有価証券報告書-第55期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/28 13:06
【資料】
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【項目】
141項目
(3)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針
[戦略]
当社は、社員を技術革新と価値創造の原動力となる人的財産であると考え、一人ひとりの健康と成長を支援し、安全・安心のもと、やりがいを持って自己実現を図る環境を整えていきます。
<ダイバーシティ&インクルージョン>ファナックは、人材の多様性を受け入れ、価値観等の個性を互いに尊重し、各社員が多様な能力を発揮できるようグループ全体で取り組むこと(ダイバーシティ&インクルージョン)で、組織の更なる強化と会社の持続的成長を目指します。
[多様な人材の採用・登用]
①女性社員の積極的採用・登用
・ 女性正社員比率10%の目標に向け女性の採用を積極的に進めています。女性技術者をはじめとする女性の採用に向けて、女性向けセミナーの実施や採用ページにおける女性向けコンテンツの掲載、学校訪問・学生による会社訪問の対応を女性社員が行い、仕事と実生活の両面に関する対話の場を作るなどの取り組みを行っています。
・ 能力ある女性を積極的に幹部社員に登用します。これにより3.1%(2024年3月末現在)の女性幹部社員比率を2030年までに5%以上とすることを目指しており、女性幹部社員候補者の把握と計画的育成を進めています。
②経験者採用者・外国人の登用
採用時期や国籍等による適性等の差を設けず、柔軟に幹部社員等への最適な登用へ取り組んでいます。
[多様な人材の活躍する環境整備]
③ダイバーシティ研修
社員一人ひとりが多様性を受容する組織風土の醸成に向けて、継続的に全社員対象のダイバーシティ研修を開催しています。
研修では、ダイバーシティ推進の意義・重要性の理解を通した当事者意識の醸成・浸透を図るとともに、各個人の具体的な行動へと繋げるために、自職場で意識し取り組むべきポイントを伝えています。(2023年度には、女性活躍推進をテーマとした研修を実施)
④仕事と家庭の両立支援
「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」等の計画に基づき、以下の対応を行っています。
・ 仕事と育児・介護・治療との両立のため、出産休暇、育児休暇、小学校卒業までの短時間勤務などの制度の充実とともに、長時間労働の削減や年次休暇の取得目標(80%以上)の設定、時間単位年休の導入など、男女社員ともに働きやすい環境の整備を進めています。
・ 育児・介護休職制度に関するパンフレットの発行等を通じた全社周知、仕事と育児・介護の両立支援に対する相談窓口の設置を通して、男性社員の育児休業の取得促進を図っています。
(2023年度男性育児休業取得率:90.8%)
・ 仕事と家庭の両立支援に向け、2019年度に本社施設内で社員向け保育所を開設しました。0歳児を積極的に受け入れ、育児休職者のキャリア志向に応じた柔軟な職場復帰を支援しています。
⑤女性社員間のネットワーク形成
・ 先輩女性社員がメンターとして若手女性社員の悩みについて助言するネットワーク作りを行っています。
・ 2023年度には、女性の働き方・キャリア・採用等をテーマとして、女性社員有志で女性取締役2名との交流会を行いました。
⑥ダイバーシティ&インクルージョンプロジェクトの発足
・ 女性社員有志と女性取締役との交流会の中で認識された男女共通の課題の解決に向けた具体的な活動の推進を目的として、男性・女性社員参画の「ダイバーシティ&インクルージョンプロジェクト」を発足させました。
<人材育成・働きがいの向上>今後企業としての持続的成長を実現していくためには、社員一人ひとりが当社の基本理念・組織のビジョンに対する理解を深め、自己の役割を認識した強い個として自律的に行動し、自身のキャリア志向や強みに応じて成長し、相互に関わり合いながらその力を最大限に発揮できる機会を提供することが必要であると考えています。
そのための施策として、以下の取組みを行っています。
①キャリア形成支援
社員一人ひとりのキャリア形成の支援に向けて、上司とメンバーとの対話の場づくりに取り組んでいます。
メンバーに対しては、自らの価値観を軸とした成長プランを策定する「若手社員研修」、プロフェッショナルとしての専門領域を追求する「中堅社員研修」を実施し、これからのキャリア形成を思い描く場を設けています。
また、メンバーがキャリアビジョンを上司と共有し、理解と支援を受けるための対話の場として、2023年度より「1on1面談」を開始しました(幹部社員を対象に導入)。
対話を通して、上司・メンバーが組織の目的の達成と個人のキャリアの実現に向けて相互に協働し合う関係性づくりを図っています。
②社内公募制度
新たな人材を必要とする部門が、求める人材要件を明確にし、社内で人材を募集する社内公募を実施しています。
社員が自分のキャリア実現のための新たな仕事にチャレンジする仕組みを設けることで、組織の活性化と個人のモチベーションの向上を図っています。
③エンゲージメントサーベイ
「エンゲージメントサーベイ」を毎年実施し、社内組織のエンゲージメントの状態の確認を行っています。
各組織で調査結果から組織の課題を設定し、対策を実行するPCDAサイクルを回し、継続的に職場環境の改善、働きがいの向上に向けた取組みを積み重ねています。
<健康・福利厚生>当社のビジョンを達成するためには、事業基盤を支える社員とその家族の健康、幸福が基盤であると考えます。
心身ともに健康で、幸せで豊かな生活を送り、いきいきとやりがいを持って、活躍できる環境を整えていきます。
①厚生施設・健診体制の充実
体育館などのスポーツ施設、保養所等、各種厚生施設を設置し、社員とその家族の心身の健康を推進しています。
寮・社宅は本社地区をはじめとする全国の主要拠点に保有しています。また、本社地区の健康推進センタでは、専属の産業医、技師、看護師が常駐しているほか、MRI、CT等の各種医療機器を有しており、健康診断においては、これらの機器を活用した法定以外の検査等の対応を行っています。
また、仕事と治療の両立支援制度を導入し、社員が安心して治療に専念でき、職場復帰しやすい体制を整えています。
②健康経営の推進
健康づくり推進委員会を設置し、関連部門の意見を取り入れ、全社一体となって健康経営の推進に取り組んでいます。
2024年3月11日に「健康経営優良法人2024」(大規模法人部門)に認定されました(2023年に引き続き2年連続の認定)。
主な活動は以下の通りです。
・健康診断と要精密検査受診率向上、保健指導の充実
・メンタルヘルス不調者への対応強化、セルフケア、ラインケア研修の実施
・ヘルスリテラシー向上を目的とした教育、女性特有の健康関連課題に関する教育の実施
・特定保健指導の実施率向上および配偶者健診の受診率向上
・取引先の健康づくり推進の状況把握と支援
・メルマガの発信、ウォークラリーの実施、喫煙率低下に向けた取組み
・食堂メニューの改善、食生活改善のための情報提供やキャンペーンの企画
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