有価証券報告書-第69期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 13:43
【資料】
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【項目】
110項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、コンデンサ及び回路保護素子を製造・販売する電子部品メーカーとして、「企業の存在を許容するのは、お客様である」ことを原点に、世界中のお客様の信頼を得ることができる価値ある技術商品の開発・製造・販売を事業活動の軸とする「技術立社」であり続けることを経営の基本理念としています。
この基本理念に基づき世界のエレクトロニクス業界の小型・高性能・高信頼性の市場ニーズに適応した質の高い物作りに取り組み、社会の信頼と期待に応えることを経営の基本方針として事業活動を行ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、現段階において、売上高及び営業利益の増加を重要課題として取り組み、目標とする経営指標を設定しておりません。
なお、当社が取り組むべき経営課題については、「(3)中長期的な会社の経営戦略及び(4)会社の対処すべき課題」をご覧ください。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期的な会社の経営戦略として、平成32年3月期を最終年度とする中期経営計画では目標を達成するための基本方針を次のとおり定めています。
①組織的営業力を強化し、新規顧客の獲得及び既存顧客からの受注増加を目指し、売上高の増加と営業利益の確保を図る。
②成長品種の生産地を福知山工場に移管し、当社の主力工場である福知山工場の損益の黒字化を図る。
③当社グループの製品構成を見直し、不採算品種を段階的に縮小する。
④本社機能の役割を整理し、それぞれの生産拠点で当該機能を担うことにより、現地現物主義の効果を出すと共に、売上総利益に合わせた生産・管理体制とする。
⑤独占禁止法及び競争法に関わる件については、早期解決を目指すと共に、新たに強化したコンプライアンス管理体制を維持し、再発防止を図る。
(4)会社の対処すべき課題
電子情報産業の今後の見通しにつきましては、スマートフォンをはじめとするインターネットに繋がる機器の高機能化及び安全安心ニーズから自動運転支援技術等を搭載した自動車の需要拡大や電装化率の増加が見込まれます。しかしながら、一方で、電子部品業界の今後につきましては、顧客からの価格、信頼性、品質に対する要求がますます強くなり、競争激化により厳しい状況が継続すると予想されます。また、タンタルコンデンサ業界では、原材料の値上げ及びセラミックコンデンサへの置き換え進展という課題もあります。
当社グループとしましては、平成29年4月1日を起点とする中期経営計画(平成30年3月期から平成32年3月期まで)を推進し、平成30年3月期は、目標とした営業損益の黒字化を達成することができました。今後も、売上高及び営業利益の増加を課題とします。
そのための施策として、下面電極構造のタンタルコンデンサ、車載用回路保護素子及び高電流ヒューズを販売重点製品と定め、全社的な顧客対応力を強化します。特に、高電流ヒューズにつきましては、顧客ニーズに対応したラインアップの拡充(高寿命特性品、電圧耐性向上品)を完了します。また、採算重視の営業活動の継続、戦略的製品在庫の保持による販売機会の損失防止及び製造原価低減、不採算品種の販売見直し及び生産中止等により、採算性の向上を図ります。以上の事項を着実に推進することにより、利益体質の基盤を強化する所存です。
なお、当社グループは、コンデンサ製品の取引に関して当局の調査等を受けていますが、その内容は、「2 事業等のリスク (12)法的規制について 及び (13)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおりです。