有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 10:39
【資料】
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【項目】
139項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念と企業ミッション
当社グループは、経営理念に「社会と共に、顧客と共に、従業員と共に、成長する企業」と掲げ、日々の事業活動を行っています。「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」という企業ミッションのもと、半導体技術、回路技術、実装技術をあわせ持つ製造企業として、これらの技術を融合し、発展・応用させていくことで、脱炭素社会実現の一翼を担う製品を創造してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化した新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が制限され、2009年リーマンショック以来のマイナス成長となりました。海外においては、感染再拡大への警戒感が続くなかワクチン接種が効果をみせ始めた国がある一方、新規感染者の増加によって規制が続く地域もあり、限定的な回復にとどまりました。当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が当面継続し、予断を許さない状況が続くとみています。一方、長期的には自動車の次世代技術の進展や、カーボンニュートラルに向けた環境規制の強化などに伴い、自動車の電子化・電装化が加速し、モビリティ市場を中心に当社製品の需要が拡大していくと見込んでおります。
当社グループは2019年度から2021年度までの3ヶ年を期間とする「第15次中期経営計画」を策定し、最終年度を迎えました。
中期経営計画の経営方針としては、「持続的成長に向けた製品戦略の加速」を掲げ、主要テーマを以下の通りとすることで2021年度までの3ヶ年に留まらず、さらに先を見据えた構想とし、取組んでおります。
①主力製品の競争力強化
②伸長事業の発展
③10年先を見据えた次世代製品への取り組み
そのほか、モビリティ、産業機器、エネルギー、ヘルスケアの4つを重点市場と位置付けておりますが、そのなかでもモビリティ市場について、より一層の注力をしております。
しかしながら、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大により、外出自粛やロックダウン等の活動制限が広がり、事業環境が悪化したことで、収益が急激に減退しました。
経営方針の実現に向けて、「主力製品の競争力強化」では、生産効率の向上や、付加価値をつけた製品提案を進めております。「伸長事業の発展」では、数年後の事業の柱と位置付ける、パワーモジュールやEV関連製品の強化を進めております。とりわけ、モビリティ市場や産業機器市場においてニーズの拡大が見込まれる、小型・軽量化したパワーモジュールの製品ラインナップを拡充しております。また、最大出力150kWのEV急速充電器や、環境対応車向けに電装製品の開発などを進めております。「10年先を見据えた次世代製品への取り組み」では、新しい事業の検討に取組む組織を発足したほか、次世代デバイスの新たな選択肢として酸化ガリウムを用いたパワー半導体の研究や、EV充電器の更に先を見据えた非接触充電システムの開発も継続して取組んでおります。
くわえて、2021年4月開業の朝霞事業所において、事業の継続性確保と運営効率の向上を図り、さらにはガバナンスやリスクマネジメントの強化、働き方改革などの環境整備にも取組んでまいります。
経営指標について、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大により、外出自粛やロックダウン等の活動制限が広がり、事業環境が悪化したことで、収益が急激に減退しました。このような環境下、市場環境の変動に左右されない収益構造を追求し、経営基盤を強固なものとするために、2020年11月より「事業構造改革」に着手し、2021年度(2022年3月期)の経営指標は、以下の通り見直しいたしました。
(連結)
・売上高 840億円
・営業利益 30億円
※なお、2022年3月期の業績予想に関しては、2021年5月12日に公表しております。
当社グループは、このような施策を着実に実行することで、企業価値の向上ひいては株主の皆さま共同の利益に繋げてまいります。