有価証券報告書-第66期(2023/04/01-2024/03/31)
②戦略
当社グループは、将来にわたって環境・社会課題を解決し、ステークホルダーから選ばれ続ける会社となることを目指して「パワーとアナログにフォーカスし、お客様の“省エネ”・“小型化”に寄与することで、社会課題を解決する」という経営ビジョンを2020年から掲げています。2021年4月には「ロームグループ環境ビジョン2050」を定め、カーボンニュートラル、ゼロエミッションを宣言しました。また、社会と当社の持続的成長に必要なサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)を再特定し、その中から中期視点で達成すべき具体的な指標を、中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」の非財務目標として設定しています。
※詳細は「(2)気候変動(P.27~P.31)」に記載しています。
■戦略:人的資本経営への取り組み
当社グループでは、経営基本方針の中で、「広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。」と掲げています。創業以来、蓄積されてきた会社の歴史や技術、資産は会社にとって重要な財産であり、それを培ってきたのは紛れもなく人財です。だからこそ、当社グループでは、従業員一人ひとりが個々人の能力を最大限に引き出せるよう成長意欲に投資し、人財育成に注力することに加え、広く有能なる人財が活き活きと活躍できる舞台を整備することを通じて、会社と従業員の循環的な成長を目指しています。
そして、求める人財・組織の姿として、「企業目的・方針に共感し、自律的な成長を続けるプロフェッショナルな人財が、多様な個性を尊重しあいながらOne Teamとなり、事業の成長に貢献する」、「従業員のチャレンジそのものが自社のブランドとして社内外に認知され、世界中から選ばれる会社となることでグループ一体経営が一層強化される」状態を目指しています。これらの実現のため、人的資本経営を推進することが、事業の成長や企業価値向上につながるものとして捉えております。
中期経営計画で2030年のあるべき姿として掲げている「グローバルメジャー」を目指す上で、現状半導体ビジネスにおけるグローバル競争が激化するなか、顧客から選ばれる製品を開発するためには、変化する世の中の需要に迅速、かつ柔軟に対応できる人財を育成していくことが必要です。そのため、当社グループでは「エンゲージメントの強化」「ダイバーシティの推進」「健康と安全の確保」が重要であると考え、サステナビリティ重点課題として特定しています。
「エンゲージメントの強化」に向けては、従業員の自律的なキャリア形成、及び能力開発を促進する仕組みを設け、定点観測のために、「従業員エンゲージメントスコア」の指標を定めています。仕組みの具体例として、研修においては、階層ごとに全員が受講する研修だけではなく、自身のキャリアに必要な知識・スキルを自身に必要なタイミングで、自ら学ぶことができる「選択式研修」を設け、従業員個人の課題やキャリアに応じた学びの機会を提供しています。2023年度は、前年比2倍以上となる約1,300名がプログラムに参加し、それぞれの能力開発に活用しています。
2019年度には「スペシャリスト職制度」を創設し、高度な専門スキルをもって会社に貢献する従業員を「スペシャリスト職」として認定することで、その道の第一人者としてのキャリアパスを明確にする仕組みを整備しています。そのスペシャリスト職の中でもトップレベルの高度専門人財には、その専門性・技術力で、「最大限の成果を発揮し、会社に貢献できる人財」を育成する役割を期待して、「フェロー」「シニアフェロー」の称号を与えており、3名の「フェロー」「シニアフェロー」を輩出しています。
また、2022年度より開始した「ジョブポスティング制度」では、注力事業の強化・増員時の求人を、社内にも開示・公募することで、自らの意思も異動に反映できる機会を提供しています。2023年度には、ジョブポスティングによる内部流動性を高め、中長期注力事業の1つであるパワーデバイス事業へ大規模シフトするなど、事業戦略に連動したダイナミックな人事戦略を実行しております。
これらの仕組みによって、従業員一人ひとりが主体的・継続的に自らのキャリア形成に向き合い、会社もそれを支援することでキャリア開発が活性化するとともに、人財の内部流動性が高まることで、急速な環境変化への機動的対応を可能にし、注力事業に必要な人財を確保することにもつながっています。
「ダイバーシティの推進」は、多様なバックグランドを持つ人財が集い、チームワークを発揮することが企業のイノベーションにつながるとの考えからきています。組織の多様性を高め、異なる背景や価値観を受容することで、多様な知見に基づくアイデアを創出することができます。特に、意思決定の場面においては、多様な考えを取り入れることこそが、優位性のある決定に必要なことだと考えております。そのため、「当社グループ全体の女性管理職比率」、「女性又は外国人役員比率」等の指標を当社は重視しております。
なお、一連の取り組みについては、「従業員が心身ともに健康であり、安心して働ける環境が確保されていること」が大前提です。職場でのハラスメント等の未然防止に加え、従業員への健康投資を積極的に行うことで、組織の活性化につなげていきます。
今後も、会社と従業員の循環的な成長を目指し、豊かな人間性と知性を備えた多様な人財を育成し、個々の能力が最大限に発揮される環境を整備して企業価値向上に努めてまいります。
当社グループは、将来にわたって環境・社会課題を解決し、ステークホルダーから選ばれ続ける会社となることを目指して「パワーとアナログにフォーカスし、お客様の“省エネ”・“小型化”に寄与することで、社会課題を解決する」という経営ビジョンを2020年から掲げています。2021年4月には「ロームグループ環境ビジョン2050」を定め、カーボンニュートラル、ゼロエミッションを宣言しました。また、社会と当社の持続的成長に必要なサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)を再特定し、その中から中期視点で達成すべき具体的な指標を、中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」の非財務目標として設定しています。
| サステナビリティ 重点課題 | リスク | 機会 | 目指す姿 | 具体的な目標 |
| 1.持続可能な技術の強化、革新的な製品の開発、供給 | ・省エネ・小型化に寄与する製品の開発停滞による売上の低下 ・省エネ・小型デバイス開発競争の激化 ・新興国を含む競合の台頭によるマーケットシェアの低下 ・顧客の要求品質を満たさないことによる品質の低下 | ・xEV市場の新車販売台数拡大による電子部品需要の高まり ・再生可能エネルギーの導入に伴う太陽光パネル向けなど産業機器市場向け売上の拡大 ・省エネ化のニーズの高まり、電子機器の高機能化に伴う電子部品搭載点数の増加 | ・省電力化を実現する技術開発・供給を通じて、エネルギー問題の解決に貢献する ・デバイスの小型化を通じて、材料、廃棄物の削減に貢献することで地球環境負荷を最小限に抑制する ・交通事故を起こさない車を生み出す技術開発を推進する | ・省エネ製品の開発、市場への供給による貢献 ・小型化製品の開発供給による貢献 ・機能安全を追求した製品の開発供給による貢献 |
| 2.気候変動への対応(※) | ・温室効果ガス排出量削減の義務化や温室効果ガス排出量に応じた炭素税の本格導入 | ・xEV市場の新車販売台数拡大による電子部品需要の高まり ・再生可能エネルギーの導入に伴う太陽光パネル向けなど産業機器市場向け売上の拡大 | ・低炭素・循環型・自然共生社会の実現に貢献できる製品・サービスを開発・普及させる ・当社グループの事業活動が与える地球環境への負荷を極力低減する | ・温室効果ガス排出量削減 ・エネルギー消費量削減 ・再生可能エネルギーの導入促進 |
| 3.資源の有効活用 | ・資源不足(希少金属、水など)に伴う材料価格の高騰や生産活動の制限 | ・廃棄物削減、リサイクル、エネルギー供給源の見直しによるコスト削減 ・環境対策先進企業としてのブランド価値の創出 | 循環型経営につながる事業基盤を構築する | ・水資源の削減 ・廃棄物量の削減 |
| 4.従業員エンゲージメントの強化 | 従業員エンゲージメント低下による ・生産性の低下 ・離職率の増加 ・顧客満足度の低下 | ・従業員エンゲージメント向上による組織力の向上 ・優秀な人財の獲得・維持 ・従業員の能力・自律性を高めることによる生産性の向上 | 当社グループで働く従業員が、失敗をおそれず社会・企業の成長のために挑戦できる職場環境を実現する | ・チャレンジを生み出す風土の醸成 ・働きがいの向上 ・従業員エンゲージメントスコアの改善 |
| 5.ダイバーシティの推進 | 旧来型人事制度・企業風土の改革の遅れによる ・定着率の低迷 ・イノベーションの減退 ・エンゲージメントと生産性の低下 ・レピュテーションリスクの増大 | ・優秀な人財の獲得・維持 ・ダイバーシティ経営推進による競争力の強化 ・新たなイノベーションの創出 | 広い視野で主体的に物事を考え、新たな価値を創造できる人財を増やす | ・女性活躍の推進 ・グローバルレベルでの能力開発と人財配置 |
| 6.従業員の健康と安全の確保 | ・労働災害、業務上疾病の発生による従業員への悪影響 ・労働環境が改善しないことによる従業員エンゲージメントの低下 | ・労働環境改善による生産性の向上 ・人財の確保・モチベーションUP | 従業員が安全に、かつ心身ともに健康に働くことができる職場環境を実現する | ・安全な職場の確保 ・健康経営の推進 |
| 7.コーポレートガバナンスの強化 | ・法令違反及び企業倫理違反等による不祥事の発生 ・ESG投資の増加等による株主からのマネジメント評価の厳格化 | ・強固なガバナンス体制の確立による意思決定の透明性の向上 ・強固な財務基盤による経営の安定性の確保と変化への適切な対応 | 企業価値向上に向けた強固な経営基盤を構築する | ・取締役会の多様性の確保 ・中長期的企業価値向上に向けた報酬制度の見直し ・経営の実効性の担保 |
| 8.リスクマネジメント | ・大規模災害の増加(地震、洪水、台風、火災など) ・セキュリティ違反による情報漏えいやサイバー攻撃への対応の遅れ ・他社の保有する特許権等の知的財産権侵害などの法的訴訟 | ・リスクの変容に対応したリスク管理体制の構築による、事業継続と事業成長の実現 | 従業員と家族の安全確保・事業継続のために、将来予想される危機に対して有効に機能するシステムを構築する | BCM体制の強化 |
| 9.持続可能なサプライチェーンマネジメント | ・生産拠点の稼働停止や稼働率の低下による顧客への安定供給の停止 ・国際情勢の変化による、海外企業との取引停止や希少金属などの材料供給停止 ・サプライチェーン上の人権侵害や使用禁止物質の調達によるコンプライアンス違反 | ・持続可能な原材料調達によるレジリエンスの向上 | パートナー企業と共に、未曽有の事態にも対応でき、かつ高品質な商品を社会に提供するサプライチェーンを構築する | ・BCM体制の強化 ・グリーン調達の推進 ・CSR調達活動の推進 |
| 10.製品安全・品質の強化 | ・品質管理体制の不備による品質トラブルの発生と顧客の離反 ・法令違反による信用低下 | ・徹底した安全・品質管理による顧客満足度の向上 ・顧客ニーズに即した新しい商品提供による販売機会の拡大 | 顧客のニーズにこたえる製品品質を確保し、顧客に選ばれる商品・サービスを生み出す | ・フロントローディングによる品質保証の体制構築と定着 ・顧客視点を取り入れた適正品質の実現 |
※詳細は「(2)気候変動(P.27~P.31)」に記載しています。
■戦略:人的資本経営への取り組み
当社グループでは、経営基本方針の中で、「広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。」と掲げています。創業以来、蓄積されてきた会社の歴史や技術、資産は会社にとって重要な財産であり、それを培ってきたのは紛れもなく人財です。だからこそ、当社グループでは、従業員一人ひとりが個々人の能力を最大限に引き出せるよう成長意欲に投資し、人財育成に注力することに加え、広く有能なる人財が活き活きと活躍できる舞台を整備することを通じて、会社と従業員の循環的な成長を目指しています。
そして、求める人財・組織の姿として、「企業目的・方針に共感し、自律的な成長を続けるプロフェッショナルな人財が、多様な個性を尊重しあいながらOne Teamとなり、事業の成長に貢献する」、「従業員のチャレンジそのものが自社のブランドとして社内外に認知され、世界中から選ばれる会社となることでグループ一体経営が一層強化される」状態を目指しています。これらの実現のため、人的資本経営を推進することが、事業の成長や企業価値向上につながるものとして捉えております。
中期経営計画で2030年のあるべき姿として掲げている「グローバルメジャー」を目指す上で、現状半導体ビジネスにおけるグローバル競争が激化するなか、顧客から選ばれる製品を開発するためには、変化する世の中の需要に迅速、かつ柔軟に対応できる人財を育成していくことが必要です。そのため、当社グループでは「エンゲージメントの強化」「ダイバーシティの推進」「健康と安全の確保」が重要であると考え、サステナビリティ重点課題として特定しています。
「エンゲージメントの強化」に向けては、従業員の自律的なキャリア形成、及び能力開発を促進する仕組みを設け、定点観測のために、「従業員エンゲージメントスコア」の指標を定めています。仕組みの具体例として、研修においては、階層ごとに全員が受講する研修だけではなく、自身のキャリアに必要な知識・スキルを自身に必要なタイミングで、自ら学ぶことができる「選択式研修」を設け、従業員個人の課題やキャリアに応じた学びの機会を提供しています。2023年度は、前年比2倍以上となる約1,300名がプログラムに参加し、それぞれの能力開発に活用しています。
2019年度には「スペシャリスト職制度」を創設し、高度な専門スキルをもって会社に貢献する従業員を「スペシャリスト職」として認定することで、その道の第一人者としてのキャリアパスを明確にする仕組みを整備しています。そのスペシャリスト職の中でもトップレベルの高度専門人財には、その専門性・技術力で、「最大限の成果を発揮し、会社に貢献できる人財」を育成する役割を期待して、「フェロー」「シニアフェロー」の称号を与えており、3名の「フェロー」「シニアフェロー」を輩出しています。
また、2022年度より開始した「ジョブポスティング制度」では、注力事業の強化・増員時の求人を、社内にも開示・公募することで、自らの意思も異動に反映できる機会を提供しています。2023年度には、ジョブポスティングによる内部流動性を高め、中長期注力事業の1つであるパワーデバイス事業へ大規模シフトするなど、事業戦略に連動したダイナミックな人事戦略を実行しております。
これらの仕組みによって、従業員一人ひとりが主体的・継続的に自らのキャリア形成に向き合い、会社もそれを支援することでキャリア開発が活性化するとともに、人財の内部流動性が高まることで、急速な環境変化への機動的対応を可能にし、注力事業に必要な人財を確保することにもつながっています。
「ダイバーシティの推進」は、多様なバックグランドを持つ人財が集い、チームワークを発揮することが企業のイノベーションにつながるとの考えからきています。組織の多様性を高め、異なる背景や価値観を受容することで、多様な知見に基づくアイデアを創出することができます。特に、意思決定の場面においては、多様な考えを取り入れることこそが、優位性のある決定に必要なことだと考えております。そのため、「当社グループ全体の女性管理職比率」、「女性又は外国人役員比率」等の指標を当社は重視しております。
なお、一連の取り組みについては、「従業員が心身ともに健康であり、安心して働ける環境が確保されていること」が大前提です。職場でのハラスメント等の未然防止に加え、従業員への健康投資を積極的に行うことで、組織の活性化につなげていきます。
今後も、会社と従業員の循環的な成長を目指し、豊かな人間性と知性を備えた多様な人財を育成し、個々の能力が最大限に発揮される環境を整備して企業価値向上に努めてまいります。