホイールモータシステム」を東京大学や日本精工株式会社と共同開発し、本システム搭載車で世界初の走行試験に成功しました。
② オープン巻線モータシステムの開発
三相モータ巻線の中性点を分離して2台の三相インバータで駆動するオープン巻線モータシステムを開発しました。それによりインバータの入力電圧を上げることなくモータの等価端子間電圧を1.6~2倍にすることができ、永久磁石モータの回転数のワイドレンジ化が容易となります。