有価証券報告書-第56期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 14:01
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、積極的な経済対策・金融政策への期待感とこれを受けた円安・株高基調が進展したことなどにより、企業の業績に回復感が見受けられました。
当社グループを取り巻く環境につきましては、雇用情勢や所得環境等の改善を背景に個人消費が堅調に推移し、日本国内の新設住宅着工戸数におきましては被災地における住宅再建や消費税率引き上げ前の需要増加などにより、大幅に増加いたしました。海外市場におきましては、世界経済が緩やかに回復する中、米国ではセキュリティに対するニーズの高まりが見受けられました。
このような状況の中で、当社グループはお客様のニーズに応えるべく、新商品の開発と積極的な営業活動を展開して業績の向上に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高425億5百万円(前連結会計年度比15.2%増)、営業利益33億8千4百万円(同40.9%増)、経常利益36億2千3百万円(同53.1%増)、当期純利益20億6千万円(同47.4%増)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
国内の住宅市場につきましては、新築の戸建住宅におきまして録画機能付テレビドアホンを中心にホームビルダーや工務店等への積極的な営業活動を展開したことにより、販売が増加いたしました。また、新築のマンションにおきましては大手デベロッパーに対しまして、マンション内での様々な情報の見える化に対応した集合住宅向けシステムの提案活動を行ったことなどにより、販売は増加いたしました。リニューアルにおきましては既設マンションへの積極的な営業活動を推進するため、営業体制の強化を行うとともに、アフターサービス情報を活用した営業活動や、大手管理会社を中心にリニューアル専用商品による提案活動を強力に進めてきたことなどにより、販売が大幅に増加いたしました。これらによって住宅市場全体の売上は増加いたしました。
ケア市場につきましては、介護基盤の整備を目的とする介護基盤緊急整備等臨時特例交付金による事業の実施期限が延長されたことを受け、新築における高齢者施設への販売が大幅に増加いたしました。また、病院におきましては地域医療再生計画に伴う新設病院着工件数の増加とともに、中核病院への積極的な提案活動を進めてきたことにより、ナースコールシステムの販売が増加いたしました。一方、リニューアルにおきましては病院における修繕計画の延期等により販売が減少いたしましたが、継続的に提案活動を行ってきた大型高齢者施設の受注や高齢者住宅における監視用PC及びソフトウェアの更新などにより、売上はほぼ横ばいとなりました。これらによってケア市場全体の売上は増加いたしました。
これらの結果、売上高390億7百万円(前連結会計年度比12.7%増)、営業利益31億1千3百万円(同34.8%増)となりました。
② 米国
米国につきましては、物件受注活動として学校へのIPネットワーク対応インターホンの積極的な提案活動や重点工事店への営業活動の強化等の取り組みを進める中、米国社会における学校などの業務市場でのセキュリティニーズの高まりを受け、IPネットワーク対応インターホンやテレビドアホンを中心としたドアエントリーシステムの販売が大幅に増加いたしました。この結果、現地通貨ベースにおける売上高は過去最高となりました。
なお、売上高につきましては53億7千1百万円(前連結会計年度比44.2%増)となりましたが、営業利益につきましては取引価格の変更等により6千9百万円(同76.6%減)となりました。
③ 欧州
欧州につきましては、長期化する景気の低迷に伴う主要国での住宅着工戸数の減少により、集合住宅向けシステムの販売が減少いたしました。一方、戸建住宅におきましては住宅着工戸数の減少はあったものの、昨年8月に市場投入したテレビドアホンの新商品が、市場ニーズを捉えた商品として発売当初から高評価を得たことにより、販売が好調に推移いたしました。また、フランスにおける業務市場の開拓を図るため業務市場専任者を配置し、物件受注活動を強化したことにより、業務市場の販売が増加いたしました。この結果、現地通貨ベースにおける売上高は過去最高となりました。
なお、売上高につきましては34億3千6百万円(前連結会計年度比32.7%増)、営業利益につきましては取引価格の変更等により5千2百万円(同1.5%増)となりました。
④ タイ
タイにつきましては、日本の在庫調整の影響で生産高は減少いたしましたが、為替相場の変動の影響により売上高は76億9千2百万円(前連結会計年度比14.1%増)、営業利益につきましてはコストダウン等により4億8千4百万円(同2,010.1%増)となりました。
⑤ べトナム
ベトナムにつきましては、新たな生産拠点として平成23年11月から稼動を開始し、生産性の向上に努めてまいりましたが生産高は微増にとどまりました。その結果、売上高は4億8千4百万円(前連結会計年度比102.4%増)となりましたが、創業赤字期間中であり営業損失は1億6千7百万円(前連結会計年度は営業損失1億6千7百万円)となりました。
⑥ その他
シンガポールの販売子会社につきましては、シンガポール及びマレーシアにおける集合住宅向けシステムの物件受注を積極的に行ったことにより、販売が順調に推移し売上が増加いたしました。中国の販売子会社につきましては、集合住宅向けシステムの販売を拡大するため、上海を中心として積極的な市場開拓及び提案活動をデベロッパーなどに行ってまいりましたが、創業間もないため営業損失を計上いたしました。なお、平成26年1月から解散手続きを開始いたしました香港の子会社につきましては、売上が減少いたしました。
これらの結果、3社の売上高は6億4千3百万円(前連結会計年度比21.7%減)、営業損失は3千2百万円(前連結会計年度は営業利益2千6百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ6億4千2百万円増加し、141億7千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、32億4千5百万円(前連結会計年度比234.7%増)の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益34億5千万円に加え、減価償却費の計上6億2千2百万円、たな卸資産の減少5億8千7百万円の収入があったものの、売上債権の増加3億2千3百万円、法人税等支払い11億5百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、13億6千万円(前連結会計年度比35.0%減)の支出となりました。これは主に、有価証券の売却及び償還による収入9億4百万円があったものの、定期預金の預入による支出12億2千5百万円、有形固定資産の取得による支出7億6千8百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出7億2千万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、9億1千2百万円(前連結会計年度比43.8%増)の支出となりました。これは主に、当社の配当金支払額5億5千9百万円、自己株式の取得による支出3億2千2百万円によるものであります。