有価証券報告書-第23期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/18 13:39
【資料】
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【項目】
62項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、以下に掲げる「企業理念」を経営の基本方針として、法令遵守はもとより、当社が社会的存在であることを常に意識した活動を推進しております。
企業理念
1.最先端のLSI設計技術を生かし、グラフィックス及びサウンド関連の製品化を事業の核とする革新的な研究開発型半導体メーカーであり、以下の事項を確保していく
(1)高度な専門知識を持つ精鋭頭脳集団であること
(2)独自の新技術、新製品を創造すること
(3)工場を持たないファブレス企業であること
2.企業集団として、株主、従業員、顧客、取引先等全ての利害関係者を配慮したガバナンス体制を確立する
3.法令・定款・規則を遵守し、また、適時、適切な情報開示を行う
4.情報管理に十分配慮した上で、オープンで自由な企業風土を維持し、業容拡大を目指すとともに業容に即した社会貢献を行う
(2)目標とする経営指標
当社は企業価値向上を意識した経営を推進するため、ROEを重要な経営指標として掲げており、「3年平均ROE10%の達成」を事業活動の指標として採用しております。
(3)経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、ファブレス形式のビジネスモデルを採用しながら独自技術の開発や新製品の創造に向けた活動に注力することを企業理念として掲げております。当社ではコア・コンピタンスである研究開発力を存分に発揮し、主たる市場であるパチンコ・パチスロ機市場に向けた製品の高付加価値化及び多様化を進め、同市場での安定的な事業活動を推進していくことが重要であると認識しております。
また、持続的かつ安定的な成長を実現するためには、中長期的な視点で事業の多角化を図り経済環境の変化に強い事業ポートフォリオを構築する必要があると認識しており、自社技術を使用した新たな事業への参入やM&A、アライアンス等も積極的に検討していく必要性も認識しております。さらには、今後の事業規模の拡大や対象市場の多様化を踏まえて、事業規模に即した内部管理体制の整備及び品質保証体制の強化も重要であると考えております。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社では持続的な成長のため、以下の課題に取り組んでまいります。
①事業の多角化に対する取り組みについて
当社の主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場は、市場の縮小傾向に加え、パチンコ・パチスロ機構成部材のリユース(再利用)による需要縮小の影響を受けるなど、厳しい市場環境が続いております。また、今後の市場動向につきましても、長期的には市場の回復は期待されるものの、当面は不透明な状況が続くことが想定されております。このような状況の中、当社が持続的な成長を実現していくためには、同市場に続く第二、第三の事業の柱を早急に立ち上げていくことが最重要課題であると考えております。
現在、同市場以外に向けた取り組みとして、医療機器や産業用機器等の組み込み機器に向けたグラフィックスLSIに加え、ソフトウェアIP、ミドルウェア製品の販売拡大に取り組んでおります。今後も新たな事業領域に向けた製品開発を進めるとともに、新規事業を推進・展開するために組織改正及び子会社設立などの体制整備を進め、新規事業の立ち上げを加速させてまいりたいと考えております。また、新規事業の立ち上げをさらに加速させる観点から、引き続きアライアンスやM&A、事業投資の検討を積極的に進めてまいります。
②パチンコ・パチスロ機市場に対する取り組みについて
パチンコ・パチスロ機市場は厳しい市場環境が続いておりますが、同市場は当社製品をはじめとする電子部品の需要が旺盛な巨大な市場であることに加え、当社において事業化が可能な未参入領域も多く残されており、引き続き当社の重要な市場であると考えております。
同市場に向けましては、引き続き主力製品であるグラフィックスLSIを中核製品とし、システムビジネスへの展開、さらには同市場内における新たな領域への製品開発など製品の多様化を図ってまいります。また、顧客の開発負荷を軽減する開発支援環境の整備向上を図り、顧客とより密着した付加価値の高いソリューションを提供してまいりたいと考えております。このような施策を有機的に展開し、厳しい市場環境においても安定収益の確保と中長期的な成長を実現してまいりたいと考えております。
③知的財産権の取得及び他社の知的財産権の侵害リスクを排斥するための取り組みについて
当社は、開発した各種技術に係る知的財産権の円滑な取得態勢の整備が重要な課題であると認識しております。また、当社の事業規模の拡大に応じて、他社の知的財産権の侵害リスクが高まるとの認識の下、他社の権利を侵害しないための対応整備が重要な課題になると捉えております。以上の課題に対し当社では、社長直轄の知的財産権全般にわたる担当部署を設置するとともに弁理士との緊密な関係構築や知的財産権に関する社内セミナーの開催といった取り組みを継続的に実施しております。今後におきましても、研究開発担当者、知的財産権を統括する部署及び弁理士との連携強化を進め、さらなる実効性の向上に努めてまいりたいと考えております。
④コーポレート・ガバナンスの充実について
当社は、継続的な企業価値向上及び持続可能な成長を実現するためには、コーポレート・ガバナンスの充実が重要であると考えております。
当社では企業理念において「全ての利害関係者を配慮したガバナンス体制を確立する」旨を明記するなど、経営上の重要な指針としてコーポレート・ガバナンスを位置づけております。当社は企業理念に従い全てのステークホルダーに配慮しつつ、当社の業態、事業規模等に見合ったコーポレート・ガバナンス体制を適宜構築していくことが重要な課題であると考えております。
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社はコーポレート・ガバナンスを経営上の重要な課題と位置づけており、企業理念において「全ての利害関係者を配慮したガバナンス体制を確立する」旨を明記するとともに、「株式会社アクセル行動規範」を定め、これを経営上の重要な指針のひとつとして位置づけております。当社ではコーポレート・ガバナンスの充実を図り、企業組織として社会的倫理観をもって事業活動を行うとともに、経営の健全性、透明性、効率性を高めることにより、企業価値の向上と持続可能な成長を目指しております。