四半期報告書-第68期第3四半期(平成30年8月1日-平成30年10月31日)

【提出】
2018/12/14 13:04
【資料】
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【項目】
25項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における世界経済といたしましては、米中貿易摩擦による生産活動や消費動向への影響が懸念されるなか、米国経済は雇用環境の改善、個人消費や設備投資の増加により堅調に推移しました。欧州経済は個人消費、企業業績ともに順調に推移しており、中国、インド等の新興国においても総じて緩やかな成長が続きました。
我が国経済におきましては、人手不足や原材料価格の上昇などがあるものの、個人消費や設備投資は堅調に推移し、緩やかな回復傾向が見られました。
当電子部品業界といたしましては、スマートフォン市場は成長が鈍化傾向にありますが、車載関連は堅調に推移しました。海外市場でのICT関連も5G通信を視野に入れて拡大しており、IoT関連、磁気センサ関連、並びに電流センサ関連の需要が引き続き順調に推移いたしました。
この様な市場環境の中で当社グループは、小型フェライトコア並びにコイル・トランス製品を中心とした拡販活動を国内外市場で積極的に展開いたしました。また、海外での製造原価低減と品質改善に取り組み、世界競争に打ち勝つことの出来る高性能で高品質の製品を生産すべく活動を続けてまいりました。
当第3四半期連結累計期間のフェライトコア販売は、国内市場においては太陽光発電関連の需要が大幅に伸び悩み、海外市場においては、中国国内のICT関連は拡大基調で推移しましたが、車載関連は主要顧客の在庫調整により長期低迷が続きました。一方、コイル・トランス販売は半導体製造装置関連を中心に好調を維持しました。その結果、売上高は10億8千9百万円(前年同四半期比2.9%減少)となりました。
損益面では、原価率の低減、並びに経費等の削減に努めましたが、中国の製造工場における人件費の上昇や社会保険料負担の増加、更に一般貿易に伴う輸入原料の税負担の増加等により、6千2百万円の営業損失(前年同四半期は3千2百万円の営業利益)となりました。経常損失は6千万円(前年同四半期は4千万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は5千7百万円(前年同四半期は8千5百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 電子部品材料事業
当第3四半期連結累計期間のフェライトコア販売は、国内市場においては太陽光発電関連の需要が大幅に伸び悩み、海外市場においては、中国国内のICT関連は拡大基調で推移しましたが、車載関連は主要顧客の在庫調整により長期低迷が続きました。一方、コイル・トランス販売は半導体製造装置関連を中心に好調を維持し、売上高は10億3千7百万円(前年同四半期比3.2%減少)となり、セグメント損失は9千8百万円(前年同四半期は0百万円のセグメント損失)となりました。
② 不動産賃貸事業
当事業の売上高は5千1百万円(前年同四半期比3.5%増加)となり、セグメント利益は3千5百万円(前年同四半期比8.3%増加)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて6千7百万円減少し、44億5千7百万円となりました。このうち、流動資産は23億5千万円、固定資産は21億6百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて0百万円増加し、9億5千万円となりました。このうち、流動負債は2億1千9百万円、固定負債は7億3千1百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6千8百万円減少し、35億6百万円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3千万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 重要事象等についての分析、検討内容及び解消、改善するための対応策について
当社グループは、1.「事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に関する注記を開示するまでに至らないものの、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当該重要事象等の解消及び経営基盤の安定化に向け以下記載のとおり取り組んでおります。
・当社グループは、車載、産業機器、IoT、医療機器、省エネ・環境分野を主眼に国内外市場での新規開拓に向け、新たに欧州営業窓口を開設し、積極的な営業活動を展開することで販売拡大を図りながら、海外生産工場の継続的な品質改善や経費削減に向けた取り組みを推進し、利益重視の体制を強化してまいります。
重点課題として以下の3点に取り組みます。
① 車載、産業機器、IoT、医療機器関連の新規受注獲得
② 原価低減に向けた品質改善と省力化、自動化の推進
③ 高信頼性、高効率化を目的とした材質開発の推進
・研究開発においては、フェライトに関しては、新材質開発、既存材質の改良を行い、フェライトコアの最適設
計に採用し市場ニーズに対応した優れた材質を提供しております。また、コイル・トランスは、回路の高密度
化・高集積化に伴い小型・効率化に向け、自社製フェライトとの融合に取り組んでおります。今後の新製品、新技法については、電子機器の小型化・高温度化・高周波化に伴う小型・高性能・広温度範囲対応フェライト
コア、省エネ対応として更なる低損失・高飽和磁束密度・高透磁率フェライトコアの開発・改良等を進めてお
ります。また製造方法におきましても、高級製品対応として、フェライトコアの成型技術・焼成技術・精密加
工技術の高度化、低コストの製品設計、試作期間の短縮等を図り顧客開発スピードに寄与させております。
さらには、車載用コンバータートランス、セキュリティーコイル、センサーコイル、LED照明用電源トラン
ス、医療用電源トランス、産機用センサーコイル、各種SMDトランス開発等、製品領域の拡大に取り組んで
おります。
当社グループといたしましては、当期の利益計画において、連結営業利益の連続黒字化を見込んでおり、今後、利益重視の体制強化により、当該事象又は状況の解消を図ってまいります。以上を遂行することにより、継続企業
の前提に関する重要事象等を解消できるものと考えており、継続企業の前提に関する不確実性は認められないもの
と判断しております。