有価証券報告書-第93期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 15:49
【資料】
PDFをみる
【項目】
62項目

研究開発活動

当社グループは、ユビキタス社会の基盤となる映像・通信、半導体製造分野への製品提供を通じて安全で豊かな社会に貢献するため、研究開発活動に注力しております。
当社の研究開発活動は、大きく3つのフェーズで進めております。第一は、各事業部門及びグループ各社が行う新製品・新技術の開発、第二は、各事業部門が行う次世代製品及び技術の開発、第三は、(株)日立製作所の研究所や大学等の外部機関と連携を図りながら進める次々世代をターゲットとした先端技術応用製品の開発であります。これら3フェーズの研究開発体制により、現在から将来までを見据えた研究開発を行っており当社グループの持続的な発展を期しております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、総売上収益の6.1%にあたる10,444百万円となっております。
当社グループの持つ基盤技術は、無線通信、画像・映像処理、半導体デバイス用熱プロセスの分野で、それぞれの技術を活かして先端的な製品をお客様に提供してまいりました。今後も、デジタル化、通信と放送の融合、高品位化、半導体デバイスの微細化という市場ニーズに対応した新製品を提供してまいります。
セグメント別の研究開発活動を示すと次のとおりであります。
映像・通信ソリューション: 無線通信システム分野では、防災移動系・固定系システム利便性向上機能開発、デジタル同報系新規格に準拠した無線方式システム開発、VHF帯マルチホップ公共ブロードバンド無線機の開発、次世代アンテナ制御プラットフォーム開発、事業者共用屋外光伝送装置の製品化開発、IP無線携帯端末の開発、放送システム分野では、放送カメラアクセサリ機器の開発、米国周波数再編に向けた送信機高効率PAの開発、監視システム分野では、HD雲台カメラのシリーズ拡充、画像処理装置の開発、産業用デジタルIFカメララインナップ拡充、セキュリティプラットフォーム開発を行いました。当事業に係る研究開発費は4,886百万円となっております。
成膜プロセスソリューション:半導体市場はスマートフォン・IoT及びデータセンタ等の牽引で伸張し、デバイスは更なる高機能化・高集積化が要求されると予想されます。当社は半導体装置メーカーとして成膜ソリューションを提供することでこの要求に応えてまいります。具体的には立体チャネルデバイス・3次元積層の不揮発性高速RAMに適応する高機能成膜技術や、ニューメモリ等の新デバイスに対応するプロセス低温化・高品質膜成膜技術の研究・開発を推進しております。主力製品である縦型装置は多数枚のウエハに同時成膜できることから、高機能・3次元構造対応成膜を低コストで実現可能で、最新装置AdvancedAce-300ではこの特徴をさらに向上させました。今後は3次元化がさらに進むため、これに対応した新装置を引き続き開発してまいります。また、枚葉装置分野ではプラズマ等の活性化技術を駆使し、低温で膜質向上を実現できる多種のトリートメント技術を開発中です。新規の原料供給系、反応室、排気系等の要素技術については、シミュレーション技術を駆使するとともに、大学、各種研究機関及び原料メーカー・各種機器メーカーとの技術交流・共同開発も積極的に実施し、効率的な開発を行ってまいります。当事業に係る研究開発費は5,558百万円となっております。