有価証券報告書-第114期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/15 11:33
【資料】
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【項目】
106項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における日本経済は,内需の伸び悩みや中国経済の減速などの影響により,足踏み状態が続きました。
そのような中で,当社グループの主要な販売市場である工作機械,ロボットなどの設備産業業界においては,需要が大きく低迷しました。
その結果,当連結会計年度における連結売上高は80,282百万円(前年同期比12.5%減)となり,連結営業利益は5,342百万円(前年同期比28.6%減),連結経常利益は5,387百万円(前年同期比35.9%減),親会社株主に帰属する当期純利益は3,685百万円(前年同期比35.6%減)となりました。
受注高は79,460百万円(前年同期比15.9%減),受注残高は11,904百万円(前年同期比27.9%減)となりました。
なお,従来,連結財務諸表の作成にあたっては,海外連結子会社14社の3ヶ月前の財務諸表を使用し,連結会計上必要な調整を行っていましたが,連結財務諸表のより正確な把握を図るために,2015年3月期より海外連結子会社においても当社と同時期の財務諸表を使用する方法に変更しています。
このため,前連結会計年度実績には,海外連結子会社の2014年1月1日から同3月31日までの3ヶ月間の業績も含まれています。当連結会計年度実績と前連結会計年度実績に含まれる海外連結子会社の2014年1月1日から同3月31日までの実績を除いた12ヶ月間の実績との比較は以下の表のとおりです。
(単位:百万円)
2016年3月期
連結会計年度実績
2015年3月期
連結会計年度実績
2014年1月~3月
海外連結子会社
実績
2015年3月期
連結会計年度実績(調整後)
調整後
前年同期比
売上高80,28291,7454,64187,104△7.8%
営業利益5,3427,4784347,043△24.2%
経常利益5,3878,4094257,984△32.5%
親会社株主に帰属
する当期純利益
3,6855,7203135,406△31.8%

セグメント別の業績は次のとおりです。(注1)
①日本
日本には,当社および連結子会社の山洋工業株式会社,山洋電気テクノサービス株式会社があります。セグメント売上高は80,124百万円(前年同期比9.0%減)となり,セグメント利益は3,816百万円(前年同期比34.0%減)となりました。
②北米
北米には,連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上高は8,208百万円(前年同期比11.1%減)となり,セグメント利益は227百万円(前年同期比4.7%減)となりました。
③ヨーロッパ
ヨーロッパには,連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上高は4,609百万円(前年同期比17.8%減)となり,セグメント利益は299百万円(前年同期比43.1%減)となりました。
④東アジア
東アジアには,連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司,山洋電氣(香港)有限公司,台灣山洋電氣股份有限公司,SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.および山洋電气(上海)貿易有限公司の子会社である上海山洋電气技術有限公司,山洋電氣(香港)有限公司の子会社である山洋電气貿易(深圳)有限公司,中山市山洋電气有限公司,山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司があります。セグメント売上高は11,769百万円(前年同期比23.2%減)となり,セグメント利益は52百万円(前年同期比91.6%減)となりました。
⑤東南アジア
東南アジアには,連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.,SANYO DENKI SINGAPORE PTE.LTD.,SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI SINGAPORE PTE.LTD.の子会社であるSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。セグメント売上高は16,463百万円(前年同期比18.4%減)となり,セグメント利益は627百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
(注1)上記②から⑤のセグメント売上高,セグメント利益について,前連結会計年度の経営成績に含まれていた海外連結子会社の2014年1月1日から同3月31日までの実績を差し引いた12ヶ月間の実績と当連結会計年度の経営成績を比較した場合の前年同期比は以下のとおりです。
セグメント売上高 北米 11.4%増,ヨーロッパ 1.9%増,東アジア 11.3%減,東南アジア 0.3%減
セグメント利益 北米 49.0%増,ヨーロッパ 29.3%減,東アジア 90.4%減,東南アジア 73.0%増
また,事業部門別の営業概況は次のとおりです。(注2)
①クーリングシステム事業
クーリングシステム製品「San Ace」は,通信業界およびデータセンタ用サーバなどの需要が増加しました。一方,ファクトリーオートメーション業界のマウンタ,工作機械および環境業界の太陽光発電用パワーコンディショナ向けの需要が減少しました。
その結果,売上高は21,212百万円(前年同期比9.9%減),受注高21,477百万円(前年同期比9.2%減),受注残高3,197百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
②パワーシステム事業
パワーシステム製品「SANUPS」は,太陽光発電の系統連系協議に長時間を要するケースが増えたことにより,パワーコンディショナの需要が停滞しました。
その結果,売上高は11,204百万円(前年同期比21.8%減),受注高11,179百万円(前年同期比20.3%減),受注残高2,260百万円(前年同期比1.1%減)となりました。
③サーボシステム事業
サーボシステム製品「SANMOTION」は,中国市場での経済減速の影響により国内外の工作機械,射出成形機,ロボット向けの需要が大きく停滞しました。一方,半導体製造装置向けの需要は,設備投資の増加により堅調に推移しました。
その結果,売上高は35,813百万円(前年同期比16.0%減),受注高34,479百万円(前年同期比21.9%減),受注残高4,896百万円(前年同期比21.4%減)となりました。
④電気機器販売事業
産業用電気機器,制御機器および電機材料の販売は,産業機器向けはやや低調となり,工作機械,ロボットおよび医療機器向けの需要も停滞しました。一方で海外向けの太陽光発電用制御盤の需要は旺盛で,売上を大きく伸ばしました。
鉄鋼関連事業においては,老朽化した生産設備機器更新の需要が堅調に推移しました。
なお,代理人として行う取引については,2015年3月期までは売上高および売上原価を総額で計上していましたが,当期の第1四半期より売上高と売上原価を相殺する純額表示へ変更しています。
その結果,売上高は9,681百万円(前年同期比14.0%増),受注高9,813百万円(前年同期比1.1%減),受注残高793百万円(前年同期比82.1%減)となりました。
⑤電気工事事業
製鉄所内における工場設備の更新工事および補修工事は,当初の計画以上に実施され需要が増加しました。
一方,太陽光発電設備の工事は,太陽光発電の買取価格低下の影響により受注,売上とも減少しました。
その結果,売上高は2,370百万円(前年同期比14.3%減),受注高2,511百万円(前年同期比7.4%減),受注残高757百万円(前年同期比22.8%増)となりました。
(注2)上記①から③の事業別部門の売上高,受注高について,前連結会計年度の経営成績に含まれていた海外連結子会社の2014年1月1日から同3月31日までの実績を差し引いた12ヶ月間の実績と当連結会計年度の経営成績を比較した場合の前年同期比は以下のとおりです。
売上高 クーリングシステム事業 0.9%減,パワーシステム事業 21.5%減,サーボシステム事業 10.8%減
受注高 クーリングシステム事業 0.2%減,パワーシステム事業 20.0%減,サーボシステム事業 17.3%減
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は,12,743百万円となり,前連結会計年度より407百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は,4,863百万円となり,前連結会計年度に比べ938百万円減少しました。これは主に,税金等調整前当期純利益5,385百万円,法人税等の支払額3,335百万円,減価償却費1,978百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は,2,057百万円となり,前連結会計年度に比べ1,529百万円支出が減少しました。これは主に,生産設備等の有形固定資産の取得による支出2,180百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は,2,708百万円となり,前連結会計年度に比べ643百万円支出が減少しました。これは主に,長期借入金の返済による支出1,180百万円,配当金の支払額1,113百万円,リース債務の返済による支出152百万円によるものです。