有価証券報告書-第89期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/27 15:15
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、国内においては企業収益や雇用環境の改善、設備投資の増加、個人消費も緩やかな回復基調である一方、北米や欧州、東アジアの地政学的リスクの懸念などの影響により、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループはインダストリアル市場向けでは、モビリティの発展により今後成長が期待されるIoTや車載、情報通信などの分野において、グローバルでの新規顧客の開拓、工業用途向けニッケル水素電池やリチウム電池、積層パワーインダクタの供給数量拡大に努めました。また、前連結会計年度に開発した全固体リチウムイオン電池用正極材料の特性向上に加え、早期の製品サンプル出荷に向けた実用化技術の開発を推し進めました。コンシューマ市場向けでは、北米のアルカリ乾電池とニッケル水素電池の店頭における販売が伸びない状況のなか、インターネット販売用途向けの供給数量拡大に努めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業の売上高はリチウム電池や蓄電システムが堅調に推移したものの、アルカリ乾電池とニッケル水素電池が減少しました。また、電子事業の売上高はDC-DCパワーモジュールやセラミックス部品、液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどが減少しましたが、積層パワーインダクタやコイルデバイスなどが堅調に推移しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ5億52百万円(△0.7%)減の731億29百万円となりました。
損益面につきましては、電池事業はアルカリ乾電池とニッケル水素電池の売上減、原材料価格高騰の影響があったものの、リチウム電池や蓄電システムの売上増とコストダウンにより、前連結会計年度と同水準の利益を確保しました。また、電子事業はDC-DCパワーモジュールやセラミックス部品、液晶ディスプレイ用信号処理モジュールの売上が落ち込みましたが、積層パワーインダクタ、スイッチング電源、コイルデバイスなどの売上増や前連結会計年度に実施した固定資産の減損処理による固定費減少の影響により、損失幅が縮小しました。技術VEやコストダウンのみならず、全社であらゆる費用の削減に取り組んだ結果、営業利益は前連結会計年度に比べ9億97百万円増と回復し、6億66百万円(前連結会計年度は3億30百万円の営業損失)となりました。
経常利益は営業外費用として為替差損4億34百万円などを計上したものの78百万円(前連結会計年度は6億97百万円の経常損失)と、黒字転換しました。親会社株主に帰属する当期純損失は電池事業のアルカリ乾電池と電子事業にかかわる固定資産の減損損失5億27百万円を計上しましたが、6億30百万円(前連結会計年度は31億66百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と、損失幅が縮小しました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
アルカリ乾電池は、インターネット販売用途向けが堅調に推移したものの、欧米のOEM販売用途向けが落ち込み、前連結会計年度を下回りました。ニッケル水素電池は、非常用照明バックアップ用途などの工業用途向けが堅調に推移しましたが、海外の市販用途が減少し、前連結会計年度を下回りました。蓄電システムは、サーバ・エレベータ・通信機器などのバックアップ用途向けが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。リチウム電池は、国内の次世代スマートメータ・住警器用途向けが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。設備関連ビジネスは、自動車用部品組立設備が堅調に推移しました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ8億71百万円減少の485億36百万円、セグメント利益は26百万円増加の18億14百万円となりました。
電子事業
コイルデバイスは、車載・LED照明・各種製造設備用途向けが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。積層パワーインダクタは、スマートフォン用途向けや産業機器用集積回路用途向けが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。セラミックス部品は、デジタルカメラ市場の低迷により、前連結会計年度を下回りました。DC-DCパワーモジュールは、ネットワーク機器用途向けが落ち込んだことにより、前連結会計年度を下回りました。液晶ディスプレイ用信号処理モジュールは、タブレット用途向けや中・大型液晶用途向けが落ち込んだことにより、前連結会計年度を下回りました。スイッチング電源は、半導体関連装置用途向けなどが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ3億19百万円増加の245億92百万円、セグメント損失は11億47百万円(前連結会計年度は21億18百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ19億21百万円(3.9%)増の510億54百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ18億47百万円(5.9%)増の333億23百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ73百万円(0.4%)増の177億30百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が18億88百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ22億67百万円(5.1%)増の467億60百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ35億86百万円(9.7%)増の405億64百万円、固定負債は前連結会計年度に比べ13億19百万円(△17.6%)減の61億96百万円となりました。流動負債増加の主な要因は、短期借入金が24億85百万円、支払手形及び買掛金が13億78百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、長期未払金が6億円、退職給付に係る負債が4億44百万円それぞれ減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、前連結会計年度に比べ21億82百万円増の204億77百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ3億45百万円(7.4%)減の42億93百万円となりました。純資産減少の主な要因は、退職給付に係る調整累計額が5億16百万円増加しましたが、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得等により非支配株主持分が7億12百万円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が6億30百万円それぞれ減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の減少はありましたが、減価償却費の計上や仕入債務の増加などにより5億67百万円の資金増加(前連結会計年度は3億27百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより19億59百万円の資金減少(前連結会計年度は32億52百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス・リース債務の返済や連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出などがありましたが、短期借入金の増加などにより15億59百万円の資金増加(前連結会計年度は7億33百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より1億81百万円増加し、37億20百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
電池事業47,562△1.7
電子事業24,6813.5
合計72,2440.0

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
電池事業48,293△6.46,681△3.6
電子事業25,0473.43,59914.8
合計73,341△3.210,2802.1

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
電池事業48,536△1.8
電子事業24,5921.3
合計73,129△0.7

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結売上高は、731億29百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。電池事業のリチウム電池や蓄電システム、電子事業の積層パワーインダクタやコイルデバイスなどの売上増があったものの、電池事業のアルカリ乾電池やニッケル水素電池、電子事業のDC-DCパワーモジュールやセラミックス部品、液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどの売上減により、売上高は前連結会計年度を若干下回りました。連結営業利益は、電池事業が売上増とコストダウンにより前連結会計年度と同水準の利益を確保し、電子事業は売上増や前連結会計年度に実施した固定資産の減損処理による固定費減少の効果で損失幅が縮小し、営業利益は前連結会計年度に比べ9億97百万円改善の6億66百万円(前連結会計年度は3億30百万円の営業損失)となりました。
当社グループは営業利益率を経営の主指標としております。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。当連結会計年度における営業利益率は0.9%であり、これは著しく低い水準であり、向上のための有効な施策が必要であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウム、レアアース類は需給バランスや投機的要因などにより価格が大きく変動するため、材料費に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の47.2%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算とのかい離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に当社グループ事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新、能力増強を主とした設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高は前連結会計年度から微減しており、営業利益率は3.7%にとどまっております。売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、マーケティング、営業力の強化に努めております。コンシューマ向けアルカリ電池、ニッケル水素電池はコモディティ化が進んでいるため、品質、特性面での差別化、商品力の強化をすすめ、売上拡大と利益率の維持・向上を図っております。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフトなどの技術VEを強化し、対応力の強化に努めております。
さらに、為替変動のリスクに関しては、当社のグローバルな生産体制を活かした最適地生産、外貨建て材料購入の活用強化などにより対処を図っております。
電子事業
電子事業の売上高は低迷が続いており、営業損失の状態が継続しております。
電子事業に関しては、市場の変化への対応が遅れ、また当社が優位性を持つ事業・製品が減少していると認識しております。電源バックアップ用途、エネルギー使用効率改善用途など当社電池製品とのシナジー効果が創出できるような事業、製品への選択と集中の加速を図っております。

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