有価証券報告書-第106期(2022/04/01-2023/03/31)
(2)サステナビリティに係る戦略等
2022年度に実施したマテリアリティ分析の結果、グループ全体で優先的に取り組むべき最も重要なマテリアリティ項目として、「気候変動」、「DE&I」、「人権の尊重」及び「サステナビリティに貢献する技術」(以下あわせて「最重要マテリアリティ項目」)を特定しました。
<最重要マテリアリティ項目特定の背景>・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷などを低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。
・DE&I:ソニーは、企業活動において、多様性に富む組織は、そうでない組織に比べて、よりイノベーティブであることを認識しています。そして、社員一人ひとりの多様な価値観を尊重するとともに、エクイティ(公平性)の観点を大切にし、インクルーシブな組織風土を醸成することが重要と考えています。また、社会正義や不平等などの社会課題に対する企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みのより一層の推進が重要と考えています。
・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められていることを認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。
・サステナビリティに貢献する技術:ソニーは、テクノロジーを通じて、事業の成長と社会・環境課題の解決を両立させることについて、ステークホルダーからソニーに対する期待があるものと認識しています。ソニーの開発する技術や製品により、事業収益の増加のみならず、社会及び環境にポジティブな影響をもたらすことでサステナビリティ課題の解決をリードし貢献することは、ソニーにとって重要な使命であると考えています。
<最重要マテリアリティ項目に係る戦略と目標、主な取り組み>・気候変動
ソニーは、2010年にグループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を掲げ、以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行ってきました。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative (SBTi)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。
*1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。
*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」に従っています。
・スコープ1、2及び3のGHG排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5℃軌道においてグローバル若しくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。
・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。
上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた具体的な目標については以下のとおりです。
1.2030年までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)をネットゼロとすることをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(スコープ3)については、2035年までに、製品使用時のGHG排出量を2018年度比で45%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。
2.2030年までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。2025年時点での再エネ由来の電力使用率目標を35%としています。
上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。
・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。
・ソニー製品の省エネ化:ソニー製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。
・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先などにも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換などを促す。
・炭素除去・固定*3への貢献: 炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、株式会社SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*4をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性と炭素固定の指標化の検討など。
*3 大気中から炭素を吸収し、固定させる技術。
*4 Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です。
・DE&I
DE&Iに関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。
・人権の尊重
「ソニーグループ行動規範」において、ソニーの人権の尊重に関する方針を定め、全てのグループ会社に対し、関連する法令及び行動規範に従って人権を尊重し、誠実な事業活動を行うことを求めています。
その上で、責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」などの人権に関わる特定の領域における方針を策定し、運用しています。また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及びOECD多国籍企業行動指針に定められた枠組みに沿って、潜在的な人権への負の影響の防止と軽減に取り組んでいます。その主要な取り組みの一つとして、人権デューディリジェンスの起点となる人権リスクのインパクト評価を実施しています。当該評価において、ソニーの事業活動との関連性が高い人権リスクを特定した上で、これらの人権リスクのうち、責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用の3つの領域を、ソニーグループ全体で優先的に取り組みを進める重点領域として定め、個別の取り組みを推進しています。
・サステナビリティに貢献する技術
ソニーは、事業成長に貢献する技術開発とともに、未来に向けて新たな社会・産業の在り方をもたらすイノベーションの創出に取り組んでいます。
例えば、土壌中の水分量などのセンシング、超広域の通信ネットワーク、そして捉えたデータにもとづく予兆分析技術の研究開発などを行っています。また、籾殻から生まれた天然由来の多孔質カーボン素材であるTriporous™(トリポーラス)の実用化を推進したことにより、消臭・抗菌繊維などのアパレル分野や、洗浄剤などのヘルスケア分野おける採用が進みました。さらに、環境に配慮した材料の開発及び低消費電力化技術によるソニー製品の環境負荷の低減などにも取り組んでいます。
<その他のサステナビリティ課題に係る主な取り組み>ソニーでは、多様なニーズを持つ人々に、ソニーの製品・サービスを楽しんでいただけるよう、アクセシビリティを高める活動をグループ全体で推進しています。例えば、製品・サービスの企画段階から障がいのある社員やユーザーへのインタビューやユーザビリティテストを実施するなど、インクルーシブデザインを取り入れ、その結果を製品・サービスに反映するなどの活動を行っています。2023年3月には、米国で開催されたCSUN Assistive Technology Conference 2023へ出展し、アクセシビリティに配慮したソニーの製品・サービスを体験する機会をより多くのユーザーに提供するともに、これらの製品・サービスのさらなるアクセシビリティの向上に向けた多様な観点のフィードバックを受ける機会としました。
また、ソニーでは、AIの開発及び利用を一層拡大していくにあたり、前述の「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を2018年に策定し、その遵守を徹底しています。さらに、2019年12月の「ソニーグループAI倫理委員会」の設置に加えて、2021年にはソニーグループの全ての事業に対してAI倫理に関する専門知識を提供するための中心的な役割を果たす組織として、AI倫理室を当社内に設置しました。また、エレクトロニクス製品・サービスの商品化プロセスにおいて遵守すべき要件をとりまとめた文書の作成や、製品開発ライフサイクルにおけるAI倫理アセスメントを開始するなど、AI倫理に関する活動及び体制の強化を進めています。
2022年度に実施したマテリアリティ分析の結果、グループ全体で優先的に取り組むべき最も重要なマテリアリティ項目として、「気候変動」、「DE&I」、「人権の尊重」及び「サステナビリティに貢献する技術」(以下あわせて「最重要マテリアリティ項目」)を特定しました。
<最重要マテリアリティ項目特定の背景>・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷などを低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。
・DE&I:ソニーは、企業活動において、多様性に富む組織は、そうでない組織に比べて、よりイノベーティブであることを認識しています。そして、社員一人ひとりの多様な価値観を尊重するとともに、エクイティ(公平性)の観点を大切にし、インクルーシブな組織風土を醸成することが重要と考えています。また、社会正義や不平等などの社会課題に対する企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みのより一層の推進が重要と考えています。
・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められていることを認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。
・サステナビリティに貢献する技術:ソニーは、テクノロジーを通じて、事業の成長と社会・環境課題の解決を両立させることについて、ステークホルダーからソニーに対する期待があるものと認識しています。ソニーの開発する技術や製品により、事業収益の増加のみならず、社会及び環境にポジティブな影響をもたらすことでサステナビリティ課題の解決をリードし貢献することは、ソニーにとって重要な使命であると考えています。
<最重要マテリアリティ項目に係る戦略と目標、主な取り組み>・気候変動
ソニーは、2010年にグループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を掲げ、以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行ってきました。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative (SBTi)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。
*1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。
*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」に従っています。
・スコープ1、2及び3のGHG排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5℃軌道においてグローバル若しくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。
・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。
上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた具体的な目標については以下のとおりです。
1.2030年までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)をネットゼロとすることをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流などその他の排出(スコープ3)については、2035年までに、製品使用時のGHG排出量を2018年度比で45%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。
2.2030年までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。2025年時点での再エネ由来の電力使用率目標を35%としています。
上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。
・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。
・ソニー製品の省エネ化:ソニー製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。
・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先などにも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換などを促す。
・炭素除去・固定*3への貢献: 炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、株式会社SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*4をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性と炭素固定の指標化の検討など。
*3 大気中から炭素を吸収し、固定させる技術。
*4 Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です。
・DE&I
DE&Iに関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。
・人権の尊重
「ソニーグループ行動規範」において、ソニーの人権の尊重に関する方針を定め、全てのグループ会社に対し、関連する法令及び行動規範に従って人権を尊重し、誠実な事業活動を行うことを求めています。
その上で、責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」などの人権に関わる特定の領域における方針を策定し、運用しています。また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及びOECD多国籍企業行動指針に定められた枠組みに沿って、潜在的な人権への負の影響の防止と軽減に取り組んでいます。その主要な取り組みの一つとして、人権デューディリジェンスの起点となる人権リスクのインパクト評価を実施しています。当該評価において、ソニーの事業活動との関連性が高い人権リスクを特定した上で、これらの人権リスクのうち、責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用の3つの領域を、ソニーグループ全体で優先的に取り組みを進める重点領域として定め、個別の取り組みを推進しています。
・サステナビリティに貢献する技術
ソニーは、事業成長に貢献する技術開発とともに、未来に向けて新たな社会・産業の在り方をもたらすイノベーションの創出に取り組んでいます。
例えば、土壌中の水分量などのセンシング、超広域の通信ネットワーク、そして捉えたデータにもとづく予兆分析技術の研究開発などを行っています。また、籾殻から生まれた天然由来の多孔質カーボン素材であるTriporous™(トリポーラス)の実用化を推進したことにより、消臭・抗菌繊維などのアパレル分野や、洗浄剤などのヘルスケア分野おける採用が進みました。さらに、環境に配慮した材料の開発及び低消費電力化技術によるソニー製品の環境負荷の低減などにも取り組んでいます。
<その他のサステナビリティ課題に係る主な取り組み>ソニーでは、多様なニーズを持つ人々に、ソニーの製品・サービスを楽しんでいただけるよう、アクセシビリティを高める活動をグループ全体で推進しています。例えば、製品・サービスの企画段階から障がいのある社員やユーザーへのインタビューやユーザビリティテストを実施するなど、インクルーシブデザインを取り入れ、その結果を製品・サービスに反映するなどの活動を行っています。2023年3月には、米国で開催されたCSUN Assistive Technology Conference 2023へ出展し、アクセシビリティに配慮したソニーの製品・サービスを体験する機会をより多くのユーザーに提供するともに、これらの製品・サービスのさらなるアクセシビリティの向上に向けた多様な観点のフィードバックを受ける機会としました。
また、ソニーでは、AIの開発及び利用を一層拡大していくにあたり、前述の「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を2018年に策定し、その遵守を徹底しています。さらに、2019年12月の「ソニーグループAI倫理委員会」の設置に加えて、2021年にはソニーグループの全ての事業に対してAI倫理に関する専門知識を提供するための中心的な役割を果たす組織として、AI倫理室を当社内に設置しました。また、エレクトロニクス製品・サービスの商品化プロセスにおいて遵守すべき要件をとりまとめた文書の作成や、製品開発ライフサイクルにおけるAI倫理アセスメントを開始するなど、AI倫理に関する活動及び体制の強化を進めています。