有価証券報告書-第108期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 13:29
【資料】
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【項目】
104項目

対処すべき課題


(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、人の暮らしと住まい作りに役立つ工具(充電式を中心とした電動工具・園芸用機器、エア工具など)のグローバルサプライヤーとして業界において確固たる地位を確保することを目指しております。これを実現するための経営姿勢/品質方針として「社会と共に生きる経営」、「お客さまを大切にする経営」、「堅実かつ積極的な経営」、「質実剛健の社風を大切にし、一人一人の能力を活かす経営」を掲げ、健全な収益体制により株主、ユーザー、地域社会、従業員などと共に永続的発展を図ることを経営方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、連結経営の持続的な発展を達成し高収益体制を確立することにより企業価値を向上させることができると考えております。具体的な数値目標としましては、連結売上収益営業利益率10%以上を安定的に維持することを掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
バッテリ充放電技術とモータ技術を基盤としたプロユーザー満足度の高い新製品開発と豊富な製品ラインアップ、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内及び海外各地域における業界No.1の販売・アフターサービス体制が当社グループの強みです。これらを維持・強化することにより、他社の追随を許さない高いブランド力を構築し「Strong Company」の実現、すなわち世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、園芸用機器、エア工具など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
この経営戦略を実行するために、為替リスクやカントリーリスクをはじめ予期せぬ経営環境の変化に耐えうる強固な財務体質を維持すると共に、プロ用工具分野を中心に経営資源を集中しております。
(4)会社の対処すべき課題と対応
新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、世界経済の先行きの不透明な状況が続く一方で、頻発する自然災害や地球温暖化などの環境問題、人手不足といった社会課題の解決に貢献する、作業効率が高く、かつ人と地球環境に優しい工具に対する需要は先進国・新興国を問わず益々高まっていくものと思われます。
こうした経営環境を前提に、当社グループは、
・ 市場のコードレス化をリードするため、バッテリの充放電技術とモータ技術を中心とした研究開発力・製品開発力を高める。
・ 充電式の園芸用機器を電動工具に次ぐ将来の事業の柱と位置付け、新製品の開発及び拡販を強化する。
・ グローバルな生産体制をさらに充実させるとともに、生産・調達・物流機能の強化・効率化を図る。
・ 世界の各地域と顧客に密着するきめ細かな営業、アフターサービス体制の構築をさらに進め、マキタブランドの向上に努める。
などの施策を推し進めることにより、人の暮らしと住まい作りに役立つ工具のグローバルサプライヤーとして持続可能な社会の実現に貢献し、業界での確固たる地位の確保に努めてまいります。
(新型コロナウイルス感染症について)
新型コロナウイルス感染症について、海外売上比率の高い当社グループにおいては世界的な感染拡大による経済活動の停滞が工具需要の減退につながるとともに、外出規制をはじめとした各国の規制等により販売活動に制限が生じる可能性があります。
また、当連結会計年度においては、各国の規制等により一部工場で生産の縮小や操業停止などの措置を取りました。再度感染が拡大した際には、サプライヤーにおける生産の縮小や操業停止などを含め、当社グループの生産活動に影響が生じる可能性があります。
こうした先行きが不透明な状況は続くものの、当社グループは強固な財務体質を背景に、将来の成長に向けて上述の施策を含め積極的に投資を続けてまいります。また、従業員の安全確保に向けた取組み等新型コロナウイルス感染症に適応した事業活動も併せて行ってまいります。