有価証券報告書-第114期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/15 11:33
【資料】
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【項目】
106項目

研究開発活動

当社グループの当連結会計年度の研究開発活動は,山洋電気株式会社が中心となり,営業部門と設計開発部門が一体となってお客さまにとっての新たな価値創造ができる製品の開発をおこなうことを基本方針としています。
研究開発活動は,地球環境を守るための技術,人の健康と安全を守るための技術,新しいエネルギーの活用と省エネルギーのための技術への貢献をめざし,3つの事業部において積極的に推進しています。
研究開発の体制は,当社テクノロジーセンターを拠点とし,市場ニーズの先取りやお客さまの要求に即応できるよう,設計開発部門をグループ制とするなど,課題ごとのチーム編成が容易となる体制にしています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は,2,495百万円です。
なお,研究開発費のセグメントは全て日本で計上されています。
また,事業部門別の研究開発活動は,次のとおりです。
クーリングシステム事業
クーリングシステム製品「San Ace」においては,次のような開発に取り組みました。
冷却ファンの主要な市場である情報通信機器,電源機器においては,インターネット,クラウドの市場が拡大し,装置の高密度化,大容量化,高速化が進んでおり,冷却ファンには,さらなる高性能と高信頼が求められています。
このような市場の要求に応えるため,効率よく冷却ができる高静圧ファン,高風量ファンなどを開発しました。
さらに,新たな市場向けとして,住宅の換気などに最適な1台のファンで風量の調整と吸気・排気の切り替えができるリバーシブルフローファン「San Ace 136RF」,PWMコントロール機能付きファンの回転速度を外部から制御する装置「San Ace PWMコントローラ」,お客さまの装置内の通風抵抗と風量が測定できる計測器として,業界初の「San Ace エアフローテスター」を開発しました。
技術革新が進むなか,冷却ファンのさらなる高性能化,省エネルギーの実現のため,世界トップの性能を目指した新製品開発をおこない,市場にない新しい製品の開発に取り組みました。
当事業部門における研究開発費は311百万円です。
パワーシステム事業
パワーシステム製品「SANUPS」においては,次のような開発に取り組みました。
太陽光発電システム向けに,リチウムイオン蓄電池を組み合わせることで,電力のピークカットができるパワーコンディショナ「SANUPS P73K」を開発しました。太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで,需要に合わせて最適な電力を供給できます。
当事業部門における研究開発費は729百万円です。
サーボシステム事業
サーボシステム製品「SANMOTION」においては,次のような開発に取り組みました。
リニアサーボモータでは,業界初の「センターマグネットタイプ」と業界トップの加速度を実現した「ツインタイプ」を開発しました。「センターマグネットタイプ」は,モータ自身で磁気吸引力を打ち消し,装置の構造を簡素にできる製品です。また,両タイプともに業界トップの加速度および推力密度を実現しました。
ACサーボアンプでは,「SANMOTION R 3E Model」のシリーズに電流容量75Aのタイプを開発し,ラインアップに加えました。
ステッピングシステムでは,偏差レスでクローズドループ制御を搭載した4軸一体型ドライバ「SANMOTION Model No.PB」を開発しました。位置指令に対する遅れがありませんので,装置のタクトタイムが短縮します。
このように,より小型・高性能で使いやすさを重視した,お客さまの装置における価値創造に貢献する製品の開発に注力しました。
当事業部門における研究開発費は1,454百万円です。