有価証券報告書-第82期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 16:16
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

文章中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、時代の変化、ニーズに対応した物づくりに真摯に取り組みます。お客様の視点にたった製品の開発、製造、販売並びにサービスの提供を通じて社会に貢献することを基本理念としております。あわせて当社グループはコンプライアンスと社会的責任を深く認識し、その時代に即した企業行動のあり方を常に見直して行動します。また当社グループでは「企業理念」に基づき、「企業行動憲章」、「従業員行動指針・行動規範」を掲げています。これらを実践して、当社グループが取り巻くすべてのステークホルダーの信頼と満足を得られるよう努めます。
(2)経営戦略
当社グループでは、「ハードウエア・ソフトウエアとサービスによる価値創造により、お客様の事業発展と社員幸福を目指す」という経営ビジョンに基づき、2022年3月期を初年度とする第五次中期経営計画を策定し、目標の達成に向け、グループ一丸となって取り組んでおります。
<基本方針>①当社が長年培ってきた音声・画像等の情報伝送技術や製造能力を活用し、社会の課題解決と発展に寄与する
製品・サービスを創出する。
②グループ全体で徹底したコスト管理を行い、安定的に収益を生み出せる経営体質へと改善する。
③社員がナカヨグループで働くことに「喜び」や「やりがい」を感じられる環境を構築する。
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を見据えて事業を見直して、従来からの事業の柱であるビジネスホンの更なる展開に加え、新たな事業基盤の確立に取り組んでまいります。特に、当社グループの強みである情報伝送技術とものづくりにITを融合させた事業である「スマートX事業」に経営資源を重点配分することで、本事業の早期確立を推進してまいります。
(3)経営環境
① 企業構造
当社グループは、親会社である当社を中心に、機能別の各会社で構成されております。各会社は協調して事業運営を行っておりますが、それぞれの自主性、主体性、独自性はグループ全体の方針の中で尊重し、事業運営を行っております。
事業構成及び内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
② 市場環境及び顧客動向
当社グループの関連するICT市場において、Society5.0の実現に向けてIoTやAIを活用した製品・サービスの高度化、技術革新と共に新たなビジネスの躍進が見込まれております。その一方、当社の主力商品であるビジネスホン関連においてはリプレイス需要を中心とする市場へ移行しており、大幅な売上増加は見込めない状況にあります。
また、当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症による各種制限が徐々に緩和されており、社会経済活動の正常化が進んでいる一方、資源価格の上昇や急激な為替変動による物価上昇が続いており、依然として先行不透明な状況が続いております。当社の生産活動におきましても、部品調達コストの上昇や、部材不足による一部製品の生産調整等を余儀なくされております。
③ 主力製品、競合他社との競争優位性、販売網
当社グループは、ビジネスホン関連の製造・販売を主たる事業としております。ビジネスホン関連以外でもインターホンにネットワーク通信技術という異なる分野の技術を融合させたシステムを実現したインターホン事業の製品についても販売しております。また、2022年3月期を初年度とする第五次中期経営計画を策定し、既存事業を推し進めるとともに、新たな事業基盤として立ち上げたスマートX事業では、経営資源の重点配分による開発力強化に加え、新たな販路の開拓等を進め、事業基盤の確立を早期に実現させてまいります。今後も、お客様の立場に立ち商品開発・販売を行ってまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは2021年4月からスタートした第五次中期経営計画において、最終年度の2024年3月期の業績について、売上高20,000百万円、営業利益800百万円を掲げております。
第五次中期経営計画 (百万円)
2024年3月期
売上高20,000
営業利益800

なお、2023年5月時点において、社会情勢等を踏まえた2024年3月期の業績の見通しにつきましては、下記の通りであります。
(百万円)
2024年3月期
売上高18,600
営業利益430

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 第五次中期経営計画
(a) 当社が長年培ってきた音声・画像等の情報伝送技術や製造能力を活用し、社会の課題解決と発展に寄与する製品・サービスを創出する
(b) グループ全体で徹底したコスト管理を行い、安定的に収益を生み出せる経営体質へと改善する
(c) 社員がナカヨグループで働くことに「喜び」や「やりがい」を感じられる環境を構築する
を基本方針として活動していく所存です。
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を見据えて事業分類を見直し、従来からの事業の柱であるビジネスホンの更なる展開に加え、新たな事業基盤の確立に取り組んでまいります。特に、新たな事業基盤として立ち上げる「スマートX事業」に経営資源を重点配分することで、本事業の早期確立を推進してまいります。
② 事業規模の拡大
ビジネスホン関連事業は、売上高について大幅な上昇が見込めない状況であるものの、市場のシェアを獲得していくことで安定的な売上と利益を見込めることから、収益の基幹事業とし、既存商品群の機能強化に加えて、サービス商品やアプリケーション商品の新商品開発を継続してまいります。その上で、新たな事業基盤であるスマートX事業やインターホン事業等の開拓・拡大をすすめ、事業規模を拡大してまいります。
③ 経営体質の強化
製造革新活動の継続、IoTの活用によるスマート工場化、BI(Business Intelligence)ツールの導入などにより生産性を向上させてまいります。また、社員の試行錯誤によるチャレンジを推奨する制度の導入などにより創造性の強化を図ってまいります。さらには、社員教育の充実や働き方改革の推進など、社員のパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を整備することで、経営体質を強化してまいります。
④ 人材確保
人材確保に向けて、採用方法及び働きやすい環境づくりが必要であると考えます。その為、従来の採用活動に加えインターシップ制度の導入拡大や通年採用を通じ、安定して人材確保できるよう努めております。また、従業員に対して、育児等による時短勤務の拡充や長期時間労働抑制のためのPCシャットダウンアプリの導入など環境整備に努めております。引き続き働きやすい環境づくりのために努めてまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
健全な成長を持続するためには、コーポレートガバナンスと内部管理体制の強化が重要であると認識しております。経営の効率性・健全性を確保するため、内部監査及び内部統制システムの整備・拡充を引き続き行ってまいります。
⑥ 新型コロナウイルス感染症等に関する対応
新型コロナウイルス感染症による事業への影響を最小限とするため、部品、金型等固定資産の安定的な調達の実現と経営環境の変化、消費者のライフスタイルや消費マインドの変化に機動的かつ柔軟に対応できる体制の構築に努めてまいります。