有価証券報告書

【提出】
2020/06/26 13:48
【資料】
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注記事項-減損損失、連結財務諸表(IFRS)

15.非金融資産の減損
(1)SpaceJet事業に関連する有形固定資産、無形資産及び使用権資産等の減損
① 減損損失の金額※1
航空・防衛・宇宙セグメントに帰属するSpaceJet事業に関連する有形固定資産、無形資産及び使用権資産等につ
いて、前連結会計年度において、IFRSの規定に従って減損判定を行った結果、回収可能期間が長期に及ぶことにより、資産から見込まれる割引後将来キャッシュ・フローに基づき算定された回収可能価額が当該事業用資産の帳簿価額を下回ったため、58,386百万円※2の減損損失を計上し、また、当連結会計年度において、量産初号機の引き渡し予定時期が2021年度以降となる見通しを2020年2月に公表し、前連結会計年度までに資産認識していたものを含め当該事業用資産を減損することとした結果、176,073百万円の減損損失を計上している。減損損失については、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれている。
なお、航空機用エンジン事業の一部の資産については、事業状況の変化を踏まえ、当連結会計年度からSpaceJet事業に含めて減損判定を行っている。
※1 上記の減損損失の金額はIFRS第16号「リース」の適用後の金額である。
※2 IFRS第16号「リース」の遡及適用によって減損損失が9,657百万円減少している。
② 回収可能価額の算定方法
回収可能価額はIFRSの規定に基づき算出された使用価値により測定しており、前連結会計年度において、当該使用価値は、経営者によって承認されたSpaceJetの事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、現在価値に割り引いて算定した。また、将来キャッシュ・フローの見積期間は、SpaceJetの想定販売期間に基づき2036年度までとしており、税引前割引率については12.9%を使用した。なお、想定販売期間は航空機業界の製品ライフサイクルを基に設定しており、長期に及ぶことは合理的であると判断した。事業計画期間における将来キャッシュ・フローは、リージョナルジェット市場において予測される需要予測・成長率等を基に見積もった。
また、当連結会計年度において、量産初号機の引き渡し予定時期が2021年度以降となる見通しを2020年2月に公表し、当該事業用資産を全額減損した。
SpaceJet事業に係る非金融資産の減損処理額
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
有形固定資産13,6794,032
無形資産44,604117,378
使用権資産1023,128
その他の非流動資産-51,534
合計58,386176,073

(2)その他の減損
(1)の他、当社グループは、一部の事業用資産について、当初想定していた収益性が見込まれなくなったため、帳簿価額を回収可能価額まで減損している。
なお、これらの減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に計上している。
その他の事業に係る非金融資産の減損処理額
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
有形固定資産5,5981,538
無形資産964-
使用権資産1,2131,760
合計7,7763,299

(3)のれんの減損テスト
当社グループは、重要な会計方針に記載のとおり、年に一度定期的に減損テストを行うほか、減損の兆候が表れた場合にはその都度、減損テストを行っている。当社グループののれんの総額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ121,117百万円、124,500百万円である。主なのれん帳簿価額の資金生成単位別内訳は次のとおりである。
主なのれん帳簿価額の資金生成単位別内訳
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2019年3月31日)
当連結会計年度
(2020年3月31日)
物流機器50,38355,370
スチームパワー24,64425,473
GTCC20,65520,113
製鉄機械17,85816,816

回収可能価額は、使用価値に基づき算定している。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しており、のれんの減損テストには資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コストを割引率として用いている。
減損テストに使用した割引率は、前連結会計年度は3.5%~8.0%、当連結会計年度は3.6%~8.0%である。
成長率については、前連結会計年度、当連結会計年度共に0%を適用している。
前連結会計年度、当連結会計年度共に減損損失は計上していない。
なお、前連結会計年度においては、いずれの資金生成単位においても使用価値は帳簿価額を十分に上回っている状況であったが、当連結会計年度においては、物流機器、スチームパワー、製鉄機械について、回収可能価額と帳簿価額との差が減少している。
主要な仮定のうち、適用した成長率を不変すると、次のように割引率が変動した場合に減損損失が生じる可能性がある。
・物流機器:当連結会計年度において、回収可能価額は帳簿価額を25%程度上回っているが、仮に割引率が1.5%上昇した場合には減損損失が発生する可能性がある。
・スチームパワー:当連結会計年度において、回収可能価額は帳簿価額を24%程度上回っているが、仮に割引率が3.0%上昇した場合には減損損失が発生する可能性がある。
・製鉄機械:当連結会計年度において、回収可能価額は帳簿価額を20%程度上回っているが、仮に割引率が1.4%上昇した場合には減損損失が発生する可能性がある。