有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/31 15:05
【資料】
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【項目】
126項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下のとおり社是、経営理念、行動規範、環境方針、品質方針を定めております。
<社是>Enjoy 仕事も楽しみましょう
遊びも楽しみましょう
生活も楽しみましょう
人生も楽しみましょう
物事すべて楽しみましょう
<経営理念>TESECは優れた半導体検査装置を世界中に供給することで社会へ貢献します。
TESECはソリューションを提供する創造業のトップランナーを目指します。
TESECは豊かな発想と強い意志を持つ社員を大切にします。
<行動規範>お客様を第一に考え、誠実に対応しよう。
新しいことに常に挑戦しよう。
自分の職務に誇りと自信を持とう。
法令を遵守し、高い倫理観をもって行動しよう。
信頼され、尊敬される人を目指そう。
<環境方針>当社は、半導体検査装置を製造、販売する企業として、地球環境の保全が人類共通の課題であることを深く認識し、環境との共生を目指して環境安全活動を推進します。1.当社の活動、製品、サービスにおける環境影響要因とその環境負荷を把握し、環境汚染の予防に努め、環境 負荷の低減に向けて継続的改善に努力します。2.当社に適用される環境関連の法律、条例、及びその他の要求事項を順守します。
3.環境目的・目標を設定し、環境負荷の低減、及び環境に配慮した製品開発に取り組みます。
4.環境方針、環境保全推進状況を社員に周知させ、意識向上を図るとともに、社外に公表します。
5.社会で実施、推進される環境保全活動に積極的に参画します。
6.当社の活動、製品、サービスにかかわる環境影響のなか、環境重点テーマとして省エネルギー、省資源、廃
棄物の削減、環境負荷の高い物質の使用量削減を推進します。
<品質方針>「世界中の顧客から信頼される商品とサービスを提供する」1.お客様のニーズを的確に捉え、各種法規則を遵守し、お客様が満足するソリューションを提供し続ける。2.品質マネジメント・システムを構築し、マネジメントレビューをとおして、システムの有効性を継続的に改
善する。
3.この品質方針を実施するために品質目標を設定し、その達成に努める。
(2)経営戦略
当社グループは、半導体の電気的な特性・性能を評価する「テスタ」、様々な形状のデバイスを搬送し、接続されたテスタからの測定データを受け設定されたレベルに応じて自動で分類、収納する「ハンドラ」を主力とする半導体製造工程を支える重要な製品群を有しています。
テスタ・ハンドラの開発設計で長年培った技術のさらなる向上と連携を強化し総合力を最大限に発揮することで、既存事業の拡大および新規事業の創出を図り、持続的な成長を目指します。新規事業の創出に向けては、技術面での社内シナジーの追求およびM&Aや外部協業も視野に、新たな製品開発や事業領域の拡大に取り組みます。
(3)経営環境
データセンター投資の再開、次世代通信規格(5G)の始動、自動車の電動化進展などを背景に、半導体需要の拡大が予想されることから、半導体製造装置市場は、短期的には変動しつつも中長期的には堅調に推移するものと見込まれます。 しかしながら、世界経済は、米中貿易摩擦を背景とした中国経済の減速、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停止、移動制限に伴うサプライチェーンの停滞等による影響等から、世界各国の景気が不透明な状況が継続しております。また、当社が関わる半導体業界においても一時的な設備投資の縮小や延期が続いております。
こうした動きは当社の業績に大きな影響を与えますが、一方で将来の拡大が期待される車載関連や5G、更にはアフターコロナ(ウィズコロナ)に向けたニューノーマル(新常態)への取り組みにおける社会の変化等により、半導体が使用される領域は拡大基調が予想されます。
市場動向を合理的に見通すことは困難ですが、顧客ニーズをタイムリーにとらえ、成長市場を見極めることで、厳しい経営環境においても健全な成長を実現できるよう全社一体で取り組みます。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、2019年12月に創業50周年を迎えることができましたが、半導体市場の中長期的な成長が見込まれるなか、持続的な成長に向けた「収益力の強化」と「成長を支えるインフラ構築」を進めてまいります。このふたつは掛け算で効いてくるものであり、100年企業へ飛躍のステージを迎えることが可能になるものと考えます。
<収益力の強化>当社グループは、パワーデバイスという成長市場に向けた製品ラインナップを有しておりますが、付加価値の高いテスタのポートフォリオを高めることで収益力の強化を図るべく、テスタ売上30億円をミッドタームの通過点に設定し事業規模を拡大してまいります。
現状、テスタ売上の過半を国内顧客が占めていますが、パワー半導体市場は、内製化を進める中国の他、欧米でも成長が見込まれることから、海外顧客との取引水準を引き上げることが一つの施策と考え、中国、欧州をはじめとする各現法・代理店との連携を強化いたします。また、開発中の次世代モデルを早期に完成させることで、IPD、IPM市場への進出も視野に入れます。生産面では供給能力の拡大が必須となりますが、外注先の開拓、人員確保、モデル集約の他、M&Aも選択肢としながら、生産体制を強固なものとしてまいります。
一方、ハンドラ分野はメモリ等の市場動向の影響が大きく、売上の変動が大きくなる傾向があります。このようななか、現状では特定大口顧客への依存度が高いことから、顧客基盤の拡大によるリスク分散が最大の課題となっています。既存の大口顧客との取引を維持しつつ、第2、第3の柱となる戦略顧客への装置導入を拡大してまいります。また、MEMSハンドラを次世代の主力に加える他、市場要求の高い環境試験製品のラインナップを充実させながら、技術力の向上、収益性の安定化を図り、全社業績に継続的に寄与できる体制を構築してまいります。
<成長を支えるインフラ構築>持続的な成長を実現するため、事業活動を支える社内インフラ等についても見直し、前向きな投資を実行してまいります。
設備投資面では、ITによる生産性向上を「成長を支えるインフラ構築」の本丸とします。導入から数十年が経過した基幹システムの入れ替えも視野に、あるべき姿の実現に向けた取り組みを促進してまいります。
人材投資面においても、継続的な教育、採用によりスキル向上・ノウハウ継承を促進するとともに、モチベーションを高める人事制度の構築を進めてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」および「営業利益」を、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と位置付けております。付加価値の高いテスタのポートフォリオを高め事業規模を拡大するとともに、ハンドラ分野の収益安定化を図り、持続的な成長の達成に努めてまいります。