有価証券報告書-第82期(2023/04/01-2024/03/31)
② 戦略
当社グループは、気候変動対策を環境活動の重点テーマの1つとして推進しています。気候変動対策の推進においては、顧客や取引先などの社外ステークホルダーとの協働が不可欠であることから、GHG排出量削減と再生エネルギー導入を中心に、気候変動問題における課題ごとに中期的な目標を定め、社内外一体となったタスクフォース(TF)を設置し、気候変動課題に対する責任ある取り組みを推進しています。
具体的には、顧客との協働によるスコープ3カテゴリー11(販売した製品の使用に関する排出量)に対処するためのTF1「製品開発におけるCO2削減」およびTF3「顧客との協働によるCO2削減」、サプライヤーとの協働によるスコープ3カテゴリー1(購入した製品・サービスに関する排出量)に対処するためのTF2「取引先との協働によるCO2削減」、自社の生産プロセスによる直接排出スコープ1+2に対処するためのTF4「省エネ設備、再エネ導入による事業活動上のCO2削減」の4つのTFを通じ、活動を展開しています。
CO2削減を推進するためのタスクフォース
<気候変動のリスクと機会>当社グループは、TCFDの分類に沿って、気候変動のリスクと機会を検討し、定期的に見直すことにより、気候変動がもたらすリスクと機会を把握し、自社のレジリエンス向上に取り組んでいます。これらのリスクと機会について「重要度」と「影響度」による評価を行うとともに、「短期(2027年まで)・中期(2030年まで)」と「長期(2050年まで)」の時間軸に分類しました。
シナリオ分析においては、1.5℃/2℃、4℃ともに、以下の時間軸で検討しております。
・移行リスクや機会に関するシナリオは政策動向などを正確に反映させるため2030年
・物理的リスクに関するシナリオは既に物理的影響が顕在化していること、また、将来的に気温が上昇した場合にはより物理的影響が大きくなると考えられることを踏まえ、2030年および2050年
(気候変動関連のリスク)
気候変動関連の事業リスクについては、①主に1.5℃/2℃未満シナリオの途上に起こる「脱炭素社会への移行に関連したリスク」と、②世界のCO2排出量削減未達により4℃シナリオに至った場合に発生する「気候変動に伴う物理的影響に関連したリスク」の2つのシナリオに関し、TCFDの分類に沿って検討しました。
物理的リスクについては、自社生産拠点を対象に、2030年時点、2050年時点での浸水被害による影響を試算しています。リスクの評価を行った結果、自社生産拠点のうち、群馬工場および埼玉R&Dセンタ、Essai, Inc.(米国アリゾナ州チャンドラー)に水害リスクが存在することが判明しています。群馬工場においては特別高圧変電所更新時に嵩上げを行ったほか、防水板の設置等の水害対策を行っており、埼玉R&Dセンタにおいても水害対策の検討を行っています。Essai, Inc.のチャンドラー工場においては、モンスーン期の多雨への対策として、排水設備を導入しています。また、オールハザード型の事業継続マネジメントの取り組みを通じ、気候変動による影響を含めたあらゆる災害に対応できるよう対策を進め、レジリエンスの向上に努めています。
1.5℃/2℃未満シナリオ:脱炭素社会への移行リスク
4℃シナリオ:気候変動に伴う物理的リスク
(気候変動関連の機会)
気候変動対策が強化された脱炭素社会においては、半導体が大きく貢献します。デジタル革命による半導体需要のすそ野の広がりなど、今後半導体生産数は増加の一途をたどることが想定できます。並行して半導体の技術進化・複雑化により、半導体試験の質と量が高まります。1チップ当たりのテスト内容の強化と半導体の物理的な増加、この2つの要素の掛け算で半導体テストの需要が増加することが見込まれ、当社グループは脱炭素社会を気候変動の機会と認識しました。こうした技術進化のための研究開発費や次世代の技術に対応する人財づくりなど、先行的な投資も行い、当社グループは、半導体テストの事業と新たな半導体技術に対応する製品開発を通じて未来の脱炭素社会の実現に貢献していきます。
気候変動関連の機会
③ リスク管理
当社グループでは、事業経営の阻害要因となるものをリスクとしてとらえ、全社的なリスクマネジメントの体制を整備しています。全社的なリスクマネジメント体制は、「3. 事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制について」に記載のとおりでありますが、気候変動が及ぼすリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。具体的には、気候変動に伴う緊急性のあるリスクと、将来起こりうるリスクの事案の分析・評価を行い、そのリスクを回避・軽減する施策を実施しています。
④ 指標および目標
気候変動関連に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標および目標」に記載しております。
当社グループでは、気候変動対策の中長期目標として、2050年度にスコープ1+2におけるGHG排出量ゼロを目標として掲げ、また、スコープ1+2におけるGHG排出量を2030年度に2018年度比60%削減する目標を掲げています。詳細は当社グループのホームページをご参照ください。なお、当社グループは2030年度のスコープ3のGHG排出量削減目標を策定しておりますが、当社グループを取り巻く事業環境の変化を踏まえ、現在、スコープ3のGHG排出量削減目標値を見直すとともに、目標達成に向けた具体的な施策を検討しています。以下に記載の2023年度のGHG排出量は、提出日現在における概算値であり、今後他の主要な実績数値と同様にEY新日本有限責任監査法人による第三者保証を取得し、当社グループのホームページに2024年10月頃掲載予定です。
統合報告書(https://www.advantest.com/ja/about/annual.html)
サステナビリティ・データブック(https://www.advantest.com/ja/sustainability/report/)
GHG排出量実績(スコープ1+スコープ2)(注1)
単位:千t-CO2e
GHG排出量実績(スコープ3)
単位:千t-CO2e
(注)1.スコープ2はマーケット基準で算定しています。
2.2023年度のGHG排出量は提出日現在の概算値です。
3.当社グループの事業においては、カテゴリー10(販売した製品の加工)、カテゴリー13(リース資産(下流))、カテゴリー14(フランチャイズ)、カテゴリー15(投資)に該当する活動を実施していないため、集計対象外としています。
当社グループは、気候変動対策を環境活動の重点テーマの1つとして推進しています。気候変動対策の推進においては、顧客や取引先などの社外ステークホルダーとの協働が不可欠であることから、GHG排出量削減と再生エネルギー導入を中心に、気候変動問題における課題ごとに中期的な目標を定め、社内外一体となったタスクフォース(TF)を設置し、気候変動課題に対する責任ある取り組みを推進しています。
具体的には、顧客との協働によるスコープ3カテゴリー11(販売した製品の使用に関する排出量)に対処するためのTF1「製品開発におけるCO2削減」およびTF3「顧客との協働によるCO2削減」、サプライヤーとの協働によるスコープ3カテゴリー1(購入した製品・サービスに関する排出量)に対処するためのTF2「取引先との協働によるCO2削減」、自社の生産プロセスによる直接排出スコープ1+2に対処するためのTF4「省エネ設備、再エネ導入による事業活動上のCO2削減」の4つのTFを通じ、活動を展開しています。
CO2削減を推進するためのタスクフォース
| タスクフォース | アプローチ先 | 具体的な活動 |
| TF1 | スコープ3 カテゴリー11(販売した製品の使用) | 飛躍的に複雑化する半導体のための最適なテストソリューション開発 |
| TF2 | スコープ3 カテゴリー1(購入した製品・サービス) | 取引先との協働によるCO₂削減 |
| TF3 | スコープ3 カテゴリー11(販売した製品の使用) | 顧客との協働によるCO₂削減 |
| TF4 | スコープ1+2(自社の工業プロセスによる直接排出や購入する電力) | 省エネ設備、再エネ導入による事業活動上のCO₂削減 |
<気候変動のリスクと機会>当社グループは、TCFDの分類に沿って、気候変動のリスクと機会を検討し、定期的に見直すことにより、気候変動がもたらすリスクと機会を把握し、自社のレジリエンス向上に取り組んでいます。これらのリスクと機会について「重要度」と「影響度」による評価を行うとともに、「短期(2027年まで)・中期(2030年まで)」と「長期(2050年まで)」の時間軸に分類しました。
シナリオ分析においては、1.5℃/2℃、4℃ともに、以下の時間軸で検討しております。
・移行リスクや機会に関するシナリオは政策動向などを正確に反映させるため2030年
・物理的リスクに関するシナリオは既に物理的影響が顕在化していること、また、将来的に気温が上昇した場合にはより物理的影響が大きくなると考えられることを踏まえ、2030年および2050年
(気候変動関連のリスク)
気候変動関連の事業リスクについては、①主に1.5℃/2℃未満シナリオの途上に起こる「脱炭素社会への移行に関連したリスク」と、②世界のCO2排出量削減未達により4℃シナリオに至った場合に発生する「気候変動に伴う物理的影響に関連したリスク」の2つのシナリオに関し、TCFDの分類に沿って検討しました。
物理的リスクについては、自社生産拠点を対象に、2030年時点、2050年時点での浸水被害による影響を試算しています。リスクの評価を行った結果、自社生産拠点のうち、群馬工場および埼玉R&Dセンタ、Essai, Inc.(米国アリゾナ州チャンドラー)に水害リスクが存在することが判明しています。群馬工場においては特別高圧変電所更新時に嵩上げを行ったほか、防水板の設置等の水害対策を行っており、埼玉R&Dセンタにおいても水害対策の検討を行っています。Essai, Inc.のチャンドラー工場においては、モンスーン期の多雨への対策として、排水設備を導入しています。また、オールハザード型の事業継続マネジメントの取り組みを通じ、気候変動による影響を含めたあらゆる災害に対応できるよう対策を進め、レジリエンスの向上に努めています。
1.5℃/2℃未満シナリオ:脱炭素社会への移行リスク
| カテゴリー | 主なリスク | 対応・戦略 | 時間軸 |
| 政策・ 法規制 | 気候変動関連規制への対応による事業コスト増加 (炭素税、法令対応費用、部品調達費用等) | ・自社拠点への再生可能エネルギー導入の促進 ・サプライヤーの脱炭素支援 | 短期 |
| 技術・市場 | ・環境低負荷対応の前倒し、または脱炭素に係る領域(カーボンフットプリント等)での競争環境の激化による研究開発費増 ・顧客からの低炭素技術に係るニーズに応えられないことでの評価の変化や販売機会損失による売上高減少 | ・省エネ性能(低電力/小型化)とテスト性能向上の両立による自社製品の付加価値向上 ・環境性能に優れた製品の販売促進 ・次世代の省エネ研究・開発に対応する人財づくり | 短・中期 |
| 評判 | 気候変動問題に対する取り組みへの評判低下による競争環境悪化、および投資家評価変化 | ・気候変動への取り組みを含むサステナビリティ経営の推進(サステナビリティ行動計画2024-2026の目標達成) ・気候変動に関連するデータおよび取り組みの適切な開示 | 短・中期 |
4℃シナリオ:気候変動に伴う物理的リスク
| カテゴリー | 主なリスク | 対応・戦略 | 時間軸 |
| 急性 | 大型台風や降雨量の増加による ・自社生産拠点での被害に伴う復旧費用発生や売上高減少 ・サプライチェーンの寸断に伴う売上高減少 | ・水害対策の計画、実施 ・オールハザード型事業継続マネジメントの推進 | 短期~長期 |
(気候変動関連の機会)
気候変動対策が強化された脱炭素社会においては、半導体が大きく貢献します。デジタル革命による半導体需要のすそ野の広がりなど、今後半導体生産数は増加の一途をたどることが想定できます。並行して半導体の技術進化・複雑化により、半導体試験の質と量が高まります。1チップ当たりのテスト内容の強化と半導体の物理的な増加、この2つの要素の掛け算で半導体テストの需要が増加することが見込まれ、当社グループは脱炭素社会を気候変動の機会と認識しました。こうした技術進化のための研究開発費や次世代の技術に対応する人財づくりなど、先行的な投資も行い、当社グループは、半導体テストの事業と新たな半導体技術に対応する製品開発を通じて未来の脱炭素社会の実現に貢献していきます。
気候変動関連の機会
| カテゴリー | 主な機会 | 対応・戦略 | 時間軸 |
| 製品および サービス・市場 | ハイエンドSoCやHBMなど、AI/HPC向け半導体の旺盛な市場伸長に伴うテスト需要の増加 | ・電力最適化とテスト性能向上の両立 ・新たなテスト方式の研究とテスト装置の開発 | 短・中期 |
| EV移行や電力変換効率を高めるSiC(炭化ケイ素)/GaN(窒化ガリウム)半導体の需要拡大に伴う、パワー半導体向けテスタ事業の拡張 | ・新たなテスト方式の研究とテスト装置の開発 ・高度化するテストニーズに対するソリューションの提供およびテスト効率の最適化 | 短・中期 | |
| 環境性能に優れた製品開発による顧客からの信頼性向上を通じた競争優位性維持と事業成長 | サステナビリティ行動計画2024-2026に基づく電力最適化製品導入の着実な実施 | 短・中期 |
③ リスク管理
当社グループでは、事業経営の阻害要因となるものをリスクとしてとらえ、全社的なリスクマネジメントの体制を整備しています。全社的なリスクマネジメント体制は、「3. 事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制について」に記載のとおりでありますが、気候変動が及ぼすリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。具体的には、気候変動に伴う緊急性のあるリスクと、将来起こりうるリスクの事案の分析・評価を行い、そのリスクを回避・軽減する施策を実施しています。
④ 指標および目標
気候変動関連に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標および目標」に記載しております。
当社グループでは、気候変動対策の中長期目標として、2050年度にスコープ1+2におけるGHG排出量ゼロを目標として掲げ、また、スコープ1+2におけるGHG排出量を2030年度に2018年度比60%削減する目標を掲げています。詳細は当社グループのホームページをご参照ください。なお、当社グループは2030年度のスコープ3のGHG排出量削減目標を策定しておりますが、当社グループを取り巻く事業環境の変化を踏まえ、現在、スコープ3のGHG排出量削減目標値を見直すとともに、目標達成に向けた具体的な施策を検討しています。以下に記載の2023年度のGHG排出量は、提出日現在における概算値であり、今後他の主要な実績数値と同様にEY新日本有限責任監査法人による第三者保証を取得し、当社グループのホームページに2024年10月頃掲載予定です。
統合報告書(https://www.advantest.com/ja/about/annual.html)
サステナビリティ・データブック(https://www.advantest.com/ja/sustainability/report/)
GHG排出量実績(スコープ1+スコープ2)(注1)
単位:千t-CO2e
| 対象範囲 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 (注2) |
| 国内 | 19.68 | 19.14 | 16.25 | 11.83 | 11.04 | 9.22 |
| 海外 | 18.45 | 14.71 | 11.93 | 13.21 | 9.43 | 8.89 |
| 合計 | 38.13 | 33.85 | 28.18 | 25.04 | 20.47 | 18.10 |
GHG排出量実績(スコープ3)
単位:千t-CO2e
| 対象範囲 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 (注2) |
| カテゴリー1 | 489.53 | 400.46 | 482.02 | 671.61 | 966.74 | 881.84 |
| カテゴリー11 | 1,175.02 | 855.01 | 1,151.98 | 1,319.35 | 1,991.31 | 1,519.50 |
| その他 (注3) | 28.62 | 35.37 | 49.40 | 61.95 | 80.26 | 集計中 |
| 合計 | 1,693.16 | 1,290.84 | 1,683.41 | 2,052.92 | 3,038.31 | 集計中 |
(注)1.スコープ2はマーケット基準で算定しています。
2.2023年度のGHG排出量は提出日現在の概算値です。
3.当社グループの事業においては、カテゴリー10(販売した製品の加工)、カテゴリー13(リース資産(下流))、カテゴリー14(フランチャイズ)、カテゴリー15(投資)に該当する活動を実施していないため、集計対象外としています。