有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/18 16:00
【資料】
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【項目】
115項目
(1)業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があり、感染症が国内外経済に与える影響は依然として不透明な状況です。
このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうち高級オーディオ機器事業は、次世代アンプの要素技術の確立と新規カテゴリーへの挑戦でラインナップを拡充し、海外市場を伸ばす事で堅実な成長路線を目指してまいりました。一般オーディオ機器事業は、中高級機のReferenceシリーズ強化と、特色のあるアナログ製品は、すべてのカテゴリーにおいて新製品が競合に比べ常に個性的な価値を持つ事で、収益向上とブランド・イメージの回復を引き続き目指してまいりました。音楽制作・業務用オーディオ機器事業では、世界各国で連携したデジタルマーケティングの強化及び多数の戦略的新製品の投入により製品ラインナップを更に拡充いたしました。情報機器事業においては、IoTやAIなどの市場の先端技術への取り組みを行う事により、新しい市場への開拓を進めてまいりました。
当連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により売上収益は減少しましたが、固定費削減効果による本業を表わす個別開示項目前営業利益の増益に加え、確定給付企業年金制度の改定に伴う利益及び確定拠出年金制度への移行による損益、減損損失による個別開示項目の影響により、前期と比較して改善しました。
この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は14,589百万円(前期比1.1%減)、営業利益は508百万円(前期比77.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益301百万円(前年同期当期利益27百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
1) 音響機器事業
音響機器事業の売上収益は10,067百万円(前期比7.4%増)となり、セグメント営業利益は1,226百万円(前期比41.3%増)となりました。
高級オーディオ機器(ESOTERICブランド)は、新型コロナウイルス感染症拡大の初期において国内外で販売店の一時閉鎖や都市のロックダウンが影響し一時的に売上は減少しましたが、その後、中国市場を筆頭に海外市場において受注が急激に拡大しました。また新製品を投入したアンプカテゴリーや、音楽配信サービスに対応したネットワークプレーヤーカテゴリー等が順調に推移いたしました結果、全体では増収増益となりました。
一般オーディオ機器(TEACブランド)も、新型コロナウイルス感染症拡大の初期においては、一時的に売上は減少しましたが、その後は日本市場や欧州市場を中心として主にEC販路で巣ごもり需要やテレワーク需要を背景とした販売が好調に推移し、全体としては増収増益となりました。
音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoC事業において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による巣ごもり需要が継続しました。従来の音楽制作に加え、動画制作やオンラインミーティングなどの音声収録需要が拡大した結果、BtoC販売は年間を通じて好調に推移しました。BtoB事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の中、公共工事案件における一定需要は確保されましたが、民間案件の設備投資は引き続き先送りになるなど、業務用レコーダー・プレーヤーの販売は低調に推移しました。しかしながら、BtoC製品の販売が売上を大幅にけん引した事により、音楽制作・業務用オーディオ機器全体としては増収増益となりました。
2) 情報機器事業
情報機器事業の売上収益は3,977百万円(前期比16.3%減)となり、セグメント営業利益は123百万円(前期比72.9%減)となりました。
航空機搭載記録再生機器は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内外の顧客への出荷が低調に推移したことから減収減益となりました。計測機器は、データレコーダーではターゲット市場である鉄道、自動車、重工業分野で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続き予算の凍結や投資延期のため減収となりました。一方センサー関連においては半導体製造装置メーカー及びその他装置メーカーへの販売が好調に推移し増収となりましたが、計測機器全体としては減収となりました。医用画像記録再生機器は、国内消化器内視鏡向けレコーダーはクリニック向けの販売は堅調に推移しました。手術画像用レコーダーは海外ではアジア、特に中国向け出荷が好調、欧州は堅調でしたが、米国での出荷が伸びず低調に推移しました。国内では手術画像管理システムとのソリューション提案など新たな取り組みによる市場開拓が進んだものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により販売減となり、医用画像記録再生機器全体では前年同期比で減収となりました。ソリューションビジネスは、受託開発案件が低調に推移したことから、減収となりました。一部海外販売子会社で継続している産業用光ディスクドライブは、需要減により減収となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
音響機器事業2,9895.2
情報機器事業1,1181.8
その他570△3.5
合計4,6783.2

(注)1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
音響機器事業10,0677.4
情報機器事業3,977△16.3
その他544△12.3
合計14,589△1.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
1) 財政状態の分析
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は9,651百万円と前連結会計年度末と比較して111百万円増加しました。主な増減は、現金及び現金同等物の増加391百万円、棚卸資産の増加373百万円、営業債権及びその他の債権の減少374百万円、有形固定資産の減少289百万円であります。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、7,807百万円と前連結会計年度末と比較して316百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の増加567百万円、企業年金制度変更に伴う退職一時金制度移換による長期未払金の増加1,149百万円、退職給付に係る負債の減少1,974百万円であります。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、1,844百万円と前連結会計年度末と比較して427百万円増加しました。主な増減は、為替の円安に伴う在外営業活動体の換算差額の増加によるその他の資本の構成要素の増加114百万円、退職給付の再測定から発生した利益剰余金の増加127百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益301百万円の計上であります。
2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して391百万円増加し、1,869百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、866百万円のプラス(前期158百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費の増加552百万円、長期未払金の増加1,149百万円、マイナス要因として、退職給付に係る負債の減少1,846百万円であります。
(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、164百万円のマイナス(前期118百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、有形固定資産及び無形資産の売却による収入5百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出169百万円であります。
(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、314百万円のマイナス(前期231百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、長期借入による収入450百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出184百万円、リース負債の返済による支出362百万円であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。経営者は、これらの見積り、判断及び仮定を過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の金額と異なる場合があります。
なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)判断及び見積りの使用 3.重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績の分析
各事業における経営成績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」及び「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。
1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、14,589百万円と前連結会計年度よりも156百万円減少しております。情報機器事業の売上収益の減少が大きく影響しました。
2)営業利益
営業利益は、508百万円と前連結会計年度よりも221百万円増加しております。これは、主に当連結会計年度に、個別開示項目の利益127百万円を計上したことによります。個別開示項目の主な内容は、退職給付制度変更に伴う利益261百万円、固定資産の減損損失の135百万円の計上です。
(a) 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,890百万円と前連結会計年度と比較して335百万円減少しております。これは、主に人件費の減少89百万円、旅費交通費の減少99百万円によるものであります。
(b) その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は、14百万円の利益と前連結会計年度と比較して25百万円減少しております。これは、主にその他の営業外収益の増加12百万円、希望退職に伴う損失31百万円を計上したことによります。
3)当期利益
当期利益は、286百万円と前連結会計年度よりも254百万円増加しております。これは、主に営業利益の増加によるものであります。
(a) 金融収益
金融収益は、7百万円と前連結会計年度よりも3百万円増加しております。これは、主に為替差益の増加によるものであります。
(b) 金融費用
金融費用は、173百万円と前連結会計年度よりも49百万円減少しております。これは、主に為替差損の減少32百万円によるものであります。
(c) 法人所得税費用
法人所得税費用は、56百万円と前連結会計年度よりも19百万円増加しております。これは、主に法人税等調整額の増加36百万円によるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入金により調達することとしております。借入金につきましては、2020年9月27日期日となっていた既存シンジケートローン契約において、シンジケートローン融資枠2,140百万円(上限)の変更契約を締結しました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とEBITDAとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指しております。
前連結会計年度における営業利益は286百万円であり、EBITDAは810百万円でした。
当連結会計年度における営業利益は508百万円であり、EBITDAは909百万円でした。
当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指すことで、営業利益、EBITDAの改善を目指していきます。

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