有価証券報告書-第70期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 14:25
【資料】
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1)業績
当期における世界経済は、英国のEU離脱問題や米国の新政権の動向等、不透明感が増す中、米国経済におきましては、堅調な個人消費に支えられ景気は回復基調で推移致しました。また、欧州経済では緩やかな持ち直しの動きが見られ、中国では景気は、他の主要国に比べれば高い成長率を維持しているものの、減速傾向が続きました。一方、国内経済におきましては、雇用情勢の改善等を背景に景気は底堅く推移致しました。
当社グループを取り巻く市場環境につきましては、パソコン市場向け需要が低調に推移したものの、自動車の電動化・電子化の進展等により自動車関連市場が好調であったほか、ゲーム機市場及びエアコン市場向けの需要は堅調に推移致しました。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、第7次中期経営計画の最終年度として、企業改革のための諸施策を実行してまいりました。具体的には平成28年4月1日付の機構改革で導入した「事業統括体制」により、当社グループの事業を製品事業統括と材料事業統括に分類致しました。更に製品事業統括については、大形アルミ電解コンデンサ、チップ形アルミ電解コンデンサ、小形アルミ電解コンデンサ等の5つの製品群に分類し、これらの製品群ごとに執行役員を配置するなど、その責任の明確化を図ると共に、経営の効率化を進めてまいりました。
一方、製品開発等におきましては、売上の伸長が見込める戦略市場をターゲットとした新製品の開発に努めてまいりました。具体的には、電気自動車やプラグインハイブリッド車の車載充電器向けに、従来品に比べ耐振動性能を向上させた基板自立形アルミ電解コンデンサ「KVSシリーズ」及び「LVSシリーズ」を開発したほか、工作機械や産業用ロボット等の産業機器に向けましては、業界最高レベルの耐電圧を実現した「RHBシリーズ」の量産を開始するなど、各用途への最適化を進めた新製品を市場へ投入致しました。
また、当社は「環境と人にやさしい技術への貢献」という企業理念に基づき、各事業所を中心として、CO2や排水の削減等による生物多様性への配慮や環境負荷の少ない製品の開発、設計、販売の推進等の環境管理活動を継続的に行っております。このような継続的な活動の結果、平成29年1月23日に発表された日本経済新聞社実施の「第20回環境経営度調査」において、電子部品メーカーの中では最上位クラスの61位(前回順位:72位)を獲得致しました。
これらの結果、当期の連結業績につきましては、売上高は1,163億11百万円(前期比1.8%減)となり、営業利益は33億38百万円(前期比53.2%増)、経常利益は20億2百万円(前期比71.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は8億40百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失69億5百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(コンデンサ)
生活家電・車載関連向けの需要が増加しましたが、円高の影響により減収となり、売上高は1,115億75百万円(前期比1.7%減)となりました。セグメント利益は、生産拠点の操業度向上やコストダウンによる効果等から32億41百万円(前期比40.6%増)となりました。
(その他)
CMOSカメラモジュールは増加しましたが、アモルファスチョークコイル、リセール品の減少などにより、売上高は47億36百万円(前期比3.5%減)、セグメント利益は96百万円(前期セグメント損失1億26百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ21億96百万円増加し、284億42百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、64億43百万円の収入となりました。
主な収入は税金等調整前当期純利益19億50百万円、減価償却費67億15百万円であり、主な支出は売上債権の増加26億51百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、43億34百万円の支出となりました。
主な支出は有形固定資産の取得による支出40億62百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7億10百万円の収入となりました。
主な収支は借入金による収入13億55百万円によるものであります。