有価証券報告書-第73期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/23 16:02
【資料】
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【項目】
99項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは連結財務諸表に記載されている資産・負債の額及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の額などに影響を与える可能性のある見積り及び前提条件を使用しており、この連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループは、たな卸資産の評価、繰延税金資産、貸倒引当金、投資の減損、退職給付に係る会計処理の方法の重要な会計方針に関して、見積りや仮定を必要としています。ただし、これらの見積りや仮定は、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
① 資産
流動資産は、売掛金が減少しましたが、現金及び預金等が増加したことにより、前連結会計年度末より135,950千円増加し1,365,684千円となりました。
固定資産は、投資有価証券、投資その他の資産その他等が減少したことにより、前連結会計年度末より39,496千円減少し331,369千円となりました。
その結果、資産合計は前連結会計年度末より96,453千円増加し1,697,053千円となりました。
② 負債
流動負債は、買掛金等が減少し、前連結会計年度末より102,504千円減少し591,037千円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債の増加等により、前連結会計年度末より22,973千円増加し390,517千円となりました。
その結果、負債合計は前連結会計年度末より79,530千円減少し981,554千円となりました。
③ 純資産
純資産は、投資有価証券の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が17,846千円増加し、さらに当期純利益158,174千円を計上したことにより、当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末より175,984千円増加し715,499千円となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度は、通信業界のソフトウェア開発案件の減少により、主力取引先からの受注が減少したのに対して新規開拓が進んでおらず、結果、売上高は前連結会計年度と比べ173,861千円(△4.7%)減少し3,558,213千円となりました。
また、売上原価、販売費及び一般管理費においては、尼崎開発センターの閉鎖、柏支店の縮小等により、固定費の削減を進めたものの下期よりの実施となったため、売上の減少分を吸収しきれず、また、営業力強化のための営業人員の増加もあり、営業利益は前連結会計年度と比べ51,921千円(△30.2%)減少し119,878千円となりました。
営業外損益につきましては、営業外収益は14,961千円と前連結会計年度と比べ4,899千円(48.7%)増加しました。これは、還付消費税等3,944千円が主な原因です。また、営業外費用は3,914千円と前連結会計年度と比べ160千円(4.3%)増加しています。結果、経常利益は130,926千円と前連結会計年度と比べ47,181千円(△26.5%)減少しています。
特別損益につきましては、投資有価証券の売却益57,133千円を特別損益に計上したものの、課徴金15,000千円等合計23,816千円の特別損失を計上し、その結果、当連結会計年度の当期純利益は前連結会計年度と比べ116,402千円(278.7%)増加し158,174千円となりました。
(4) 戦略的現状と見通し
当連結会計年度におきましては、当社グループが得意としている通信関連、業務アプリ関連、ファームウェア関連で、当社グループ各社の連携を強化し、受注活動を強力に展開しましたが、通信関連の開発需要減少の影響を受け、当初業績予想を下回る売上高となりました。今後は、「通信関連、業務アプリ関連、ファームウェア関連を中心に、各種ソリューションのご提案からソフト開発・運用・保守に至るまで、総合的なソフトウェアサービスをご提供することが可能」という、当社グループの連携による強みを活かし、開発需要が増加傾向にある「社会インフラ関連」「自動車関連」の領域に注力し、事業拡大を図ります。また、事業拡大にあたっては、急激な市場ニーズの変化とお客様ニーズの変化に素早く対応し、「先端技術への取り組み」「新規市場開拓の推進」「積極的なトータルソリューション提案」を推進することで、2018年3月期に売上高55億円、経常利益4.4億円の中期計画を推進してまいる所存であります。
① グループシナジーの極大化
当社グループは、システム開発業務から、運用、検証・保守業務までの幅広い業務経験・ノウハウを活かし、既存顧客の受注拡大及びターゲット業種の拡大による新規顧客の獲得に注力してまいります。
通信系・業務系のソフト開発、ハード系ファームウェア開発及び業務系アプリケーションソフト開発に強みを持つ㈱アイレックス、第三者検証とネットワークシステム構築・運用に特化した㈱アイレックスインダストリアルソリューションズ、通信・制御系システム開発に強みを持つアイレックスシステム㈱の各社の得意分野を融合し、総合的なソフトウェアサービス提供の拡大を図ってまいります。
② トータルソリューションビジネスの展開
当社グループは、通信系ソフト開発力、業務系アプリケーション開発、ネットワークシステム構築・運用までの総合力を活かし、端末からクラウドサービスまでのトータルソリューションをお客様に提供することで、ビジネス拡大を図る所存です。
③ 新規ビジネスの発掘
当社グループは、ICT業界での特徴的製品を核として、新たなビジネスの発掘を行っております。災害対策ソリューションとして免震システム「μ-Solator」(ミューソレーター)を販売しております。
今後は、新たな特徴的製品を発掘して、ソリューションメニューを拡大してまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況 に記載の通りであります。将来の投資資金及び運転資金につきましては、営業活動から得られる資金により、捻出することを考えております。
資金の流動性につきましては、当連結会計年度末の流動比率は、231.1%であり、高い流動性を確保しております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、健全な経営への回帰と、業績向上のため、前連結会計年度より以下の改革を実行してまいりました。今後は、コンプライアンス最重視の経営を更に徹底し、「合理主義」と「堅実主義」の経営を推進してまいります。
① 事業構造改革
当グループ各社が得意としている分野の先端技術力を強化し、ビジネスを拡大していきます。
・業務アプリケーション開発:社会インフラ関連を軸に、クラウド領域とM2M領域を拡大
・組込み系ファームウェア開発:自動車領域を拡大
また、国内地域拠点を重視、社員を積極的に増強して各拠点でのビジネスを拡大していきます。
さらに、従来から行ってまいりました受託ソフト開発などの既存ビジネスモデルでの事業拡大に加え、さらなる事業拡大を図るため、当社グループ各社の連携のみならず、TCSホールディングスグループ会社が保有する製品とのシナジー効果によるトータルソリューション提供により、新たなビジネスモデルを創造し、お客様のビジネス拡大に寄与してまいります。
② 経営改革の推進
コンプライアンス最重視の経営方針に基づき、経営管理に資する情報を、役員から担当者までの関係者全員が共有し、業務管理部門による業務内容の点検を行うこと等により、今後も常に適切な会計処理による企業経営を遂行してまいります。
また、ISMS・内部統制を中心とした情報セキュリティ対策が確実に実施されていることの確認を行い、随時、対策の見直しを行うことにより、情報セキュリティ対応の健全性を確保してまいります。
③ 業務改革
業務の効率化による固定費の削減と事業規模拡大のため、以下に注力してまいります。
1. スタッフ業務の統廃合を強化し、業務効率化を更に推進
2. 管理業務のツール導入により、業務効率化を強力に推進