有価証券報告書-第115期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/14 15:00
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【項目】
58項目

業績等の概要

当社グループは当連結会計年度(2016年4月1日から2017年3月31日まで)より,従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており,前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っています。
(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は,前半は円高や新興国経済の減速により停滞していましたが,後半は円高が一服したほか,海外経済の回復に伴い企業収益が改善するなど,緩やかな回復基調となりました。
そのような中で,当社グループの主要な販売市場である工作機械,ロボット,半導体製造装置などの設備産業業界においては,需要が堅調に推移しましたが,太陽光発電用パワーコンディショナ向けの需要が減少しました。
その結果,当連結会計年度における連結売上収益は74,798百万円(前年同期比6.8%減)となり,連結営業利益は5,414百万円(前年同期比0.3%減),連結税引前当期利益は5,332百万円(前年同期比1.2%増),親会社の所有者に帰属する当期利益は4,031百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
受注高は77,530百万円(前年同期比2.4%減),受注残高は14,637百万円(前年同期比22.9%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
①日本
日本には,当社および連結子会社の山洋工業株式会社,山洋電気テクノサービス株式会社があります。セグメント売上収益は75,832百万円(前年同期比5.4%減)となり,セグメント利益は3,796百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
②北米
北米には,連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上収益は9,674百万円(前年同期比17.9%増)となり,セグメント利益は623百万円(前年同期比155.5%増)となりました。
③ヨーロッパ
ヨーロッパには,連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上収益は4,395百万円(前年同期比4.6%減)となり,セグメント利益は301百万円(前年同期比5.5%減)となりました。
④東アジア
東アジアには,連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司,山洋電氣(香港)有限公司,台灣山洋電氣股份有限公司,SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.,上海山洋電气技術有限公司,山洋電气貿易(深圳)有限公司,中山市山洋電气有限公司および山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司があります。セグメント売上収益は12,124百万円(前年同期比3.0%増)となり,セグメント利益は30百万円(前年同期比86.4%減)となりました。
⑤東南アジア
東南アジアには,連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.,SANYO DENKI SINGAPORE PTE.LTD.,SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。セグメント売上収益は17,280百万円(前年同期比5.0%増)となり,セグメント利益は611百万円(前年同期比15.2%減)となりました。
また,事業部門別の営業概況は次のとおりです。
①クーリングシステム事業
クーリングシステム製品「San Ace」は,データセンタ用サーバ向けの需要が増加し,加えて情報通信向けの需要も堅調に推移しました。また,ファクトリーオートメーション業界向けで,スマートフォン関連および半導体設備投資向けの需要も堅調でした。一方,太陽光発電用パワーコンディショナ向けの需要は減少しました。
その結果,売上収益は22,081百万円(前年同期比4.1%増),受注高22,465百万円(前年同期比4.6%増),受注残高3,581百万円(前年同期比12.0%増)となりました。
②パワーシステム事業
パワーシステム製品「SANUPS」は,太陽光発電の固定価格買取制度市場の停滞が続き,パワーコンディショナの需要が低迷しました。一方,工場設備向けや半導体製造装置向けの無停電電源装置の需要は,堅調に推移しました。
その結果,売上収益は9,287百万円(前年同期比17.1%減),受注高9,208百万円(前年同期比17.6%減),受注残高2,181百万円(前年同期比3.5%減)となりました。
③サーボシステム事業
サーボシステム製品「SANMOTION」は,半導体関連の設備投資が引き続き活発で,半導体製造装置およびロボット向けの需要が堅調でした。加えて,中国でのスマートフォンの設備投資の回復により,工作機械,一般産業機械,チップマウンタ向けの需要が増加しました。
その結果,売上収益は36,248百万円(前年同期比1.2%増),受注高39,013百万円(前年同期比13.2%増),受注残高7,661百万円(前年同期比56.5%増)となりました。
④電気機器販売事業
産業用電気機器,制御機器および電機材料の販売は,一般産業機器や医療機器および半導体関連は順調に推移しましたが,前期に売上が急増した海外向け太陽光発電筐体関連の需要は今期に大きく減少しました。
鉄鋼関連事業においては,新規設備投資は縮小しましたが,依然重要生産設備の老朽更新や補修用予備品の需要は旺盛でした。
その結果,売上収益は4,930百万円(前年同期比49.1%減),受注高4,633百万円(前年同期比52.8%減),受注残高496百万円(前年同期比37.4%減)となりました。
⑤電気工事事業
製鉄所内における工場設備の老朽更新工事および補修工事は,計画どおりに実施されました。一方,太陽光発電設備のうちメガソーラーの大型物件工事は順調に推移しましたが,その他は全般的に需要は縮小傾向となりました。
その結果,売上収益は2,250百万円(前年同期比5.1%減),受注高2,208百万円(前年同期比12.0%減),受注残高716百万円(前年同期比5.5%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下,「資金」という。)は,13,766百万円となり,前連結会計年度より1,023百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は,6,571百万円となり,前連結会計年度に比べ1,641百万円増加しました。これは主に,税引前当期利益5,332百万円,減価償却費及び償却費3,270百万円,営業債権及びその他の債権の増加額1,989百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は,2,825百万円となり,前連結会計年度に比べ36百万円支出が減少しました。これは主に,生産設備等の有形固定資産の取得による支出1,279百万円,無形資産の取得による支出1,101百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は,2,626百万円となり,前連結会計年度に比べ655百万円支出が増加しました。これは主に,配当金の支払額1,108百万円,長期借入金の返済による支出738百万円,自己株式の取得による支出516百万円によるものです。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。)により作成した要約連結財務諸表,要約連結財務諸表作成のための基本のなる重要な事項の変更およびIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は,次のとおりです。
なお,日本基準により作成した要約連結財務諸表については,金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
①要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2016年3月31日)
当連結会計年度
(2017年3月31日)
資産の部
流動資産55,33958,401
固定資産
有形固定資産20,38820,005
無形固定資産489577
投資その他の資産8,72810,503
固定資産合計29,60631,086
資産合計84,94589,487
負債の部
流動負債25,83927,028
固定負債7,0076,182
負債合計32,84633,211
純資産の部
株主資本50,46652,906
その他の包括利益累計額1,6263,362
非支配株主持分66
純資産合計52,09956,275
負債純資産合計84,94589,487


②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2015年4月1日
至 2016年3月31日)
当連結会計年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
売上高80,28274,798
売上原価61,80856,913
売上総利益18,47417,885
販売費及び一般管理費13,13112,494
営業利益5,3425,390
営業外収益370349
営業外費用325235
経常利益5,3875,504
特別利益1-
特別損失356
税金等調整前当期純利益5,3855,448
法人税等1,6991,381
当期純利益3,6854,066
非支配株主に帰属する当期純利益00
親会社株主に帰属する当期純利益3,6854,066

要約連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2015年4月1日
至 2016年3月31日)
当連結会計年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
当期純利益3,6854,066
その他の包括利益合計△2,0791,736
包括利益1,6065,802
(内訳)
親会社株主に係る包括利益1,6065,802
非支配株主に係る包括利益00

③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本その他の包括利益
累計額
非支配株主持分純資産合計
当期首残高47,9063,705651,618
当期変動額2,559△2,0780480
当期末残高50,4661,626652,099

当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本その他の包括利益
累計額
非支配株主持分純資産合計
当期首残高50,4661,626652,099
当期変動額2,4401,736△04,176
当期末残高52,9063,362656,275


④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2015年4月1日
至 2016年3月31日)
当連結会計年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー4,8635,588
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,057△1,924
財務活動によるキャッシュ・フロー△2,708△2,544
現金及び現金同等物に係る換算差額△504△96
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△4071,023
現金及び現金同等物の期首残高13,15112,743
現金及び現金同等物の期末残高12,74313,766

⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(連結の範囲の変更)
従来,連結子会社であったSANYO DENKI TECHNO SERVICE(SINGAPORE)PTE.LTD.は清算結了したため,当連結会計年度より連結の範囲から除外しています。
(会計方針の変更)
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日),「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日)および「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 平成25年9月13日)等を,当連結会計年度から適用し,当期純利益等の表示の変更および少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っています。
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
有形固定資産の減価償却方法については,従来,当社および国内連結子会社は一部の有形固定資産について定率法を採用していましたが,当連結会計年度より定額法に変更しています。
海外を中心に増加する需要に対して,前連結会計年度のSANYO DENKI PHILIPPINES, INC.における第3工場稼働をはじめとする海外での生産体制を拡充したことを契機として,有形固定資産の使用状況等について検討した結果,当社および国内連結子会社の有形固定資産は,今後は稼働状況が安定し,平準化することが見込まれます。
したがって,均等償却により費用配分を行うことが,当社および国内連結子会社の有形固定資産の使用実態をより適切に反映できるものと判断し,従来の償却方法を見直し,定額法を採用することとしました。
この変更により,従来の方法によった場合と比較して,当連結会計年度の営業利益,経常利益および税金等調整前当期純利益は254百万円増加しています。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(追加情報)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 平成28年3月28日)を当連結会計年度から適用しています。
⑥差異に関する事項
IFRSに準拠した連結財務諸表における主要な項目と日本基準に準拠して作成された場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 29.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(研究開発費)
日本基準では,開発費用については費用処理していましたが,IFRSではこれらの費用のうち,資産計上の要件を満たしたものを無形資産として計上し,一定期間にわたって定額法により償却します。
これにより,IFRSでは日本基準に比べて,連結損益計算書において認識される研究開発費が900百万円減少し,無形資産の償却費が905百万円増加しています。
(減価償却)
日本基準では,有形固定資産の減価償却方法について,過去において主として定率法を採用していた期間
がありましたが,IFRSでは当初より定額法を採用することとしたため差異を調整しています。
これにより,IFRSでは日本基準に比べて,連結損益計算書において認識される減価償却費が204百万円増加しています。
(確定給付制度に係る費用)
日本基準では,発生した数理計算上の差異を一定の期間で償却していましたが,IFRSでは発生した確定給付制度の再測定をその他の包括利益で認識し,ただちに利益剰余金に振り替えて認識しています。
これにより,IFRSでは日本基準に比べて,連結損益計算書において認識される退職給付費用が170百万円減少しています。
(表示の組替)
日本基準では,営業外収益,営業外費用,特別利益および特別損失に表示していた項目を,IFRSではその他の収益,その他の費用,金融収益および金融費用に表示しています。