有価証券報告書-第90期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 15:38
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、国内においては企業収益や設備投資、雇用環境の改善、国内個人消費も緩やかな回復基調が続いているものの、米中間の貿易摩擦の激化、英国のEU離脱問題、保護貿易政策によるグローバル経済への影響や原材料価格の高騰などを背景として、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは強みである電池技術、回路技術およびパワーエレクトロニクスの技術を結集させたバッテリーソリューションを家電や電源バックアップ、車載アクセサリといった従来の市場と、今後大きな成長が期待されるIoT、モビリティ、社会インフラといった国内外の新たな市場・顧客に向けて拡販に努めました。この結果、将来拡大が見込まれるガスなどのスマートメータの遠隔検針用途向けリチウム電池をはじめとした新規顧客を開拓しました。また、次世代電池として市場から注目されているSMD対応小型全固体電池のサンプル提供を開始し、高容量品開発と並行し同電池の実用化に向けた取り組みを推し進めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業はコンシューマ市場でニッケル水素電池とアルカリ乾電池が堅調に推移したものの、工業用途向けニッケル水素電池やリチウム電池などが減少し、事業全体の売上高が減少しました。電子事業も液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどが増加しましたが、積層パワーインダクタやスイッチング電源などが減少し、事業全体の売上高が減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ10億16百万円(△1.4%)減の721億13百万円となりました。
損益面につきましては、売上減や原材料価格高騰の影響があったものの、技術VEやコストダウン、全社で取り組んだ費用の削減、為替影響により、営業利益は前連結会計年度に比べ1億57百万円増加の8億23百万円となりました。経常利益は連結子会社SUZHOU FDK CO., LTD.の操業停止に伴なう固定資産除売却損や支払利息などを含む営業外費用7億円を計上しましたが、為替差益3億24百万円などを含む営業外収益5億94百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ6億40百万円増加の7億18百万円となりました。
一方で、前述の連結子会社の操業停止に伴ない会社清算に向けた子会社整理損などを特別損失として6億92百万円を計上したことや税金費用見込額が増加したことにより、前連結会計年度に比べ損失幅は減少したものの、2億90百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は6億30百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
電池事業はアルカリ乾電池が増加したものの、ニッケル水素電池とリチウム電池が減少し、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、ニッケル水素電池は、海外の市販用途向けが堅調に推移しましたが、一部の海外のOEM販売用途向けと工業用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。アルカリ乾電池は、消費者の購買スタイルの移り変わりにより実店舗販売で伸長が鈍るなか、インターネット販売向けが伸長し、国内の市販・セットイン用途向けも堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。リチウム電池は、国内外の住警器用途向けの交換需要が延伸したこと、スマートメータ用途向け市場の立ち上がりが遅れたことなどにより、前連結会計年度を下回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ7億73百万円減少の477億63百万円、セグメント利益は2億27百万円増加の20億41百万円となりました。
電子事業
電子事業は液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどが増加したものの、積層パワーインダクタやスイッチング電源などが減少し、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、コイルデバイスは、車載用途向けが堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。積層パワーインダクタは、スマートフォン市場の減速や集積回路用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。セラミックス部品は、デジタルカメラの上位機種用途向けが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。トナーは、市場における在庫調整などの影響により、前連結会計年度を下回りました。液晶ディスプレイ用信号処理モジュールは、各種液晶用途向けが堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。スイッチング電源は、半導体装置用途向けなどは堅調に推移したものの、サーバ用途向けなどが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ2億42百万円減少の243億50百万円となり、セグメント損失は12億17百万円(前連結会計年度は11億47百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ30億90百万円(6.1%)増の541億45百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ37億67百万円(11.3%)増の370億85百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ6億76百万円(△3.8%)減の170億59百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が18億39百万円減少しましたが、現金及び預金が50億13百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ28億95万円(△6.2%)減の438億64百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ26億88百万円(△6.6%)減の378億75百万円、固定負債は前連結会計年度に比べ2億7百万円(△3.3%)減の59億89百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が11億38百万円、短期借入金が10億55百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債が4億16百万円増加しましたが、長期未払金が5億41百万円減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、前連結会計年度に比べ12億62百万円減の192億14百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ59億86百万円(139.4%)増の102億80百万円となりました。純資産増加の主な要因は、新株予約権の行使により資本金および資本剰余金がそれぞれ34億7百万円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の減少はありましたが、減価償却費の計上や売上債権の減少などにより16億2百万円の資金増加(前連結会計年度は5億67百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより18億60百万円の資金減少(前連結会計年度は19億59百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少などがありましたが、新株予約権の行使による株式の発行による収入などにより52億82百万円の資金増加(前連結会計年度は15億59百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より50億13百万円増加し、87億34百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
電池事業47,265△0.6
電子事業24,271△1.7
合計71,536△1.0

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
電池事業48,188△0.27,1086.4
電子事業24,652△1.63,8868.0
合計72,840△0.710,9946.9

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
電池事業47,763△1.6
電子事業24,350△1.0
合計72,113△1.4

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結売上高は、721億13百万円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。電池事業のアルカリ乾電池、電子事業のセラミックス部品や液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどの売上増があったものの、電池事業のニッケル水素電池やリチウム電池、電子事業の積層パワーインダクタやスイッチング電源などの売上減により、売上高は前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、電池事業が技術VEやコストダウン、経費削減により前連結会計年度と同水準の利益を確保し、電子事業は経費削減に努めたものの、売上減の影響が大きく損失が拡大し、営業利益は前連結会計年度に比べ1億57百万円増加の8億23百万円となりました。
当社グループは営業利益率を経営の主指標としております。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント増加したものの、1.1%と著しく低い水準であり、向上のための有効な施策が必要であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウム、レアアース類は需給バランスや投機的要因などにより価格が大きく変動するため、材料費に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の46.5%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算とのかい離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に当社グループ事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新、能力増強を主とした設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高は前連結会計年度から減少しており、営業利益率は4.3%にとどまっております。売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、マーケティング、営業力の強化に努めております。コンシューマ向けアルカリ電池、ニッケル水素電池はコモディティ化が進んでいるため、品質、特性面での差別化、商品力の強化をすすめ、売上拡大と利益率の維持・向上を図っております。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフトなどの技術VEを強化し、対応力の強化に努めております。
さらに、為替変動のリスクに関しては、当社のグローバルな生産体制を活かした最適地生産、外貨建て材料購入の活用強化などにより対処を図っております。
電子事業
電子事業の売上高は低迷が続いており、営業損失の状態が継続しております。
電子事業に関しては、市場の変化への対応が遅れ、また当社が優位性を持つ事業・製品が減少していると認識しております。電源バックアップ用途、エネルギー使用効率改善用途など当社電池製品とのシナジー効果が創出できるような事業、製品への選択と集中の加速を図っております。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況は、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、2019年3月期の経営上の計画として、売上高740億円、営業利益7億円、経常利益2億円、親会社株主に帰属する当期純利益1億円を目指してまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は721億13百万円、営業利益は8億23百万円、経常利益は7億18百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2億90百万円となり、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を下回りましたが、営業利益と経常利益は計画値を上回りました。このようになった主な要因としましては、売上高が想定を下回ったものの、電池事業における技術VEや経費削減に取り組んだことに加え、為替変動の影響により営業利益は上回りました。電子事業において損失幅は縮小したものの、未だ損失を計上しており、さらなる選択と集中を今後進めてまいります。経常利益につきましては、連結子会社の操業停止に伴なう固定資産の除売却損を計上しましたが、為替差益の計上により計画値を大幅に上回りました。当該連結子会社の操業停止に伴なう子会社整理損として特別損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を下回りました。
このような状況のもと当社グループは、2019年度以降を初年度とする新たな中期経営計画を策定中であります。しかしながら、2019年4月26日に公表した当社の電子事業の一部であるフェライト・コイルデバイス・積層パワーインダクタ・セラミックス部品(圧電部品)の事業譲渡の影響により、中長期の計画策定が遅れており、新たな中期経営計画につきましては、経営上の達成目標ならびに指標含めて策定次第、公表させていただきます。
<2019年3月期の計画と結果>
指標2019年3月期計画2019年3月期実績計画比
売上高74,000百万円72,113百万円△1,886百万円
営業利益700百万円823百万円123百万円
経常利益200百万円718百万円518百万円
親会社株主に帰属する当期純利益100百万円△290百万円△390百万円

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