有価証券報告書-第105期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
34.初度適用
ソニーは、2021年度第1四半期連結会計期間より、IFRSを適用しています。米国会計基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2021年3月31日に終了した連結会計年度に関するものであり、移行日は2020年4月1日です。
(1)IFRS第1号の免除規定
IFRS第1号はIFRSを初めて適用する会社(以下「初度適用企業」)に対して遡及的にIFRSを適用することを要求しています。ただし、IFRS第1号は基準の一部について、初度適用企業が遡及適用しないことを選択できる免除規定を定めています。ソニーが採用した免除規定は以下のとおりです。
① 企業結合
初度適用企業は、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3号」)を遡及適用しないことを選択することが認められています。ソニーは、当該免除規定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を遡及適用しないことを選択しています。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの帳簿価額は、米国会計基準の移行日現在の帳簿価額にもとづいたものとなっています。
ソニーは、のれんについて減損の兆候の有無に関わらず、移行日現在で減損テストを行っています(注記3 I (10) 非金融資産の減損参照)。
② 在外営業活動体の換算差額
初度適用企業は、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められています。ソニーは、当該免除規定を適用し、在外営業活動体の換算差額の累計額を移行日現在でゼロとみなすことを選択しています。
③ 移行日前に認識した金融商品の指定
初度適用企業は、移行日時点で存在する事実にもとづき、IFRS第9号「金融商品」にしたがって、資本性金融商品に対する投資を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定することができます。ソニーは、当該免除規定を適用し、移行日において、一部の資本性金融商品に対する投資についてその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定しています。
④ 使用権資産及びリース負債の認識
初度適用企業は、借手のリースにおける使用権資産及びリース負債を認識する際に、全てのリース取引について使用権資産及びリース負債を移行日において測定することが認められています。ソニーは、リース負債を移行日において測定しており、当該リース負債について、残りのリース料を移行日における借手の追加借入利率で割り引いた現在価値としています。また、使用権資産を移行日において測定しており、リース負債と同額としています。
(2)IFRS第1号の強制的な例外規定
IFRS第1号では、「見積り」、「非支配持分」及び「金融商品の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しています。ソニーは、これらの項目について移行日より将来に向かって適用しています。
(3)調整表
IFRSの初度適用において開示が要求されている調整表は以下のとおりです。「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識・測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しています。
① 移行日(2020年4月1日)の資本に対する調整
(注)*「米国会計基準」列には米国会計基準に準拠した2020年3月31日に終了した連結会計年度の連結財務諸表に対して、米国財務会計基準審議会(Financial Accounting Standards Board)が公表した2020年4月1日時点で発効済の会計基準アップデート(Accounting Standards Updates)を適用したことによる影響を調整した金額を表示しています。
② 2020年度連結会計年度末(2021年3月31日)現在の資本に対する調整
③ 2020年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の純損益に対する調整
④ 2020年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の包括利益に対する調整
(4)調整に関する注記
① 表示組替
a.米国会計基準で区分掲記していた「有価証券」について、IFRSでは流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えています。また、「有価証券」に含めていた生命保険ビジネスにおける変額保険及び変額年金に対する投資について、IFRSではIAS第1号「財務諸表の表示」(以下「IAS第1号」)第66項にしたがって、保険負債に関する投資の目的にもとづき流動・非流動を考慮した上で、流動資産あるいは非流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えています。
b.米国会計基準で区分掲記していた「受取手形、売掛金及び契約資産」及び「損失評価引当金」について、IFRSでは「営業債権、その他の債権及び契約資産」へ組み替えています。
c.米国会計基準で区分掲記していた「未収入金」について、IFRSでは「営業債権、その他の債権及び契約資産」へ組み替えています。
d.米国会計基準で「前払費用及びその他の流動資産」に含めていた「その他の金融資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
e.米国会計基準で区分掲記していた「繰延映画製作費」及び「無形固定資産」に含めていたミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びその他コンテンツ資産について、IFRSでは「コンテンツ資産」として合わせて区分掲記しています。また、「無形固定資産」のうち「コンテンツ資産」として区分掲記したもの以外を、IFRSでは「その他の無形資産」へ組み替えています。
f.米国会計基準で区分掲記していた「投資有価証券その他」について、IFRSでは金融分野に係るものは非流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えており、金融分野以外に係るものは非流動資産の「その他の金融資産」へ組み替えています。また、「投資有価証券その他」に含めていた銀行ビジネスにおける住宅ローンについて、IAS第1号第66項にしたがって契約条件にもとづき流動・非流動を考慮した上で、流動資産あるいは非流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えています。
g.米国会計基準で区分掲記していた「オペレーティング・リース使用権資産」及び「ファイナンス・リース使用権資産」について、IFRSでは「使用権資産」へ組み替えています。
h.米国会計基準でその他の資産の「その他」に含めていた「その他の金融資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
i.米国会計基準で区分掲記していた「1年以内に返済期限の到来する長期オペレーティング・リース負債」及び「長期オペレーティング・リース負債」について、IFRSでは「1年以内に返済期限の到来する長期借入債務」及び「長期借入債務」へそれぞれ組み替えています。
j.米国会計基準で区分掲記していた「支払手形及び買掛金」について、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」へ組み替えています。
k.米国会計基準で区分掲記していた「未払金・未払費用」について、IFRSでは内容に応じ「営業債務及びその他の債務」「映画分野における未払分配金債務」「その他の金融負債」又は「その他の流動負債」へ組み替えています。
l.米国会計基準で区分掲記していた「銀行ビジネスにおける顧客預金」について、IFRSではIAS第1号第69項にしたがって契約条件にもとづき非流動に分類すべきものを、非流動負債の「その他の金融負債」へ組み替えています。
m.米国会計基準で流動負債の「その他」に含めていた「営業債務及びその他の債務」及び「その他の金融負債」について、IFRSでは区分掲記しています。
n.米国会計基準で流動負債以外の負債の「その他」に含めていた「映画分野における未払分配金債務」及び「その他の金融負債」について、IFRSでは区分掲記しています。
o.米国会計基準で区分掲記していた「償還可能非支配持分」について、IFRSでは「その他の金融負債」へ組み替えています。
p.米国会計基準では、2021年3月31日時点において、債券貸借取引において受け入れた現金以外の担保373,274百万円を「有価証券」及び返還義務として流動負債の「その他」に計上しています。IFRSでは受け入れた現金以外の担保について、当該担保が売却された場合や譲渡人が債務不履行になった場合に連結財政状態計算書に認識しますが、2021年3月31日時点において、これらに該当する金額はありません。
q.米国会計基準で区分掲記していた「営業収入」について、IFRSでは「売上高」へ組み替えています。
r.IFRSでは、表示規定にもとづき、役務取引等に係る収入及び費用を総額表示しており「金融ビジネス収入」及び「金融ビジネス費用」は同額増加しています。
s.IFRSでは、表示規定にもとづき、金融収益及び金融費用を区分掲記しています。
② 認識・測定の差異
A. 在外営業活動体の換算差額
IFRS第1号では、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められています。ソニーは、当該免除規定を適用し、移行日における在外営業活動体に係る累積換算差額の全額を利益剰余金に振り替えています。
当該変更による影響は以下のとおりです。
B. 退職後給付
米国会計基準では、過去勤務費用及び数理計算上の差異の発生額を累積その他の包括利益として認識し、将来の一定期間にわたり純損益として認識しています。
IFRSでは、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しています。数理計算上の差異等の確定給付負債又は資産の純額の再測定にともなう調整額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えており、その後の期間に純損益に組み替えることができません。
また、制度資産の公正価値が確定給付制度債務の現在価値を超過している場合、資産計上額は、利用可能な制度からの返還及び将来掛金の減額の現在価値を上限としています。
当該変更による税効果考慮前の影響は以下のとおりです。
C. のれんの減損
米国会計基準とIFRSではのれんの減損テストの実施単位が異なります。米国会計基準において、のれんは、報告単位ごとに減損テストが実施されます。報告単位は、ソニーのオペレーティング・セグメントあるいはその一段階下のレベルを指します。この報告単位は、他と区分された財務情報が入手可能で、セグメント管理者によって定期的にレビューされる単位であるという性質を有しています。IFRSにおいて、のれんは、内部管理目的で管理されている最小単位である資金生成単位あるいは資金生成単位グループごとに減損テストが実施され、この資金生成単位は、米国会計基準における報告単位よりも小さい単位となる場合があります。資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループです。
IFRS移行時に、ソニーは、米国会計基準における報告単位をIFRSにおいて複数の資金生成単位に分割すべきか評価を行いました。その結果、ソニーは、いくつかの資金生成単位を米国会計基準における報告単位よりも小さい単位としました。加えて、ソニーは、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で、当該時点の状況にもとづいて減損テストを実施しました。当該減損テストの際に、ソニーは、過去の企業結合にもとづきそれぞれの資金生成単位あるいは資金生成単位グループに帰属した米国会計基準にもとづくのれん残高を使用しています。米国会計基準では、報告単位内の事業が処分(売却予定資産に分類された場合を含む)された際、のれんは公正価値の比率をもとに残存事業と処分済事業とに按分され、処分済事業に按分されたのれんのみが減損されます。IFRSでは、処分済事業のうちいくつかの事業は単一の資金生成単位あるいは資金生成単位グループであるため、それらの事業に係る全てののれんは、処分時に減損されていたと考えられます。当該減損テストにより、移行日より前に処分された事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに関して、減損損失を認識する結果となりました。加えて、移行日時点で継続している事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに関しても、回収可能価額が帳簿価額を下回ると評価された事業については、減損損失を認識する結果となりました。
この結果、移行日におけるのれんが96,817百万円減少し、利益剰余金が同額減少しました。当該変更による影響は、主にI&SS分野及び映画分野によるもので、以下に記載のとおりです。
I&SS分野では、移行日において、ソニーは43,376百万円の減損損失を認識し、利益剰余金を減額しました。当該減損損失は、移行日より前に処分された事業及びInternet of Things(“IoT”)関連事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに配分されたのれんに係るものです。移行日現在で事業を継続しているIoT関連事業の回収可能価額の測定は使用価値にもとづいており、9.8%の税引前割引率を使用しています。
映画分野では、移行日において、ソニーは48,749百万円の減損損失を認識し、利益剰余金を減額しました。当該減損損失は、移行日より前に処分された事業及び米国のテレビネットワーク事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに配分されたのれんに係るものです。移行日現在で事業を継続している米国のテレビネットワーク事業の回収可能価額の測定は使用価値にもとづいており、15.9%の税引前割引率を使用しています。
当該変更による影響は以下のとおりです。
D. 資本性金融商品及び負債性金融商品
米国会計基準では、持分証券は公正価値で計上されており、未実現評価損益は純損益に含まれています。また、容易に算定できる公正価値を持たない持分証券について、取得原価から減損を控除し、同じ発行体の同一又は類似投資の秩序ある取引における観察可能な価格変動を加減した金額で測定しています。
加えて、米国会計基準では、主に生命保険ビジネスにおける負債証券のうち、満期保有目的の証券を、償却原価で計上しています。
IFRSでは、資本性金融商品は公正価値で認識され、事後的な変動を純損益として認識します。ただし、資本性金融商品のうち売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資については、当初認識時に、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行う場合があります。当該金融資産は公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益に計上されます。
加えて、IFRSでは、主に生命保険ビジネスにおける負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有され、かつ金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は当初認識後の公正価値の変動を、減損利得、減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。
当該変更による税効果考慮前の影響は以下のとおりです。
E. 保険関連科目
保険契約に関しては、IFRS第4号を初度適用した移行日より、同基準の規定に準拠し、従前より適用していた米国会計基準にもとづき会計処理を行っています。IFRSでは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が増加した影響を受け、生命保険ビジネスにおいて、シャドウ・アカウンティングによる保険関連科目の計上額に変動がありました。主に、移行日において、シャドウの負債十分性テストの結果、保険負債の不足が認識されたことによるものです。
当該変更による税効果考慮前の影響は以下のとおりです。
F. 生命保険ビジネスにおける負債性金融商品の測定方法変更にともなう繰延税金負債及び非支配持分への影響
「D. 資本性金融商品及び負債性金融商品」及び「E. 保険関連科目」に関連して、生命保険ビジネスにおける負債性金融商品の測定方法の変更ならびにシャドウ・アカウンティングによる保険関連科目の計上額の変動にともない累積その他の包括利益が変動しています。
これによる繰延税金負債及び非支配持分への影響は以下のとおりです。
G. 利益剰余金
利益剰余金に関する差異調整の主な項目は以下のとおりです。
H. 税引前利益
税引前利益に関する差異調整の主な項目は以下のとおりです。
I. 法人所得税
IFRS適用にともない認識・測定された各種調整仕訳に対する税効果及びその他の税効果を計上したことにより法人所得税が変動しています。
(5)2020年度の連結キャッシュ・フロー計算書に対する調整
連結キャッシュ・フロー計算書に関する差異調整の主な項目は以下のとおりです。
*1 オペレーティング・リース負債の元本部分の支払
米国会計基準において、リース契約の借手は、リースをオペレーティング・リースとファイナンス・リースに分類して会計処理を行っており、オペレーティング・リース負債の元本部分の支払は、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分されます。IFRSにおいては、リース契約の借手におけるオペレーティング・リースとファイナンス・リースの分類がなく、リース負債の元本部分の支払は、連結キャッシュ・フロー計算書上、全て財務活動によるキャッシュ・フローに区分されます。
*2 コンテンツ資産の取得及び処分
米国会計基準において、繰延映画製作費の取得及び処分に係るキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分され、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びその他コンテンツ資産の取得及び処分に係るキャッシュ・フローについては、無形資産の取得及び処分という取引の性質から、連結キャッシュ・フロー計算書上、投資活動によるキャッシュ・フローに区分されます。一方で、IFRSにおいては、これらの無形資産はコンテンツ資産と位置付けられ、その取得及び処分が主たる収益獲得活動から生じる変動であると捉えられ、企業結合や事業分離による取得及び処分を除き、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分されます。
*3 金融分野における資産及び負債の変動
米国会計基準において、金融分野における投資及び貸付等の資金運用、債券貸借取引等の資金調達、銀行ビジネスにおける顧客預金及び生命保険ビジネスにおける契約者勘定の増加及び減少については、取引の性質ごとに区分されます。一方で、IFRSにおいては、これらは主たる収益獲得活動から生じる変動であると捉えられ、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分されます。
ソニーは、2021年度第1四半期連結会計期間より、IFRSを適用しています。米国会計基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2021年3月31日に終了した連結会計年度に関するものであり、移行日は2020年4月1日です。
(1)IFRS第1号の免除規定
IFRS第1号はIFRSを初めて適用する会社(以下「初度適用企業」)に対して遡及的にIFRSを適用することを要求しています。ただし、IFRS第1号は基準の一部について、初度適用企業が遡及適用しないことを選択できる免除規定を定めています。ソニーが採用した免除規定は以下のとおりです。
① 企業結合
初度適用企業は、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3号」)を遡及適用しないことを選択することが認められています。ソニーは、当該免除規定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を遡及適用しないことを選択しています。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの帳簿価額は、米国会計基準の移行日現在の帳簿価額にもとづいたものとなっています。
ソニーは、のれんについて減損の兆候の有無に関わらず、移行日現在で減損テストを行っています(注記3 I (10) 非金融資産の減損参照)。
② 在外営業活動体の換算差額
初度適用企業は、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められています。ソニーは、当該免除規定を適用し、在外営業活動体の換算差額の累計額を移行日現在でゼロとみなすことを選択しています。
③ 移行日前に認識した金融商品の指定
初度適用企業は、移行日時点で存在する事実にもとづき、IFRS第9号「金融商品」にしたがって、資本性金融商品に対する投資を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定することができます。ソニーは、当該免除規定を適用し、移行日において、一部の資本性金融商品に対する投資についてその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定しています。
④ 使用権資産及びリース負債の認識
初度適用企業は、借手のリースにおける使用権資産及びリース負債を認識する際に、全てのリース取引について使用権資産及びリース負債を移行日において測定することが認められています。ソニーは、リース負債を移行日において測定しており、当該リース負債について、残りのリース料を移行日における借手の追加借入利率で割り引いた現在価値としています。また、使用権資産を移行日において測定しており、リース負債と同額としています。
(2)IFRS第1号の強制的な例外規定
IFRS第1号では、「見積り」、「非支配持分」及び「金融商品の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しています。ソニーは、これらの項目について移行日より将来に向かって適用しています。
(3)調整表
IFRSの初度適用において開示が要求されている調整表は以下のとおりです。「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識・測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しています。
① 移行日(2020年4月1日)の資本に対する調整
米国会計基準 表示科目 | 金額(百万円) | 注記 | IFRS 表示科目 | |||
米国会計 基準* | 表示組替 | 認識・測定 の差異 | IFRS | |||
(資産の部) | (資産の部) | |||||
流動資産 | 流動資産 | |||||
現金・預金及び現金同等物 | 1,512,357 | - | 166 | 1,512,523 | 現金及び現金同等物 | |
有価証券 | 1,847,772 | △1,847,772 | - | - | a | |
- | 327,092 | - | 327,092 | a,f | 金融分野における投資及び貸付 | |
受取手形、売掛金及び契約資産 | 1,028,793 | △1,028,793 | - | - | b | |
- | 1,195,228 | △894 | 1,194,334 | b,c | 営業債権、その他の債権及び 契約資産 | |
損失評価引当金 | △26,153 | 26,153 | - | - | b | |
棚卸資産 | 558,452 | - | 1,327 | 559,779 | 棚卸資産 | |
未収入金 | 188,076 | △188,076 | - | - | c | |
- | 135,265 | 217 | 135,482 | d | その他の金融資産 | |
前払費用及びその他の流動資産 | 594,009 | △153,473 | 1,438 | 441,974 | d | その他の流動資産 |
流動資産合計 | 5,703,306 | △1,534,376 | 2,254 | 4,171,184 | 流動資産合計 | |
非流動資産 | ||||||
繰延映画製作費 | 458,853 | △458,853 | - | - | e | |
投資及び貸付金 | ||||||
関連会社に対する投資及び 貸付金 | 207,922 | △608 | △3,023 | 204,291 | 持分法で会計処理されている 投資 | |
投資有価証券その他 | 12,526,990 | △12,526,990 | - | - | f | |
損失評価引当金 | △6,341 | 6,341 | - | - | ||
- | 13,906,535 | 2,445,750 | 16,352,285 | a,f,D | 金融分野における投資及び貸付 | |
有形固定資産 | ||||||
土地 | 81,482 | △81,482 | - | - | ||
建物及び構築物 | 659,556 | △659,556 | - | - | ||
機械装置及びその他の 有形固定資産 | 1,725,720 | △1,725,720 | - | - | ||
建設仮勘定 | 76,391 | △76,391 | - | - | ||
減価償却累計額 | △1,634,505 | 1,634,505 | - | - | ||
- | 921,513 | △4,315 | 917,198 | 有形固定資産 | ||
その他の資産 | ||||||
オペレーティング・リース 使用権資産 | 359,510 | △359,510 | - | - | g | |
ファイナンス・リース 使用権資産 | 33,100 | △33,100 | - | - | g | |
- | 376,998 | △3,716 | 373,282 | g | 使用権資産 | |
無形固定資産 | 906,310 | △906,310 | - | - | e | |
営業権 | 783,888 | - | △92,959 | 690,929 | C | のれん |
- | 991,611 | 1,033 | 992,644 | e | コンテンツ資産 | |
- | 373,552 | 3,948 | 377,500 | e | その他の無形資産 | |
繰延保険契約費 | 600,901 | - | △412,997 | 187,904 | E | 繰延保険契約費 |
繰延税金 | 210,417 | 87 | △171 | 210,333 | 繰延税金資産 | |
- | 298,469 | 23,252 | 321,721 | f,h,D | その他の金融資産 | |
その他 | 339,284 | △154,853 | △16,636 | 167,795 | h,B | その他の非流動資産 |
17,329,478 | 1,526,238 | 1,940,166 | 20,795,882 | 非流動資産合計 | ||
資産合計 | 23,032,784 | △8,138 | 1,942,420 | 24,967,066 | 資産合計 |
米国会計基準 表示科目 | 金額(百万円) | 注記 | IFRS 表示科目 | |||
米国会計 基準* | 表示組替 | 認識・測定 の差異 | IFRS | |||
(負債の部) | (負債の部) | |||||
流動負債 | 流動負債 | |||||
短期借入金 | 810,176 | 13,869 | - | 824,045 | 短期借入金 | |
1年以内に返済期限の到来する 長期借入債務 | 29,807 | 69,116 | - | 98,923 | i | 1年以内に返済期限の到来する 長期借入債務 |
1年以内に返済期限の到来する 長期オペレーティング・リース 負債 | 68,942 | △68,942 | - | - | i | |
支払手形及び買掛金 | 380,810 | △380,810 | - | - | j | |
- | 1,340,573 | △30,037 | 1,310,536 | j,k,m | 営業債務及びその他の債務 | |
未払金・未払費用 | 1,630,197 | △1,630,197 | - | - | k | |
銀行ビジネスにおける顧客預金 | 2,440,783 | △93,396 | - | 2,347,387 | l | 銀行ビジネスにおける顧客預金 |
未払法人税及びその他の 未払税金 | 145,996 | △60,650 | - | 85,346 | 未払法人所得税 | |
- | 163,007 | - | 163,007 | k | 映画分野における未払分配金 債務 | |
- | 56,152 | - | 56,152 | k,m | その他の金融負債 | |
その他 | 733,732 | 527,859 | 2,353 | 1,263,944 | k,m | その他の流動負債 |
流動負債合計 | 6,240,443 | △63,419 | △27,684 | 6,149,340 | 流動負債合計 | |
非流動負債 | ||||||
長期借入債務 | 634,966 | 305,871 | △1,807 | 939,030 | i | 長期借入債務 |
長期オペレーティング・リース 負債 | 314,836 | △314,836 | - | - | i | |
未払退職・年金費用 | 324,655 | 4,355 | 611 | 329,621 | B | 退職給付に係る負債 |
繰延税金 | 548,034 | 87 | 493,035 | 1,041,156 | F | 繰延税金負債 |
保険契約債務その他 | 6,246,047 | - | 273,530 | 6,519,577 | E | 保険契約債務その他 |
生命保険ビジネスにおける 契約者勘定 | 3,642,271 | - | △2,261 | 3,640,010 | E | 生命保険ビジネスにおける 契約者勘定 |
- | 122,706 | △3,004 | 119,702 | n | 映画分野における未払分配金 債務 | |
- | 146,834 | - | 146,834 | l,n,o | その他の金融負債 | |
その他 | 289,285 | △201,969 | 4 | 87,320 | n | その他の非流動負債 |
12,000,094 | 63,048 | 760,108 | 12,823,250 | 非流動負債合計 | ||
負債合計 | 18,240,537 | △371 | 732,424 | 18,972,590 | 負債合計 | |
償還可能非支配持分 | 7,767 | △7,767 | - | - | o | |
(資本の部) | (資本の部) | |||||
当社株主に帰属する資本 | 当社株主に帰属する資本 | |||||
資本金 | 880,214 | - | - | 880,214 | 資本金 | |
資本剰余金 | 1,289,719 | - | 7,835 | 1,297,554 | 資本剰余金 | |
利益剰余金 | 2,765,187 | - | △815,490 | 1,949,697 | G | 利益剰余金 |
累積その他の包括利益 | △580,980 | - | 1,560,456 | 979,476 | A,B,D E,F | 累積その他の包括利益 |
自己株式 | △232,503 | - | - | △232,503 | 自己株式 | |
当社株主に帰属する資本合計 | 4,121,637 | - | 752,801 | 4,874,438 | 当社株主に帰属する資本合計 | |
非支配持分 | 662,843 | - | 457,195 | 1,120,038 | F | 非支配持分 |
資本合計 | 4,784,480 | - | 1,209,996 | 5,994,476 | 資本合計 | |
負債及び資本合計 | 23,032,784 | △8,138 | 1,942,420 | 24,967,066 | 負債及び資本合計 |
(注)*「米国会計基準」列には米国会計基準に準拠した2020年3月31日に終了した連結会計年度の連結財務諸表に対して、米国財務会計基準審議会(Financial Accounting Standards Board)が公表した2020年4月1日時点で発効済の会計基準アップデート(Accounting Standards Updates)を適用したことによる影響を調整した金額を表示しています。
② 2020年度連結会計年度末(2021年3月31日)現在の資本に対する調整
米国会計基準 表示科目 | 金額(百万円) | 注記 | IFRS 表示科目 | |||
米国会計 基準 | 表示組替 | 認識・測定 の差異 | IFRS | |||
(資産の部) | (資産の部) | |||||
流動資産 | 流動資産 | |||||
現金・預金及び現金同等物 | 1,786,982 | - | - | 1,786,982 | 現金及び現金同等物 | |
有価証券 | 2,902,438 | △2,902,438 | - | - | a,p | |
- | 412,016 | △34 | 411,982 | a,f | 金融分野における投資及び貸付 | |
受取手形、売掛金及び契約資産 | 1,099,300 | △1,099,300 | - | - | b | |
- | 1,366,991 | △1,498 | 1,365,493 | b,c | 営業債権、その他の債権及び 契約資産 | |
損失評価引当金 | △29,406 | 29,406 | - | - | b | |
棚卸資産 | 637,391 | - | △723 | 636,668 | 棚卸資産 | |
未収入金 | 283,499 | △283,499 | - | - | c | |
- | 117,522 | 160 | 117,682 | d | その他の金融資産 | |
前払費用及びその他の流動資産 | 538,540 | △141,517 | △813 | 396,210 | d | その他の流動資産 |
流動資産合計 | 7,218,744 | △2,500,819 | △2,908 | 4,715,017 | 流動資産合計 | |
非流動資産 | ||||||
繰延映画製作費 | 459,426 | △459,426 | - | - | e | |
投資及び貸付金 | ||||||
関連会社に対する投資及び 貸付金 | 226,218 | △1,132 | - | 225,086 | 持分法で会計処理されている 投資 | |
投資有価証券その他 | 14,046,196 | △14,046,196 | - | - | f | |
損失評価引当金 | △8,419 | 8,419 | - | - | ||
- | 15,639,456 | 1,657,090 | 17,296,546 | a,f,D | 金融分野における投資及び貸付 | |
有形固定資産 | ||||||
土地 | 79,557 | △79,557 | - | - | ||
建物及び構築物 | 683,249 | △683,249 | - | - | ||
機械装置及びその他の 有形固定資産 | 1,748,961 | △1,748,961 | - | - | ||
建設仮勘定 | 100,728 | △100,728 | - | - | ||
減価償却累計額 | △1,627,061 | 1,627,061 | - | - | ||
- | 994,676 | △4,135 | 990,541 | 有形固定資産 | ||
その他の資産 | ||||||
オペレーティング・リース 使用権資産 | 337,322 | △337,322 | - | - | g | |
ファイナンス・リース 使用権資産 | 39,772 | △39,772 | - | - | g | |
- | 365,641 | △7,607 | 358,034 | g | 使用権資産 | |
無形固定資産 | 996,305 | △996,305 | - | - | e | |
営業権 | 827,149 | △398 | △100,642 | 726,109 | C | のれん |
- | 1,062,865 | △318 | 1,062,547 | e | コンテンツ資産 | |
- | 392,862 | △1,807 | 391,055 | e | その他の無形資産 | |
繰延保険契約費 | 657,420 | - | △33,434 | 623,986 | E | 繰延保険契約費 |
繰延税金 | 207,470 | △2,649 | 10,848 | 215,669 | 繰延税金資産 | |
- | 663,105 | 32,659 | 695,764 | f,h,D | その他の金融資産 | |
その他 | 361,803 | △137,916 | △16,398 | 207,489 | h,B | その他の非流動資産 |
19,136,096 | 2,120,474 | 1,536,256 | 22,792,826 | 非流動資産合計 | ||
資産合計 | 26,354,840 | △380,345 | 1,533,348 | 27,507,843 | 資産合計 |
米国会計基準 表示科目 | 金額(百万円) | 注記 | IFRS 表示科目 | |||
米国会計 基準 | 表示組替 | 認識・測定 の差異 | IFRS | |||
(負債の部) | (負債の部) | |||||
流動負債 | 流動負債 | |||||
短期借入金 | 1,187,868 | 13,879 | - | 1,201,747 | 短期借入金 | |
1年以内に返済期限の到来する 長期借入債務 | 131,699 | 73,582 | 125 | 205,406 | i | 1年以内に返済期限の到来する 長期借入債務 |
1年以内に返済期限の到来する 長期オペレーティング・リース 負債 | 73,362 | △73,362 | - | - | i | |
支払手形及び買掛金 | 599,569 | △599,569 | - | - | j | |
- | 1,632,952 | △36,389 | 1,596,563 | j,k,m | 営業債務及びその他の債務 | |
未払金・未払費用 | 1,756,833 | △1,756,833 | - | - | k | |
銀行ビジネスにおける顧客預金 | 2,773,885 | △91,729 | - | 2,682,156 | l | 銀行ビジネスにおける顧客預金 |
未払法人税及びその他の 未払税金 | 165,406 | △82,594 | 1,619 | 84,431 | 未払法人所得税 | |
- | 164,005 | △2,572 | 161,433 | k | 映画分野における未払分配金 債務 | |
- | 54,341 | - | 54,341 | k,m,o | その他の金融負債 | |
その他 | 1,126,802 | 234,441 | 6,284 | 1,367,527 | k,m,p | その他の流動負債 |
流動負債合計 | 7,815,424 | △430,887 | △30,933 | 7,353,604 | 流動負債合計 | |
非流動負債 | ||||||
長期借入債務 | 773,294 | 281,086 | △744 | 1,053,636 | i | 長期借入債務 |
長期オペレーティング・リース 負債 | 290,259 | △290,259 | - | - | i | |
未払退職・年金費用 | 254,103 | 12,364 | 755 | 267,222 | B | 退職給付に係る負債 |
繰延税金 | 366,761 | △2,649 | 452,475 | 816,587 | F | 繰延税金負債 |
保険契約債務その他 | 6,599,977 | - | 14,608 | 6,614,585 | E | 保険契約債務その他 |
生命保険ビジネスにおける 契約者勘定 | 4,331,065 | - | △2,171 | 4,328,894 | E | 生命保険ビジネスにおける 契約者勘定 |
- | 120,712 | △4,175 | 116,537 | n | 映画分野における未払分配金 債務 | |
- | 139,417 | - | 139,417 | l,n,o | その他の金融負債 | |
その他 | 294,302 | △201,551 | 271 | 93,022 | n | その他の非流動負債 |
12,909,761 | 59,120 | 461,019 | 13,429,900 | 非流動負債合計 | ||
負債合計 | 20,725,185 | △371,767 | 430,086 | 20,783,504 | 負債合計 | |
償還可能非支配持分 | 8,179 | △8,179 | - | - | o | |
(資本の部) | (資本の部) | |||||
当社株主に帰属する資本 | 当社株主に帰属する資本 | |||||
資本金 | 880,214 | - | - | 880,214 | 資本金 | |
資本剰余金 | 1,486,721 | - | 2,876 | 1,489,597 | 資本剰余金 | |
利益剰余金 | 3,857,152 | - | △942,649 | 2,914,503 | G | 利益剰余金 |
累積その他の包括利益 | △524,020 | - | 2,044,277 | 1,520,257 | A,B,C D,E,F | 累積その他の包括利益 |
自己株式 | △124,228 | - | - | △124,228 | 自己株式 | |
当社株主に帰属する資本合計 | 5,575,839 | - | 1,104,504 | 6,680,343 | 当社株主に帰属する資本合計 | |
非支配持分 | 45,637 | △399 | △1,242 | 43,996 | 非支配持分 | |
資本合計 | 5,621,476 | △399 | 1,103,262 | 6,724,339 | 資本合計 | |
負債及び資本合計 | 26,354,840 | △380,345 | 1,533,348 | 27,507,843 | 負債及び資本合計 |
③ 2020年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の純損益に対する調整
米国会計基準 表示科目 | 金額(百万円) | 注記 | IFRS 表示科目 | |||
米国会計 基準 | 表示組替 | 認識・測定 の差異 | IFRS | |||
売上高及び営業収入 | 売上高及び金融ビジネス収入 | |||||
純売上高 | 7,252,766 | 79,293 | 1,611 | 7,333,670 | q | 売上高 |
金融ビジネス収入 | 1,661,520 | 13,512 | △10,041 | 1,664,991 | r,D | 金融ビジネス収入 |
営業収入 | 85,074 | △85,074 | - | - | q | |
8,999,360 | 7,731 | △8,430 | 8,998,661 | 売上高及び金融ビジネス収入合計 | ||
売上原価、販売費・一般管理費 及びその他の一般費用 | 売上原価、販売費・一般管理費 及びその他の一般費用 | |||||
売上原価 | 5,072,596 | △3,850 | △2,867 | 5,065,879 | B | 売上原価 |
販売費及び一般管理費 | 1,469,955 | 61 | 3,138 | 1,473,154 | B | 販売費及び一般管理費 |
金融ビジネス費用 | 1,488,963 | 12,503 | 208 | 1,501,674 | r,D | 金融ビジネス費用 |
その他の営業損(純額) | 7,468 | △720 | 7,502 | 14,250 | C | その他の営業損(益)(純額) |
8,038,982 | 7,994 | 7,981 | 8,054,957 | 売上原価、販売費・一般管理費 及びその他の一般費用合計 | ||
持分法による投資利益 | 11,487 | - | 64 | 11,551 | D | 持分法による投資利益(損失) |
営業利益 | 971,865 | △263 | △16,347 | 955,255 | 営業利益 | |
その他の収益 | ||||||
受取利息及び受取配当金 | 10,457 | △10,457 | - | - | ||
持分証券に関する利益(純額) | 247,026 | △247,026 | - | - | ||
その他 | 6,752 | △6,752 | - | - | ||
- | 264,692 | △180,900 | 83,792 | s,D | 金融収益 | |
その他の費用 | ||||||
支払利息 | 12,185 | △12,185 | - | - | ||
為替差損(純額) | 16,056 | △16,056 | - | - | ||
純期間退職・年金費用 (勤務費用以外) | 8,811 | △8,811 | - | - | ||
その他 | 6,678 | △6,678 | - | - | ||
- | 43,924 | △2,842 | 41,082 | s,B | 金融費用 | |
税引前利益 | 1,192,370 | - | △194,405 | 997,965 | H | 税引前利益 |
法人税等 | 995 | - | △46,926 | △45,931 | I | 法人所得税 |
当期純利益 | 1,191,375 | - | △147,479 | 1,043,896 | 当期純利益 | |
当期純利益の帰属 | ||||||
当社株主に帰属する当期純利益 | 1,171,776 | - | △142,166 | 1,029,610 | 当社株主 | |
非支配持分に帰属する当期純利益 | 19,599 | - | △5,313 | 14,286 | 非支配持分 |
④ 2020年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の包括利益に対する調整
米国会計基準 表示科目 | 金額(百万円) | 注記 | IFRS 表示科目 | |||
米国会計 基準 | 表示組替 | 認識・測定 の差異 | IFRS | |||
包括利益 | 包括利益 | |||||
当期純利益 | 1,191,375 | - | △147,479 | 1,043,896 | 当期純利益 | |
その他の包括利益 (税効果考慮後) | その他の包括利益 (税効果考慮後) | |||||
純損益に振り替えられる ことのない項目 | ||||||
- | - | 144,740 | 144,740 | D | その他の包括利益を通じ て公正価値で測定する 資本性金融商品の変動 | |
年金債務調整額 | 12,965 | - | △1,410 | 11,555 | 確定給付制度の再測定 | |
- | - | 87 | 87 | 持分法によるその他の 包括利益 | ||
純損益に振り替えられる可 能性のある項目 | ||||||
未実現有価証券評価損 | △102,492 | - | △103,057 | △205,549 | D,E,F | その他の包括利益を通じ て公正価値で測定する 負債性金融商品の変動 |
未実現デリバティブ評価益 | 1,513 | - | △1,462 | 51 | キャッシュ・フロー・ ヘッジ | |
金融負債評価調整額 | △3,120 | - | - | △3,120 | 保険契約評価調整額 | |
外貨換算調整額 | 106,826 | △798 | 9,293 | 115,321 | 在外営業活動体の 換算差額 | |
- | 798 | - | 798 | 持分法によるその他の 包括利益 | ||
15,692 | - | 48,191 | 63,883 | その他の包括利益 (税効果考慮後)合計 | ||
包括利益 | 1,207,067 | - | △99,288 | 1,107,779 | 包括利益 | |
包括利益の帰属 | ||||||
当社株主に帰属する包括利益 | 1,198,836 | - | △80,208 | 1,118,628 | 当社株主 | |
非支配持分に帰属する包括利益 | 8,231 | - | △19,080 | △10,849 | 非支配持分 |
(4)調整に関する注記
① 表示組替
a.米国会計基準で区分掲記していた「有価証券」について、IFRSでは流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えています。また、「有価証券」に含めていた生命保険ビジネスにおける変額保険及び変額年金に対する投資について、IFRSではIAS第1号「財務諸表の表示」(以下「IAS第1号」)第66項にしたがって、保険負債に関する投資の目的にもとづき流動・非流動を考慮した上で、流動資産あるいは非流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えています。
b.米国会計基準で区分掲記していた「受取手形、売掛金及び契約資産」及び「損失評価引当金」について、IFRSでは「営業債権、その他の債権及び契約資産」へ組み替えています。
c.米国会計基準で区分掲記していた「未収入金」について、IFRSでは「営業債権、その他の債権及び契約資産」へ組み替えています。
d.米国会計基準で「前払費用及びその他の流動資産」に含めていた「その他の金融資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
e.米国会計基準で区分掲記していた「繰延映画製作費」及び「無形固定資産」に含めていたミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びその他コンテンツ資産について、IFRSでは「コンテンツ資産」として合わせて区分掲記しています。また、「無形固定資産」のうち「コンテンツ資産」として区分掲記したもの以外を、IFRSでは「その他の無形資産」へ組み替えています。
f.米国会計基準で区分掲記していた「投資有価証券その他」について、IFRSでは金融分野に係るものは非流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えており、金融分野以外に係るものは非流動資産の「その他の金融資産」へ組み替えています。また、「投資有価証券その他」に含めていた銀行ビジネスにおける住宅ローンについて、IAS第1号第66項にしたがって契約条件にもとづき流動・非流動を考慮した上で、流動資産あるいは非流動資産の「金融分野における投資及び貸付」へ組み替えています。
g.米国会計基準で区分掲記していた「オペレーティング・リース使用権資産」及び「ファイナンス・リース使用権資産」について、IFRSでは「使用権資産」へ組み替えています。
h.米国会計基準でその他の資産の「その他」に含めていた「その他の金融資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
i.米国会計基準で区分掲記していた「1年以内に返済期限の到来する長期オペレーティング・リース負債」及び「長期オペレーティング・リース負債」について、IFRSでは「1年以内に返済期限の到来する長期借入債務」及び「長期借入債務」へそれぞれ組み替えています。
j.米国会計基準で区分掲記していた「支払手形及び買掛金」について、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」へ組み替えています。
k.米国会計基準で区分掲記していた「未払金・未払費用」について、IFRSでは内容に応じ「営業債務及びその他の債務」「映画分野における未払分配金債務」「その他の金融負債」又は「その他の流動負債」へ組み替えています。
l.米国会計基準で区分掲記していた「銀行ビジネスにおける顧客預金」について、IFRSではIAS第1号第69項にしたがって契約条件にもとづき非流動に分類すべきものを、非流動負債の「その他の金融負債」へ組み替えています。
m.米国会計基準で流動負債の「その他」に含めていた「営業債務及びその他の債務」及び「その他の金融負債」について、IFRSでは区分掲記しています。
n.米国会計基準で流動負債以外の負債の「その他」に含めていた「映画分野における未払分配金債務」及び「その他の金融負債」について、IFRSでは区分掲記しています。
o.米国会計基準で区分掲記していた「償還可能非支配持分」について、IFRSでは「その他の金融負債」へ組み替えています。
p.米国会計基準では、2021年3月31日時点において、債券貸借取引において受け入れた現金以外の担保373,274百万円を「有価証券」及び返還義務として流動負債の「その他」に計上しています。IFRSでは受け入れた現金以外の担保について、当該担保が売却された場合や譲渡人が債務不履行になった場合に連結財政状態計算書に認識しますが、2021年3月31日時点において、これらに該当する金額はありません。
q.米国会計基準で区分掲記していた「営業収入」について、IFRSでは「売上高」へ組み替えています。
r.IFRSでは、表示規定にもとづき、役務取引等に係る収入及び費用を総額表示しており「金融ビジネス収入」及び「金融ビジネス費用」は同額増加しています。
s.IFRSでは、表示規定にもとづき、金融収益及び金融費用を区分掲記しています。
② 認識・測定の差異
A. 在外営業活動体の換算差額
IFRS第1号では、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められています。ソニーは、当該免除規定を適用し、移行日における在外営業活動体に係る累積換算差額の全額を利益剰余金に振り替えています。
当該変更による影響は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
(連結財政状態計算書) | ||
累積その他の包括利益 | △509,872 | △510,091 |
利益剰余金(△は減額) | △509,872 | △510,091 |
B. 退職後給付
米国会計基準では、過去勤務費用及び数理計算上の差異の発生額を累積その他の包括利益として認識し、将来の一定期間にわたり純損益として認識しています。
IFRSでは、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しています。数理計算上の差異等の確定給付負債又は資産の純額の再測定にともなう調整額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えており、その後の期間に純損益に組み替えることができません。
また、制度資産の公正価値が確定給付制度債務の現在価値を超過している場合、資産計上額は、利用可能な制度からの返還及び将来掛金の減額の現在価値を上限としています。
当該変更による税効果考慮前の影響は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
(連結財政状態計算書) | ||
その他の非流動資産 | △16,829 | △17,083 |
退職給付に係る負債 | 30 | △62 |
累積その他の包括利益 | △300,385 | △277,379 |
利益剰余金(△は減額) | △317,184 | △294,524 |
項目 | 2020年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
金額(百万円) | |
(連結損益計算書) | |
売上原価 | △2,193 |
販売費及び一般管理費 | △244 |
金融費用 | 9,476 |
税引前利益調整額の増減(△は減額) | 7,039 |
C. のれんの減損
米国会計基準とIFRSではのれんの減損テストの実施単位が異なります。米国会計基準において、のれんは、報告単位ごとに減損テストが実施されます。報告単位は、ソニーのオペレーティング・セグメントあるいはその一段階下のレベルを指します。この報告単位は、他と区分された財務情報が入手可能で、セグメント管理者によって定期的にレビューされる単位であるという性質を有しています。IFRSにおいて、のれんは、内部管理目的で管理されている最小単位である資金生成単位あるいは資金生成単位グループごとに減損テストが実施され、この資金生成単位は、米国会計基準における報告単位よりも小さい単位となる場合があります。資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループです。
IFRS移行時に、ソニーは、米国会計基準における報告単位をIFRSにおいて複数の資金生成単位に分割すべきか評価を行いました。その結果、ソニーは、いくつかの資金生成単位を米国会計基準における報告単位よりも小さい単位としました。加えて、ソニーは、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で、当該時点の状況にもとづいて減損テストを実施しました。当該減損テストの際に、ソニーは、過去の企業結合にもとづきそれぞれの資金生成単位あるいは資金生成単位グループに帰属した米国会計基準にもとづくのれん残高を使用しています。米国会計基準では、報告単位内の事業が処分(売却予定資産に分類された場合を含む)された際、のれんは公正価値の比率をもとに残存事業と処分済事業とに按分され、処分済事業に按分されたのれんのみが減損されます。IFRSでは、処分済事業のうちいくつかの事業は単一の資金生成単位あるいは資金生成単位グループであるため、それらの事業に係る全てののれんは、処分時に減損されていたと考えられます。当該減損テストにより、移行日より前に処分された事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに関して、減損損失を認識する結果となりました。加えて、移行日時点で継続している事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに関しても、回収可能価額が帳簿価額を下回ると評価された事業については、減損損失を認識する結果となりました。
この結果、移行日におけるのれんが96,817百万円減少し、利益剰余金が同額減少しました。当該変更による影響は、主にI&SS分野及び映画分野によるもので、以下に記載のとおりです。
I&SS分野では、移行日において、ソニーは43,376百万円の減損損失を認識し、利益剰余金を減額しました。当該減損損失は、移行日より前に処分された事業及びInternet of Things(“IoT”)関連事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに配分されたのれんに係るものです。移行日現在で事業を継続しているIoT関連事業の回収可能価額の測定は使用価値にもとづいており、9.8%の税引前割引率を使用しています。
映画分野では、移行日において、ソニーは48,749百万円の減損損失を認識し、利益剰余金を減額しました。当該減損損失は、移行日より前に処分された事業及び米国のテレビネットワーク事業の資金生成単位あるいは資金生成単位グループに配分されたのれんに係るものです。移行日現在で事業を継続している米国のテレビネットワーク事業の回収可能価額の測定は使用価値にもとづいており、15.9%の税引前割引率を使用しています。
当該変更による影響は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
(連結財政状態計算書) | ||
のれん | △96,817 | △100,727 |
累積その他の包括利益 | - | 2,942 |
利益剰余金(△は減額) | △96,817 | △97,785 |
項目 | 2020年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
金額(百万円) | |
(連結損益計算書) | |
その他の営業損(益)(純額) | △968 |
税引前利益調整額の増減(△は減額) | △968 |
D. 資本性金融商品及び負債性金融商品
米国会計基準では、持分証券は公正価値で計上されており、未実現評価損益は純損益に含まれています。また、容易に算定できる公正価値を持たない持分証券について、取得原価から減損を控除し、同じ発行体の同一又は類似投資の秩序ある取引における観察可能な価格変動を加減した金額で測定しています。
加えて、米国会計基準では、主に生命保険ビジネスにおける負債証券のうち、満期保有目的の証券を、償却原価で計上しています。
IFRSでは、資本性金融商品は公正価値で認識され、事後的な変動を純損益として認識します。ただし、資本性金融商品のうち売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資については、当初認識時に、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行う場合があります。当該金融資産は公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益に計上されます。
加えて、IFRSでは、主に生命保険ビジネスにおける負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有され、かつ金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は当初認識後の公正価値の変動を、減損利得、減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。
当該変更による税効果考慮前の影響は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
(連結財政状態計算書) | ||
その他の金融資産(非流動) | 22,110 | 31,627 |
金融分野における投資及び貸付(非流動) | 2,439,946 | 1,649,660 |
累積その他の包括利益 | △2,424,510 | △1,840,980 |
利益剰余金(△は減額) | 37,546 | △159,693 |
項目 | 2020年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
金額(百万円) | |
(連結損益計算書) | |
金融ビジネス収入 | △12,547 |
金融ビジネス費用 | △854 |
持分法による投資利益(損失) | △30 |
金融収益 | △178,677 |
税引前利益調整額の増減(△は減額) | △192,108 |
E. 保険関連科目
保険契約に関しては、IFRS第4号を初度適用した移行日より、同基準の規定に準拠し、従前より適用していた米国会計基準にもとづき会計処理を行っています。IFRSでは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産が増加した影響を受け、生命保険ビジネスにおいて、シャドウ・アカウンティングによる保険関連科目の計上額に変動がありました。主に、移行日において、シャドウの負債十分性テストの結果、保険負債の不足が認識されたことによるものです。
当該変更による税効果考慮前の影響は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
(連結財政状態計算書) | ||
繰延保険契約費 | △412,997 | △33,434 |
保険契約債務その他 | △273,530 | △14,609 |
生命保険ビジネスにおける契約者勘定 | 2,261 | 2,170 |
累積その他の包括利益 | 684,266 | 45,873 |
F. 生命保険ビジネスにおける負債性金融商品の測定方法変更にともなう繰延税金負債及び非支配持分への影響
「D. 資本性金融商品及び負債性金融商品」及び「E. 保険関連科目」に関連して、生命保険ビジネスにおける負債性金融商品の測定方法の変更ならびにシャドウ・アカウンティングによる保険関連科目の計上額の変動にともない累積その他の包括利益が変動しています。
これによる繰延税金負債及び非支配持分への影響は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
(連結財政状態計算書) | ||
繰延税金負債 | △489,839 | △452,189 |
非支配持分 | △440,099 | - |
累積その他の包括利益 | 929,938 | 452,189 |
G. 利益剰余金
利益剰余金に関する差異調整の主な項目は以下のとおりです。
項目 | 移行日 (2020年4月1日) | 2020年度末 (2021年3月31日) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |
米国会計基準の利益剰余金 | 2,765,187 | 3,857,152 |
1 在外営業活動体の換算差額 *A | △509,872 | △510,091 |
2 退職後給付 *B | △317,184 | △294,524 |
3 のれんの減損 *C | △96,817 | △97,785 |
4 資本性金融商品及び負債性金融商品 *D | 37,546 | △159,693 |
5 その他 | 6,616 | 13,249 |
各項目に係る税効果 | 64,221 | 106,195 |
合計 | △815,490 | △942,649 |
IFRSの利益剰余金 | 1,949,697 | 2,914,503 |
H. 税引前利益
税引前利益に関する差異調整の主な項目は以下のとおりです。
項目 | 2020年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
金額(百万円) | |
米国会計基準の税引前利益 | 1,192,370 |
1 退職後給付 *B | 7,039 |
2 のれんの減損 *C | △968 |
3 資本性金融商品及び負債性金融商品 *D | △192,108 |
4 その他 | △8,368 |
合計 | △194,405 |
IFRSの税引前利益 | 997,965 |
I. 法人所得税
IFRS適用にともない認識・測定された各種調整仕訳に対する税効果及びその他の税効果を計上したことにより法人所得税が変動しています。
(5)2020年度の連結キャッシュ・フロー計算書に対する調整
連結キャッシュ・フロー計算書に関する差異調整の主な項目は以下のとおりです。
項目 | 2020年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
金額(百万円) | |||
営業活動による キャッシュ・フロー | 投資活動による キャッシュ・フロー | 財務活動による キャッシュ・フロー | |
米国会計基準の連結キャッシュ・フロー計算書 | 1,350,150 | △1,781,516 | 666,967 |
1.オペレーティング・リース負債の元本 部分の支払 *1 | 72,098 | - | △72,098 |
2.コンテンツ資産の取得及び処分 *2 | △34,751 | 34,751 | - |
3.金融分野における資産及び負債の 変動 *3 | |||
(1) 金融分野における投資及び貸付 の変動 | △1,181,744 | 1,181,744 | - |
(2) 銀行ビジネスにおける顧客預金 の変動 | 332,987 | - | △332,987 |
(3) 生命保険ビジネス及び銀行ビジネス における借入債務の変動 | 463,783 | - | △463,783 |
(4) 生命保険ビジネスにおける契約者勘 定の変動 | 134,299 | - | △134,299 |
4.その他 | 3,395 | 1,111 | △2,333 |
合計 | △209,933 | 1,217,606 | △1,005,500 |
IFRSの連結キャッシュ・フロー計算書 | 1,140,217 | △563,910 | △338,533 |
*1 オペレーティング・リース負債の元本部分の支払
米国会計基準において、リース契約の借手は、リースをオペレーティング・リースとファイナンス・リースに分類して会計処理を行っており、オペレーティング・リース負債の元本部分の支払は、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分されます。IFRSにおいては、リース契約の借手におけるオペレーティング・リースとファイナンス・リースの分類がなく、リース負債の元本部分の支払は、連結キャッシュ・フロー計算書上、全て財務活動によるキャッシュ・フローに区分されます。
*2 コンテンツ資産の取得及び処分
米国会計基準において、繰延映画製作費の取得及び処分に係るキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分され、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びその他コンテンツ資産の取得及び処分に係るキャッシュ・フローについては、無形資産の取得及び処分という取引の性質から、連結キャッシュ・フロー計算書上、投資活動によるキャッシュ・フローに区分されます。一方で、IFRSにおいては、これらの無形資産はコンテンツ資産と位置付けられ、その取得及び処分が主たる収益獲得活動から生じる変動であると捉えられ、企業結合や事業分離による取得及び処分を除き、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分されます。
*3 金融分野における資産及び負債の変動
米国会計基準において、金融分野における投資及び貸付等の資金運用、債券貸借取引等の資金調達、銀行ビジネスにおける顧客預金及び生命保険ビジネスにおける契約者勘定の増加及び減少については、取引の性質ごとに区分されます。一方で、IFRSにおいては、これらは主たる収益獲得活動から生じる変動であると捉えられ、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローに区分されます。