有価証券報告書-第79期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:08
【資料】
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【項目】
162項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、「従業員の幸福」、「地域社会への貢献」、「株主に対する配当責任」の3原則を実践することであります。グローバルな観点で社会性、公益性、公共性を全うし、事業を継続的に発展させていくことが企業の社会的責任であり、経営の使命と考えております。
当社のビジョンは、お客様から信頼され、感動を与えるエクセレントカンパニーになることであり、市場のニーズに合ったスマート商品を創出し、あらゆる市場で私たちがつくった商品を使用していただくことで事業を拡大、経済価値を高めてまいります。また、増加・高度化するステークホルダーからの要求や期待に応えて社会的責任を果たすことで信頼を得て、社会価値を高めていきたいと考えております。
これらを実現するため、安全で高品質なスマート商品を開発・生産・販売し、労働・人権・安全衛生・環境・倫理という企業での取り組みにおいても責任を持ち、活動を継続実施していきます。
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(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは、研究開発力や生産技術の強みを活かした最先端商品および高信頼性商品に加え、コア技術を活かしたソリューションビジネスを軸に、自動車、情報インフラ、産業機器、ヘルスケア、環境・エネルギーなどの注力市場を攻略することにより、中期目標の達成および経営ビジョンの実現を目指しています。また、収益性の向上や将来の部品需要の増加に応える体制を構築するため、ものづくり力の強化も進めています。生産能力の増強に加え、要素技術の高度化と生産工法の変革を進めることで、生産効率の向上を加速していきます。
上記の経営戦略の実行に加え、財務体質改善と資産効率向上にも継続的に取り組むことで、売上高3,000億円、営業利益率15%、自己資本利益率10%以上を目指してまいります。
(3)会社の対処すべき課題
当社は、BCP(事業継続計画)に基づき、新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、従業員や取引先をはじめとするステークホルダーの皆様の健康と安全を確保するため、各種対応策などを実施しています。国内外の生産拠点においては、各国政府及び自治体の指示や指導に従いながら、感染防止策を徹底した上で生産活動を継続しています。また、生産部門以外の従業員につきましては、各国政府及び自治体の感染拡大防止に関する指示や要請に基づき、在宅勤務などを実施することで業務の遂行と感染リスクの低減に取り組んでいます。
今回の新型コロナウイルスによる非常事態により、社会の在り方や経営環境にさまざまな変化が生じています。当社グループは572億85百万円の現金及び現金同等物を有し、自己資本比率は61.2%と健全な財務体質を維持しております。さらに、2020年5月12日時点において、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン契約額は300億円であり、不測の事態への対応手段を確保して事業を継続していきます。また、電子部品の安定供給を通して社会基盤や人々の生活の維持向上への貢献に努めます。
中長期の観点では、自動車、情報インフラ、産業機器、ヘルスケア、環境・エネルギー市場において電子部品の需要が拡大し、今まで以上に高い品質、高い信頼性が求められます。また、スマートフォンなどの通信機器では、機器の高機能・高性能化、通信方式の進化、電子部品の高密度実装化に伴い、小型・薄型で特性の良い最先端の電子部品が数多く求められます。
当社はこのような市場に対して、機器の技術進化に貢献できる競争優位性の高い最先端商品をいち早く開発していきます。自動車、情報インフラ、産業機器、ヘルスケア、環境・エネルギー市場を注力すべき市場と位置付け、高信頼性商品の販売推進、システムソリューション提案の強化、商流の拡大と多角化に努めています。さらに、安定的な供給を実現するために国内外の生産能力を増強し、販売拡大につなげていきます。また、ものづくり力の向上と高効率生産に努め、海外生産拠点の最大活用を図ることで、コスト低減や為替変動影響を受けにくい体制を整えていきます。
当社は、経済価値を高めていくと同時に、ステークホルダーの皆様からの要求や期待に応え社会的責任を果たすことで社会価値を高めていきたいと考えています。製品の安全・品質に加え、労働・人権、安全衛生、環境、倫理といった取り組みにおいても責任を持ち活動しています。