訂正有価証券報告書-第37期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2018/09/21 15:15
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【項目】
121項目

業績等の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心に総じて緩やかな回復基調が続きました。米国では、企業部門も改善傾向にあり、個人消費を中心にした内需も底堅く推移しており、回復基調が持続しました。欧州では、消費を中心とした緩やかな回復基調が持続しました。新興国経済は、中国では減速のペースがやや弱まり、他の新興国については持ち直しの動きが見られました。
一方、わが国経済は、企業収益に改善の動きが見られ、個人消費も回復の動きがあり、総じて緩やかな回復基調の動きとなりました。
当社グループをとりまく経済環境は、国内における民間設備投資においては、外部環境の不透明感などから足踏み状態が続きました。海外においても、中国を始めとする新興国経済の減速及び欧米の政治情勢の先行き不透明感により弱めの動きとなりました。当社の主要顧客である造船業界においては、中国経済の減速等による海運市況の長期低迷に伴う船腹過剰、また一昨年の窒素酸化物3次規制の適用前の駆け込み発注に対する反動もあり、受注量は大幅に減少しており厳しい状況が続きました。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績につきましては、機器製品及びアジア地域での船舶用システム製品の売上の減少、為替の円高推移の影響などもあり、売上高は328億円73百万円と前年同期比16.6%の減少となりました。利益面では、原価低減、経費削減に努めましたが、売上高の減少による影響、本社移転に関する経費等もあり、営業利益は19億円と前年同期比49.1%の減益となり、経常利益につきましても、22億52百万円と前年同期比41.4%の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、旧本社の土地売却による特別利益を計上しておりますが、17億18百万円と前年同期比34.5%の減益となりました。
なお、製品別の連結売上高は、システム製品(配電制御システム等)が187億6百万円と前年同期比13.1%の減少、機器製品(低圧遮断器等)が141億67百万円と前年同期比20.7%の減少となりました。
当社グループのシステム製品の連結受注高は、当連結会計年度においては、船舶用システム製品は、国内造船所向けのコンテナ船のシリーズ船の受注、産業用システム製品は、海外プラントや国内外の鉄道関連向けの受注がありましたが、アジア地域における船舶用システム製品が低調に推移したこと等により前年同期を18.4%下回る172億36百万円となりました。その結果、連結受注残高は前連結会計年度末より14億69百万円減少し、179億27百万円となりました。
なお、機器製品は、計画生産を行っているため、上記受注高、受注残高には含めておりません。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりであります。
「日本」
船舶用システム製品(船舶用配電制御システム等)は、前年同期と比べ海外造船向けの大型タンカー、国内造船向けのばら積運搬船の売上が減少しましたが、国内、海外造船向けコンテナ船のシリーズ船、陸電供給システムなどの売上があり、売上が前年同期に比べ若干増加しました。
産業用システム製品(配電制御システム)は、コージェネレーションシステム等の分散型エネルギー関連、国内向け製品の売上は減少しましたが、海外の鉄道関連向けの売上が増加したことにより、売上は前年同期に比べ増加しました。
医療関連機器製品は、医療機器については、堅調に推移し、臨床検査機器についても、新製品が予定どおりに展開し、既存製品も堅調に推移しました。その結果、医療関連機器製品全体では、売上は前年同期に比べ増加しました。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、産業向けの更新工事などが前年同期に比べ増加しましたが、船舶向けの各種点検作業等が低調に推移したことにより、売上が前年同期に比べ減少しました。
その結果、システム製品全体の売上は前年同期に比べ増加となりました。
機器製品(低圧遮断器等)は、国内向けでは、マーケットの停滞により売上が減少、海外向けについても、東アジアの船舶市場、オセアニア地域の売上減少等により、機器製品全体の売上は、前年同期に比べ減少しました。
その結果、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、224億23百万円と前年同期比6.0%の減少、セグメント利益は、機器製品の売上減少、本社移転に関する経費等により、16億56百万円と前年同期比38.8%の減益となりました。
「アジア」
船舶用システム製品(船舶用配電制御システム等)では、海運市況の悪化に伴う中国造船市場向け及び資源安による東南アジアにおける海洋掘削市場向けの受注低迷、納期遅延、キャンセル発生などにより、売上は前年同期に比べ大幅に減少しました。
機器製品(低圧遮断器等)は、マレーシア国内向け及び他の地域向けでも一定量の売上がありましたが、船舶向けの売上が低調に推移したことにより、売上は前年同期に比べ減少しました。
その結果、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、73億98百万円と前年同期比32.3%の減収、セグメント利益は9億67百万円と前年同期比38.0%の減益となりました。
「ヨーロッパ」
機器製品(低圧遮断器等)は、英国内の景気の停滞、中近東向けについても資源安による市況の停滞により、売上は前年同期に比べ減少しました。
その結果、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、30億55百万円と前年同期比32.5%の減少、セグメント利益は全体の売上減少等もあり、1億27百万円と前年同期比56.2%の減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は107億66百万円と前年同期比72百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は24億86百万円となり、前年同期比14億88百万円の減少となりました。
主な内訳は、収入では税金等調整前当期純利益26億1百万円及び売上債権の減少5億92百万円、支出ではたな卸資産の増加10億27百万円、退職給付に係る負債の減少3億85百万円及び法人税等の支払8億57百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は17億70百万円となり、前年同期比1億10百万円の増加となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出24億10百万円及び有形固定資産の売却による収入6億84百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は2億13百万円となり、前年同期比5億円75百万円の増加となりました。
主な内訳は、長期借入金の減少による支出51百万円及び配当の支払による支出1億56百万円であります。