有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)サステナビリティに係る戦略等
2025年度に実施した重要トピック分析の結果、「多様性」、「人権の尊重」及び「気候変動」を重要トピックとして特定しました。
<重要トピック特定の背景>・多様性:ソニーにとって多様性は、創業以来大切にしてきた価値観であり、イノベーションの源泉です。異なるバックグラウンドをもつ社員の交錯により新たな事業が生まれ、事業の多様化が人材の活躍の場を広げることで、社員と会社はともに成長してきました。持続的な価値創造を実現するためには、属性及び経験の多様性の進化、ならびに異見(異なる意見)を活かすリーダーシップと企業文化を醸成することが重要であると考えています。また、多様性に関する社会課題への企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みをより一層推進していきます。
・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められているものと認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。
・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷等を低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。
<重要トピックに係る戦略と目標、主な取り組み>・多様性
多様性に関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。
・人権の尊重
ソニーは、「ソニーグループ人権方針」において、バリューチェーン全体を通じて、ソニーの事業活動の影響を受ける可能性のある人の、国際的に認められている人権を尊重することとしています。ソニーの事業活動、商品やサービス、ビジネス上の取引関係によって、人権への負の影響を引き起こしたり、助長したりすることがないように努めるとともに、万一そのような影響が生じた場合には、その是正に向けて誠実に行動することとしています。
特定の領域においては、エレクトロニクス製品の責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」等を策定し、運用しています。
また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及び「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針」に定められた枠組みに沿って、人権デュー・ディリジェンスに取り組んでいます。その一環として、人権リスクのインパクト評価を実施し、ソニーの事業活動の特性や各事業において重要なバリューチェーンを踏まえて、潜在的な人権リスクを特定しています。これらの評価結果を踏まえ、ソニーグループとして、優先的に取り組みを進める重点領域を定めています。これらの重点領域において、人権への重大な負の影響が特定あるいは懸念される課題には、その影響を防止又は軽減するための取り組みを推進しています。加えて、各事業部門に特有の人権リスク及びこれらに対する取り組み状況を確認した上で、その改善や新たな施策の必要性についての検討や優先して取り組むべき人権課題の見直しを行うため、各事業部門において人権リスクのインパクト評価を実施しています。
さらに、ソニーは、法令や「ソニーグループ行動規範」、「ソニーサプライチェーン行動規範」、その他の社内規則の違反のおそれがある場合に、社員や関連するステークホルダーの皆様が報告し、相談できる窓口を複数設置しています。プライバシーに十分配慮した迅速かつ適切な対応を行い、守秘義務を徹底しつつ、相談者に不利益な取り扱いをすることを禁止しています。
これらの取り組みを進めるにあたり、ソニーは、業界団体や投資家、Non-Governmental Organization(非政府組織。以下「NGO」)等のステークホルダーとの継続的な対話を行っています。ステークホルダーとの対話を通じて企業への期待に関する理解を深め、人権対応の深化につなげています。
2025年度の取り組みとしては、2020年に特定した重点領域(責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用)の下での取り組みの推進に加え、「ソニーグループ人権方針」の下位規則として、サステナビリティ推進部、関連部門及び各事業部門の役割と責任の明確化及び継続的な人権デュー・ディリジェンスの実施のための具体的な運用手順等を定めた「ソニーグループ人権デュー・ディリジェンス実施規則」を策定し、当該規則にもとづき、各事業部門における人権デュー・ディリジェンスの運用のための体制整備を行いました。また、外部専門家の協力のもと、各事業部門の主要なバリューチェーン及びステークホルダー分析の精緻化を行い、各事業に関連する人権課題を見直しました。これらの結果を踏まえて、既存のグループの重点領域を更新し、新たな重点領域として、「ソニーの製品・コンテンツ・サービスを利用する人の権利と安全への配慮」、「ソニーのクリエイティビティを支える人の心身ともに健やかな働き方の推進」及び「ソニーのサプライチェーン上で働く人の公正な労働条件の確保」の3つの領域を定めました。今後はこれらの重点領域における取り組みを進めていきます。
・気候変動
ソニーは、グループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を2010年に掲げ、それ以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行っています。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative(以下「SBTi」)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。さらに、2025年4月には、2026年度~2030年度を対象期間とする、グループ環境中期目標*3「Green Management(グリーンマネジメント) 2030」を新たに策定しました。
*1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。
*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」に従っています。
・スコープ1、2及び3の温室効果ガス(以下「GHG」)排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5度軌道においてグローバルもしくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。
・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。
*3 長期環境計画「Road to Zero」の達成に向けて、5年ごとに設定している中期目標。
「Green Management(グリーンマネジメント) 2030」における、上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた中間目標については、以下のとおりです。
1.2030年度までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)を2025年度比60%削減し、残った排出量と同量の炭素を除去することをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流等その他の排出(スコープ3)については、2030年度までに、GHG排出量を2025年度比で25%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。
2.2030年度までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。
上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。
・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。
・ソニーの製品の省エネ化:ソニーの製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。
・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先等にも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換等を促す。
・炭素除去・固定*4への貢献:炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、㈱SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*5をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性の増進と炭素固定の指標化の検討等。
*4 大気中から炭素を吸収し、固定させるプロセス。
*5 Synecocultureは当社の商標です。
2025年度に実施した重要トピック分析の結果、「多様性」、「人権の尊重」及び「気候変動」を重要トピックとして特定しました。
<重要トピック特定の背景>・多様性:ソニーにとって多様性は、創業以来大切にしてきた価値観であり、イノベーションの源泉です。異なるバックグラウンドをもつ社員の交錯により新たな事業が生まれ、事業の多様化が人材の活躍の場を広げることで、社員と会社はともに成長してきました。持続的な価値創造を実現するためには、属性及び経験の多様性の進化、ならびに異見(異なる意見)を活かすリーダーシップと企業文化を醸成することが重要であると考えています。また、多様性に関する社会課題への企業の取り組みにも期待が高まっており、グループ全体で社内外の課題解決に向けた取り組みをより一層推進していきます。
・人権の尊重:ソニーは、そのグローバルな事業活動において、人権への潜在的な影響があることを認識しています。すなわち、ソニーのバリューチェーン全体において人権を尊重し、ソニーの事業活動との関係が直接的か間接的かに関わらず、潜在的なものも含めて人権への負の影響に対処することは、ソニーが果たすべき責任として幅広いステークホルダーから求められているものと認識しています。近年の人権の尊重に関連する外部環境の変化も踏まえ、ソニーとしてもより一層取り組みを強化することが重要であると考えています。
・気候変動:ソニーは、気候変動による影響の顕在化と、脱炭素社会への移行は全ての企業にとっての重要課題であること、また、自社の環境負荷等を低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の両面から、幅広いステークホルダーからの環境への取り組みに対する期待が高まっていることを認識しています。ソニーの企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であって初めて成り立つものであり、気候変動対策をはじめとする環境への対応が重要と考えています。
<重要トピックに係る戦略と目標、主な取り組み>・多様性
多様性に関する戦略等については、「(3)人的資本に関する戦略ならびに指標及び目標」をご参照ください。
・人権の尊重
ソニーは、「ソニーグループ人権方針」において、バリューチェーン全体を通じて、ソニーの事業活動の影響を受ける可能性のある人の、国際的に認められている人権を尊重することとしています。ソニーの事業活動、商品やサービス、ビジネス上の取引関係によって、人権への負の影響を引き起こしたり、助長したりすることがないように努めるとともに、万一そのような影響が生じた場合には、その是正に向けて誠実に行動することとしています。
特定の領域においては、エレクトロニクス製品の責任あるサプライチェーンの実現に向けたソニーグループ製造事業所及びサプライヤーの行動規範を定めた「ソニーサプライチェーン行動規範」や、ソニーの全ての役員及び従業員がソニーグループの価値観や新たな社会規範に沿ってAIの活用や研究開発を行うための指針である「ソニーグループAI倫理ガイドライン」等を策定し、運用しています。
また、ソニーは、国連人権理事会によって発行された「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)及び「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針」に定められた枠組みに沿って、人権デュー・ディリジェンスに取り組んでいます。その一環として、人権リスクのインパクト評価を実施し、ソニーの事業活動の特性や各事業において重要なバリューチェーンを踏まえて、潜在的な人権リスクを特定しています。これらの評価結果を踏まえ、ソニーグループとして、優先的に取り組みを進める重点領域を定めています。これらの重点領域において、人権への重大な負の影響が特定あるいは懸念される課題には、その影響を防止又は軽減するための取り組みを推進しています。加えて、各事業部門に特有の人権リスク及びこれらに対する取り組み状況を確認した上で、その改善や新たな施策の必要性についての検討や優先して取り組むべき人権課題の見直しを行うため、各事業部門において人権リスクのインパクト評価を実施しています。
さらに、ソニーは、法令や「ソニーグループ行動規範」、「ソニーサプライチェーン行動規範」、その他の社内規則の違反のおそれがある場合に、社員や関連するステークホルダーの皆様が報告し、相談できる窓口を複数設置しています。プライバシーに十分配慮した迅速かつ適切な対応を行い、守秘義務を徹底しつつ、相談者に不利益な取り扱いをすることを禁止しています。
これらの取り組みを進めるにあたり、ソニーは、業界団体や投資家、Non-Governmental Organization(非政府組織。以下「NGO」)等のステークホルダーとの継続的な対話を行っています。ステークホルダーとの対話を通じて企業への期待に関する理解を深め、人権対応の深化につなげています。
2025年度の取り組みとしては、2020年に特定した重点領域(責任あるサプライチェーン、多様性の尊重、責任あるテクノロジーの開発及び使用)の下での取り組みの推進に加え、「ソニーグループ人権方針」の下位規則として、サステナビリティ推進部、関連部門及び各事業部門の役割と責任の明確化及び継続的な人権デュー・ディリジェンスの実施のための具体的な運用手順等を定めた「ソニーグループ人権デュー・ディリジェンス実施規則」を策定し、当該規則にもとづき、各事業部門における人権デュー・ディリジェンスの運用のための体制整備を行いました。また、外部専門家の協力のもと、各事業部門の主要なバリューチェーン及びステークホルダー分析の精緻化を行い、各事業に関連する人権課題を見直しました。これらの結果を踏まえて、既存のグループの重点領域を更新し、新たな重点領域として、「ソニーの製品・コンテンツ・サービスを利用する人の権利と安全への配慮」、「ソニーのクリエイティビティを支える人の心身ともに健やかな働き方の推進」及び「ソニーのサプライチェーン上で働く人の公正な労働条件の確保」の3つの領域を定めました。今後はこれらの重点領域における取り組みを進めていきます。
・気候変動
ソニーは、グループ全体で地球環境に及ぼす負荷を2050年までにゼロとすることをめざす長期環境計画「Road to Zero」を2010年に掲げ、それ以来、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から環境負荷低減のための取り組みを行っています。2022年5月には、気候変動領域において、環境負荷低減活動をさらに加速するため、スコープ1から3までを含むバリューチェーン全体でのネットゼロ(以下「ネットゼロ目標」)の達成目標年を2040年に前倒しすることを発表しました。なお、この2040年のネットゼロ目標は、2022年8月に「Science Based Targets initiative(以下「SBTi」)*1」によるネットゼロ目標*2の認定を取得しました。さらに、2025年4月には、2026年度~2030年度を対象期間とする、グループ環境中期目標*3「Green Management(グリーンマネジメント) 2030」を新たに策定しました。
*1 気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアティブ。
*2 ソニーのネットゼロ目標は、以下のSBTiの「企業ネットゼロ基準」に従っています。
・スコープ1、2及び3の温室効果ガス(以下「GHG」)排出量をゼロにするか、又は、適格な1.5度軌道においてグローバルもしくはセクターレベルでのGHGネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまでGHG排出量を削減すること。
・ネットゼロ目標の時点におけるGHGの残余排出量及びそれ以降に大気中に放出される全てのGHG排出量を中和すること。
*3 長期環境計画「Road to Zero」の達成に向けて、5年ごとに設定している中期目標。
「Green Management(グリーンマネジメント) 2030」における、上記の2040年のネットゼロ目標達成に向けた中間目標については、以下のとおりです。
1.2030年度までに、ソニーグループの事業所オペレーションにおけるGHGの直接・間接排出(スコープ1、2)を2025年度比60%削減し、残った排出量と同量の炭素を除去することをめざします。さらに、製品、サプライチェーン、物流等その他の排出(スコープ3)については、2030年度までに、GHG排出量を2025年度比で25%削減することをめざします。2040年には、全スコープにおいてGHG排出量をネットゼロとすることをめざします。
2.2030年度までに、当社グループの事業所で使用する電力を100%再エネ化することをめざします。
上記1及び2の目標を達成するために、ソニーでは主に次のような施策を実施していきます。
・ソニーグループの事業所における継続的な環境負荷低減:グループ全体で、省エネルギー(以下「省エネ」)化、太陽光発電設備の設置及び再エネ導入を加速。日本におけるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)。
・ソニーの製品の省エネ化:ソニーの製品1台当たりの年間消費電力量の低減に向けた動きを加速。
・パートナーへの働きかけ強化:部品、材料及び完成品の製造委託先等にも、それぞれのGHG排出量の管理、省エネ及び再エネ転換等を促す。
・炭素除去・固定*4への貢献:炭素除去等の関連スタートアップ企業への投資検討や、㈱SynecO(シネコ)のSynecoculture™(シネコカルチャー)*5をはじめとする拡張生態系の普及事業にともなう生物多様性の増進と炭素固定の指標化の検討等。
*4 大気中から炭素を吸収し、固定させるプロセス。
*5 Synecocultureは当社の商標です。