有価証券報告書-第86期(2023/04/01-2024/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当連結会計年度より、下記のとおり報告セグメントの区分及び名称を変更しております。
「VCCS(Vehicle Communication Comfort & Safety)」= 旧「車載通信機器」-「プラットフォーム事業」
「CTC(Circuit Testing Connector)」= 旧「回路検査用コネクタ」
「FC(Fine Connector)・MD(Medical Device)」= 旧「無線通信機器」-「先端デバイス事業」
「インキュベーションセンター」=「プラットフォーム事業」+「先端デバイス事業」
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「4 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(1) 財政状態の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a. 事業全体の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び預金増加1,015百万円、売上債権増加778百万円、棚卸資産増加495百万円などにより、49,169百万円(前期末比2,813百万円の増加)となりました。売上債権の増加は、主にVCCSセグメントにおける受注増に伴う売上増加によるものです。
固定資産につきましては、有形固定資産増加1,677百万円、投資その他の資産増加827百万円などにより、27,238百万円(前期末比2,937百万円の増加)となりました。後掲「b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況」に記載のとおり、各事業セグメントにおいて積極的な量産投資・開発投資等を実施したことによります。
以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、76,408百万円(前期末比5,751百万円の増加)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、短期借入金増加354百万円、一年内返済予定の長期借入金増加1,600百万円などにより、19,625百万円(前期末比1,735百万円の増加)となりました。
固定負債につきましては、リース債務増加466百万円、繰延税金負債増加331百万円などにより、6,398百万円(前期末比856百万円の増加)となりました。リース債務の増加は、主に富岡工場におけるマイクロプロセスR&Dセンター(研究開発新棟。以下「MPセンター」)の稼働開始に伴う備品リース増加によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、26,023百万円(前期末比2,592百万円の増加)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、為替換算調整勘定増加1,957百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,511百万円の計上、配当金の支払1,095百万円などにより、50,384百万円(前期末比3,159百万円の増加)となりました。
b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況
収益性が低下し将来の回収可能性が見込めなくなった固定資産について減損損失72百万円を計上しましたが、設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加2,363百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、43,374百万円(前期末比1,107百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額1,933百万円)のうち主なものは、ベトナム生産子会社であるYOKOWO VIETNAM CO., LTD.及びフィリピン生産子会社であるYOKOWO MANUFACTURING OF THE PHILIPPINES, INC.における増設など、能力増強投資であります。
市場停滞に伴う業量縮小による売掛債権の減少がありましたが、設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加1,574百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、19,355百万円(前期末比1,672百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額1,459百万円)のうち主なものは、MPセンターの稼働開始に伴うインフラ設備増強など、開発能力増強投資であります。
設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加723百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、10,174百万円(前期末比1,846百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額524百万円)のうち主なものは、中国生産子会社である東莞友華汽車配件有限公司におけるFC事業の量産設備等の更新と富岡工場におけるMD事業の能力増強投資であります。
<インキュベーションセンター>設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加80百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、973百万円(前期末比535百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額12百万円)のうち主なものは、プラットフォーム事業における量産に向けた能力増強投資であります。
(2) 経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a. 事業全体の状況
当連結会計年度における世界経済は、主要各国の金融引き締めの影響や中国経済の先行き懸念、ウクライナ・中東情勢等の地政学リスクの高まりによる資源・原材料価格の高騰などを受けて、全体としては成長率が鈍化しました。
当社グループの主要市場である自動車市場、半導体検査市場、携帯通信端末市場、先端医療機器市場におきましては、欧米・中国等でのEV(電気自動車)の販売台数急拡大や、生成AIの進化加速など、業界構造や各業界の事業モデルを変えうる先進アプリケーションの領域拡大とともに、製品/技術開発競争が激化しております。
このような状況の中、当社グループは、事業収益力の建て直しによる再成長を期し、経営基本方針に掲げる4つのイノベーション(プロダクト/プロセス/パーソネル/マネジメント)の推進に引き続き取り組みました。VCCSセグメントにおきましては、海上運賃の沈静化・安定推移のもと抜本的な事業構造改革を推進するとともに、原材料価格上昇分などに対する販売価格見直し交渉を継続して進めるなど、収益体制の大幅な改善に努めました。CTCセグメントにおきましては、半導体市場の低迷による影響を受けたものの、AI/5Gを契機として広がる事業成長機会をより確実に捉えるべく、技術/製造体制の最適化に加え、将来の半導体微細化対応と生産効率向上に向けた技術開発を進めました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は、VCCSセグメントが前期比で増収となりましたが、CTC及びFC・MDの両セグメントが減収となった結果、76,895百万円(前期比△1.4%)となりました。営業損益につきましては、VCCSセグメントの損益が大幅に改善したものの、FC・MDセグメントが減益となり、CTCセグメントが営業赤字となったほか、新規事業を中心としたインキュベーションセンターセグメントの営業赤字により、1,617百万円の利益(前期比△65.9%)となりました。経常損益につきましては、円安による為替差益2,099百万円を計上したことなどにより、3,710百万円の利益(前期比△34.6%)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、経常減益に加え、繰延税金資産取り崩しによる税金負担率の増加などにより、1,511百万円の利益(前期比△52.0%)となりました。
b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当セグメントの主要市場である自動車市場は、第4四半期において一部顧客における減産があったものの、世界的な半導体不足・部品供給停滞などの影響が緩和され、販売は改善傾向となりました。地域別でも、米国/中国/日本国内市場を中心に販売台数が増加しました。
このような状況の中、主力製品であるシャークフィンアンテナ/GPSアンテナをはじめとする自動車メーカー向けアンテナの販売は、自動車の生産台数増及び円安効果などにより前期比で増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は55,583百万円(前期比+20.6%)と、前期比で増収となりました。セグメント損益につきましては、現地通貨高及び業量増に伴う中国/ベトナム生産拠点における労務費などの増加があったものの、増収に伴う増益、海上運賃の沈静化による物流費減、コストアップ分の回収進展などにより、3,100百万円の利益(前期は1,701百万円の損失)となりました。
当セグメントの主要市場である半導体検査市場は、生成AI関連が一躍脚光を浴びて活況を呈したものの、最大分野であるPC/スマートフォン向けの大幅減に加え、サーバー向け需要も振るわず、半導体メーカーの在庫調整や設備投資の抑制が相次ぎました。
このような状況の中、当社グループの主力製品である半導体後工程検査用治具の販売は、ロジック半導体検査用ソケットなどの受注減により、前期を大幅に下回りました。半導体前工程検査用治具の販売も、周辺機器を含めてワンストップでソリューションを提供するターンキービジネスや高周波電子部品検査用MEMSプローブカード(YPX)の販売が伸び悩み、前期を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は12,585百万円(前期比△43.7%)と、前期比で大幅な減収となりました。セグメント損益につきましては、労務費などの費用抑制を推進したものの、減収に伴う減益などにより、794百万円の損失(前期は6,169百万円の利益)となりました。
当セグメントの主要市場である携帯通信端末市場は、ウェアラブル端末が多様化・高機能化により今後の成長が期待されるものの、世界的な景気悪化の影響などによりスマートフォンの出荷台数は低調となりました。POS端末市場につきましても、物流/製造を始めとする幅広い業界において、情報管理による業務効率化実現の観点から着実な成長を続けていましたが、需要は低調に推移しました。
このような状況の中、微細スプリングコネクタを中核製品とするFC事業におきましては、顧客の生産調整などの影響により、POS端末向けの受注減に加え、ワイヤレスイヤホンなどウェアラブル端末向けの販売が減少したことなどにより、売上高は前期を下回りました。
MD事業につきましては、主要顧客である国内大手医療機器メーカー向けのカテーテル用部品の受注増に加えてユニット品の販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、8,373百万円(前期比△7.5%)と、前期比で減収となりました。セグメント損益につきましては、FC事業における減収に伴う減益に加え、人民元高などによる中国生産拠点での労務費比率の上昇や事業構成変化などにより、117百万円の利益(前期比△85.2%)となりました。
<インキュベーションセンター(主要製品:MaaS/IoT向けアンテナ及びソリューション)>当社は、MaaS/IoTなどの新規成長市場や、高速大容量通信に向けた光通信市場に対し、新たなビジネス創出・ビジネスモデル革新を目指して、本格的な事業展開に取り組んでまいりました。当連結会計年度の組織変更に伴い、これら新たな事業分野の開拓を既存事業部から切り離し、プラットフォーム事業と先端デバイス事業で構成されるインキュベーションセンターを新たに報告セグメントとして区分しております。当セグメントの主要市場であるMaaS/IoT市場は、カーシェアリングなどモビリティの進展、あらゆるものがインターネットにつながるIoTの普及に伴い、順調に成長するものとみられております。
このような状況の中、プラットフォーム事業におきましては、IoT向けのスマートアンテナ技術を活用したMIMOアンテナや、MaaS/レンタカー向け車載鍵管理ソリューションの拡販を進めました。
当セグメントに含めております先端デバイス事業につきましては、光通信市場向けに光電変換デバイス技術を活用した光コネクタの量産化に向けた体制構築を推進いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は345百万円(前年同期比△19.7%)と、前期比で減少しました。セグメント損益につきましては、展開初期の新規事業が中心の当セグメントにおける売上高は小規模なものとなっており、投資が先行している段階にあることから、811百万円の損失(前期は534百万円の損失)となりました。
(事業セグメント別連結売上高 前期比較) (単位:百万円、%)
c. 目標とする経営指標の達成状況等
前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、「ミニマム10(テン)」として、「売上高営業利益率・営業利益成長率・投下資本利益率・自己資本利益率を10%以上確保」の指標を掲げております。
当連結会計年度においては、VCCSセグメントの損益が大幅に改善したものの、CTC及びFC・MDの両セグメントが大幅な減収減益となったことなどにより、各指標は未達となっております。
本有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在、2025年3月期の業績見通しは2024年5月14日に公表した内容のとおりです。中期的には、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)会社の対処すべき課題」に記載の重点取組み項目を着実に遂行することにより、新中期経営計画(2025年3月期~2029年3月期)における経営基本目標であるミニマム10の安定的達成と連結売上高1,000億円の達成を目指してまいります。
② 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(3) キャッシュ・フローの状況
① 現金及び現金同等物
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、18,702百万円(前期比1,014百万円の増加)となりました。
② 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費4,013百万円、税金等調整前当期純利益3,311百万円などの増加要因がありましたが、CTCセグメントにおける部材等の仕入減少に伴う仕入債務の減少1,780百万円などの減少要因により、4,823百万円の収入(前期比2,489百万円の収入減少)となりました。
③ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、MPセンターの建設など有形固定資産の取得による支出3,917百万円、無形固定資産の取得による支出865百万円などの減少要因により、5,125百万円の支出(前期比732百万円の支出減少)となりました。
④ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入1,500百万円がありましたが、配当金の支払による支出1,090百万円などの減少要因により、260百万円の支出(前期は1,531百万円の収入)となりました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築・強化、情報システムの整備等に支出されております。これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度の設備投資におきましては、MPセンターの稼働開始に伴う研究開発・製品開発投資や生産子会社における量産設備の更新等を中心に実施いたしました。また、2025年3月期からの5カ年を対象とした「新中期経営計画2024-2028」では、中長期的視点から、既存事業・既存技術の限界を突破し新たな成長力を獲得するため、コア技術のさらなる深化のための基礎研究投資、ADAS新製品における開発投資、MEMSプローブカード生産ライン新設など新規領域進出に向けた設備投資の実施を計画しております。当連結会計年度におきましては、富岡工場におけるMPセンターの稼働開始に伴う設備投資や各事業セグメントにおける量産投資・開発投資等を実施するとともに、今後の設備投資資金及び運転資金需要に対応するべく、長期借入金1,500百万円の追加借入を実施いたしました。その結果、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は18,702百万円と、前期末比1,014百万円増加いたしました。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。 重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、当連結会計年度より、下記のとおり報告セグメントの区分及び名称を変更しております。
「VCCS(Vehicle Communication Comfort & Safety)」= 旧「車載通信機器」-「プラットフォーム事業」
「CTC(Circuit Testing Connector)」= 旧「回路検査用コネクタ」
「FC(Fine Connector)・MD(Medical Device)」= 旧「無線通信機器」-「先端デバイス事業」
「インキュベーションセンター」=「プラットフォーム事業」+「先端デバイス事業」
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「4 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(1) 財政状態の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a. 事業全体の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び預金増加1,015百万円、売上債権増加778百万円、棚卸資産増加495百万円などにより、49,169百万円(前期末比2,813百万円の増加)となりました。売上債権の増加は、主にVCCSセグメントにおける受注増に伴う売上増加によるものです。
固定資産につきましては、有形固定資産増加1,677百万円、投資その他の資産増加827百万円などにより、27,238百万円(前期末比2,937百万円の増加)となりました。後掲「b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況」に記載のとおり、各事業セグメントにおいて積極的な量産投資・開発投資等を実施したことによります。
以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、76,408百万円(前期末比5,751百万円の増加)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、短期借入金増加354百万円、一年内返済予定の長期借入金増加1,600百万円などにより、19,625百万円(前期末比1,735百万円の増加)となりました。
固定負債につきましては、リース債務増加466百万円、繰延税金負債増加331百万円などにより、6,398百万円(前期末比856百万円の増加)となりました。リース債務の増加は、主に富岡工場におけるマイクロプロセスR&Dセンター(研究開発新棟。以下「MPセンター」)の稼働開始に伴う備品リース増加によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、26,023百万円(前期末比2,592百万円の増加)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、為替換算調整勘定増加1,957百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,511百万円の計上、配当金の支払1,095百万円などにより、50,384百万円(前期末比3,159百万円の増加)となりました。
b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額1,933百万円)のうち主なものは、ベトナム生産子会社であるYOKOWO VIETNAM CO., LTD.及びフィリピン生産子会社であるYOKOWO MANUFACTURING OF THE PHILIPPINES, INC.における増設など、能力増強投資であります。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額1,459百万円)のうち主なものは、MPセンターの稼働開始に伴うインフラ設備増強など、開発能力増強投資であります。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額524百万円)のうち主なものは、中国生産子会社である東莞友華汽車配件有限公司におけるFC事業の量産設備等の更新と富岡工場におけるMD事業の能力増強投資であります。
<インキュベーションセンター>設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加80百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、973百万円(前期末比535百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額12百万円)のうち主なものは、プラットフォーム事業における量産に向けた能力増強投資であります。
(2) 経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a. 事業全体の状況
当連結会計年度における世界経済は、主要各国の金融引き締めの影響や中国経済の先行き懸念、ウクライナ・中東情勢等の地政学リスクの高まりによる資源・原材料価格の高騰などを受けて、全体としては成長率が鈍化しました。
当社グループの主要市場である自動車市場、半導体検査市場、携帯通信端末市場、先端医療機器市場におきましては、欧米・中国等でのEV(電気自動車)の販売台数急拡大や、生成AIの進化加速など、業界構造や各業界の事業モデルを変えうる先進アプリケーションの領域拡大とともに、製品/技術開発競争が激化しております。
このような状況の中、当社グループは、事業収益力の建て直しによる再成長を期し、経営基本方針に掲げる4つのイノベーション(プロダクト/プロセス/パーソネル/マネジメント)の推進に引き続き取り組みました。VCCSセグメントにおきましては、海上運賃の沈静化・安定推移のもと抜本的な事業構造改革を推進するとともに、原材料価格上昇分などに対する販売価格見直し交渉を継続して進めるなど、収益体制の大幅な改善に努めました。CTCセグメントにおきましては、半導体市場の低迷による影響を受けたものの、AI/5Gを契機として広がる事業成長機会をより確実に捉えるべく、技術/製造体制の最適化に加え、将来の半導体微細化対応と生産効率向上に向けた技術開発を進めました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は、VCCSセグメントが前期比で増収となりましたが、CTC及びFC・MDの両セグメントが減収となった結果、76,895百万円(前期比△1.4%)となりました。営業損益につきましては、VCCSセグメントの損益が大幅に改善したものの、FC・MDセグメントが減益となり、CTCセグメントが営業赤字となったほか、新規事業を中心としたインキュベーションセンターセグメントの営業赤字により、1,617百万円の利益(前期比△65.9%)となりました。経常損益につきましては、円安による為替差益2,099百万円を計上したことなどにより、3,710百万円の利益(前期比△34.6%)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、経常減益に加え、繰延税金資産取り崩しによる税金負担率の増加などにより、1,511百万円の利益(前期比△52.0%)となりました。
b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況
セグメント別の業績は次のとおりであります。
このような状況の中、主力製品であるシャークフィンアンテナ/GPSアンテナをはじめとする自動車メーカー向けアンテナの販売は、自動車の生産台数増及び円安効果などにより前期比で増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は55,583百万円(前期比+20.6%)と、前期比で増収となりました。セグメント損益につきましては、現地通貨高及び業量増に伴う中国/ベトナム生産拠点における労務費などの増加があったものの、増収に伴う増益、海上運賃の沈静化による物流費減、コストアップ分の回収進展などにより、3,100百万円の利益(前期は1,701百万円の損失)となりました。
このような状況の中、当社グループの主力製品である半導体後工程検査用治具の販売は、ロジック半導体検査用ソケットなどの受注減により、前期を大幅に下回りました。半導体前工程検査用治具の販売も、周辺機器を含めてワンストップでソリューションを提供するターンキービジネスや高周波電子部品検査用MEMSプローブカード(YPX)の販売が伸び悩み、前期を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は12,585百万円(前期比△43.7%)と、前期比で大幅な減収となりました。セグメント損益につきましては、労務費などの費用抑制を推進したものの、減収に伴う減益などにより、794百万円の損失(前期は6,169百万円の利益)となりました。
このような状況の中、微細スプリングコネクタを中核製品とするFC事業におきましては、顧客の生産調整などの影響により、POS端末向けの受注減に加え、ワイヤレスイヤホンなどウェアラブル端末向けの販売が減少したことなどにより、売上高は前期を下回りました。
MD事業につきましては、主要顧客である国内大手医療機器メーカー向けのカテーテル用部品の受注増に加えてユニット品の販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、8,373百万円(前期比△7.5%)と、前期比で減収となりました。セグメント損益につきましては、FC事業における減収に伴う減益に加え、人民元高などによる中国生産拠点での労務費比率の上昇や事業構成変化などにより、117百万円の利益(前期比△85.2%)となりました。
<インキュベーションセンター(主要製品:MaaS/IoT向けアンテナ及びソリューション)>当社は、MaaS/IoTなどの新規成長市場や、高速大容量通信に向けた光通信市場に対し、新たなビジネス創出・ビジネスモデル革新を目指して、本格的な事業展開に取り組んでまいりました。当連結会計年度の組織変更に伴い、これら新たな事業分野の開拓を既存事業部から切り離し、プラットフォーム事業と先端デバイス事業で構成されるインキュベーションセンターを新たに報告セグメントとして区分しております。当セグメントの主要市場であるMaaS/IoT市場は、カーシェアリングなどモビリティの進展、あらゆるものがインターネットにつながるIoTの普及に伴い、順調に成長するものとみられております。
このような状況の中、プラットフォーム事業におきましては、IoT向けのスマートアンテナ技術を活用したMIMOアンテナや、MaaS/レンタカー向け車載鍵管理ソリューションの拡販を進めました。
当セグメントに含めております先端デバイス事業につきましては、光通信市場向けに光電変換デバイス技術を活用した光コネクタの量産化に向けた体制構築を推進いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は345百万円(前年同期比△19.7%)と、前期比で減少しました。セグメント損益につきましては、展開初期の新規事業が中心の当セグメントにおける売上高は小規模なものとなっており、投資が先行している段階にあることから、811百万円の損失(前期は534百万円の損失)となりました。
(事業セグメント別連結売上高 前期比較) (単位:百万円、%)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前 期 比 |
| VCCS | 46,089 | 55,583 | +20.6 |
| CTC | 22,374 | 12,585 | △43.7 |
| FC・MD | 9,051 | 8,373 | △7.5 |
| インキュベーション センター | 430 | 345 | △19.7 |
| その他 | 16 | 7 | △54.9 |
| 合計 | 77,962 | 76,895 | △1.4 |
c. 目標とする経営指標の達成状況等
前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、「ミニマム10(テン)」として、「売上高営業利益率・営業利益成長率・投下資本利益率・自己資本利益率を10%以上確保」の指標を掲げております。
当連結会計年度においては、VCCSセグメントの損益が大幅に改善したものの、CTC及びFC・MDの両セグメントが大幅な減収減益となったことなどにより、各指標は未達となっております。
本有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在、2025年3月期の業績見通しは2024年5月14日に公表した内容のとおりです。中期的には、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(4)会社の対処すべき課題」に記載の重点取組み項目を着実に遂行することにより、新中期経営計画(2025年3月期~2029年3月期)における経営基本目標であるミニマム10の安定的達成と連結売上高1,000億円の達成を目指してまいります。
② 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| VCCS | 56,695 | +27.2 |
| CTC | 12,573 | △44.3 |
| FC・MD | 8,418 | △6.4 |
| インキュベーションセンター | 243 | △31.5 |
| その他 | 7 | △54.9 |
| 合計 | 77,938 | +1.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| VCCS | 42,331 | △10.0 | 4,643 | +15.5 |
| CTC | 11,646 | △45.0 | 1,002 | +2.7 |
| FC・MD | 5,652 | △34.9 | 600 | +39.1 |
| インキュベーションセンター | 312 | △31.5 | 18 | △27.7 |
| その他 | 7 | △49.0 | - | - |
| 合計 | 59,950 | △22.5 | 6,264 | +14.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| VCCS | 55,583 | +20.6 |
| CTC | 12,585 | △43.7 |
| FC・MD | 8,373 | △7.5 |
| インキュベーションセンター | 345 | △19.7 |
| その他 | 7 | △54.9 |
| 合計 | 76,895 | △1.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| Toyota Motor North America, Inc. | 10,040 | 12.9 | 12,565 | 16.3 |
(3) キャッシュ・フローの状況
① 現金及び現金同等物
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、18,702百万円(前期比1,014百万円の増加)となりました。
② 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費4,013百万円、税金等調整前当期純利益3,311百万円などの増加要因がありましたが、CTCセグメントにおける部材等の仕入減少に伴う仕入債務の減少1,780百万円などの減少要因により、4,823百万円の収入(前期比2,489百万円の収入減少)となりました。
③ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、MPセンターの建設など有形固定資産の取得による支出3,917百万円、無形固定資産の取得による支出865百万円などの減少要因により、5,125百万円の支出(前期比732百万円の支出減少)となりました。
④ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入1,500百万円がありましたが、配当金の支払による支出1,090百万円などの減少要因により、260百万円の支出(前期は1,531百万円の収入)となりました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築・強化、情報システムの整備等に支出されております。これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度の設備投資におきましては、MPセンターの稼働開始に伴う研究開発・製品開発投資や生産子会社における量産設備の更新等を中心に実施いたしました。また、2025年3月期からの5カ年を対象とした「新中期経営計画2024-2028」では、中長期的視点から、既存事業・既存技術の限界を突破し新たな成長力を獲得するため、コア技術のさらなる深化のための基礎研究投資、ADAS新製品における開発投資、MEMSプローブカード生産ライン新設など新規領域進出に向けた設備投資の実施を計画しております。当連結会計年度におきましては、富岡工場におけるMPセンターの稼働開始に伴う設備投資や各事業セグメントにおける量産投資・開発投資等を実施するとともに、今後の設備投資資金及び運転資金需要に対応するべく、長期借入金1,500百万円の追加借入を実施いたしました。その結果、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は18,702百万円と、前期末比1,014百万円増加いたしました。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。 重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。