有価証券報告書-第92期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞後、経済活動のレベルが段階的に引き上げられ景気回復の動きも見られましたが、第2・3波や変異株で同感染症の収束は見通せず、景気の先行きの不透明感が強い状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは昨年4月にスタートした中期事業計画「R1」で掲げた目標の達成に向けて、既存ビジネスの質を転換させる取り組みと医療関係や新たな生活様式での関連需要への対応に加え、量産体制構築を進めておりましたSMD対応小型全固体電池の生産を当社湖西工場(静岡県湖西市)において開始いたしました。これらの取り組みに加え、既存事業においては長寿命で電池の交換頻度を減らしたニッケル水素電池の開発や保存期間を10年間に向上させたFUJITSUアルカリ乾電池「Long Life PLUS」の発売、高容量の高出力円筒形リチウム電池の開発と生産能力の増強に努めました。また、新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーンが混乱する状況において、テレワーク・時差通勤などの感染拡大防止策を柔軟に実施しながら製品の製造、お客様への製品供給など事業の継続に努めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業の売上高はニッケル水素電池とアルカリ乾電池、リチウム電池が伸長したことにより、事業全体として増収となりました。電子事業の売上高は前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡による売上減やトナーなどが減少したことにより、事業全体として減収となりました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ5億79百万円(△0.9%)減の615億43百万円となりました。
損益面につきましては、アルカリ乾電池とリチウム電池の売上増、電子事業の選択と集中による損益の改善と前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡ならびに転進支援制度に伴なう固定費の減少により、営業利益は前連結会計年度に比べ9億2百万円増加の17億43百万円となりました。経常利益は為替差損4億38百万円の計上などがありましたが、前連結会計年度に比べ7億8百万円増加の12億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は関係会社株式売却益9億68百万円などの計上により、20億9百万円(前連結会計年度は23億40百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
電池事業はニッケル水素電池とアルカリ乾電池、リチウム電池が増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。
製品別につきましては、ニッケル水素電池は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴なう影響により工業用途向けなどで減少したものの、北米・欧州での市販用途向けインターネット販売や医療機器のバックアップ用途向けが伸長し、前連結会計年度を上回りました。アルカリ乾電池は、北米での市販用途向けインターネット販売が伸長し、前連結会計年度を上回りました。リチウム電池は、国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けが伸長し、前連結会計年度を上回りました。設備関連ビジネスは、米中の貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大の影響で自動車用部品組立設備受注が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ5億14百万円増加の455億80百万円、セグメント利益は85百万円減少の14億29百万円となりました。
電子事業
電子事業は前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡による売上減に加え、市場における在庫調整や受注延伸の影響を受け、トナーなどが減少しました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ10億94百万円減少の159億63百万円、セグメント利益は3億14百万円(前連結会計年度は6億73百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ3億78百万円(0.8%)増の480億64百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ9億81百万円(△2.9%)減の323億44百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ13億60百万円(9.5%)増の157億19百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、受取手形及び売掛金が6億38百万円増加しましたが、現金及び預金が20億61百万円減少したことによるものです。固定資産増加の主な要因は、リチウム電池やSMD対応小型全固体電池への設備投資などにより有形固定資産が13億81百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ37億70百万円(△9.2%)減の371億75百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ23億16百万円(△6.4%)減の337億79百万円、固定負債は前連結会計年度に比べ14億54百万円(△30.0%)減の33億96百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、未払金が15億59百万円増加しましたが、短期借入金が39億円減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債が12億80百万円減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、主に短期借入金の返済により前連結会計年度に比べ40億63百万円減の151億19百万円と直近10年間で最も低い水準になりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ41億48百万円(61.6%)増の108億88百万円となりました。純資産増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が20億9百万円、退職給付に係る調整累計額が12億28百万円、為替換算調整勘定が9億95百万円それぞれ増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加などによる現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の減少はありましたが税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより19億96百万円の資金増加(前連結会計年度は27億99百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式売却による収入などによる資金の増加がありましたが、SMD対応小型全固体電池の量産設備・リチウム電池のライン増設をはじめとする有形固定資産の取得による支出などにより3億73百万円の資金減少(前連結会計年度は23億90百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少などにより40億77百万円の資金減少(前連結会計年度は99百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より20億61百万円減少し、70億1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結売上高は、615億43百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。電池事業のニッケル水素電池、アルカリ乾電池、リチウム電池の売上増があったものの、電子事業で前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡影響やトナーなどの売上減により、売上高は前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、電池事業におけるアルカリ乾電池やリチウム電池の売上増と電子事業における選択と集中による損益の改善と前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡ならびに転進支援制度に伴なう固定費の減少により、前連結会計年度に比べ9億2百万円増加の17億43百万円となりました。
当社グループは営業利益率を経営の主指標としております。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ1.4ポイント増加したものの、2.8%と低い水準であり、更なる向上のための有効な施策が必要であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウム、レアアース類は需給バランスや投機的要因などにより価格が大きく変動するため、材料費に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の45.6%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。この為替変動のリスクに関しては、当社のグローバルな生産体制を活かした最適地生産、外貨建て材料購入の活用強化などにより対処を図っております
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算とのかい離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新、能力増強を主とした設備投資に加え、SMD対応小型全固体電池(SoLiCell®)をはじめとする新電池の研究開発と量産体制構築に向けた設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高は前連結会計年度から増加したものの、営業利益率は3.1%にとどまっております。売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、マーケティング、営業力の強化に努めております。市販用途向けニッケル水素電池、アルカリ乾電池はコモディティ化が進んでいるため、市販用途向けニッケル水素電池については品質、特性面での差別化、商品力の強化をすすめ、売上拡大と利益率の維持・向上を図っており、アルカリ乾電池については海外製造子会社株式を譲渡し、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕など付加価値の高い国内市販向けビジネスでの伸張および原価率を低減させることにより、付加価値向上に取り組んでおります。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフト、リサイクル材などの技術VEとコストダウンを行ない、対応力の強化に努めております。
電子事業
当連結会計年度における電子事業の売上高は前連結会計年度から減少したものの、営業黒字(営業利益率:2.0%)に転換しております。
電子事業については、既存製品は新たなコンセプトを模索し、事業価値の向上が必要であると認識しており、当連結会計年度においては製品モデル毎の選択と集中を継続し、需要が伸張しているモビリティ用途向け・半導体装置用途向け各種モジュールの売上拡大を図っております。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況は、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、当社グループは「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というFDKグループ戦略Framework「10年の計」のVisionとそのあるべき姿の実現に向けて当連結会計年度をスタート年度とする中期事業計画「R1」を策定しております。当連結会計年度の経営上の目標として、売上高590億円、営業利益13億円、経常利益9億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円を目指してまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は615億43百万円、営業利益は17億43百万円、経常利益は12億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20億9百万円となり、いずれも目標値を大きく上回りました。
このようになった主な要因としましては、売上高は電池事業で市販用途向けニッケル水素電池や国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けリチウム電池、電子事業でモビリティ用途向け各種モジュールなどが伸張したことにより、目標値を上回りました。営業利益は電池事業におけるリチウム電池や電子事業における各種モジュールの売上増やコストダウン、費用の削減により、目標値を上回りました。経常利益は、為替差損を計上しましたが、目標値を上回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は関係会社株式売却益を計上したことにより、目標値を上回りました。
<2021年3月期の目標と結果>
なお、前述のとおり当社グループは、10年後のあるべき姿を示したFDKグループ戦略Framework「10年の計」と中期事業計画「R1」を策定し、「R1」の最終年度である2023年3月期に売上高600億円、営業利益率5.1%、「10年の計」の最終年度である2030年3月期に売上高800億円、営業利益率7.5%を経営上の目標として取り組んでおります。
中期事業計画「R1」の2年目となる2022年3月期の経営成績の見通しは、売上高600億円、営業利益19億円、経常利益15億円、親会社株主に帰属する当期純利益16億円を予想しており、「R1」計画を上回る進捗となっております。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の当社の業績等への影響につきましては、売上面において市販ビジネスで商談ができなかったことや設備関連ビジネスなどの売上減があった一方で、在宅勤務普及増に伴なうパソコン関連部品やインターネット販売用途向け、医療系部品の売上が増加したこと、損益面でも経費が減少したことで、当社の業績への影響は軽微でありました。
世界各国で同感染症に有効なワクチン接種が始まっておりますが、今後も同感染症の再拡大や当社グループ従業員の感染または感染者との濃厚接触による生産、供給への影響懸念が払しょくできず収束時期が見えない状況であり、感染拡大防止策を柔軟に実施しながらこれらの影響を抑制してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞後、経済活動のレベルが段階的に引き上げられ景気回復の動きも見られましたが、第2・3波や変異株で同感染症の収束は見通せず、景気の先行きの不透明感が強い状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは昨年4月にスタートした中期事業計画「R1」で掲げた目標の達成に向けて、既存ビジネスの質を転換させる取り組みと医療関係や新たな生活様式での関連需要への対応に加え、量産体制構築を進めておりましたSMD対応小型全固体電池の生産を当社湖西工場(静岡県湖西市)において開始いたしました。これらの取り組みに加え、既存事業においては長寿命で電池の交換頻度を減らしたニッケル水素電池の開発や保存期間を10年間に向上させたFUJITSUアルカリ乾電池「Long Life PLUS」の発売、高容量の高出力円筒形リチウム電池の開発と生産能力の増強に努めました。また、新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーンが混乱する状況において、テレワーク・時差通勤などの感染拡大防止策を柔軟に実施しながら製品の製造、お客様への製品供給など事業の継続に努めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業の売上高はニッケル水素電池とアルカリ乾電池、リチウム電池が伸長したことにより、事業全体として増収となりました。電子事業の売上高は前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡による売上減やトナーなどが減少したことにより、事業全体として減収となりました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ5億79百万円(△0.9%)減の615億43百万円となりました。
損益面につきましては、アルカリ乾電池とリチウム電池の売上増、電子事業の選択と集中による損益の改善と前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡ならびに転進支援制度に伴なう固定費の減少により、営業利益は前連結会計年度に比べ9億2百万円増加の17億43百万円となりました。経常利益は為替差損4億38百万円の計上などがありましたが、前連結会計年度に比べ7億8百万円増加の12億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は関係会社株式売却益9億68百万円などの計上により、20億9百万円(前連結会計年度は23億40百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
電池事業はニッケル水素電池とアルカリ乾電池、リチウム電池が増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。
製品別につきましては、ニッケル水素電池は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴なう影響により工業用途向けなどで減少したものの、北米・欧州での市販用途向けインターネット販売や医療機器のバックアップ用途向けが伸長し、前連結会計年度を上回りました。アルカリ乾電池は、北米での市販用途向けインターネット販売が伸長し、前連結会計年度を上回りました。リチウム電池は、国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けが伸長し、前連結会計年度を上回りました。設備関連ビジネスは、米中の貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大の影響で自動車用部品組立設備受注が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ5億14百万円増加の455億80百万円、セグメント利益は85百万円減少の14億29百万円となりました。
電子事業
電子事業は前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡による売上減に加え、市場における在庫調整や受注延伸の影響を受け、トナーなどが減少しました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ10億94百万円減少の159億63百万円、セグメント利益は3億14百万円(前連結会計年度は6億73百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ3億78百万円(0.8%)増の480億64百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ9億81百万円(△2.9%)減の323億44百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ13億60百万円(9.5%)増の157億19百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、受取手形及び売掛金が6億38百万円増加しましたが、現金及び預金が20億61百万円減少したことによるものです。固定資産増加の主な要因は、リチウム電池やSMD対応小型全固体電池への設備投資などにより有形固定資産が13億81百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ37億70百万円(△9.2%)減の371億75百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ23億16百万円(△6.4%)減の337億79百万円、固定負債は前連結会計年度に比べ14億54百万円(△30.0%)減の33億96百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、未払金が15億59百万円増加しましたが、短期借入金が39億円減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債が12億80百万円減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、主に短期借入金の返済により前連結会計年度に比べ40億63百万円減の151億19百万円と直近10年間で最も低い水準になりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ41億48百万円(61.6%)増の108億88百万円となりました。純資産増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が20億9百万円、退職給付に係る調整累計額が12億28百万円、為替換算調整勘定が9億95百万円それぞれ増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加などによる現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の減少はありましたが税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより19億96百万円の資金増加(前連結会計年度は27億99百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式売却による収入などによる資金の増加がありましたが、SMD対応小型全固体電池の量産設備・リチウム電池のライン増設をはじめとする有形固定資産の取得による支出などにより3億73百万円の資金減少(前連結会計年度は23億90百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少などにより40億77百万円の資金減少(前連結会計年度は99百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より20億61百万円減少し、70億1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電池事業 | 42,604 | △3.7 |
| 電子事業 | 16,139 | 1.5 |
| 合計 | 58,744 | △2.3 |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電池事業 | 48,700 | 11.4 | 8,894 | 54.3 |
| 電子事業 | 17,529 | 8.4 | 4,574 | 53.9 |
| 合計 | 66,230 | 10.6 | 13,469 | 54.1 |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電池事業 | 45,580 | 1.1 |
| 電子事業 | 15,963 | △6.4 |
| 合計 | 61,543 | △0.9 |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結売上高は、615億43百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。電池事業のニッケル水素電池、アルカリ乾電池、リチウム電池の売上増があったものの、電子事業で前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡影響やトナーなどの売上減により、売上高は前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、電池事業におけるアルカリ乾電池やリチウム電池の売上増と電子事業における選択と集中による損益の改善と前連結会計年度に実施した一部事業の譲渡ならびに転進支援制度に伴なう固定費の減少により、前連結会計年度に比べ9億2百万円増加の17億43百万円となりました。
当社グループは営業利益率を経営の主指標としております。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ1.4ポイント増加したものの、2.8%と低い水準であり、更なる向上のための有効な施策が必要であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウム、レアアース類は需給バランスや投機的要因などにより価格が大きく変動するため、材料費に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の45.6%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。この為替変動のリスクに関しては、当社のグローバルな生産体制を活かした最適地生産、外貨建て材料購入の活用強化などにより対処を図っております
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算とのかい離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新、能力増強を主とした設備投資に加え、SMD対応小型全固体電池(SoLiCell®)をはじめとする新電池の研究開発と量産体制構築に向けた設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高は前連結会計年度から増加したものの、営業利益率は3.1%にとどまっております。売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、マーケティング、営業力の強化に努めております。市販用途向けニッケル水素電池、アルカリ乾電池はコモディティ化が進んでいるため、市販用途向けニッケル水素電池については品質、特性面での差別化、商品力の強化をすすめ、売上拡大と利益率の維持・向上を図っており、アルカリ乾電池については海外製造子会社株式を譲渡し、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕など付加価値の高い国内市販向けビジネスでの伸張および原価率を低減させることにより、付加価値向上に取り組んでおります。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフト、リサイクル材などの技術VEとコストダウンを行ない、対応力の強化に努めております。
電子事業
当連結会計年度における電子事業の売上高は前連結会計年度から減少したものの、営業黒字(営業利益率:2.0%)に転換しております。
電子事業については、既存製品は新たなコンセプトを模索し、事業価値の向上が必要であると認識しており、当連結会計年度においては製品モデル毎の選択と集中を継続し、需要が伸張しているモビリティ用途向け・半導体装置用途向け各種モジュールの売上拡大を図っております。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況は、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、当社グループは「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というFDKグループ戦略Framework「10年の計」のVisionとそのあるべき姿の実現に向けて当連結会計年度をスタート年度とする中期事業計画「R1」を策定しております。当連結会計年度の経営上の目標として、売上高590億円、営業利益13億円、経常利益9億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円を目指してまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は615億43百万円、営業利益は17億43百万円、経常利益は12億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20億9百万円となり、いずれも目標値を大きく上回りました。
このようになった主な要因としましては、売上高は電池事業で市販用途向けニッケル水素電池や国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けリチウム電池、電子事業でモビリティ用途向け各種モジュールなどが伸張したことにより、目標値を上回りました。営業利益は電池事業におけるリチウム電池や電子事業における各種モジュールの売上増やコストダウン、費用の削減により、目標値を上回りました。経常利益は、為替差損を計上しましたが、目標値を上回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は関係会社株式売却益を計上したことにより、目標値を上回りました。
<2021年3月期の目標と結果>
| 指標 | 2021年3月期目標 | 2021年3月期実績 | 目標比 |
| 売上高 | 59,000百万円 | 61,543百万円 | 2,543百万円 |
| 営業利益 | 1,300百万円 | 1,743百万円 | 443百万円 |
| 経常利益 | 900百万円 | 1,274百万円 | 374百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,500百万円 | 2,009百万円 | 509百万円 |
なお、前述のとおり当社グループは、10年後のあるべき姿を示したFDKグループ戦略Framework「10年の計」と中期事業計画「R1」を策定し、「R1」の最終年度である2023年3月期に売上高600億円、営業利益率5.1%、「10年の計」の最終年度である2030年3月期に売上高800億円、営業利益率7.5%を経営上の目標として取り組んでおります。
中期事業計画「R1」の2年目となる2022年3月期の経営成績の見通しは、売上高600億円、営業利益19億円、経常利益15億円、親会社株主に帰属する当期純利益16億円を予想しており、「R1」計画を上回る進捗となっております。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の当社の業績等への影響につきましては、売上面において市販ビジネスで商談ができなかったことや設備関連ビジネスなどの売上減があった一方で、在宅勤務普及増に伴なうパソコン関連部品やインターネット販売用途向け、医療系部品の売上が増加したこと、損益面でも経費が減少したことで、当社の業績への影響は軽微でありました。
世界各国で同感染症に有効なワクチン接種が始まっておりますが、今後も同感染症の再拡大や当社グループ従業員の感染または感染者との濃厚接触による生産、供給への影響懸念が払しょくできず収束時期が見えない状況であり、感染拡大防止策を柔軟に実施しながらこれらの影響を抑制してまいります。