有価証券報告書-第40期(平成30年8月1日-令和1年7月31日)

【提出】
2019/10/18 14:52
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は「企業の永続的な発展を追究し、適正な利益を確保することにより、企業を取巻く利害関係者と共に成
長する企業を目指して、薄膜技術で世界の産業科学に貢献する。」ことを経営理念とし、
①社員の創造性を重視し、常に独創的な薄膜技術を世界の市場に送る。
②直販体制を採用し、ユーザーニーズに対応した製品をタイムリーに提供する。
③事業が社会に果たす役割を積極的に認識し、高い付加価値を目標とし、株主、取引先、役員、従業員に対し、適切な成果の配分をする。
を経営方針に掲げ、事業を展開しております。
(2)目標とする経営指標
当社は中期的にも収益力の高い企業であり続けようと考えております。売上高総利益率50%を確保しながら売上高を拡大していくことにより売上高経常利益率20%台への向上を目指します。売上高の拡大のため、研究開発機市場と生産機市場のそれぞれに対応した製品の拡販に努めるとともに、中期的には海外売上高比率を50%以上に引き上げる方針であります。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
当社は、化合物半導体及び電子部品製造用の製造装置を主力製品とし、研究開発機市場と生産機市場それぞれで事業を展開しております。当社は、「薄膜技術で世界の産業科学に貢献する」という経営理念のもと、研究開発型企業として成長してきた高度な技術力を維持すると同時に、蓄積した技術を生産機市場で活かすことで、事業規模の拡大を図っております。加えて、当社のコアテクノロジーである「薄膜技術」は医療、バイオ、環境といったライフサイエンス及びエネルギー分野に活かすことが可能であり、中期的には当社の新規事業、新分野として成長させることを目指しております。
当社の主たる事業領域である化合物半導体及び電子部品製造装置のマーケットでは、世の中に存在する様々なモノがネットワークと繋がるIoT(モノのインターネット)、自動運転、ロボット、AI(人工知能)等の技術革新の時代が本格的な幕開けを迎えつつあり、関連企業は設備投資に対して前向きな姿勢を示しております。令和元年8月よりスタートさせた中期経営計画において、当社の新たな成長に向けた中長期ビジョンを作成し、以下の課題に取り組んでおります。
①海外販売の拡大
当社の事業を成長軌道に乗せるため、海外販売の拡大を最大の目標に掲げ、将来の成長期待の高い海外への事業展開を積極的に行っております。海外拠点、販売・サービス体制の整備と充実を図り、引き続き海外市場の開拓を図っていく方針であります。台湾、中国、韓国の既存主要顧客との繋がりを維持、強化しながら、北米、欧州、インド等の新たなマーケットの確立により、当面は海外売上高比率50%以上の達成を目指してまいります。
②成膜装置販売の拡大
当社の属する半導体等電子部品製造装置市場は、常に技術開発の競争、顧客ニーズの多様化や高度化、グローバル化が加速しており、継続的な研究開発活動による高付加価値・高機能製品の開発、新製品の市場投入を進めることで、市場での競争力を維持し続けることが命題であります。
近年では、ドライエッチング装置のRIE-200ⅰPNや、洗浄装置のアクアプラズマクリーナーの新製品を開発、販売をしてまいりましたが、今後は既存の製品群の中から、特に成膜装置(CVD装置、ALD装置等)の販売拡大を目的とした施策を行ってまいります。顧客ニーズに合わせた新製品の開発、成膜装置の性能向上による競争力の強化、製品ラインナップの見直し、本社研究開発センターのデモ拠点の整備等の施策を図ってまいります。
③新規事業の立上げ
現在の製品群であるCVD装置、エッチング装置、洗浄装置を新たな事業領域へ展開し、新規事業として業績への寄与を目指しております。具体的には、第38期よりヘルスケア分野へ進出し、医療分野における滅菌装置の開発、及び、医療計測分野におけるヘルスケアチップの加工装置の開発・販売を行っております。
また、新たなマーケット開拓のため、本社研究開発センター、米国オプトフィルムス研究所での研究開発、国内外の大学や各種クラスターとの共同研究の継続により、薄膜事業に関連する新規事業を創出し、年間売上高10億円を目指します。
④更なる成長に向けた人材育成・活用
当社にとって最大の資産は人材であります。既存の人材を強化・育成し、新たに優秀な人材を獲得できるかどうかが当社の企業価値を決定し、成長の大きな原動力となります。今後、海外事業を中心とした成長を実行するにあたり、若手・中堅社員の積極的登用や、シニア層が長く働ける組織づくり、業務効率化と生産性向上のためのシステム導入等に取り組んでまいります。
⑤戦略的な設備投資の実施
当事業年度末時点において、当社の総資産は約110億円と財務基盤は強固であり、その資産を最大限に活かすことで、事業を更に拡大させたいと考えております。資金については、よりグローバルな組織・体制強化のための海外拠点の整備や、研究開発に係る設備投資資金に充当してまいります。一方で、国内外を問わず他社とのアライアンスやM&Aも常に模索しており、急な投資案件にも機動的に対応していく所存であり、成長に向けた積極的な投資活動を実施してまいります。
株主、取引先、従業員等のステークホルダーにとって魅力ある企業を目指し、成長力と収益力の向上を図り、適切な利益配分により企業価値の向上を目指してまいります。