有価証券報告書-第50期(2022/04/01-2023/03/31)
②戦略
当社戦略上の要の一つである車載事業は、世界的気候変動対策の進展に伴う豊富な成長機会を享受すると同時に周到なリスクへの備えを要する領域でもあります。当社は車載事業を気候変動による実質的影響が最も発現しやすい事業と定義し、このたび気候変動インパクトに関するシナリオ分析を実施しております。企画、開発から生産、品質管理、購買、営業、財務に至る各プロセスに従事する従業員がワークショップに参加し、以下手順に沿ってシナリオ分析を実施しております。
<シナリオ分析ステップ>ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定
シナリオ
・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)
・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)
時間軸 短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年
対象範囲 車載事業
ステップ2 気候変動リスク・機会の把握
TCFD提言にて例示されている気候変動リスク・機会を参考に、合計40の気候変動リスク・機会を列挙
ステップ3 事業インパクト評価
事業への影響度、気候変動リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施
ステップ4 対応策の検討
事業インパクトが大きいと評価した気候変動リスク・機会に対して対応策を検討
<事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会および対応策>
今後は車載事業で特定した気候変動リスク・機会の定量分析を進めると共に、他事業部門でのシナリオ分析実施を進めていきます。
当社戦略上の要の一つである車載事業は、世界的気候変動対策の進展に伴う豊富な成長機会を享受すると同時に周到なリスクへの備えを要する領域でもあります。当社は車載事業を気候変動による実質的影響が最も発現しやすい事業と定義し、このたび気候変動インパクトに関するシナリオ分析を実施しております。企画、開発から生産、品質管理、購買、営業、財務に至る各プロセスに従事する従業員がワークショップに参加し、以下手順に沿ってシナリオ分析を実施しております。
<シナリオ分析ステップ>ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定
シナリオ
・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)
| IPCCのRCP2.6シナリオ等に基づき、脱炭素社会を実現するために様々な施策・規制が導入される世界を想定。 |
・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)
| IPCCのRCP8.5シナリオ等に基づき、脱炭素社会を実現するための規制導入は進まず、気象災害が激甚化している世界を想定。 |
時間軸 短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年
対象範囲 車載事業
ステップ2 気候変動リスク・機会の把握
TCFD提言にて例示されている気候変動リスク・機会を参考に、合計40の気候変動リスク・機会を列挙
ステップ3 事業インパクト評価
事業への影響度、気候変動リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施
ステップ4 対応策の検討
事業インパクトが大きいと評価した気候変動リスク・機会に対して対応策を検討
<事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会および対応策>
| 気候変動リスク・機会の影響 | 対応策 | |||
| 移行リスク | 政策・法規制 | 炭素税の導入 | ・炭素税による生産コストの増加、価格競争力の低下 | ・照明のLED化や省エネ設備の導入、低炭素燃料への置き換え、製造プロセスの最適化などによるScope1排出量の削減 ・再生エネルギー導入によるScope2排出量の削減 |
| ・再エネ導入コスト増加 ※炭素税への対策を行った場合 | ・コーポレートPPAなどの長期契約による低コストでの再生エネルギーの導入 | |||
| ・原材料への炭素税課金による調達価格の高騰 | ・低炭素材料(再生原料を含む)の使用 ・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化 ・調達先のマルチソース化 ・サプライチェーン温室効果ガス(Scope3)排出量の削減 | |||
| 燃費・ZEV 規制の強化 | ・内燃機関関連製品の製造施設の減損 | ・他機種への転用を可能にする汎用性の高い設計の採用 ・製造設備の他製品への転用 | ||
| ・新規参入企業増による競争激化、価格破壊 | ・技術、価格競争力の高い製品の開発 ・シェア拡大に伴うスケールメリットの獲得 | |||
| 技術 | 新技術への 投資の失敗 | ・顧客から求められる環境性能を満たせなかった場合のビジネス機会損失 | ・顧客との共同開発の実施 ・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化 | |
| 市場 | 原材料コストの上昇、原材料の入手困難化 | ・希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属の入手困難化、調達コストの増加 | ・再生原料の使用 ・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化 ・重希土類、磁石不使用の製品開発 ・供給能力の高いサプライチェーンの構築 | |
| 物理的 リスク | 急性 | 洪水・冠水・集中豪雨・台風の影響 | ・工場の操業停止 ・電気、水供給などのインフラ網の機能停止 ・別工場での生産や輸送などの対応コスト発生 ・保険料の増加 ・サプライチェーンの寸断 | ・生産工場の地理的分散 ・調達先のマルチソース化 ・BCP(事業継続計画)の実施 |
| 物理的 リスク | 慢性 | 干ばつ・渇水・降水パターン変化の影響 | ・水の安定確保の困難化、取水制限による工場用水の不足 ・水価格上昇によるコスト増加 ・降水、気温パターン変化による水質の悪化 ・電力の需給逼迫による工場停止、原材料生産・調達能力の制約、部材購買コスト増加 | ・生産工場の地理的分散 ・水使用量削減のための製造プロセスの最適化 ・水のリユース、リサイクル率の向上 |
| 機会 | 製品/サービス | 脱炭素に貢献する商品の市場拡大 | ・電動車関連市場拡大に伴う車載関連製品(E-Axle、電動パワーステアリング用モータ、ブレーキ用モータ、電動オイルポンプ用モータ等)の需要増加 | ・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化 |
| 市場 | EV市場の拡大 |
今後は車載事業で特定した気候変動リスク・機会の定量分析を進めると共に、他事業部門でのシナリオ分析実施を進めていきます。