有価証券報告書-第68期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:50
【資料】
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【項目】
130項目

対処すべき課題


当社グループは、平成25年度から平成27年度を対象とする中期経営計画「Dynamic Vision」を策定し、前中期経営計画「CHALLENGE 5」の「経営構造改革」の成果を基に、世界No.1のハイエンド理科学・計測機器と最適ソリューションをグローバルに提供し続けることにより、更なる収益率の向上および財務体質の強化を図っております。中期経営計画「Dynamic Vision」では重点戦略として、3つのUP、「製品開発力UP」、「ものづくり力UP」、「ブランド力UP」を据え、また、コーポレートメッセージとして、「Solutions for Innovation」を掲げ、多様化したニーズに応えることのできる真のOnly One Companyとして、成長戦略をDynamicに推し進めてまいります。
① 製品開発力UP
当社グループは、原子分解能分析透過電子顕微鏡JEM-ARM300F、ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡JSM-7800F Prime、走査電子顕微鏡JSM-IT300、卓上走査電子顕微鏡NeoScopeTM JCM-6000、最新デジタル技術と高周波技術を駆使して開発された核磁気共鳴装置JNM-ECZシリーズ、世界で初めて液体ヘリウムの補充を必要としないゼロボイルオフ超伝導マグネットを用いた核磁気共鳴装置、医用機器では検査の迅速性と信頼性に貢献する生化学自動分析装置BioMajestyシリーズ等、特徴のある競争力の高いハイエンド装置を数多く投入しており、市場から高い評価を頂いております。今後もこの流れを加速させグローバル市場で戦える優れた製品を継続的に投入していきます。
② ものづくり力UP
コア技術部品の内製化および当社独自の擦り合わせ技術の強化を図り、ものづくり力を高めていきます。さらに、開発・設計部門と資材・調達部門が連携した活動を展開して、高品質と低コストを実現する生産体制を構築していきます。また、部材調達のユニット化を進め、間接コストおよび物流費を削減していきます。
③ ブランド力UP
以下の施策を展開しJEOLブランドの更なる向上に取り組みます。
ⅰ. 製品ブランド力の強化:
全ての事業で特徴のあるOnly One製品を投入していくことにより、市場におけるJEOLブランドをさらに高めていきます。また、分解能やスループット等の性能面での差別化に留まらず、操作性・デザイン等、感覚的・情緒的価値を付加した製品を数多く提供していきます。
ⅱ. ソリューションビジネスの強化:
世界№1のハイエンド理科学・計測機器のラインアップを持つ強みを活かし、装置間のリンケージをさらに強化し、あらゆる研究・検査課題に対して最適なソリューション(装置、保守、消耗品・周辺機器、設置環境、受託分析、コンサルテーション、講習等)を提供する企業としてJEOLブランドの更なる向上を図ります。
ⅲ. 新興国市場の更なる深耕:
成長著しい新興国市場へ経営資源を更に積極的に投入していきます。特にサービスサポート体制の強化を図り新興国市場でのプレゼンス向上を精力的に推し進めていきます。
当社グループは、引き続き、事業構造の変革と安定した収益構造の構築に努めるとともに、グループ一体となって環境保全に取組み、また、コンプライアンスの強化を図り、企業倫理を徹底し、良き企業風土を醸成して、持続的成長のための経営基盤の強化に努めてまいります。
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的として、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3項に掲げる事項)は次のとおりです。
Ⅰ 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、大規模な買付行為またはこれに関する提案につきましては、当社株主の皆様が、当該買付者の事業内容、事業計画、過去の投資行動等から、当該買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を慎重に判断する機会がなければ、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を毀損する結果となる可能性があります。
当社は、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価の妥当性について株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、買付者および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠であると考えます。
このような基本的な考え方に立ち、当社としましては、株主の皆様が適切に判断できるよう、当社が事前に設定する一定のルール(以下「大規模買付ルール」または「本ルール」といいます。)に従って、大規模買付行為を行う買付者が買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、当社取締役会における一定の評価期間が確保されていることが必要であると考えております。
また、当該大規模買付行為が明らかに濫用目的によるものと認められ当社株主全体の利益を著しく損なうと判断されるときは、当社取締役会が大規模買付ルールに従って適切と考える措置をとることも必要であると考えております。
Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、「創造と開発」を基本とし、常に世界最高の技術に挑戦し、製品を通じて科学の進歩と社会の発展に貢献することを経営理念としております。創立以来の歴史の中で蓄積してきた要素技術・ノウハウ・グローバルネットワークを活かし、世界№1の装置を提供する「分析・計測の世界において欠かせない企業」、さらには独自のソリューションと付加価値を提供するOnly One Companyとなることを目指しております。
中期経営計画「Dynamic Vision」(平成25年度~平成27年度)では、「CHALLENGE 5」の「経営構造改革」の成果を基に、世界№1のハイエンド理科学・計測機器と最適ソリューションをグローバルに提供し続けることにより、更なる収益率の向上および財務体質の強化を図ってまいります。重点戦略として3つのUP、「製品開発力UP」、「ものづくり力UP」、「ブランド力UP」を据え、また、新たなコーポレートメッセージとして「Solutions for Innovation」を掲げ、多様化したニーズに応えることのできる真のOnly One Companyとして、成長戦略をDynamicに推し進めていきます。
また、当社では、経営環境の変化に迅速に対応するため、経営のスリム化を図るべく、平成18年6月の定時株主総会において、取締役の人数(定款上の定員の上限)を絞るとともに、経営の意思決定の迅速化、業務執行の効率化を図るため、「執行役員制度」を導入しています。さらに、法令遵守の徹底を図るため、業務監理室を設置するとともに、企業の社会的責任を重視して、社長を委員長とし、社外弁護士も参加するCSR委員会を設置し、コーポレートガバナンス体制の強化に取組んでおります。
Ⅲ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成25年6月27日開催の第66回定時株主総会において、当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)(以下「本対応方針」といいます。)の継続をご承認いただきました。
本対応方針は、大規模買付行為に際して、株主の皆様が大規模買付者の提案に対して適切に判断できるよう、当社が事前に設定する大規模買付ルールに従って、大規模買付者が大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、かつ、当社取締役会における一定の評価期間の経過後に当該買付行為を開始するというものです。
大規模買付者が本ルールを遵守した場合には、取締役会は、当該買付提案についての評価意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様の判断に必要な情報を提供することとし、大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案および取締役会が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等を考慮の上、判断していただくことになります。原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
しかしながら、例外的に、当該買付行為が明らかに濫用目的によるものと認められ、その結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、取締役会は、外部専門家等の助言を得ながら、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、株主の皆様の利益を守るために、適切と考える方策を取ることがあります。
一方、大規模買付者により、本ルールが遵守されなかった場合には、取締役会は、当社および株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律および当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。対抗措置の発動については、外部専門家等の意見も参考にし、また独立委員会の勧告を最大限尊重し、取締役会が決定します。
具体的な対抗措置については、取締役会がその時点で最適と判断したものを選択することとします。株主への割当てまたは無償割当てにより新株予約権を発行する場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間および行使条件を設けることがあります。
Ⅳ 本対応方針が会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
本対応方針は、大規模買付を行う場合の一定のルールを明確にするものであり、本対応方針導入の必要性、独立委員会の設置、大規模買付ルールの内容、大規模買付行為が為された場合の対応方針、株主・投資家の皆様に与える影響等を規定しています。
本対応方針は、大規模買付者が大規模買付行為を行う際には必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後にのみ買付行為を開始できることとしています。さらに、大規模買付者がこれを遵守しない場合、または、大規模買付行為が当社株主共同の利益を著しく損なうものである場合には、大規模買付者に対して取締役会は株主共同の利益を守るために適切な対抗措置を講じることがあることを明記しています。
また、本対応方針そのものの導入・継続については、株主の皆様の承認をえることとしております。本対応方針の有効期限は3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとし、以後も同様とします。
なお、本対応方針は取締役会が対抗措置を発動する場合について事前かつ明確に開示しており、取締役会による対抗措置の発動は本対応方針の規定に則って実施されます。
また、取締役会が大規模買付行為について評価・検討を行う際や代替案を提示し、または対抗措置を発動する際には、外部専門家等の意見も参考にし、当社経営陣から独立した委員で構成される独立委員会に諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。
このような観点から、本対応方針が基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないと考えております。