有価証券報告書-第94期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
① 魅力ある製品で、お客様に満足を提供する。
② 変化を先取りし、世界の市場で発展する。
③ 自然を大切にし、社会と共生する。
④ 個性を尊重し、活力ある企業をつくる。
を経営の方針としています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(3) 対処すべき課題
当社は、2020年デンソーグループ長期方針として、「地球と生命を守り、次世代に明るい未来を届けたい。」を掲げ、「地球環境の維持と成長の両立」と「一人ひとりが幸せで、安心・安全に暮らせる社会」の実現を目指しています。
社会に目を向けてみますと、今後ますますクルマの保有台数が増加し、自由に移動することによる喜びや幸せを享受できる人々が増える一方で、温暖化ガス排出の増加、交通事故死者数の増加等の解決すべき問題は山積しています。このような中で、クルマが持つ「便利さ」「楽しさ」といった価値を最大化しつつも、温暖化ガスの排出や交通事故といった負の影響は最小化することを当社の使命として取り組んでいます。
また、自動車業界では、「100年に一度のイノベーション」と言われる時代を迎えています。電動化・自動運転・コネクティッド・カーシェアリング等のパラダイムが大きく変化しようとしており、これまで以上にお客様や社会のニーズを先取りして対応することで、社会に貢献してまいります。
事業環境の変化が激しいなかで、長期方針の目指す姿を実現していくためには、環境により配慮した電動化への対応やクルマの安心・安全にかかわる機能の高度化、クルマと社会をつなぐ新しいサービスの提供、そしてモノづくりの力を一層高めていくことが必要であり、特に以下の分野について注力いたします。
特に注力する分野
1.電動化(ハイブリッド車、電気自動車)
2.ADAS(高度運転支援システム)/AD(自動運転)
3.コネクティッド(つながるクルマ)
4.モノづくり Factory IoT
5.FA(ファクトリー・オートメーション)事業
電動化分野においては、当社は、地球にやさしく、人も快適に移動できる電動車両システムを作り上げることをクルマの中のエネルギーを最適にマネジメントすることにより実現していきます。
当社はこれまで20年間、ハイブリッド車向けに世界トップレベルの性能と品質並びに数量を誇る製品を開発し、提供してきました。更に、ハイブリッド車や電気自動車といった電動化分野での開発強化と事業伸展を加速させるべく、エレクトリフィケーションシステム事業グループを新設しました。
これまで培ってきた電動化製品の磨き上げに加え、車内のあらゆるシステムや製品をつなぎ、走行、発電や発熱といった車両内で発生するエネルギーを効率的に回収・利用し、飛躍的な燃費性能の向上・省電力化を実現します。更に車外情報との連携による道路環境の先読みや、電動化製品の性能を最大限に引き出すアルゴリズムにより、車両全体で最高効率のエネルギーマネジメントを実現します。
当社は、スマートな電動車両システムの提案、並びにそれを構成する製品の開発・提供をしてまいります。
ADAS(高度運転支援システム) /AD(自動運転)分野においては、当社は、全ての人が安心・安全に移動できるモビリティ社会を目指し、自動運転技術のリーディングカンパニーとして開発を推進しています。自動運転技術には「認知・判断・操作」という要素がありますが、「判断」・「操作」を適切に行うためには、まず、人の眼に相当する「認知」を高い信頼度で実現することが求められます。当社は、特に「認知」に注力し、これまで車載分野で培ってきたセンシング技術を活かして、ミリ波レーダ、画像センサ(カメラ)、LIDAR、ソナー等の走行環境認識センサをすでに製品化し、多くのカーメーカに採用されています。
また、全世界で適用可能な自動運転技術を確立するために、各国の道路環境や交通環境を踏まえた研究開発を推進しています。日本では、すでに2014年より公道で走行試験を実施しています。そして、日常的にハイウェイが使われるという北米特有の交通環境に合わせた研究開発のために、北米でも公道で走行試験を実施しています。
更に、自動運転技術の開発を加速するため、当社は、カーメーカ、自治体をはじめとする社外パートナーとの連携を強化しています。2015年には、シンガポール政府と基本合意を締結し、政府が主導するスマートシティの取り組みの一環として、シンガポール科学技術庁と自動運転技術の開発に関わる共同研究を行っています。今後も、アライアンスを含めたグローバルな仲間づくりを推進し、開発を加速させていきます。
コネクティッド(つながるクルマ)分野においては、今後、クルマとクルマ、クルマと人・道路・モノ・サービス等がつながるモビリティ社会の進展により、更に環境にやさしく、安心・安全な社会になっていきます。当社はバス・トラックといった商用車への取り組みを足掛かりとして、モビリティ社会において新たな価値を生み出してまいります。
トラックやバス等の商用車の台数は乗用車の1/10程度しかありませんが、商用車が原因となる環境負荷や交通事故の発生はどちらも1/3程度にもなります。その主な要因として、車両自体が大型であるためにCO2排出量が多いこと、走行距離が乗用車よりも長いことが挙げられます。
当社は、これまでも商用車が社会に与える環境・安全への影響を低減するため、運輸/旅客事業向けに運行管理・安全管理に関わるシステム・機器の開発や提供を行ってまいりました。
この度、車両のみならずドライバーの体調といった情報を含めたトータルでの安全向上システム等の新たなサービス事業を開拓・推進するために、コネクティッドサービス事業推進部を新設しました。社内のコネクティッドサービスに携わるリソーセスを集約し、企画・開発から営業活動までを一貫して推進することで、運輸/旅客事業向けサービスを中心とした事業を拡大させてまいります。
モノづくり分野においては、当社は、Factory IoT(F-IoT)を導入することで、人の知恵を引き出し、進化し続ける工場づくりをグローバルで進め、生産性を向上させていきます。
F-IoTにより「振動・音・温度といった製品・設備の微妙・微小な変化」「熟練した人の知恵・経験・カンコツ」「設備不具合の予知・予兆」等の情報を見える化し、人にフィードバックすることで、人の気づく感度を高め、改善につなげていきます。見える化・共有化した情報をもとに、脈々と受け継がれてきたモノづくりへの高い志や行動スキルを持った「人」が、知恵を絞って更なる改善や未然防止を行うことで、現場力を飛躍的に高めていきます。
また、レベルアップした工場同士がつながることが、グローバルな生産性向上につながります。全世界で、全ての仲間が一つ屋根の下にいるかのように「各工場の設備・生産状況等の情報」や「改善情報」をリアルタイムに共有・統合し、各工場の素早い改善サイクルにつなげ、進化し続けるモノづくりを実現します。
当社は、2015年よりF-IoT導入を開始し、2020年までにグローバル130工場をつなぎ、グループ全体での生産性30%向上(2015年比)を目指します。また、当社グループ内にとどまらず、2020年には協力会社へも展開し、ともにモノづくりの力を高めてまいります。
FA(ファクトリー・オートメーション)事業においては、当社は、グローバル130工場でのFAの導入実績を活かして、お客様に最適なFAシステムをソリューションとして提案・提供することで、社会・産業界の生産性向上に貢献していきます。
労働人口の減少といった社会構造の変化、AIやIoTの技術革新によるロボット技術の進化等から、FA市場は年々拡大し続けています。
当社は50年前の1967年に自社製ロボットの開発に着手し、自社の生産ラインで鍛えたロボットを外販し、累計9万台を超えるロボットを提供してきました。ロボットはFAには欠かせない要素であり、高速・高信頼という従来の強みに加え、AIやIoT技術を活用して、生産ラインへの導入のしやすさや、日々の生産活動・保全での使いやすさの向上、人の知恵を活かした知能化、といった進化を続けています。
また、FAには、組付けのみならず、検査、物流、保全、生産管理、IoT活用等の幅広い領域への広がりがあり、今回、全社のモノづくりを牽引する生産革新センターにFA事業部を新設しました。これより、当社130工場での導入実績を活かし、工場全体視点、ライフサイクル視点で、お客様のあらゆるニーズに対応できるFAシステムを提案・提供し、幅広く生産性向上に貢献していきます。
(1) 会社の経営の基本方針
① 魅力ある製品で、お客様に満足を提供する。
② 変化を先取りし、世界の市場で発展する。
③ 自然を大切にし、社会と共生する。
④ 個性を尊重し、活力ある企業をつくる。
を経営の方針としています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(3) 対処すべき課題
当社は、2020年デンソーグループ長期方針として、「地球と生命を守り、次世代に明るい未来を届けたい。」を掲げ、「地球環境の維持と成長の両立」と「一人ひとりが幸せで、安心・安全に暮らせる社会」の実現を目指しています。
社会に目を向けてみますと、今後ますますクルマの保有台数が増加し、自由に移動することによる喜びや幸せを享受できる人々が増える一方で、温暖化ガス排出の増加、交通事故死者数の増加等の解決すべき問題は山積しています。このような中で、クルマが持つ「便利さ」「楽しさ」といった価値を最大化しつつも、温暖化ガスの排出や交通事故といった負の影響は最小化することを当社の使命として取り組んでいます。
また、自動車業界では、「100年に一度のイノベーション」と言われる時代を迎えています。電動化・自動運転・コネクティッド・カーシェアリング等のパラダイムが大きく変化しようとしており、これまで以上にお客様や社会のニーズを先取りして対応することで、社会に貢献してまいります。
事業環境の変化が激しいなかで、長期方針の目指す姿を実現していくためには、環境により配慮した電動化への対応やクルマの安心・安全にかかわる機能の高度化、クルマと社会をつなぐ新しいサービスの提供、そしてモノづくりの力を一層高めていくことが必要であり、特に以下の分野について注力いたします。
特に注力する分野
1.電動化(ハイブリッド車、電気自動車)
2.ADAS(高度運転支援システム)/AD(自動運転)
3.コネクティッド(つながるクルマ)
4.モノづくり Factory IoT
5.FA(ファクトリー・オートメーション)事業
電動化分野においては、当社は、地球にやさしく、人も快適に移動できる電動車両システムを作り上げることをクルマの中のエネルギーを最適にマネジメントすることにより実現していきます。
当社はこれまで20年間、ハイブリッド車向けに世界トップレベルの性能と品質並びに数量を誇る製品を開発し、提供してきました。更に、ハイブリッド車や電気自動車といった電動化分野での開発強化と事業伸展を加速させるべく、エレクトリフィケーションシステム事業グループを新設しました。
これまで培ってきた電動化製品の磨き上げに加え、車内のあらゆるシステムや製品をつなぎ、走行、発電や発熱といった車両内で発生するエネルギーを効率的に回収・利用し、飛躍的な燃費性能の向上・省電力化を実現します。更に車外情報との連携による道路環境の先読みや、電動化製品の性能を最大限に引き出すアルゴリズムにより、車両全体で最高効率のエネルギーマネジメントを実現します。
当社は、スマートな電動車両システムの提案、並びにそれを構成する製品の開発・提供をしてまいります。
ADAS(高度運転支援システム) /AD(自動運転)分野においては、当社は、全ての人が安心・安全に移動できるモビリティ社会を目指し、自動運転技術のリーディングカンパニーとして開発を推進しています。自動運転技術には「認知・判断・操作」という要素がありますが、「判断」・「操作」を適切に行うためには、まず、人の眼に相当する「認知」を高い信頼度で実現することが求められます。当社は、特に「認知」に注力し、これまで車載分野で培ってきたセンシング技術を活かして、ミリ波レーダ、画像センサ(カメラ)、LIDAR、ソナー等の走行環境認識センサをすでに製品化し、多くのカーメーカに採用されています。
また、全世界で適用可能な自動運転技術を確立するために、各国の道路環境や交通環境を踏まえた研究開発を推進しています。日本では、すでに2014年より公道で走行試験を実施しています。そして、日常的にハイウェイが使われるという北米特有の交通環境に合わせた研究開発のために、北米でも公道で走行試験を実施しています。
更に、自動運転技術の開発を加速するため、当社は、カーメーカ、自治体をはじめとする社外パートナーとの連携を強化しています。2015年には、シンガポール政府と基本合意を締結し、政府が主導するスマートシティの取り組みの一環として、シンガポール科学技術庁と自動運転技術の開発に関わる共同研究を行っています。今後も、アライアンスを含めたグローバルな仲間づくりを推進し、開発を加速させていきます。
コネクティッド(つながるクルマ)分野においては、今後、クルマとクルマ、クルマと人・道路・モノ・サービス等がつながるモビリティ社会の進展により、更に環境にやさしく、安心・安全な社会になっていきます。当社はバス・トラックといった商用車への取り組みを足掛かりとして、モビリティ社会において新たな価値を生み出してまいります。
トラックやバス等の商用車の台数は乗用車の1/10程度しかありませんが、商用車が原因となる環境負荷や交通事故の発生はどちらも1/3程度にもなります。その主な要因として、車両自体が大型であるためにCO2排出量が多いこと、走行距離が乗用車よりも長いことが挙げられます。
当社は、これまでも商用車が社会に与える環境・安全への影響を低減するため、運輸/旅客事業向けに運行管理・安全管理に関わるシステム・機器の開発や提供を行ってまいりました。
この度、車両のみならずドライバーの体調といった情報を含めたトータルでの安全向上システム等の新たなサービス事業を開拓・推進するために、コネクティッドサービス事業推進部を新設しました。社内のコネクティッドサービスに携わるリソーセスを集約し、企画・開発から営業活動までを一貫して推進することで、運輸/旅客事業向けサービスを中心とした事業を拡大させてまいります。
モノづくり分野においては、当社は、Factory IoT(F-IoT)を導入することで、人の知恵を引き出し、進化し続ける工場づくりをグローバルで進め、生産性を向上させていきます。
F-IoTにより「振動・音・温度といった製品・設備の微妙・微小な変化」「熟練した人の知恵・経験・カンコツ」「設備不具合の予知・予兆」等の情報を見える化し、人にフィードバックすることで、人の気づく感度を高め、改善につなげていきます。見える化・共有化した情報をもとに、脈々と受け継がれてきたモノづくりへの高い志や行動スキルを持った「人」が、知恵を絞って更なる改善や未然防止を行うことで、現場力を飛躍的に高めていきます。
また、レベルアップした工場同士がつながることが、グローバルな生産性向上につながります。全世界で、全ての仲間が一つ屋根の下にいるかのように「各工場の設備・生産状況等の情報」や「改善情報」をリアルタイムに共有・統合し、各工場の素早い改善サイクルにつなげ、進化し続けるモノづくりを実現します。
当社は、2015年よりF-IoT導入を開始し、2020年までにグローバル130工場をつなぎ、グループ全体での生産性30%向上(2015年比)を目指します。また、当社グループ内にとどまらず、2020年には協力会社へも展開し、ともにモノづくりの力を高めてまいります。
FA(ファクトリー・オートメーション)事業においては、当社は、グローバル130工場でのFAの導入実績を活かして、お客様に最適なFAシステムをソリューションとして提案・提供することで、社会・産業界の生産性向上に貢献していきます。
労働人口の減少といった社会構造の変化、AIやIoTの技術革新によるロボット技術の進化等から、FA市場は年々拡大し続けています。
当社は50年前の1967年に自社製ロボットの開発に着手し、自社の生産ラインで鍛えたロボットを外販し、累計9万台を超えるロボットを提供してきました。ロボットはFAには欠かせない要素であり、高速・高信頼という従来の強みに加え、AIやIoT技術を活用して、生産ラインへの導入のしやすさや、日々の生産活動・保全での使いやすさの向上、人の知恵を活かした知能化、といった進化を続けています。
また、FAには、組付けのみならず、検査、物流、保全、生産管理、IoT活用等の幅広い領域への広がりがあり、今回、全社のモノづくりを牽引する生産革新センターにFA事業部を新設しました。これより、当社130工場での導入実績を活かし、工場全体視点、ライフサイクル視点で、お客様のあらゆるニーズに対応できるFAシステムを提案・提供し、幅広く生産性向上に貢献していきます。